とある中年男性の転生冒険記

うしのまるやき

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第21話 ほう、指名依頼ですか。どうしてこうなった。

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 テシテシ、今日もマーブルに起こしてもらう。目覚めのときにモフモフがあるのは最高ではないだろうか?

 モフモフに囲まれている方がいいのだろうが、あいにく私はかなりものぐさで、そう何匹も飼えるほどマメではない。できてもあと1、2匹といったところかな。


「おはよう、マーブル。」


「ミャア。」


 いつもの挨拶をしてから、水術で顔を洗う。便利だ。正直年のせいか疲れは完全にとれてはいないが、それも致し方なし。それでもマーブルがいてくれるおかげで、前世よりは疲れはとれている。と、横道にそれたが、さっぱりした後は朝食だ。1階に降りてメルちゃんに挨拶して食事を2人分受け取り部屋に戻る。


 今日はタンバラの街を散策しようかと。ある程度街の様子は知っておきたいし、防具屋へ行きたい。そろそろバーニィをとってつけたようなものではなく、籠手のようにしっかりとしておきたいが、どのくらいかかるのか見当も付かないしお金も心許ない。とはいえ商売するほどの才能があるとは思えないし元手があるわけではない。で、結局今日もクエストをこなそうと思う。お金大事。それと、この地域の魔物の領域や美味しい採集物なども、もう少し把握しておきたい。というわけで、今日もクエストをこなします。もう一度言います、お金大事。


 食事を済ませて食器を返しに1階に戻ると、メルちゃんが待っていた。


「アイスさん、1つお願いがあるのですが。」


「お願いですか? マーブルを譲れ、というのは無理ですよ。」


「いえ、それは無いことも無いですが、違うお願いですよ。」


 少しはあるんかい。まあ、その件でこじれたりしたら、この街を出て行けばいいだけのこと。別段愛着があるわけではないので。


「私でできることであれば。とはいえこの街に来たばかりですし、無理なものは無理ですよ。で、お願いとはなんでしょうか?」


「お願いとはですね、急ぎではないんですけど、スガープラントという植物を採ってきて欲しいのです。」


「ほう、植物の採集依頼ですか。なぜ私に? ギルドに依頼すれば事足りるかと。」


「えーっと、いつもは冒険者ギルドに依頼を出していたのですが、最近はなかなか手に入らないらしくて、昨日ギルドに依頼を出しに行ったらですね、冒険者さん達がアイスさんの話をしておりまして、何でも登録したばかりのGランクがもの凄い量の薬草を採ってきたとかで。しかも猫を肩に乗せたおじさんということだったので、すぐにアイスさんだとわかりましたよ。」


 ありゃ、話題に上ってたのか。初めてだからどのくらいの量卸せばいいのかわからなかったしなあ。


「しかも、全部が薬草で、薬草もどきが全く無かったとかで。ほとんどの場合は、半分近く薬草もどきが混ざるのですが、アイスさんの場合はそれがなかったと。結構な騒ぎになってましたよ。気づきませんでしたか?」


「ありゃ、あの騒ぎはマーブルだけでは無く私に対してもあったのですね。なるほど、話しはわかりました。とはいえ、私はこの街に来たばかりでこの地域はよくわかっていないのですが。」


「そういうと思いまして、ギルドで指名依頼出しておきました。本来はGランクに指名することはないのですが、事情が事情なのでギルドも承認してくれました。ですので、詳しい話しはギルドで聞いてください。」


「なるほど、わかりました。ところで、そのスガープラントという植物はどういったものですか? ここでの依頼ですから、食べ物関係だというのは何となくわかりますが。」


「スガープラントは名前のとおりその植物からスガーが採れます。スガープラントの根っこは絞り出すと甘い液体が出てきます。葉っぱの部分は干して使うといい香りがするのでスープに入れたりします。」


 ほう、甘みですか。ん? 待てよ、スガー、スガー、、、って、シュガーじゃねえか。で、絞り出すということは、サトウキビか甜菜といったところかな。葉っぱの部分ということは甜菜に近いかな。ちなみに甜菜は砂糖大根とも言われるものです。画像では見たことあっても実物は見たこと無いけどな。とはいえ、ここは異世界、地球とは違うのだよ地球とは。そのスガープラントが気になる。


「わかりました。個人的にも興味がありますので承ります。ところで、そのスガープラントってどんな形をしているのですか? できたら実物を見ておきたいので。」


「わかりました。持ってきますので、少しお待ちくださいね。」


 メルちゃんが持ってきたのは大きな蕪みたいなものだった。でけぇ、としか言いようのない大きさだ。どのくらいかというと、前世で見たことのある話で「ウラー!!」というかけ声で有名なあの国の昔話のやつだ。そう、育てた蕪が大きくなりすぎてなかなか抜けなくて引っ張る人が増えていって、最後に犬や猫なども参戦したやつだ。


「で、でかいですね。これを採ってこいと?」


「はい、できればでいいのですが、お願いできますか? 急ぎではないのですが、残りも少なくなってきましたので。」


 あれだけ大きければ、私じゃ無くてもいいのでは? と少しは思いましたが、普通に考えたら重くて誰もやりたがらないよね、あれじゃあ。まあ、私にはソリもあるし問題は無さそうですね。


「ところで、いくつ採ってくればよろしいので? たくさんですと、保存に問題があるかもしれませんし。」


「できれば3つお願いしたいのですが、それ以上でもいいのですか? 保存に関しては庭に埋めておけば大丈夫ですので。」


「なるほど、ある程度重いのは大丈夫です。ソリもありますし。」


「ありがとうございます。では、お願いしますね。」


 宿を出て冒険者ギルドに向かう。落ち着いて周りを見てみると、結構注目されている。ほとんどはマーブルに向けられている。可愛いから当然だ。一部私の方にも視線があったが、これはオッサンが猫を乗せてソリを引いている光景が異様だからだろう。


 ギルドに入ると、相変わらず多くの人がいた。クエスト窓口に並ぶ。やはりマーブルに触りたい冒険者が結構いたが、昨日ほど多くは無かった。聞くと話し合いで、昨日触った冒険者は今日は我慢してもらうことで話がついていたようだ。今日、ここに来なかったらどうなっていたのだろうか。私の番になった。


「おはようございますアイスさん、クエストの受注でしたら、ギルドカードを提出してください。」


「おはようございます、エリルさん。では、こちらが私のカードです。」


「ありがとうございます、常駐型のクエストを受付しました。あら? アイスさんに指名依頼が入っていますね。指名依頼の内容ですが、詳しくは手続き窓口にいるニーナさんのところに行ってください。」


「わかりました。」


 指名依頼はこっちじゃなかったのか。まあ常駐型クエストも受けるつもりだったからいいか。ニーナさんのところに向かう。昨日の今日とはいえ、覚えていないだろうな。


「おはようございます。あら、アイスさん、指名依頼の件ですか?」


「おはようございます、ニーナさん。はい、指名依頼の件です。」


「準備しますのでお待ちくださいね。」


 一応覚えていたんだねぇ。まあ、私、というよりもマーブルが目印だったのだろうけど。などと考えていると、ニーナさんが席を離れて何か書類の束があるところに向かった。束の内容をそれぞれ確認し、その1つを取り出すとすぐにこちらに来た。早い。私の世界で仕事させてもかなり有能なんじゃなかろうか、その前に周りが黙っていないだろうな、あれだけ見た目がいいと。


「お待たせしました。指名依頼ですが、ホーク亭から出ていますね。依頼内容はスガープラントの採集で、3本以上となります。報酬ですが、3本で金貨1枚だそうです。状態によって金額が変わりますがよろしいですか?」


「わかりました、受領します。ところで、スガープラントは基本どの当たりに生えているのですか?」


「以前はタンバラの南に多く生えていたのですが、最近はほとんど見かけなくなりました。他にはタンバラの西にある森のこの辺りにあるという報告を受けております。ただ、西の森は魔の大森林と呼ばれているところで、かなり危険な場所ですのでオススメはできませんが。あと、スガープラントはかなり大きいので、ギルドの裏口に届けてから報告お願いします。」


「ああ、そこでしたら何とかなりそうですね。情報ありがとうございます。ところで、指名依頼と常駐依頼は同時に達成できますか?」


「問題ありません。むしろガンガンやっちゃってください。」


「そうですか、ありがとうございます。では、行って参ります。」


 ギルドを出ていつもの門を通る。今日はモウキさんとは別の人だった。ギルドカードを見せて門を出る。西に向かい魔の大森林に入る。今日は落ち着いて探索できるな。以前はここを離れることを優先させたからこの辺をじっくり探索する余裕無かったし。大森林とはいえこの辺りは特にめぼしいものは見つからなかった。もう少し奥を探索する必要があるな。


 流石に少し奥に入っていくと人の入った形跡は見られなくなった。人の跡がないということは、素材がたくさんあるということだ。薬草や雪見草もたくさん生えていたので、少しもらっていく。ニーナさんの話では、そろそろ大きな蕪、じゃなかった、スガープラントの目撃情報の場所のはず。スガープラントを中心に水術で探索をかけてみるとそこかしこに反応があった。反応のあった場所に向かうと、そこにはホーク亭で見た葉の部分が見つかった。しかもホーク亭で見たものよりでかい。依頼では最低3つとあったので、とりあえずバーニィを使って周辺に穴を掘り3つは確保できた。形的にもあの話のような形だった。周りを確認すると、数えるのが嫌になるほどたくさんあったので、範囲をかなり絞って確認してもざっと50位はあった。とりあえず依頼用に10個ほどは普通に掘ってソリに入れておいた。あまりにもあっけなかったので、折角だから昔話よろしく引っこ抜いてみようと思い、葉の部分を握る。葉というか茎は結構しっかりしていて力も入りやすい。これは引っこ抜くべきだと思い力を込めて引っ張るが、蕪、じゃなかった、スガープラントはびくともしなかった。


 スガープラントを引っ張るのに夢中になっていると、マーブルが何かを感じたらしくテシテシと叩いてきた。こちらも水術で探索をかけてみると、魔物っぽい気配がしたが、何か変だ。数が結構多いのもそうだが、種類も結構多い。一番変だと感じたのは、どれも敵意や殺意がまったく感じられないことだった。魔物同士でいがみ合っている感じでもなかった。こちらに害意を向けられてなければいいやと思い、注意を配りつつも引っ張る作業に戻ることにした。


 どれだけ引っ張ってもスガープラントは動かないのだが、周辺の魔物達は徐々にこちらに近づいてくる。こちらに不意打ちをかけるべく近づいてきている感じでは無く、むしろ好奇心を持って近づいてきているような感じだった。最初に視界に入ってきたのは2体のオークだった。こちらと目が合っても特に武器を構えるでも無い。というより、武器自体を持っていなかった。戦闘にならなそうなので、引っ張り作業を再開すると、オーク達は近づいてきて何か話している。話からすると興味を持っていそうだったので、アマさんの加護からオーク語のスキルを引っ張り出して話しかける。


「もしよかったら、手伝ってくれませんか?」


 オーク達はぎょっとしてこちらを見て、様子を窺いながら返事をしてくる。


「えー? あんた、ウチらの言葉がわかるのー? チョーびっくりなんですけどぉ。」


 こちらとしては、そっちの言葉遣いの方がびっくりなんですけど。なぜオークなのにギャル語?


「何となくですけどね。もし暇でしたら手伝ってもらえませんか?」


 いろいろと遣り取りがあったが、結局手伝ってくれることになった。心強い援軍を得たので、引っ張るのを再開した。しかし3人で引っ張っても、依然としてスガープラントはびくともしなかった。


「なにこれ? 全然動かないんですけどぉ? いい加減チョー疲れたしぃ?」


 だから、その外見でその言葉止めてくれ。と思いながら引っ張っていると、次はオークよりも2周り大きな存在が近づいてきた。軽く鑑定するとオーガだった。そのオーガもこちらに敵意を見せておらずオーク達と同じように好奇心を持って近づいてきている。そんなこんなで、このオーガにも手伝ってもらうことにした。


 私とオーク2体とオーガ1体の4人体制で引っ張る。すると今までびくともしなかったスガープラントが少し動き出した。


「おお。」


「動いた-。」


 喜びも束の間、少し動きはしたが、一向に抜けそうも無い。しばらくすると、今度は角の無いウサギたちが近づいてくる。特に警戒するでもなくこちらに敵意を向けるでも無く近づいてきたので、折角だから手伝ってもらうことにした。とはいえ、茎は持てないので、近くにあった蔓を私の体とウサギの体にそれぞれ縛って私を引っ張る感じで再開した。すると、少し動き出した。


 少し動き出したので、さらに引っ張っていったが少し抜けたかと思ったが、これ以上は動かなかった。そうこうしていると、今度は今手伝っているオーガの仲間であろう者達が数名やってきて、これも手伝うことになった。これでいけるかな、と思ったが、少し動いただけでやはり動かなかった。


 ここまでくると、何が何でも引っこ抜いてやる、という気持ちと種族関係なく協力して作業するというのが楽しいという気持ちがわいてきて、俄然やる気になっていった。一緒に引っ張っているメンバーも同じではないだろうか。少し休憩して周りにある木の実などを採取してみんなに渡す。喜んでくれたようだ。


 さらに再開してみんなで引っ張っていると、徐々にスガープラントが動いてきて、それを励みに頑張って引っ張っていると、ついにスガープラントが姿を現した。


「おお、抜けたー。」


「チョー嬉しいんですけどぉ。」


「やったーーーー。」


 みんなで引っこ抜いたスガープラントを水術で洗って、マーブルが風魔法で切り裂いてみんなで分ける。一労働したあとの甘いものは格別だった。オークもオーガもウサギもみんな嬉しそうだった。


 折角と言うことで、みんなで一緒に何本かスガープラントを引っこ抜き、何やらお互いの健闘をたたえ合った後、一緒に抜いた分を分け合ったところで解散した。こういうのもなかなかいいものだと思いながらタンバラの街に戻ることにした。途中でゴブリン達の群れに遭遇したが、疲れていたのでマーブルに遠距離から仕留めてもらい戦利品の耳を確保して、残りは穴に埋めておいた。


 スガープラントを引っこ抜くのに夢中だったせいか、タンバラの街に着いたのは門が閉まる寸前だった。
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