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第21話「魔法のアイテム」
魔法のアイテム(5)
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「そぉ? お昼何にしよっかな。そうだ、鮭と野菜をバターでソテーしよ。いい?」
コクコク頷く有夏。
再びゲームを始めるも、バターの良い香りにキッチンへとにじり寄るのはいつもの構図か。
フライパンの中ではタマネギ、ニンジン、ピーマン、シメジと共にソテーされた大振りの鮭の切り身がこんがりと美味しそうな焼き色を付けている。
それをひっくり返しながら、幾ヶ瀬は休日を噛み締めている様子。
「同じ料理でも有夏に食べさせるんだと思ったら作り甲斐もあるよね」
「は?」
側にいる有夏は返事に窮した様子だが、幾ヶ瀬は辛かった先月の心情を語り始めた。
「15連勤だよ。もう疲れてさ。くたびれて。とにかく有夏のこと考えてキッチンの仕事をやり過ごしてたんだよ」
「はぁ?」
「ここ2週間はさ、例の中世ヨーロッパの男娼館の妄想が止まらなくて……」
「それは……有夏のこと考えてるわけでもねぇだろうが」
性懲りもなくまたアレかよと有夏は顔をしかめてみせる。
レストランの客も、そんな妄想と共に作られた料理を口にするとは少々気の毒な……。
だが、有夏の複雑な表情を気にする風もなく、幾ヶ瀬は続けた。
「ま、色々あって関係が深まってさ。いよいよイクセさんがアリカを身請けすることになって……身請けっていうのかな、イタリアでも?」
「知らんわ」
「まぁいいか。でね、アリカを身請けしようって展開になるんだけど、アリカが断るんだよ。いらないって言って。なかなか理由を言わないんだけど、まぁまぁ色々あってからようやく聞き出せたら……これが切ないんだよ、有夏」
「だから知らねぇわ。てか、『色々あって』多いな!」
コクコク頷く有夏。
再びゲームを始めるも、バターの良い香りにキッチンへとにじり寄るのはいつもの構図か。
フライパンの中ではタマネギ、ニンジン、ピーマン、シメジと共にソテーされた大振りの鮭の切り身がこんがりと美味しそうな焼き色を付けている。
それをひっくり返しながら、幾ヶ瀬は休日を噛み締めている様子。
「同じ料理でも有夏に食べさせるんだと思ったら作り甲斐もあるよね」
「は?」
側にいる有夏は返事に窮した様子だが、幾ヶ瀬は辛かった先月の心情を語り始めた。
「15連勤だよ。もう疲れてさ。くたびれて。とにかく有夏のこと考えてキッチンの仕事をやり過ごしてたんだよ」
「はぁ?」
「ここ2週間はさ、例の中世ヨーロッパの男娼館の妄想が止まらなくて……」
「それは……有夏のこと考えてるわけでもねぇだろうが」
性懲りもなくまたアレかよと有夏は顔をしかめてみせる。
レストランの客も、そんな妄想と共に作られた料理を口にするとは少々気の毒な……。
だが、有夏の複雑な表情を気にする風もなく、幾ヶ瀬は続けた。
「ま、色々あって関係が深まってさ。いよいよイクセさんがアリカを身請けすることになって……身請けっていうのかな、イタリアでも?」
「知らんわ」
「まぁいいか。でね、アリカを身請けしようって展開になるんだけど、アリカが断るんだよ。いらないって言って。なかなか理由を言わないんだけど、まぁまぁ色々あってからようやく聞き出せたら……これが切ないんだよ、有夏」
「だから知らねぇわ。てか、『色々あって』多いな!」
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