そしてまた、僕は君と付き合う

捌素人

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3章 天国からの地獄ルート、罪深ルート、現実は非情ルート

4話 天国からの地獄ルート 4

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時間にして、どのくらい経ったのだろうか?少なくとも五分はハグしていただろう。今はハグはしていない。僕は、キッチンに居るのだ。あれ以上は危険だと思ったため、名残惜しくも彼女から離れた。そこで、僕は飲み物を準備すると言い、逃げたのだ。分かってるさ。相当なチキンと言うことは。でも、あれ以上は僕では無理だよ。耐えられない。
「凱君、早くー」
「分かったよ」
くっ。なんて可愛い声を出すんだ……。理性が削れていくのが分かるぞ…………。
「はい。オレンジジュースで良かった?」
「うん。結構好きだよ。オレンジジュース」
「良かったぁ」
彼女は、小さな手で、コップを両手で包むように持ってちょびちょび飲んでいた。ずっと見ていては不審がられるため、僕も自分のコップに口を着ける。
「やっぱり、冷えてるオレンジジュースは最高だね」
「ふふっ。そうだね」
「なんで、笑うのさぁ」
「凱君って子供っぽいなぁ、って思っただけだよ」
「えぇ。そうかなぁ」
「そうだよ」
こんな会話をしていると、あの緊張感は少しずつ緩和していく。
本当にただのお家デートだよ。こんなに落ち着いて過ごしたのは久し振りだなぁ。
「凱君、キスして」
「………へっ?」
な、なんて………言いました?
「キスしようよ、凱君」
「な、なんで?」
「………不安なの」
「不安?」
何がだろうか?僕で解決できる程度ならば、協力してあげたいところだけど……。
「実は桜坂さんって言う人から急に連絡が来たの」
「さ、桜坂ぁ!?!?」
さ、桜坂って…………
「名前は、もしかして茉柚華(まゆか)?」
「そう。知り合い?」
「し、知り合いと言うか………」
桜坂は、僕があの中学校に行った理由の元凶と言える。まあ、そのお陰で美紗に逢えたのだ。気にしない………というのは無理な話だけど、そこまで深く考えないようにしてるから、今は辛くない。美紗も居るしね。けど、まさか美紗から桜坂という苗字が出てくるとは………。予想外すぎる。もし、コップを持っていたら、オレンジジュースをこぼしていただろう。そのレベルの驚きだよ。カーペットだから、こぼしたくない。
「その人が、凱君とお話しをしたいんだって。小学生の時の事で………」
「…………そっか」
美紗は、僕の小学生のときの事情を知っている。まあ、大雑把にしか、言ってないけれど………それでも、多少は知ってるためか、そこまで強く出ることはなかった。いつもなら美紗は僕のことを結構好きらしいから、女子が絡むと暴走する。
「ありがと。昔のことにケリを付けて来るよ」
「頑張ってね。はい、スマホ」
「ありがと」
「その後で、キスしようね」
「勿論さ」
僕のいちゃラブを妨害しようなんて、よくも考えたね。サクッと終わらせて美紗とのファーストキスを…………。今はそこまで考えなくて良いか。

~~~~~~~~~~~~~~~

あまり進展が無い気が………。まぁ、次回は丸々使いますよ。いつもよりもオチへの展開が長かったのは認めます。次回、凱君が地獄に落ちます!作者の腕がなりますねぇ!けど、期待はしないでもらいたいです。初心者なので………。
面白いと思っていただけたらこれからもよろしくお願いします。
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