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【楽視点】きみを好きだと気づくまで1
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※楽視点、本編補完SSです。
宮村楽は、小さい頃からとにかくモテた。
幼稚園の頃は、楽の隣に座りたいと女の子がケンカをするからと、座らされるのはいつも誕生日席だった。おやつもお弁当も隣には誰もいない状態で食べた。
小学生になると、両隣の席はいつも男子限定にされた。話が出来るいいやつもいたけれど、ほとんどの男子は、楽といると女子から睨まれて怖い、と離れていった。高学年になると、バレンタインデーに楽の机の上がチョコで溢れるので見かねた学校側がチョコの持ち込みを禁止した。
小6の時、友達の姉に初キスを奪われたのは、今でも楽のトラウマだった。
中学になると、もっと酷かった。女の子と話しただけで、付き合っていると噂され、楽を取り合って女の子がケンカをする姿を何度も見せられた。
俺の彼女を盗るな、と先輩に殴られたのは二年の時だった。
三年の時、教育実習に来ていた女子大生に放課後呼び出され、訳も分からないまま初体験を奪われた。
楽はまだ、誰も好きになったことはなかったのに、周りがどんどん自分を大人にしてしまう、それが怖くて、もう我慢が出来なかった。
みんな欲しいのは、自分の容姿だけで、心なんか要らないのだ。
だったら周りが望むように受け入れたらきっとラクになれるはずだ。出会いも別れも拒まない。流れに身を任せて過ごせばいい。
周りが望む宮村楽でいればいいのだ。
高校合格を機に、楽はそう考えるようになった。
「楽ぅ、なんか機嫌悪い?」
その日の昼休み、普段から使われない第二美術室の片隅で、楽はさっき言い寄って来た女子生徒を膝に乗せていた。
二人きりでいちゃいちゃしようよ、と言われれば断らない。こんな生活を二年半続けていれば、高校内で『遊び人』と言われても仕方なかった。
実際、こうして甘えられても体を許されても、好きになることはなかったから遊びなのだろう。
「別に。昨日ちょっと親とケンカしただけ」
楽はそう言いながら彼女の背中に腕を廻した。
楽はこれまで、卒業後の進路をフリーターにしていた。まだちゃんと働きたくはないし、かといって受験もしたくないし、できれば家を出て自由になりたい。
これまで放任だったくせに、高三の夏の終わりというこんなギリギリになってから、父親は大学くらい行け、と言い出した。大学に行かないのなら一人暮らしはさせないと言われ、反発して父親と怒鳴り合った。
「今まで仕事ばっかりで何も言わなかったくせに……」
彼女の嬌声を聞きながら、楽がぽつりと呟く。
楽の両親は歯科医と歯科衛生士だ。忙しいのは分かっている。だから楽も二人の手を煩わせないようにしてきたつもりだ。進路も特に相談もしなかったし、両親からも聞かれなかった。これまで同様、自分の思うままに進めばいいということだろうと思っていたのに、ここに来て、いきなりの横槍は腹が立ったし納得がいかなかった。
「嫌な事なら、忘れさせてあげるよ? 触ってもいいよ?」
そう言いながらシャツのボタンを開け始めた様子を見て、楽は自分の気持ちがどんどん冷めていっていることを感じていた。
女の子が嫌いなわけじゃないし、気持ちいいことも嫌いじゃない。
ただ、今は虚しかった。
「大丈夫。降りて?」
楽はそう言うと、彼女の腰を持ち上げた。膝から下ろして制服の乱れを直す。それを不満げな顔で見ていた彼女が、どうしたの、と口を開いた。
「機嫌悪いだけじゃない感じ」
仕方なく彼女も制服のボタンを留め始める。楽はそれを横目にブレザーをはおり、立ち上がった。
「どうもしないけど……飽きたのかも」
楽はそれだけ言うと教室を後にした。教室のドアを閉めてから、言葉が足りなかったと気付く。
別に彼女に飽きたわけではない。ただこういう遊びにきっと飽きてきたのだろう。
初めは楽しかった。自分の周りに人が居て、何もしなくても好かれるし、なんでもしてくれる。体の関係はその延長だ。
楽にとってはどうでもいいこの行為も、女の子にとっては大事なものかもしれない。
今更戻って謝ってもどうしようもないだろう。楽は、心の中で、ごめん、と謝り、自分の教室へと戻った。
その日、家に帰ると、珍しく父親が家に居た。まだ八時過ぎだ、クリニックも開いている時間だった。
「楽、そこに座りなさい」
帰ったばかりの楽に、リビングのソファで待っていた父が静かに言う。
「ここで聞く」
楽は指さされた椅子に座ることなく、立ったまま父に対峙した。
「……昨日の話、あれから母さんと話した。楽はこの家を出たいのか?」
そう聞かれ、楽は頷いた。
小学生の頃は夕方まで学童に預けられ、作り置きされた夕飯を一人で食べた。中学からは食卓に用意されているのはレトルト食品で、高校になってからは現金だった。
なのに両親が帰る午後九時までに家に居ないと怒られた。成績が悪いと父の機嫌は悪くなり、母の小言は増えた。
自由なようで何も自由ではない。
無駄に広い家は帰るといつも暗くて、寒かった。こんな家にいつまでも居たいとは思えない。同じ独りなら、狭い方がいい。自分以外入れないから一人なのだと思えるから、その方が寂しくない。
「楽に一人で暮らす能力があるように思えない。しかもフリーターって……何も考えてないんだろう」
「……俺はこの家を出たい」
「だから、それが考えてないと言ってるんだ」
大きなため息を吐かれ、楽が唇を噛み締める。
「じゃあ……どうすればいい?」
どうすればこの家を出して貰えるのか。自由になれるのか。
楽はまっすぐ父の目を見つめた。父は少し考えてから口を開いた。
「四年制大学を受けなさい。合格したら、この家を出てもいい」
生活できるかは別だが、と言いながら父は立ち上がった。
「仕事に戻る」
父はそれだけ言うと楽とすれ違い、家を出ていった。
「……やってやる……」
父は絶対に自分が合格すると思っていない。だからこそのこの条件なのだろう。高校の成績は決して良くはない。これまでどうでもいいと思っていたから、適当に過ごして来た。父はそれを知っている。
つまり、この家を出すつもりはない。
けれどこの時の楽はかすかな光が見えたような気がして、握った拳にぐっと力を入れていた。
「え? 楽、勉強してるの?」
昼休みのチャイムが鳴る教室の一角、楽の机の周りにはいつものように女の子が集まってくる。何人かで昼を食べ、その中の一人と残りの休み時間を過ごすのが、楽の日常だった。けれど、この取り決めだって楽が決めたわけじゃない。彼女たちが勝手に決めたものだ。
「俺だって受験生だからな」
「え? 楽、フリーターになって適当に生きるとか言ってなかった?」
楽の机の周りに椅子を寄せながら一人が聞く。まだ一緒に昼を食べるとも答えていないのに、あっという間にハーレムが出来上がっていた。
「なあ、お前ら、現国のノート、ちゃんと取ってる?」
楽がノートから顔を上げて聞くと、周りに集まった女の子は一斉に視線を逸らす。
「……だよな。取ってるわけないよな。じゃあ、取ってそうなヤツ、知らねえ?」
ため息を吐いてから、楽が気持ちを切り替えて聞くと、その内の一人が教室内を見回した。
「……澤下くんなら、取ってるんじゃないかな? 成績いいし、真面目だし、優しいから見せてくれると思う」
「澤下?」
ほら、あっちに居る子、と女の子が指さした方に視線を向ける。
真面目そうな眼鏡と暗い色の黒髪、きっちりと正しく着た制服の男は、なんだか少し楽の苦手なタイプだった。
「そう、澤下壱月くん。澤下くん、優しいよね。この間も日直の仕事引き受けてくれて。顔も可愛いし、弟にしたいタイプ」
「わかるー。わたしもこの間、掃除当番サボらせてくれたよ」
そんな彼女たちの会話を聞きながら、楽はじっとその男を見つめていた。
ようやくさっきの授業のノートをまとめ終えたのだろう。顔を上げ、眼鏡を外してからぐっと両手を上げて体を伸ばしている。
「あ」
その顔を見て思い出した。この顔は一度見たことがある。始業式の日に廊下を転がっていた奴だ。
あまりに可笑しくて、からかうつもりで手を差し伸べた。けれど、その顔が可愛くて、更に真っ赤になって目も潤んでいくものだから、笑うことが出来なかったのだ。
そして素直に可愛いと口にしてしまった。あんなことは初めてで、今でも覚えている。あいつは誰だったんだろうと時々思い出すこともあったが、まさか同じクラスに居るとは思ってなかった。
楽は今まで感じたことのない胸の高鳴りを感じていた。
ドキドキというかワクワクというか、ソワソワというか。
どの表現も合っているようで、でも微妙に違う。ただ思うのは、彼に近づきたい、ということだった。
「俺、ちょっと聞いてくる」
楽は立ち上がると、眼鏡を掛け直したその横顔を真っすぐ見つめ、近づいた。
宮村楽は、小さい頃からとにかくモテた。
幼稚園の頃は、楽の隣に座りたいと女の子がケンカをするからと、座らされるのはいつも誕生日席だった。おやつもお弁当も隣には誰もいない状態で食べた。
小学生になると、両隣の席はいつも男子限定にされた。話が出来るいいやつもいたけれど、ほとんどの男子は、楽といると女子から睨まれて怖い、と離れていった。高学年になると、バレンタインデーに楽の机の上がチョコで溢れるので見かねた学校側がチョコの持ち込みを禁止した。
小6の時、友達の姉に初キスを奪われたのは、今でも楽のトラウマだった。
中学になると、もっと酷かった。女の子と話しただけで、付き合っていると噂され、楽を取り合って女の子がケンカをする姿を何度も見せられた。
俺の彼女を盗るな、と先輩に殴られたのは二年の時だった。
三年の時、教育実習に来ていた女子大生に放課後呼び出され、訳も分からないまま初体験を奪われた。
楽はまだ、誰も好きになったことはなかったのに、周りがどんどん自分を大人にしてしまう、それが怖くて、もう我慢が出来なかった。
みんな欲しいのは、自分の容姿だけで、心なんか要らないのだ。
だったら周りが望むように受け入れたらきっとラクになれるはずだ。出会いも別れも拒まない。流れに身を任せて過ごせばいい。
周りが望む宮村楽でいればいいのだ。
高校合格を機に、楽はそう考えるようになった。
「楽ぅ、なんか機嫌悪い?」
その日の昼休み、普段から使われない第二美術室の片隅で、楽はさっき言い寄って来た女子生徒を膝に乗せていた。
二人きりでいちゃいちゃしようよ、と言われれば断らない。こんな生活を二年半続けていれば、高校内で『遊び人』と言われても仕方なかった。
実際、こうして甘えられても体を許されても、好きになることはなかったから遊びなのだろう。
「別に。昨日ちょっと親とケンカしただけ」
楽はそう言いながら彼女の背中に腕を廻した。
楽はこれまで、卒業後の進路をフリーターにしていた。まだちゃんと働きたくはないし、かといって受験もしたくないし、できれば家を出て自由になりたい。
これまで放任だったくせに、高三の夏の終わりというこんなギリギリになってから、父親は大学くらい行け、と言い出した。大学に行かないのなら一人暮らしはさせないと言われ、反発して父親と怒鳴り合った。
「今まで仕事ばっかりで何も言わなかったくせに……」
彼女の嬌声を聞きながら、楽がぽつりと呟く。
楽の両親は歯科医と歯科衛生士だ。忙しいのは分かっている。だから楽も二人の手を煩わせないようにしてきたつもりだ。進路も特に相談もしなかったし、両親からも聞かれなかった。これまで同様、自分の思うままに進めばいいということだろうと思っていたのに、ここに来て、いきなりの横槍は腹が立ったし納得がいかなかった。
「嫌な事なら、忘れさせてあげるよ? 触ってもいいよ?」
そう言いながらシャツのボタンを開け始めた様子を見て、楽は自分の気持ちがどんどん冷めていっていることを感じていた。
女の子が嫌いなわけじゃないし、気持ちいいことも嫌いじゃない。
ただ、今は虚しかった。
「大丈夫。降りて?」
楽はそう言うと、彼女の腰を持ち上げた。膝から下ろして制服の乱れを直す。それを不満げな顔で見ていた彼女が、どうしたの、と口を開いた。
「機嫌悪いだけじゃない感じ」
仕方なく彼女も制服のボタンを留め始める。楽はそれを横目にブレザーをはおり、立ち上がった。
「どうもしないけど……飽きたのかも」
楽はそれだけ言うと教室を後にした。教室のドアを閉めてから、言葉が足りなかったと気付く。
別に彼女に飽きたわけではない。ただこういう遊びにきっと飽きてきたのだろう。
初めは楽しかった。自分の周りに人が居て、何もしなくても好かれるし、なんでもしてくれる。体の関係はその延長だ。
楽にとってはどうでもいいこの行為も、女の子にとっては大事なものかもしれない。
今更戻って謝ってもどうしようもないだろう。楽は、心の中で、ごめん、と謝り、自分の教室へと戻った。
その日、家に帰ると、珍しく父親が家に居た。まだ八時過ぎだ、クリニックも開いている時間だった。
「楽、そこに座りなさい」
帰ったばかりの楽に、リビングのソファで待っていた父が静かに言う。
「ここで聞く」
楽は指さされた椅子に座ることなく、立ったまま父に対峙した。
「……昨日の話、あれから母さんと話した。楽はこの家を出たいのか?」
そう聞かれ、楽は頷いた。
小学生の頃は夕方まで学童に預けられ、作り置きされた夕飯を一人で食べた。中学からは食卓に用意されているのはレトルト食品で、高校になってからは現金だった。
なのに両親が帰る午後九時までに家に居ないと怒られた。成績が悪いと父の機嫌は悪くなり、母の小言は増えた。
自由なようで何も自由ではない。
無駄に広い家は帰るといつも暗くて、寒かった。こんな家にいつまでも居たいとは思えない。同じ独りなら、狭い方がいい。自分以外入れないから一人なのだと思えるから、その方が寂しくない。
「楽に一人で暮らす能力があるように思えない。しかもフリーターって……何も考えてないんだろう」
「……俺はこの家を出たい」
「だから、それが考えてないと言ってるんだ」
大きなため息を吐かれ、楽が唇を噛み締める。
「じゃあ……どうすればいい?」
どうすればこの家を出して貰えるのか。自由になれるのか。
楽はまっすぐ父の目を見つめた。父は少し考えてから口を開いた。
「四年制大学を受けなさい。合格したら、この家を出てもいい」
生活できるかは別だが、と言いながら父は立ち上がった。
「仕事に戻る」
父はそれだけ言うと楽とすれ違い、家を出ていった。
「……やってやる……」
父は絶対に自分が合格すると思っていない。だからこそのこの条件なのだろう。高校の成績は決して良くはない。これまでどうでもいいと思っていたから、適当に過ごして来た。父はそれを知っている。
つまり、この家を出すつもりはない。
けれどこの時の楽はかすかな光が見えたような気がして、握った拳にぐっと力を入れていた。
「え? 楽、勉強してるの?」
昼休みのチャイムが鳴る教室の一角、楽の机の周りにはいつものように女の子が集まってくる。何人かで昼を食べ、その中の一人と残りの休み時間を過ごすのが、楽の日常だった。けれど、この取り決めだって楽が決めたわけじゃない。彼女たちが勝手に決めたものだ。
「俺だって受験生だからな」
「え? 楽、フリーターになって適当に生きるとか言ってなかった?」
楽の机の周りに椅子を寄せながら一人が聞く。まだ一緒に昼を食べるとも答えていないのに、あっという間にハーレムが出来上がっていた。
「なあ、お前ら、現国のノート、ちゃんと取ってる?」
楽がノートから顔を上げて聞くと、周りに集まった女の子は一斉に視線を逸らす。
「……だよな。取ってるわけないよな。じゃあ、取ってそうなヤツ、知らねえ?」
ため息を吐いてから、楽が気持ちを切り替えて聞くと、その内の一人が教室内を見回した。
「……澤下くんなら、取ってるんじゃないかな? 成績いいし、真面目だし、優しいから見せてくれると思う」
「澤下?」
ほら、あっちに居る子、と女の子が指さした方に視線を向ける。
真面目そうな眼鏡と暗い色の黒髪、きっちりと正しく着た制服の男は、なんだか少し楽の苦手なタイプだった。
「そう、澤下壱月くん。澤下くん、優しいよね。この間も日直の仕事引き受けてくれて。顔も可愛いし、弟にしたいタイプ」
「わかるー。わたしもこの間、掃除当番サボらせてくれたよ」
そんな彼女たちの会話を聞きながら、楽はじっとその男を見つめていた。
ようやくさっきの授業のノートをまとめ終えたのだろう。顔を上げ、眼鏡を外してからぐっと両手を上げて体を伸ばしている。
「あ」
その顔を見て思い出した。この顔は一度見たことがある。始業式の日に廊下を転がっていた奴だ。
あまりに可笑しくて、からかうつもりで手を差し伸べた。けれど、その顔が可愛くて、更に真っ赤になって目も潤んでいくものだから、笑うことが出来なかったのだ。
そして素直に可愛いと口にしてしまった。あんなことは初めてで、今でも覚えている。あいつは誰だったんだろうと時々思い出すこともあったが、まさか同じクラスに居るとは思ってなかった。
楽は今まで感じたことのない胸の高鳴りを感じていた。
ドキドキというかワクワクというか、ソワソワというか。
どの表現も合っているようで、でも微妙に違う。ただ思うのは、彼に近づきたい、ということだった。
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