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【後日談】きみの嫌なところ2
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「え、どこ、ですか……?」
既に嫌だと思っていることがあるなんて知らなかった。もしかしたらずっと我慢しているのだろうか。朱莉が妊娠したから責任を取るために結婚してくれたけど、本当は嫌だったのではないか――朱莉の頭の中はぐるぐると悪いことばかりが巡っていく。
「他人を誘惑しちゃうほど可愛すぎるところ、僕だけじゃなく他の人にも優しいところ、僕より仕事を優先すること、僕の為に自分を犠牲にしがちなところかな……実感するたびに僕が君を閉じ込めたくなってるの、朱莉くんは知らないでしょう?」
「それは……」
「でもね、今言ったところ、僕が朱莉くんの中で特に好きなところなんだよ。だからきっと、僕は一生この葛藤を続けていくんだよ……朱莉くんとずっと一緒に居たいから」
秋生が微笑み、朱莉の額にキスを落とす。
ずっと一緒に居たいという言葉に、朱莉がようやくほっとして大きく息を吐いた。
「もう、ドキドキさせないでください。ちょっとだけ悲しくなったじゃないですか」
「ごめんね。でも、ちゃんと言おうと思って」
「……分かりました。ぼくも、秋生さんが患者さんの保護者さんからモテてるのは嫌ですし、ぼくがいるの分かってるのに秋生さんに差し入れしてくる看護師さんもそれを受け取っちゃう秋生さんも嫌です。あと、ぼくより料理が上手なのは、ぼくが負けたみたいで腹立たしいし、異常に過保護になるのもぼくが嬉しくなってにやにやしちゃうからもう少し控えて欲しいです」
真面目な顔をして朱莉が秋生を見つめて言葉を並べると、秋生が小さく笑ってから、了解、と頷いた。
「朱莉くんが穏やかでいられるように善処するよ」
秋生は朱莉の髪を撫でてから、そうか、と呟いて朱莉の体を抱き上げた。向かい合うように朱莉を膝に乗せる。
「秋生さん?」
「適度なスキンシップは母体の精神安定に効果的、なんだったよね。朱莉くんが落ち着くまでスキンシップ、しない?」
秋生が朱莉の着ていたシャツの裾からするりと手を忍ばせる。腹を辿り、背中に廻る大きな温かい手が背骨を辿り、朱莉は思わず色のついた息を零した。
「秋生さん……」
「これからは家に帰ったら朱莉くんがいるんだって思ったら、嫌な事全部飛んでいくよ。僕を選んでくれてありがとう、朱莉くん」
秋生が朱莉を抱き寄せ、その顔を朱莉の胸に埋める。
秋生が甘えてくれている。初めてではないかと思って、朱莉は秋生の肩に腕を廻して、ぎゅっと抱きしめた。
秋生が可愛いと思え、それがなんだか胸がざわざわするほど嬉しい。
「秋生さんこそ、ぼくを選んでくれて嬉しいです。ずっと傍に居てくださいね……家族が三人になっても四人になっても」
「もちろんだよ。ずっと、君を愛してる」
顔を挙げた秋生が朱莉に深くキスをする。そのキスが深くなるほど、朱莉の中の不安はゆっくりと溶けていった。
キスの間から、ぼくもです、と告げると、今までで一番優しい顔をした秋生がもう一度、愛してるとささやいて、朱莉を強く抱きしめた。
既に嫌だと思っていることがあるなんて知らなかった。もしかしたらずっと我慢しているのだろうか。朱莉が妊娠したから責任を取るために結婚してくれたけど、本当は嫌だったのではないか――朱莉の頭の中はぐるぐると悪いことばかりが巡っていく。
「他人を誘惑しちゃうほど可愛すぎるところ、僕だけじゃなく他の人にも優しいところ、僕より仕事を優先すること、僕の為に自分を犠牲にしがちなところかな……実感するたびに僕が君を閉じ込めたくなってるの、朱莉くんは知らないでしょう?」
「それは……」
「でもね、今言ったところ、僕が朱莉くんの中で特に好きなところなんだよ。だからきっと、僕は一生この葛藤を続けていくんだよ……朱莉くんとずっと一緒に居たいから」
秋生が微笑み、朱莉の額にキスを落とす。
ずっと一緒に居たいという言葉に、朱莉がようやくほっとして大きく息を吐いた。
「もう、ドキドキさせないでください。ちょっとだけ悲しくなったじゃないですか」
「ごめんね。でも、ちゃんと言おうと思って」
「……分かりました。ぼくも、秋生さんが患者さんの保護者さんからモテてるのは嫌ですし、ぼくがいるの分かってるのに秋生さんに差し入れしてくる看護師さんもそれを受け取っちゃう秋生さんも嫌です。あと、ぼくより料理が上手なのは、ぼくが負けたみたいで腹立たしいし、異常に過保護になるのもぼくが嬉しくなってにやにやしちゃうからもう少し控えて欲しいです」
真面目な顔をして朱莉が秋生を見つめて言葉を並べると、秋生が小さく笑ってから、了解、と頷いた。
「朱莉くんが穏やかでいられるように善処するよ」
秋生は朱莉の髪を撫でてから、そうか、と呟いて朱莉の体を抱き上げた。向かい合うように朱莉を膝に乗せる。
「秋生さん?」
「適度なスキンシップは母体の精神安定に効果的、なんだったよね。朱莉くんが落ち着くまでスキンシップ、しない?」
秋生が朱莉の着ていたシャツの裾からするりと手を忍ばせる。腹を辿り、背中に廻る大きな温かい手が背骨を辿り、朱莉は思わず色のついた息を零した。
「秋生さん……」
「これからは家に帰ったら朱莉くんがいるんだって思ったら、嫌な事全部飛んでいくよ。僕を選んでくれてありがとう、朱莉くん」
秋生が朱莉を抱き寄せ、その顔を朱莉の胸に埋める。
秋生が甘えてくれている。初めてではないかと思って、朱莉は秋生の肩に腕を廻して、ぎゅっと抱きしめた。
秋生が可愛いと思え、それがなんだか胸がざわざわするほど嬉しい。
「秋生さんこそ、ぼくを選んでくれて嬉しいです。ずっと傍に居てくださいね……家族が三人になっても四人になっても」
「もちろんだよ。ずっと、君を愛してる」
顔を挙げた秋生が朱莉に深くキスをする。そのキスが深くなるほど、朱莉の中の不安はゆっくりと溶けていった。
キスの間から、ぼくもです、と告げると、今までで一番優しい顔をした秋生がもう一度、愛してるとささやいて、朱莉を強く抱きしめた。
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