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オレンジの人
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ハアハア、ハアハア…。
こんなに走ったことない…。くるしい…。
この所、身の回りに不審な男が周りをうろついていた。オヤジが僕に跡継がせるって言い出してからだ。何だろう?やっぱり僕じゃ不満なのかな…。
そんなことが度々あったから、気を付けて人通りの多いところを歩いたりして注意してたんだけど、何故か今日に限ってうっかりしていた。大学でゼミの教授にお使いを頼まれて、電車に乗って街から離れた郊外のキャンパスまで行く用事があったもんだから、さすがにいつもと違う場所ならいないだろうと高をくくっていたのが間違いだった!
「あっ、もう…ムリ…」
足がもつれて生い茂った草に足を取られた。
「あっ!ヤバ」
視界が地面スレスレで草に潜む小さな虫が見えた。そして、青空、草、虫、青空…。ああ僕、転がり落ちてるんだなと思ったところで視界が暗転した…。
「おい!大丈夫か?」
肩を揺すられ、僕の頬をペチペチ誰かが叩いている。僕、親にも叩かれたことないのに!
「ん…うん?いたい…」
「おい!大丈夫か?何でこんな所で寝てる?」
ぼんやりとした視界に黒いTシャツを着て、紺色のキャップをかぶった体格のいい男が見えてきた。ズボンが鮮やかなオレンジ…。
「ちょっと命を狙われてるみたいで…」
「は?頭でも打ったのか?…夢でも見てんじゃねえの?」
「いや、ほんとに…」
また視界が暗くなってきた…。遠くで男の声が聞こえる…。
「おい!寝るな!こんなとこで風邪引く…」
途中で声が途切れた。また視界が暗転。
次に気が付いたとき、見たことのない板張りの天井が目に入った。すうっと鼻から息を吸うと、思わず深呼吸したくなるほどお日様の匂いがするシーツとタオルケット、サラサラの布団カバーにフカフカのベッド…。うわーっ!いいホテルみたい…。
いつの間にか体も綺麗に拭かれているのか、土の匂いがしていたはずが、さっぱりと気持ち良くなっていて、肌に当たるパジャマも程よく糊がきいていて気持ちいい!
僕…。旅行中だったっけ?
薄ぼんやりとした視界に、チノパンに黒いパーカーを着た男性が丸いお盆にコーヒーを持って近づいてきた。
「おっ、起きたな。丸一日寝てたんだぞ?」
笑った顔が優しかった。よく笑う人だと分かる目尻の笑い皺が気持ちのよい下りカーブを描いて、口の脇にエクボから伸びる縦皺が深く刻まれ、口角がニッと上がっていた。
「あの、僕…。どうしてここに?」
「覚えてないのか?お前さんは道から外れた斜面の下に転がり落ちたのか、草まみれで気を失ってたんだよ」
そして、僕の額に大きくて分厚い手を当てると、
「おまけに熱もあったし、そのまま置いてくるわけにもいかないし、子供じゃないだろうから誘拐にもならないだろ?とりあえず体を拭いて着替えさせて、ベッドに寝かせて様子見てたんだよ」
なんで道から外れて斜面の下になんか…?ダメだ。全然思い出せない。
「すみません。何かお礼をしたいんですけど、僕…。ちょっと思い出せないんです」
「ん?まだ熱あんのかな?」
またおでこに手を当てようと伸びた手に、申し訳なくて…。
「ていうか…。思い出せないんです」
「…。記憶がないって事?」
「…。たぶん…」
「自分の名前言えるか?住所とか、仕事とか?」
「…。本当に分からないんです…」
「…。まじか…」
まじか…という割にそんなに困った様子でもない。むしろ面白がってる?
「じゃあ…。うちにいれば?」
「いやいや…。そんなわけには」
どうにもそんな世話になれるわけもないが、いかんせん何も覚えていない状態でどこに帰るとも…。
「あの…何でそんな親切なんですか…?」
すると男性はカラッと笑った。
「ああ、俺の職業にも関係あるかな?」
「職業?」
「俺、世間で言うところのレスキュー隊員なんだよ」
「れすきゅう?」
素っ頓狂な声が出た。それを聞いて男性はおかしくてたまらないといったように笑った。
「くく…。ごめんね。人を助ける仕事でさ。俺、おせっかいで人が好きで、助けるのも好きなんだ」
目尻を下げて僕を見ていた。
「趣味と実益を兼ねてるって感じですか?」
「趣味って軽さでは出来ないけど、気持ち的には近いかな?」
僕とは正反対だな…。多分。覚えてないけど。
「それにしても細いな。俺とは正反対だ…。でも、綺麗な手、してるな」
日に焼けていい色になったごつめの手が優しく僕の手を取った。
「水仕事とは無縁そうな(笑)」
人懐こそうな琥珀色の瞳がイタズラに光った。
「まあ、焦らずゆっくりしていきなよ」
僕はこんなに甘えてもいいんだろうか。それにしても本当優しいな…。
知らず知らず頬が赤くなっていたようで、琥珀色の瞳がいつの間にか僕を見つめていた。目が合うとふっと目をそらした。首の辺りが赤い…。
気を取り直したかのようにこちらに向いて僕に名乗った。
「俺は拓馬。五十嵐拓馬。君は?…。あっ!覚えてないか(笑)」
「名前がないと不便ですよね…。じゃあ呼びやすい名前、付けて下さい」
「えっ!俺が付けていいの?」
何故か嬉しそうな顔をして、しばらく顎に手を当てていた。
「じゃあさ…。伊織はどうかな?」
「いおり?」
「そう。ちょっと古風だけど、君、着物似合いそうだし、いいかなって…」
「いおり…」
何だか懐かしい響きだと思った。
「いいですね(笑)」
「でしょ?俺、ネーミングセンスあるなぁ(笑)」
「自画自賛(笑)」
本当に人との垣根が低いというか、ほぼない?遠慮するのがまるで間違いかのように、何の気も遣わせない優しい人だった。
「あの…。しばらくご厄介になります。よろしくお願いします」
ベッドの上で正座して、三つ指ついて綺麗なお辞儀をする伊織の美しさに拓馬は見とれていた。
正面に向き直ると、拓馬がボーッと僕を見ていた。
「ん?どうかしましたか?」
声をかけても、ちょっとの間反応がなくて僕から目を離さない…。
「あの…。拓馬さん?」
「あ!ごめんごめん…。あんまり綺麗なお辞儀されてちょっと…。美しい所作ってこういうのかと見とれちゃったよ(笑)」
そんなこと(多分。覚えてないけど)言われたの初めてで、僕は顔が赤くなってしまった。
「顔赤いな…。まだ熱あるのかも。少し寝るといいよ」
僕のおでこをするんと撫でて、横になった僕の体に布団を綺麗にかけ直してくれた。
「あ、ありがと…」
布団を鼻の所まで持ち上げて顔の赤さを隠した。
「可愛いな(笑)」
「なっ!」
「いいから寝てなさい。それとも何か食べるか?」
「ん…。寝ます…」
「それがいいよ。じゃあ俺も今日は夜勤だから少し寝るね」
「えっ?何処で?」
「ソファでも寝れるし。俺、寝袋持ってるから」
僕は慌てて起き上がった。
「僕が寝袋でねます!」
「は?何言ってんだ!病人なんだから気にすんな」
「でも…」
「じゃあベッドの横で寝袋で寝るよ。そしたら心配ないだろ?」
「え~…」
「ずべこべいうな。俺の寝袋のポテンシャル高いぞ?」
「ポテンシャルの使い方あってます?」
「うるさいな~。そんな弱った体で俺の鍛えた肉体に歯向かうなよ」
「僕、居候の身分…」
僕の頬が拓馬の大きな手で包まれた。
「言うこと聞かないと…」
えっ?顔が真剣なんだけど…。そして近づいてくる…。おでこにゴツンと拓馬のおでこが激突した。
「いてて…」
「俺の石頭には誰も敵わないんだぜ(笑)」
ぽんぽんっと頭を優しく叩くと、髪に指を差し込みなでなでされた。
「家主の言うことききなさいね」
絵に描いたような魅力的なウインクを浴び、僕はますます赤くなってしまった。
布団を頭までかぶり、返事をした。
「はい…。おやすみなさい…」
「はいはい(笑)。やっと言うこときいたな」
楽しそうに笑いながら、寝袋を取りにドアの向こうへ消えていった。
僕はドキドキ言ううるさい心臓に、黙ってくれと懇願していた。
こんなに走ったことない…。くるしい…。
この所、身の回りに不審な男が周りをうろついていた。オヤジが僕に跡継がせるって言い出してからだ。何だろう?やっぱり僕じゃ不満なのかな…。
そんなことが度々あったから、気を付けて人通りの多いところを歩いたりして注意してたんだけど、何故か今日に限ってうっかりしていた。大学でゼミの教授にお使いを頼まれて、電車に乗って街から離れた郊外のキャンパスまで行く用事があったもんだから、さすがにいつもと違う場所ならいないだろうと高をくくっていたのが間違いだった!
「あっ、もう…ムリ…」
足がもつれて生い茂った草に足を取られた。
「あっ!ヤバ」
視界が地面スレスレで草に潜む小さな虫が見えた。そして、青空、草、虫、青空…。ああ僕、転がり落ちてるんだなと思ったところで視界が暗転した…。
「おい!大丈夫か?」
肩を揺すられ、僕の頬をペチペチ誰かが叩いている。僕、親にも叩かれたことないのに!
「ん…うん?いたい…」
「おい!大丈夫か?何でこんな所で寝てる?」
ぼんやりとした視界に黒いTシャツを着て、紺色のキャップをかぶった体格のいい男が見えてきた。ズボンが鮮やかなオレンジ…。
「ちょっと命を狙われてるみたいで…」
「は?頭でも打ったのか?…夢でも見てんじゃねえの?」
「いや、ほんとに…」
また視界が暗くなってきた…。遠くで男の声が聞こえる…。
「おい!寝るな!こんなとこで風邪引く…」
途中で声が途切れた。また視界が暗転。
次に気が付いたとき、見たことのない板張りの天井が目に入った。すうっと鼻から息を吸うと、思わず深呼吸したくなるほどお日様の匂いがするシーツとタオルケット、サラサラの布団カバーにフカフカのベッド…。うわーっ!いいホテルみたい…。
いつの間にか体も綺麗に拭かれているのか、土の匂いがしていたはずが、さっぱりと気持ち良くなっていて、肌に当たるパジャマも程よく糊がきいていて気持ちいい!
僕…。旅行中だったっけ?
薄ぼんやりとした視界に、チノパンに黒いパーカーを着た男性が丸いお盆にコーヒーを持って近づいてきた。
「おっ、起きたな。丸一日寝てたんだぞ?」
笑った顔が優しかった。よく笑う人だと分かる目尻の笑い皺が気持ちのよい下りカーブを描いて、口の脇にエクボから伸びる縦皺が深く刻まれ、口角がニッと上がっていた。
「あの、僕…。どうしてここに?」
「覚えてないのか?お前さんは道から外れた斜面の下に転がり落ちたのか、草まみれで気を失ってたんだよ」
そして、僕の額に大きくて分厚い手を当てると、
「おまけに熱もあったし、そのまま置いてくるわけにもいかないし、子供じゃないだろうから誘拐にもならないだろ?とりあえず体を拭いて着替えさせて、ベッドに寝かせて様子見てたんだよ」
なんで道から外れて斜面の下になんか…?ダメだ。全然思い出せない。
「すみません。何かお礼をしたいんですけど、僕…。ちょっと思い出せないんです」
「ん?まだ熱あんのかな?」
またおでこに手を当てようと伸びた手に、申し訳なくて…。
「ていうか…。思い出せないんです」
「…。記憶がないって事?」
「…。たぶん…」
「自分の名前言えるか?住所とか、仕事とか?」
「…。本当に分からないんです…」
「…。まじか…」
まじか…という割にそんなに困った様子でもない。むしろ面白がってる?
「じゃあ…。うちにいれば?」
「いやいや…。そんなわけには」
どうにもそんな世話になれるわけもないが、いかんせん何も覚えていない状態でどこに帰るとも…。
「あの…何でそんな親切なんですか…?」
すると男性はカラッと笑った。
「ああ、俺の職業にも関係あるかな?」
「職業?」
「俺、世間で言うところのレスキュー隊員なんだよ」
「れすきゅう?」
素っ頓狂な声が出た。それを聞いて男性はおかしくてたまらないといったように笑った。
「くく…。ごめんね。人を助ける仕事でさ。俺、おせっかいで人が好きで、助けるのも好きなんだ」
目尻を下げて僕を見ていた。
「趣味と実益を兼ねてるって感じですか?」
「趣味って軽さでは出来ないけど、気持ち的には近いかな?」
僕とは正反対だな…。多分。覚えてないけど。
「それにしても細いな。俺とは正反対だ…。でも、綺麗な手、してるな」
日に焼けていい色になったごつめの手が優しく僕の手を取った。
「水仕事とは無縁そうな(笑)」
人懐こそうな琥珀色の瞳がイタズラに光った。
「まあ、焦らずゆっくりしていきなよ」
僕はこんなに甘えてもいいんだろうか。それにしても本当優しいな…。
知らず知らず頬が赤くなっていたようで、琥珀色の瞳がいつの間にか僕を見つめていた。目が合うとふっと目をそらした。首の辺りが赤い…。
気を取り直したかのようにこちらに向いて僕に名乗った。
「俺は拓馬。五十嵐拓馬。君は?…。あっ!覚えてないか(笑)」
「名前がないと不便ですよね…。じゃあ呼びやすい名前、付けて下さい」
「えっ!俺が付けていいの?」
何故か嬉しそうな顔をして、しばらく顎に手を当てていた。
「じゃあさ…。伊織はどうかな?」
「いおり?」
「そう。ちょっと古風だけど、君、着物似合いそうだし、いいかなって…」
「いおり…」
何だか懐かしい響きだと思った。
「いいですね(笑)」
「でしょ?俺、ネーミングセンスあるなぁ(笑)」
「自画自賛(笑)」
本当に人との垣根が低いというか、ほぼない?遠慮するのがまるで間違いかのように、何の気も遣わせない優しい人だった。
「あの…。しばらくご厄介になります。よろしくお願いします」
ベッドの上で正座して、三つ指ついて綺麗なお辞儀をする伊織の美しさに拓馬は見とれていた。
正面に向き直ると、拓馬がボーッと僕を見ていた。
「ん?どうかしましたか?」
声をかけても、ちょっとの間反応がなくて僕から目を離さない…。
「あの…。拓馬さん?」
「あ!ごめんごめん…。あんまり綺麗なお辞儀されてちょっと…。美しい所作ってこういうのかと見とれちゃったよ(笑)」
そんなこと(多分。覚えてないけど)言われたの初めてで、僕は顔が赤くなってしまった。
「顔赤いな…。まだ熱あるのかも。少し寝るといいよ」
僕のおでこをするんと撫でて、横になった僕の体に布団を綺麗にかけ直してくれた。
「あ、ありがと…」
布団を鼻の所まで持ち上げて顔の赤さを隠した。
「可愛いな(笑)」
「なっ!」
「いいから寝てなさい。それとも何か食べるか?」
「ん…。寝ます…」
「それがいいよ。じゃあ俺も今日は夜勤だから少し寝るね」
「えっ?何処で?」
「ソファでも寝れるし。俺、寝袋持ってるから」
僕は慌てて起き上がった。
「僕が寝袋でねます!」
「は?何言ってんだ!病人なんだから気にすんな」
「でも…」
「じゃあベッドの横で寝袋で寝るよ。そしたら心配ないだろ?」
「え~…」
「ずべこべいうな。俺の寝袋のポテンシャル高いぞ?」
「ポテンシャルの使い方あってます?」
「うるさいな~。そんな弱った体で俺の鍛えた肉体に歯向かうなよ」
「僕、居候の身分…」
僕の頬が拓馬の大きな手で包まれた。
「言うこと聞かないと…」
えっ?顔が真剣なんだけど…。そして近づいてくる…。おでこにゴツンと拓馬のおでこが激突した。
「いてて…」
「俺の石頭には誰も敵わないんだぜ(笑)」
ぽんぽんっと頭を優しく叩くと、髪に指を差し込みなでなでされた。
「家主の言うことききなさいね」
絵に描いたような魅力的なウインクを浴び、僕はますます赤くなってしまった。
布団を頭までかぶり、返事をした。
「はい…。おやすみなさい…」
「はいはい(笑)。やっと言うこときいたな」
楽しそうに笑いながら、寝袋を取りにドアの向こうへ消えていった。
僕はドキドキ言ううるさい心臓に、黙ってくれと懇願していた。
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