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飾らない人
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香月が落ち着いたところで、加東は事務所の簡単なキッチンでコーヒーをいれた。お湯を沸かし、少しのお湯でコーヒーをふっくらと膨らませ、細くお湯を注いで丁寧にいれた。
「ほら、飲んで。落ち着きますよ」
香月は素直に受け取った。両手で包み込むようにカップをもち、ゆっくりと体を温めるように飲んでいた。
「美味しい…」
加東は優しく微笑んで、
「俺、コーヒーだけは褒められるんです」
と言った。香月はふふっと笑い、心の中にも温かさを取り戻してきたような気がした。
加東はそっと香月を抱きしめた。香月は逃げなかった。
「この前、頭で考えるより先にあなたが好きだと口から出たけれど、今俺は、心からあなたが愛おしい」
香月の中にも、この人は信じてもいいという気持ちが生まれていた。だが、私はまだ浩介と離婚が成立していない。浩介と同じような人間になってしまうんじゃないかと気後れした。
「私はきっと…私もあなたならと思える。でも、私が今あなたを受け入れたら、夫と同じような人間になってしまうんじゃないかと…」
加東は抱きしめる力を強くした。香月の体から力が抜けたのが分かった。
「同じじゃない。俺があなたを守ります」
事務所は今日は閉めた。
「こんな所ですみません」
事務所で加東が仮眠するための簡単なベッドに香月を寝かせた。
「あなたと同じ匂いがする…」
香月が笑顔を見せた。加東はその笑顔が少女のようだと思った。飾らない本来の香月が目の前にいた。
この人の心が欲しいと加東は思った。
そっと頬に触れ、優しく口づけた。初めて恐る恐る舌を入れた。壊さないように、大切に…。
香月はそんな加東を愛おしく感じ、優しい目で加東を受け入れていった。
香月が応えてくれるのを感じると、加東は口づけを強くした。香月のかすれるような声がもれてくる。香月の着ていたワンピースのファスナーを下ろし、細い肩を出した。首筋に唇を這わせると、加東の背中にまわった香月の手が震えた。
二つの柔らかな膨らみは、加東の大きな手にちょうど収まった。可愛い突起に舌を這わせると微かな声が聞こえた。
薄いおなかから秘かな唇へ愛撫していくと、香月の声が高くなっていった。しっとりと加東を待つ香月の中に加東は優しく差し入れた。
熱くうねる香月の中で、加東は強い欲望を止められなくなった。
「香月…好きだ」
香月は加東にしがみつき、高く啼いた。
加東はまだおさまらない快感に、少し乱暴になってしまった。
疲れて眠ってしまった香月に、自分のシャツを着せて風邪を引かせないように暖めた。
そっと部屋を出ると、事務所のパソコンに向かい、盗聴器から音声データを集めて、盗撮用に借りたマンションからの映像と写真をデータにして砂川に送った。
「そろそろあの警官が動きそうだな。俺の正体にも気付いているようだし…」
悪いとは思いながら、雪とあの警官の会話を聞いていた。あの人もそろそろ幸せになれそうだな。
自分が介入したことで、雪と警官の仲を取り持ったようで、何だか不思議な気持ちになった。
まっ俺は彼女にとってはイヤな相手だけどな。
真っ黒い羽を背中にはやした、いかついキューピットが頭に浮かんだ。
「ほら、飲んで。落ち着きますよ」
香月は素直に受け取った。両手で包み込むようにカップをもち、ゆっくりと体を温めるように飲んでいた。
「美味しい…」
加東は優しく微笑んで、
「俺、コーヒーだけは褒められるんです」
と言った。香月はふふっと笑い、心の中にも温かさを取り戻してきたような気がした。
加東はそっと香月を抱きしめた。香月は逃げなかった。
「この前、頭で考えるより先にあなたが好きだと口から出たけれど、今俺は、心からあなたが愛おしい」
香月の中にも、この人は信じてもいいという気持ちが生まれていた。だが、私はまだ浩介と離婚が成立していない。浩介と同じような人間になってしまうんじゃないかと気後れした。
「私はきっと…私もあなたならと思える。でも、私が今あなたを受け入れたら、夫と同じような人間になってしまうんじゃないかと…」
加東は抱きしめる力を強くした。香月の体から力が抜けたのが分かった。
「同じじゃない。俺があなたを守ります」
事務所は今日は閉めた。
「こんな所ですみません」
事務所で加東が仮眠するための簡単なベッドに香月を寝かせた。
「あなたと同じ匂いがする…」
香月が笑顔を見せた。加東はその笑顔が少女のようだと思った。飾らない本来の香月が目の前にいた。
この人の心が欲しいと加東は思った。
そっと頬に触れ、優しく口づけた。初めて恐る恐る舌を入れた。壊さないように、大切に…。
香月はそんな加東を愛おしく感じ、優しい目で加東を受け入れていった。
香月が応えてくれるのを感じると、加東は口づけを強くした。香月のかすれるような声がもれてくる。香月の着ていたワンピースのファスナーを下ろし、細い肩を出した。首筋に唇を這わせると、加東の背中にまわった香月の手が震えた。
二つの柔らかな膨らみは、加東の大きな手にちょうど収まった。可愛い突起に舌を這わせると微かな声が聞こえた。
薄いおなかから秘かな唇へ愛撫していくと、香月の声が高くなっていった。しっとりと加東を待つ香月の中に加東は優しく差し入れた。
熱くうねる香月の中で、加東は強い欲望を止められなくなった。
「香月…好きだ」
香月は加東にしがみつき、高く啼いた。
加東はまだおさまらない快感に、少し乱暴になってしまった。
疲れて眠ってしまった香月に、自分のシャツを着せて風邪を引かせないように暖めた。
そっと部屋を出ると、事務所のパソコンに向かい、盗聴器から音声データを集めて、盗撮用に借りたマンションからの映像と写真をデータにして砂川に送った。
「そろそろあの警官が動きそうだな。俺の正体にも気付いているようだし…」
悪いとは思いながら、雪とあの警官の会話を聞いていた。あの人もそろそろ幸せになれそうだな。
自分が介入したことで、雪と警官の仲を取り持ったようで、何だか不思議な気持ちになった。
まっ俺は彼女にとってはイヤな相手だけどな。
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