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ハジメユキノ

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ハニトラの夜

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「斎生。泊まっていって?」
一緒に遅い夕食をとるのに、榊さんは僕を連れて家に帰った。食べながら僕は美月さんが口走った言葉を思い返していた。
「斎生?」
榊さんが箸の止まった僕を心配そうに見ていた。
「あの…。榊さんはハニトラが趣味なんですか?」
聞いてしまった…。気になって仕方なくて…。
榊さんは優しい目で僕を見ていた。
「斎生に会う前、もう10年になるわね。社長直属で今と同じように社内調査の仕事をしていたの。やっぱりうちのような大きな規模の会社になると、大勢の社員の中にはどうしても悪い事をしてしまう人間もいるの。着服や商品の横流し、水増し請求や架空請求、パワハラやセクハラなんかも起きてしまうのよね」
何かあったのかな?ちょっと辛そうだ。
「榊さんが辛いことは話さなくてもいいですよ。僕は今の榊さんがすきだから…」
「斎生、ありがと。でも、やっぱり貴方には話しておきたい」
僕は腰を据えて話を聞こうとコーヒーを淹れた。
「斎生のコーヒー。私が淹れる時より美味しい…。これだけはって言うだけあるわよね(笑)」

「私が社内調査の仕事を任されるようになったきっかけがあったの。同期の…。私の最初の恋人だった人がね、不正なキックバックを受けているって噂があったのね。私は彼がそんなこと出来る人じゃないって信じてたんだけど、調査結果はクロだった。取引先と結託して契約とは違う安い材料を使って商品を大量に作って一部を横流しして儲けてたり、浮いた経費で過剰な接待を受けてて一部は彼の懐に流れてた」
やりたい放題だな…。それを調べたの、榊さん?
「私が彼に問いただしたら、俺を裏切ったのか!お前なんかと付き合わなきゃ良かった。お前、男のくせに体だけは良かったけどな…。だって」
なんて奴だ!自分を棚に上げて…。
「私のこと、その場で襲ってきたの。彼の気持ちも分かる気がしたから…。やりたいならやらせてあげようって思った…。おかしいでしょ?その時私は彼を売ってしまったんだって思っちゃったのね…」
「榊さん…」
「でも、最後まではされなかった。心配した社長と西さんが飛び込んできて止めてくれたの。彼は私を犯して脅迫してやろうと思ったって言ってたわ…」
僕は榊さんに辛い話をさせてしまった事を深く後悔していた。僕は榊さんを強く抱きしめていた。榊さんはそのまま僕の腕の中で話し続けた。
「私ね、そこからしばらくおかしかったと思う。誰にも本気になれなかった。社内調査もね、うちのような大きな規模だとちょくちょくあったから、自分の体で解決出来るならなんてことないって思ってた。こんなこと言ったら嫌われちゃうかもしれないけど、悪いことしてる奴を騙すのって面白いって思った」
「もういいです。僕は過去も引っくるめて今の榊さんが好きですから」
榊さんは僕の目を見つめた。
「誰のことも本気で好きになれなかったから、仕事を恋人にしようと思って働いてたら、いつの間にか仕事の出来る男ってみんなに思われてね。お洒落も好きだったから、格好いい榊さんって役を毎日演じてた。斎生も私のことそう思って慕ってくれてたよね?」
「はい。今も僕の格好いい頼れる上司ですよ」
「斎生のことは優しいいい子だなって思ってた。そんなに憧れの目で見ないで~!って思ってたわ(笑)」
ふふっとその時の僕を思い出すように笑った。
「でも、そんなに優しいいい子っているのかしらって疑う私もいたの。だって、前の彼は表面上、すごく優しいいい人だったから…。だから斎生をずっと観察してた。何処かで必ずぼろを出すはず!と思ってね(笑)」
「僕だってそんなに優しいばっかりじゃないですよ」
「斎生を見てたらね。私もまた人を信じたくなったの。この人は信じても大丈夫な人だって。この世界で一人だけ選ぶとしたら、私はこの人がいいって…」
僕は榊さんを離したくなかった。
「僕だって榊さんがいい。榊さんじゃなきゃダメなんですよ」
「斎生…。ありがと」
榊さんは優しいキスをした。僕は美味しいからじゃなく榊さんの唇が欲しかった。榊さん全てが欲しいと思った。
「僕…。生意気ですけど、玲児って呼んでもいいですか?」

「あっ!いつき…!ダメ」
「今日は僕に抱かれてて下さい。僕は貴方を甘やかしたい…」
玲児の唇は相変わらず甘く柔らかに僕を夢中にさせていた。指を絡めて組み敷いて、僕は脚を玲児の敏感なところに押し付けた。ちょっと意地悪かなと思ったけれど、グリグリと膝で刺激するとじわっと湿っていた。
「玲児?音、聞こえます?」
湿っていたそこはぐちゅぐちゅといやらしい音がするほどトロトロになっていた。
「やだ、いつき…。恥ずかしい…」
「どうなってるのかな?」
僕は玲児の下着の上から固くなったものをくわえると、身を捩って逃げようとする。
「固い…。気持ち良かったですか?キスだけでこんなにして…」
「意地悪…」
僕は下着をグイッと下げた。玲児のものはぬるぬると光っていた。
「可愛いです。漏らしてるみたいだ…」
玲児はもう恥ずかしくて堪らないのか、枕を逆手に握り締めて横を向いて真っ赤になっていた。
僕は愛しい人のをくわえて舌で転がした。はち切れそうなほど固く、トロトロになったものが愛おしくて堪らなかった。こんなに可愛い人を傷つけた最初の男に、僕は怒りを止められなかった。もう、思い出させないように、僕でいっぱいにしたいと思った。
玲児は後ろまでトロトロになっていて、まるでローションをたっぷり垂らしたように濡れていた。焦らすように入り口を弄ると玲児は腰を捩って逃げようとする。
「ダメですよ。逃げちゃ…」
「いつき…。ね、もう来て?」
「まだですよ。ちゃんとほぐさないと…」
僕は玲児がもっと僕を欲しくなるまで挿れないで焦らしてやろうと思っていた。指で弄っていたけれど、ピンクに染まったそこは可愛くて堪らなかった。舌を入れて音を立てて吸うと、玲児が高い声で啼いた。
「も、イっちゃうから!我慢できな…い」
「いいですよ。イって…。イったら僕が挿れてあげます」
「ヤダ!ホントにダメ…!」
容赦ない僕の愛撫に、玲児は胸にまで飛ばした。
「こんなとこまで飛ばして…。ご褒美あげますね」
「やっ!今イったばっかり…!」
僕はトロトロの玲児の中に、奥まで入った。
「玲児…。愛してる」
「ダメ…」
「何がだめ?挿れながら愛してるって言うのが?」
玲児は白い肌を桃色に染めて、もう僕の言うことを聞いていなかった。与えられる快感に玲児の体はビクビクと震わせていた。
愛してると言葉にして伝えると、僕は愛してる人を今抱いてるんだなと反芻して、今まで感じたことがないくらい気持ち良くて玲児の中を突き続けた。どれだけ挿れても僕の欲望が治まることがないんじゃないかと思うくらい止められなかった。
玲児は喘ぐ声の隙間に、僕の名前を何度も高い声で呼んだ。愛しい人が快感に身を捩るのを見て、僕は幸せで仕方なかった。
「玲児…。もう誰にも傷つけさせないから…」
「いつき!あっ!も、許して!」
僕は玲児の啼く声を聞きながら、一緒に果てた。
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