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新しい朝『浩介と奏』
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白ワインですっかりいい気分になった奏は、
「このまま座ってたら寝ちゃう!」
と、流しに食器を運び、ざっと流して食洗機にセットした。
「食洗機ってえらいなぁ…」
「何言ってんの(笑)」
「だって浩介さんちに来て初めて食洗機使ったんです。えらいなぁ…」
「そんなに褒められたら本望だね(笑)」
浩介は奏を見て微笑んだ。可愛いなぁ…。
浩介がお風呂から上がると、奏はベッドに寝転がって本を読んでいた。
「何読んでるの?」
「アガサ・クリスティです!」
「ミステリー好きだね」
「浩介さんの本棚にあったんですよ」
「随分昔に読んだきりだなぁ…」
本を取り上げて、うつ伏せの奏を優しく仰向けにした。
「奏…」
嬉しそうに微笑む奏に優しいキスをした。
「可愛いなぁ…」
「ん?何でですか?」
「食洗機であんなに喜ぶから」
「えっ?だって…」
奏の唇をキスでふさいだ。
浩介が舌を差し込むと、奏はやっと慣れてきたようで上手に応えてくれた。
「ありがとう、奏…。君がいたから俺の夢が叶ったよ…」
「いいえ…。私はほんの少しお手伝いしただけですよ」
優しい笑顔に、この人を俺のこの先の人生をかけて幸せにしなきゃ罰が当たるなと思った。
「何かご褒美あげたいんだけど、何がいいかな?」
「…。私、このままずっとそばにいられたら、何にもいりません(笑)」
「欲しいものないの?」
「ん?浩介さん」
「だから…。そんな可愛いこと言うと、おじさん頑張っちゃうぞ(笑)」
「はい(笑)頑張って下さい♡」
おじさんの本気に後悔するなよ(笑)
奏ににっこり微笑むと、深く深く口づけた。息もつかせないほど舌を絡ませてとろけさせ、奏の体の隅々までキスをして確かめた。俺の愛しい人に俺が与えられる全ての優しさを感じて欲しい。どこもかしこも柔らかく愛おしい…。
「綺麗だな…」
昼間よく走り回る脚はきゅっと細く引き締まり、滑らかな素肌をなぞっていくと、内ももの柔らかな肉は浩介の侵入を阻もうと儚い抵抗を見せた。
浩介は奏の膝に優しいキスをした。ここを開けてと。儚い抵抗は浩介の口づけの優しい心地良さに負けた。浩介は奏の内ももの柔らかさを愛で、優しく開いていった。
浩介を待ち受ける密やかな唇は柔らかに濡れていた。口づけて舌を入れると、奏はこらえきれず啼いた。耐えきれずに浩介を求めて腰がみだらに動き始める…。
「可愛いな…。でもまだダメだぞ」
「いや!もう…」
「もう、何?」
浩介は奏に意地悪をした。奏の唇にキスをしながら、ぷっくりと膨らんだ蕾を弄った。
「あ、だめです…」
奏の体が震えた。
奏の手に浩介は指を絡め、優しく口づけた。奏の中に入ると熱く吸い付いてきた。中に入ったまま奏の体を抱き起こし、奥へと深く差し込んだ。奏は浩介の首にかじりつき、まるで手を離したらどこかに落ちてしまうかのようにしがみついた。柔らかな胸は浩介の硬い体に押しつぶされるほどだった。
何度も浩介の名を呼び、力尽きたかのように崩れ落ちそうになった奏を浩介は力強く抱きしめた。
終わった後、気を失うかのように二人とも眠りに落ち、気付いたら朝になっていた。
今日は昨日の休日出勤で一大イベントがひと段落したので、会社自体を休みにしていた。だから規則正しい寝息を立てている奏を起こさないようにそっとベッドを降りた。
ベッドサイドの引き出しに、奏に内緒で用意していたものがあった。あのことを告白して奏が一人有給をとった日、浩介は打ち合わせの帰りに加賀美を車に残し、デパートに駆け込んだ。若い女性が好みそうなものはよく分からなかったが、コロンとしたカボションカットのブルートパーズがあしらわれた指輪を見つけた。奏に似合いそうだとプレゼント用に綺麗にラッピングしてもらった。だが、自分を許してくれるとは思えなかったし、もしかしたらもう帰ってこないかもしれないと気が気ではなく、しまい込んで渡すタイミングを失っていた。
カーテンの隙間から差し込む朝日に奏の静かな寝顔が包まれて綺麗だった。言い知れない愛しさに、浩介は目が離せなかった。目を覚ましたとき、奏はどう思うかな…。
深い眠りからようやく目覚めて、寝ぼけまなこで浩介を探した。一緒に眠っていたはずなのに、手に触れるシーツは温かみを失いつつあった。
「浩介さん?」
シーツを体に巻き付けて起き上がると、ベッドサイドの椅子に腰掛けて、優しい目で奏を見つめる浩介がいた。
「おはよう、眠り姫(笑)」
浩介の姿を見つけて奏は嬉しそうに微笑んだ。
「おはようございます、浩介さん」
ふと、左手の薬指に何かが光った。浩介が眠り込んでいる奏にそっとブルートパーズの指輪を付けていた。
「あっ!これ…」
「奏の好みは分からなかったけど、似合いそうだと思って…」
奏は言葉にならない想いでいっぱいになり、綺麗な瞳から涙が後から後から零れ落ちた。浩介にはその涙が青いトパーズのように見えた。
「このまま座ってたら寝ちゃう!」
と、流しに食器を運び、ざっと流して食洗機にセットした。
「食洗機ってえらいなぁ…」
「何言ってんの(笑)」
「だって浩介さんちに来て初めて食洗機使ったんです。えらいなぁ…」
「そんなに褒められたら本望だね(笑)」
浩介は奏を見て微笑んだ。可愛いなぁ…。
浩介がお風呂から上がると、奏はベッドに寝転がって本を読んでいた。
「何読んでるの?」
「アガサ・クリスティです!」
「ミステリー好きだね」
「浩介さんの本棚にあったんですよ」
「随分昔に読んだきりだなぁ…」
本を取り上げて、うつ伏せの奏を優しく仰向けにした。
「奏…」
嬉しそうに微笑む奏に優しいキスをした。
「可愛いなぁ…」
「ん?何でですか?」
「食洗機であんなに喜ぶから」
「えっ?だって…」
奏の唇をキスでふさいだ。
浩介が舌を差し込むと、奏はやっと慣れてきたようで上手に応えてくれた。
「ありがとう、奏…。君がいたから俺の夢が叶ったよ…」
「いいえ…。私はほんの少しお手伝いしただけですよ」
優しい笑顔に、この人を俺のこの先の人生をかけて幸せにしなきゃ罰が当たるなと思った。
「何かご褒美あげたいんだけど、何がいいかな?」
「…。私、このままずっとそばにいられたら、何にもいりません(笑)」
「欲しいものないの?」
「ん?浩介さん」
「だから…。そんな可愛いこと言うと、おじさん頑張っちゃうぞ(笑)」
「はい(笑)頑張って下さい♡」
おじさんの本気に後悔するなよ(笑)
奏ににっこり微笑むと、深く深く口づけた。息もつかせないほど舌を絡ませてとろけさせ、奏の体の隅々までキスをして確かめた。俺の愛しい人に俺が与えられる全ての優しさを感じて欲しい。どこもかしこも柔らかく愛おしい…。
「綺麗だな…」
昼間よく走り回る脚はきゅっと細く引き締まり、滑らかな素肌をなぞっていくと、内ももの柔らかな肉は浩介の侵入を阻もうと儚い抵抗を見せた。
浩介は奏の膝に優しいキスをした。ここを開けてと。儚い抵抗は浩介の口づけの優しい心地良さに負けた。浩介は奏の内ももの柔らかさを愛で、優しく開いていった。
浩介を待ち受ける密やかな唇は柔らかに濡れていた。口づけて舌を入れると、奏はこらえきれず啼いた。耐えきれずに浩介を求めて腰がみだらに動き始める…。
「可愛いな…。でもまだダメだぞ」
「いや!もう…」
「もう、何?」
浩介は奏に意地悪をした。奏の唇にキスをしながら、ぷっくりと膨らんだ蕾を弄った。
「あ、だめです…」
奏の体が震えた。
奏の手に浩介は指を絡め、優しく口づけた。奏の中に入ると熱く吸い付いてきた。中に入ったまま奏の体を抱き起こし、奥へと深く差し込んだ。奏は浩介の首にかじりつき、まるで手を離したらどこかに落ちてしまうかのようにしがみついた。柔らかな胸は浩介の硬い体に押しつぶされるほどだった。
何度も浩介の名を呼び、力尽きたかのように崩れ落ちそうになった奏を浩介は力強く抱きしめた。
終わった後、気を失うかのように二人とも眠りに落ち、気付いたら朝になっていた。
今日は昨日の休日出勤で一大イベントがひと段落したので、会社自体を休みにしていた。だから規則正しい寝息を立てている奏を起こさないようにそっとベッドを降りた。
ベッドサイドの引き出しに、奏に内緒で用意していたものがあった。あのことを告白して奏が一人有給をとった日、浩介は打ち合わせの帰りに加賀美を車に残し、デパートに駆け込んだ。若い女性が好みそうなものはよく分からなかったが、コロンとしたカボションカットのブルートパーズがあしらわれた指輪を見つけた。奏に似合いそうだとプレゼント用に綺麗にラッピングしてもらった。だが、自分を許してくれるとは思えなかったし、もしかしたらもう帰ってこないかもしれないと気が気ではなく、しまい込んで渡すタイミングを失っていた。
カーテンの隙間から差し込む朝日に奏の静かな寝顔が包まれて綺麗だった。言い知れない愛しさに、浩介は目が離せなかった。目を覚ましたとき、奏はどう思うかな…。
深い眠りからようやく目覚めて、寝ぼけまなこで浩介を探した。一緒に眠っていたはずなのに、手に触れるシーツは温かみを失いつつあった。
「浩介さん?」
シーツを体に巻き付けて起き上がると、ベッドサイドの椅子に腰掛けて、優しい目で奏を見つめる浩介がいた。
「おはよう、眠り姫(笑)」
浩介の姿を見つけて奏は嬉しそうに微笑んだ。
「おはようございます、浩介さん」
ふと、左手の薬指に何かが光った。浩介が眠り込んでいる奏にそっとブルートパーズの指輪を付けていた。
「あっ!これ…」
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奏は言葉にならない想いでいっぱいになり、綺麗な瞳から涙が後から後から零れ落ちた。浩介にはその涙が青いトパーズのように見えた。
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