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26. ひりつくほどの情欲のようなもの
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ミレーユは両方の腕を、エドガールのたくましい首に回しながら思う。
これでよかったんだと。きっとこうなるべくしてなったんだと。
初めて目にしたエドガールの肉体は、筋骨隆々とし、堪らなく男らしかった。
素肌に触れるととても熱く、どこもかしこも硬く引き締まり、ミレーユの軟弱な体とは正反対だ。
ふーん。殿方の体って、こんなにカチコチなのね……
ミレーユは、ムキッと隆起した肩の筋肉や背筋に手を滑らせながら感心した。
寝台の上で二人は向かい合って座り、エドガールの太腿の上にミレーユが乗り上げる形で抱き合っている。
「……そんなに筋肉がめずらしいの?」
少し戸惑った様子でエドガールが聞いた。
「あ、はい。あの、私にはないものなので。ごめんなさい。ペタペタ触ってしまって」
そう謝罪すると、エドガールは「別にいいんだけど」と頬を染める。
「あまり触られるとくすぐったいし、その……感じてしまうからさ……」
「あ、はい……」
やり取りがひどく照れくさい。甘々の雰囲気なんだけど、まだあまり慣れなくて。
黒煙騎士団はとても厳しい訓練で体を鍛えるのだと、エドガールは語った。
「……君に触られるのは、すごく好きだよ」
色っぽくそうささやかれ、うなじがゾクッとする。
ミレーユが乳房をぎゅっと押しつけると、エドガールはビクンッ、と体を震わせた。
ひどく敏感な反応に、こちらまでドキドキしてしまう。
エドガール、なんだかすごく興奮してるみたい……
首筋にキスしたときや、胸の蕾が肌をかすめるたび、屈強な肉体に震えが走り、彼がますます昂るのがわかった。
「ご、ごめん……。女の子に触るのがひさしぶりなんだ……」
彼の声は上ずり、息は荒い。
さっきから、彼の股間の硬い巨杭がミレーユの下腹部をグイグイ押していた。
ドクンドクンと力強く脈打つそれは、早く早くと自己主張しているようで。
……す、すごい。思ってたよりはるかに長くて、とっても大きいみたい……
これを挿れるのだと思った。自分のあそこに、深々と根元まで……
ミレーユは読書家ゆえに未経験でもそれぐらいの知識はある。むしろ、知識だけありすぎて耳年増になっていた。
こんなに巨大なものが挿入るのか正直疑問だけど、嫌な感じはまったくない。ドキドキして期待は膨らむいっぽうだ。
恋焦がれていた彼と早く繋がりたいし、好奇心もあった。彼のものを胎内に取り込み、その形状や温度をこの身で感じてみたい。
こうして抱き合っていると、彼のぬくもりは安心感を与えてくれた。
さっきまで自分の体がいかに冷えていたかがわかる。
強風のうなりは遠のき、暗闇も気にならなくなり、お互いの心音と息遣いだけに耳を澄ませるのは、とても幸せなひとときだった。
どこかでなにか恐ろしいことが進行しているとしても、今、この瞬間だけは忘れたい。
ミレーユはこのとき、今夜だけはすべて忘れていいと、自分に許可を出した。
時が来れば、どうせ過酷な運命に身を投じなければならないのは、わかっていたから。
こうして彼の頑強な胸筋に、乳房を圧し潰されている感触がすごく好きだった。
ときどき胸やお腹をくすぐる、ごわごわした薄い体毛も野性的で好ましい。
「エドガール。あの、好き……」
少し尖った耳にささやくと、彼の頬がさっと紅潮する。
「ミレーユ……。実は、僕はそんなに綺麗な人間じゃないんだ。君に好かれるようないい男じゃない……」
見ると、彼の瞳には雑多な感情が入り乱れている。苦悶、焦燥、後悔、罪悪感……
そして興奮と、喜悦と、快感と、ひりつくほどの情欲のようなもの……
「初めて見たときから、君に惹かれてた。君が言うように、君に近づいたのは情報を探るためでもあったんだけど、実は下心も……男としての下心も大きかったんだ。た、単純に、君と仲良くなりたかった」
思いがけない告白に、頬が熱くなる。ずっと嫌われていると思っていたから。
エドガールは余裕がなさそうな様子で続けた。
「君にファンだと言われ、舞い上がってた。朝から晩までずっと君のことばかり考えて、頭の中が君でいっぱいだった。本当は騎士としての責務とか、北方の人狼の調査とか、いろいろやるべきことがあったのに。君は僕を純粋だと言ってくれたが、そうじゃないんだ。ぜんぜんそうじゃない」
「エドガール……」
「ごめん。昨晩も……子爵の部屋で君と抱き合って、み、淫らなことを妄想してた。君の美しさに欲情してしまって、若くて純粋な君のことをこの手で汚し……」
「ちょ、ちょっと待って! いいから。それ以上は言わないでっ……!」
秘めた心の内側まで赤裸々に語られると、聞いているほうが恥ずかしくなってしまう。
全部言わなくていいから、と耳元にささやくと、彼は小さくうなずいた。
「とにかく僕はイイ男じゃないけど、君のことは好きで、ものすごく好きで……。君とずっとこうしたくて、もう……」
唇をねだられ、彼の後頭部を抱えるようにして、唇を重ねる。
すんなり彼の舌を口内に迎え入れると、舌先で舌先を甘く絡め取られた。
あ……。エドガール……好き……
彼の口づけはびっくりするほど優しかった。
あんなに攻撃的で純粋な、殺傷力の高い文章を書く人なのに……
舌先で頬をくすぐられ、顎をくすぐられ、舌先での甘い睦み合いにドキドキする。
殿方というのは、こんなに想いのこもった口づけができるんだな、と感動さえ覚えた。
「……んん、ふっ」
どんどん口づけは深くなり、舌と舌がねっとり濃厚に絡まり、お互いの舌を貪り合う。
温度の違う唾液がとろりと混ざり合い、やがて同じ生温かさになっていくのが素敵だった。
ざらついた舌を味わっているうちに、舌と舌の粘膜もとろとろに溶け合い、境界線がわからなくなる。
自分の舌なのか彼の舌なのか、わからないもので口いっぱいにしていると、彼の手のひらがするすると尻を滑り下り、秘裂に触れるのがわかった。
つるり、と冷えた指が蜜口から入ってくる。
「んふっ……」
砂糖菓子より甘い口づけをされながら、蜜壺を指で優しく掻き回され、あまりのよさに恍惚となった。
グチュ、ビチュッ、とかすかな水音が響く……
あぁ……。そ、そこ……気持ちよくて……ああぅ……
たとえようもない触れ方で花芽をコリコリと愛でられ、彼の太腿にまたがりながら腰がわななく。
さっきから時間を掛けて丁寧に花芽はいじくられ、どんどんせり上がった快感がすぐそこまで迫っていた。
指の腹で優しく媚肉を掻かれ、キュッと花芽を押し潰される……
股関節で急激に張りつめたものが弾け、初めての絶頂に達した。
「んっ……。あぁ……」
意識が遠のき、快感だけに全身を支配され、ふわふわした白い波間を漂う……
うあっ……すごい……。なにこれ……こんなの、はじめて……
弾けた快感がさざ波のように、お腹から全身へ行き渡っていく……
「ミレーユ、すごく可愛い。好きだ……」
吐息のようにささやかれ、鼓膜までとろけそうになる。
脱力して巨躯にしがみついていたら、赤ん坊にするように抱きかかえられ、やんわりと仰向けに横たえさせられた。
汗ばんだ背中に冷えたシーツが心地よい。
そこでゆったりしていると、彼が上体を起こしてミレーユの両腿を大きく開かせるのが、ぼんやりした視界に映った。
ひたりと、丸い先端が濡れそぼった秘裂にあてがわれる。
あ……
怒張の先端の部分だとわかった。それ自身から染み出た、透明な液にまみれており、つるつるとよく滑る。
こういうときって、男女ともにそこが濡れるものなのね……
はっきりしない頭でそんなことを考えていた。
「本来なら僕は紳士として、騎士として、こんなことをしてはいけないとわかってるんだ。まだ結婚前の君とこんな、こんなことを……」
彼は苦しそうに言うと、ミレーユの手を取り、その甲にキスして頬をつけた。
ザラリと甲に擦れる、伸びかけのひげの感触。
「だが、ごめん。もう無理だ。我慢できない。君のことが欲しくて……欲しくて、たぶん今を逃したら、僕は一生後悔する」
切羽詰まった様子で言う彼に、優しい気持ちが込み上げる。
「いいの。これは私が望んだことだから。私があなたにお願いしてるの。私もここであなたと結ばれなかったら、一生後悔するから……」
この自由のない人生で、好きな人と結ばれる機会が一度だけ訪れるとするなら、それは今夜だ。
なぜだろうか。そのことがミレーユには明白にわかっていた。
そして、この夜を逃せば自分は一生後悔するだろう。この先、何度もこの夜を振り返り、なぜあのときもっと勇気が出せなかったのかと歯噛みするに違いない。
そんな風に感じていた。彼と結ばれても、結ばれなくても、どちらにせよ茨の道ならば、せめて自分の思いを果たしたかった。
「ミレーユ。痛かったらすぐに言ってくれ。なるべく痛くないようにするから」
気遣わしげに言う彼のほうこそ余裕がないように思え、微笑んで「大丈夫」とうなずいてみせる。
彼の声も眼差しも触れかたも、なにもかもが思いやりに溢れ、無条件で信頼できた。
彼の指が肌を這うだけで、一つ一つの細胞が悦びに満ち、活性化するような気がする。
「ミレーユ、いくよ……」
つるん、とそれはいとも簡単に蜜口から滑り込んできた。
じわじわ……と熱杭が膣襞を割り拡げながら進んでくる。
「あ……。あぁ……」
硬い異物がゆっくりと侵入してくる、未知の感覚。
ずぶずぶずぶ……と蜜壺は順調に巨杭を呑み込んでいく。
けど、想像以上にそれは大きく、ミレーユは脚をより開き、力を抜いて受け入れようとした。
……お、おっきい……すごく……
もう半分も挿入ったんだろうか? はち切れそうな膨満感に、呼吸が細切れになった。
これ以上は無理、という深さで彼は一度止まり、こちらを心配そうに見下ろす。
「ミレーユ。……ごめん」
なにを謝っているの? と訝しんでいると、彼は腰に力を入れ、ぐぐっと押し進めた。
「……っ!?」
経験したことのない、引き裂くような激痛がミレーユを襲う。
ぎゅっとまぶたを閉じ、苦痛の声を上げないよう息を止めた。
これでよかったんだと。きっとこうなるべくしてなったんだと。
初めて目にしたエドガールの肉体は、筋骨隆々とし、堪らなく男らしかった。
素肌に触れるととても熱く、どこもかしこも硬く引き締まり、ミレーユの軟弱な体とは正反対だ。
ふーん。殿方の体って、こんなにカチコチなのね……
ミレーユは、ムキッと隆起した肩の筋肉や背筋に手を滑らせながら感心した。
寝台の上で二人は向かい合って座り、エドガールの太腿の上にミレーユが乗り上げる形で抱き合っている。
「……そんなに筋肉がめずらしいの?」
少し戸惑った様子でエドガールが聞いた。
「あ、はい。あの、私にはないものなので。ごめんなさい。ペタペタ触ってしまって」
そう謝罪すると、エドガールは「別にいいんだけど」と頬を染める。
「あまり触られるとくすぐったいし、その……感じてしまうからさ……」
「あ、はい……」
やり取りがひどく照れくさい。甘々の雰囲気なんだけど、まだあまり慣れなくて。
黒煙騎士団はとても厳しい訓練で体を鍛えるのだと、エドガールは語った。
「……君に触られるのは、すごく好きだよ」
色っぽくそうささやかれ、うなじがゾクッとする。
ミレーユが乳房をぎゅっと押しつけると、エドガールはビクンッ、と体を震わせた。
ひどく敏感な反応に、こちらまでドキドキしてしまう。
エドガール、なんだかすごく興奮してるみたい……
首筋にキスしたときや、胸の蕾が肌をかすめるたび、屈強な肉体に震えが走り、彼がますます昂るのがわかった。
「ご、ごめん……。女の子に触るのがひさしぶりなんだ……」
彼の声は上ずり、息は荒い。
さっきから、彼の股間の硬い巨杭がミレーユの下腹部をグイグイ押していた。
ドクンドクンと力強く脈打つそれは、早く早くと自己主張しているようで。
……す、すごい。思ってたよりはるかに長くて、とっても大きいみたい……
これを挿れるのだと思った。自分のあそこに、深々と根元まで……
ミレーユは読書家ゆえに未経験でもそれぐらいの知識はある。むしろ、知識だけありすぎて耳年増になっていた。
こんなに巨大なものが挿入るのか正直疑問だけど、嫌な感じはまったくない。ドキドキして期待は膨らむいっぽうだ。
恋焦がれていた彼と早く繋がりたいし、好奇心もあった。彼のものを胎内に取り込み、その形状や温度をこの身で感じてみたい。
こうして抱き合っていると、彼のぬくもりは安心感を与えてくれた。
さっきまで自分の体がいかに冷えていたかがわかる。
強風のうなりは遠のき、暗闇も気にならなくなり、お互いの心音と息遣いだけに耳を澄ませるのは、とても幸せなひとときだった。
どこかでなにか恐ろしいことが進行しているとしても、今、この瞬間だけは忘れたい。
ミレーユはこのとき、今夜だけはすべて忘れていいと、自分に許可を出した。
時が来れば、どうせ過酷な運命に身を投じなければならないのは、わかっていたから。
こうして彼の頑強な胸筋に、乳房を圧し潰されている感触がすごく好きだった。
ときどき胸やお腹をくすぐる、ごわごわした薄い体毛も野性的で好ましい。
「エドガール。あの、好き……」
少し尖った耳にささやくと、彼の頬がさっと紅潮する。
「ミレーユ……。実は、僕はそんなに綺麗な人間じゃないんだ。君に好かれるようないい男じゃない……」
見ると、彼の瞳には雑多な感情が入り乱れている。苦悶、焦燥、後悔、罪悪感……
そして興奮と、喜悦と、快感と、ひりつくほどの情欲のようなもの……
「初めて見たときから、君に惹かれてた。君が言うように、君に近づいたのは情報を探るためでもあったんだけど、実は下心も……男としての下心も大きかったんだ。た、単純に、君と仲良くなりたかった」
思いがけない告白に、頬が熱くなる。ずっと嫌われていると思っていたから。
エドガールは余裕がなさそうな様子で続けた。
「君にファンだと言われ、舞い上がってた。朝から晩までずっと君のことばかり考えて、頭の中が君でいっぱいだった。本当は騎士としての責務とか、北方の人狼の調査とか、いろいろやるべきことがあったのに。君は僕を純粋だと言ってくれたが、そうじゃないんだ。ぜんぜんそうじゃない」
「エドガール……」
「ごめん。昨晩も……子爵の部屋で君と抱き合って、み、淫らなことを妄想してた。君の美しさに欲情してしまって、若くて純粋な君のことをこの手で汚し……」
「ちょ、ちょっと待って! いいから。それ以上は言わないでっ……!」
秘めた心の内側まで赤裸々に語られると、聞いているほうが恥ずかしくなってしまう。
全部言わなくていいから、と耳元にささやくと、彼は小さくうなずいた。
「とにかく僕はイイ男じゃないけど、君のことは好きで、ものすごく好きで……。君とずっとこうしたくて、もう……」
唇をねだられ、彼の後頭部を抱えるようにして、唇を重ねる。
すんなり彼の舌を口内に迎え入れると、舌先で舌先を甘く絡め取られた。
あ……。エドガール……好き……
彼の口づけはびっくりするほど優しかった。
あんなに攻撃的で純粋な、殺傷力の高い文章を書く人なのに……
舌先で頬をくすぐられ、顎をくすぐられ、舌先での甘い睦み合いにドキドキする。
殿方というのは、こんなに想いのこもった口づけができるんだな、と感動さえ覚えた。
「……んん、ふっ」
どんどん口づけは深くなり、舌と舌がねっとり濃厚に絡まり、お互いの舌を貪り合う。
温度の違う唾液がとろりと混ざり合い、やがて同じ生温かさになっていくのが素敵だった。
ざらついた舌を味わっているうちに、舌と舌の粘膜もとろとろに溶け合い、境界線がわからなくなる。
自分の舌なのか彼の舌なのか、わからないもので口いっぱいにしていると、彼の手のひらがするすると尻を滑り下り、秘裂に触れるのがわかった。
つるり、と冷えた指が蜜口から入ってくる。
「んふっ……」
砂糖菓子より甘い口づけをされながら、蜜壺を指で優しく掻き回され、あまりのよさに恍惚となった。
グチュ、ビチュッ、とかすかな水音が響く……
あぁ……。そ、そこ……気持ちよくて……ああぅ……
たとえようもない触れ方で花芽をコリコリと愛でられ、彼の太腿にまたがりながら腰がわななく。
さっきから時間を掛けて丁寧に花芽はいじくられ、どんどんせり上がった快感がすぐそこまで迫っていた。
指の腹で優しく媚肉を掻かれ、キュッと花芽を押し潰される……
股関節で急激に張りつめたものが弾け、初めての絶頂に達した。
「んっ……。あぁ……」
意識が遠のき、快感だけに全身を支配され、ふわふわした白い波間を漂う……
うあっ……すごい……。なにこれ……こんなの、はじめて……
弾けた快感がさざ波のように、お腹から全身へ行き渡っていく……
「ミレーユ、すごく可愛い。好きだ……」
吐息のようにささやかれ、鼓膜までとろけそうになる。
脱力して巨躯にしがみついていたら、赤ん坊にするように抱きかかえられ、やんわりと仰向けに横たえさせられた。
汗ばんだ背中に冷えたシーツが心地よい。
そこでゆったりしていると、彼が上体を起こしてミレーユの両腿を大きく開かせるのが、ぼんやりした視界に映った。
ひたりと、丸い先端が濡れそぼった秘裂にあてがわれる。
あ……
怒張の先端の部分だとわかった。それ自身から染み出た、透明な液にまみれており、つるつるとよく滑る。
こういうときって、男女ともにそこが濡れるものなのね……
はっきりしない頭でそんなことを考えていた。
「本来なら僕は紳士として、騎士として、こんなことをしてはいけないとわかってるんだ。まだ結婚前の君とこんな、こんなことを……」
彼は苦しそうに言うと、ミレーユの手を取り、その甲にキスして頬をつけた。
ザラリと甲に擦れる、伸びかけのひげの感触。
「だが、ごめん。もう無理だ。我慢できない。君のことが欲しくて……欲しくて、たぶん今を逃したら、僕は一生後悔する」
切羽詰まった様子で言う彼に、優しい気持ちが込み上げる。
「いいの。これは私が望んだことだから。私があなたにお願いしてるの。私もここであなたと結ばれなかったら、一生後悔するから……」
この自由のない人生で、好きな人と結ばれる機会が一度だけ訪れるとするなら、それは今夜だ。
なぜだろうか。そのことがミレーユには明白にわかっていた。
そして、この夜を逃せば自分は一生後悔するだろう。この先、何度もこの夜を振り返り、なぜあのときもっと勇気が出せなかったのかと歯噛みするに違いない。
そんな風に感じていた。彼と結ばれても、結ばれなくても、どちらにせよ茨の道ならば、せめて自分の思いを果たしたかった。
「ミレーユ。痛かったらすぐに言ってくれ。なるべく痛くないようにするから」
気遣わしげに言う彼のほうこそ余裕がないように思え、微笑んで「大丈夫」とうなずいてみせる。
彼の声も眼差しも触れかたも、なにもかもが思いやりに溢れ、無条件で信頼できた。
彼の指が肌を這うだけで、一つ一つの細胞が悦びに満ち、活性化するような気がする。
「ミレーユ、いくよ……」
つるん、とそれはいとも簡単に蜜口から滑り込んできた。
じわじわ……と熱杭が膣襞を割り拡げながら進んでくる。
「あ……。あぁ……」
硬い異物がゆっくりと侵入してくる、未知の感覚。
ずぶずぶずぶ……と蜜壺は順調に巨杭を呑み込んでいく。
けど、想像以上にそれは大きく、ミレーユは脚をより開き、力を抜いて受け入れようとした。
……お、おっきい……すごく……
もう半分も挿入ったんだろうか? はち切れそうな膨満感に、呼吸が細切れになった。
これ以上は無理、という深さで彼は一度止まり、こちらを心配そうに見下ろす。
「ミレーユ。……ごめん」
なにを謝っているの? と訝しんでいると、彼は腰に力を入れ、ぐぐっと押し進めた。
「……っ!?」
経験したことのない、引き裂くような激痛がミレーユを襲う。
ぎゅっとまぶたを閉じ、苦痛の声を上げないよう息を止めた。
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