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第二章 一つしかない選択肢の決断
第6話 落ちてきた。
しおりを挟むドンッ
「いたっ。何が起こったの!?」
ユリーファは見たことのない、ましてや、学校のトイレではない場所にいた。あまりにも驚いて、周りをキョロキョロと見回した。ちょうど正午ごろなのだろう。木々の間から光が漏れて、街ではなく森の中でここは、大きな林檎の樹の下だということを知ることが出来た。人も子供の一人さえいなかった。
「早く退け」
声がした。けれど、周りには誰もいない。ということは…
「下に…いたあああ!」
あまりにも慌てて飛び退いたため、そのまま転んでしまった。下にいたのは、ユリーファと同じくらいの青年。ただ見た目が頭から爪先まですっぽりとフード付きのマントを着ているため、声でしか性別を判断出来ない。
「ごめんなさい!…まさか、下に人がいるなんて知らなくて、いや、い、いらっしゃる…なんて知らなくて…」
いつもの歪な敬語でだが、敬語を使って話すことができた。
「なぜ、いきなり____」
「ご主人サミャー!」
目の前の青年と誰かの声が重なった。刹那、小さな何かが青年の鳩尾に突っ込んできた。
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