水と鏡と夢の世界

第二章 一つしかない選択肢の決断

第１０話 街の異変

 急におじさんの雰囲気がかわった。

「ど、どうしたの！？」
ユリーファは、心配して近寄ると、

「来るな！人の皮を被った悪魔め！」
おじさんは、震えていた。そして、ユリーファを見ずに言い続けた。

「おまえに渡すものなんて、何もない！早くここから、消えろ！」
周りも騒ぎ初めていた。ユリーファは、急いでその場から離れ、少し経ってから別の場所で聞いてみることにした。


「大変な目にあったなー。でも、気を取り直して、頑張ろう！！」
 ユリーファの横を泣いている小さな子供が通った。
「あ、僕、どうしたの？お母さんやお父さんと一緒じゃないの？」
優しく声を掛けたつもりだった。

「お母さん、こわいよ。う、うわぁーん！」
泣き出してしまった。すると、お母さんらしき人が、こちらに駆け寄ってきた。
「すみません。うちの子が…。あ、あなた…店の方が言っていた、変わった服…だ、誰か！あ、悪魔がここに！」
女の人も大声で叫びだした。周りの騒ぎも大きくなり、路地裏に逃げ込んだ。