あなたのタマシイいただきます!

さくらんこ

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isc(裏)生徒会

海中デスゲーム

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【神功左千夫】

昨日の肝試しの記憶ははっきり言って余り覚えていない。
誰も何も言ってこなかったのでそのままそっとしておいた。
九鬼がしきりに「左千夫君、ちょー重かったんだからね!」と言ってきたがそれも無視だ。

麗亜はホテルで朝食を、僕達は九鬼が用意してくれた朝食を取ってから再び水着、僕は水陸両用の服に着替えた。

昨日同様のビーチへと足を運んだころには既に相手も到着していた。

「おはようございます。麗亜の皆さん、今日もよろしくお願いしますね。」

「こちらこそ、よろしく頼む。」

肝試し終了直後、鳳凰院しのぶはしきりに僕の口を押さえてきたが、今日はそのようなことは無い様だ。
イデアから今日の競技が発表された。

「ソレデハ、今日の競技ヲ、説明スル。
今日は、DEATH・トレジャーハンティングとDEATH・スイカ割りダ。

マズ、DEATH・トレジャーハンティングの説明だ。」


■■DEATH・トレジャーハンティング■■

・各自から4ポイントを回収し、ポイントを書いた沈むボール(宝)を海に放り投げる
・ボールを獲得し、自分の陣地の宝箱に入れればその点数が各校に入ることになる。
・勝負終了後その点数通りに各校の生徒に振り分けられることになる。
・宝箱に入るまではどんな手を使ってボールを奪ってもいい。



水泳の時間にする遊びと同じようなものだなと思い聞いていたが、後ろで青ざめている人物が居た。
そうか、那由多君は泳げなかったな。

僕は那由多君の肩をポンっと叩き、浮き輪を手渡した。

「那由多君は無理しないように。
全部ポイントを持っていかれるなら痛いですが、取ったポイントは戻ってくるようなので。」

最後にイデアは「ハズレボールもあるからナ」と、言っていた意味は競技が始まってから分かった。

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【千星那由多】

昨日はビーチでの試合だったので、今日は海の中か…。
もちろん俺は泳げないので、会長から受け取った浮き輪を身体にはめる。
深い場所のボールは確実に取れないので、浅瀬を狙うしかない。

全員分のポイントが4点差し引かれたのが、ブレスレットの表示でわかった。
みんながビーチに一列に並び、後ろを向いている間に、イデアと麗亜高校のヒューマノイドが海にボールを投げ入れる音がする。

「デハ、DEATH・トレジャーハンティング、スタート」

笛の音が鳴ったと同時に全員が海へと駆けた。
浮き輪をつけているのは俺しかおらず、全員が海の中へもぐっていく。
まだ足がつくぐらいの浅瀬で、海の中を眺めるが…なんかめちゃくちゃいっぱい丸い物が海の底にある。

一つ掴んで手に取ってみると――――卵だった。

…もしかしてこの中から探せってことかよ。
特に浅瀬はトラップが多いみたいだ。
骨の折れそうな競技だな…。
俺が泳げれば一番いいんだけど。

浮き輪で浮きながら、水の底へと視線を落とす。

「…お?」

ひとつ、マジックで数字の書かれているボールを見つけた。
こんなあっさりと見つかるとちょっと怖い。
絶対になにかありそうだ。

「とりあえず…何もないか確認……」

爪先でそれを慎重につつく。
…なんともなさそうだ。
そう思いほっとした瞬間、ボールが生き物のように大きく口を開き、俺の親指に思い切り噛みついた。

「いったあああああああああッッ!!!!!」

「ハズレだナ。そんな簡単にミツカルと思うナ」

悶絶している俺を見ながら、イデアが仁王立ちでこちらを見つめていた。
触ったら噛みつかれるとか…まさにDEATH・トレジャーハンティング…!

俺は涙目で、噛みついているボールを足から引き剥がした。

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【三木柚子由】

私は今少し深いとこに浮いている。
本当は自分で取ろうと思ってたんだけど、幸花ちゃんと、純聖君と左千夫様に駄目と言われてここに居るんだけど。

「うわー!!なんだにょー!このタマ墨吐くにょー!!」

「ってぇ!!天夜!!てめぇ!!なんか、電気流したか!!?」

「違う違う、このボールはずれだったみたい。僕もびりってきた…」

「ちっ!!水ン中は電導しやすいから、気を付けろよ!!」

色んなとことから敵味方問わず叫び声が聞こえる。
そうしている中まずは幸花ちゃんが私の前に姿を現した。

水に血液を混ぜたものにボールが包まれている。

「これ、柚子由が宝箱に入れてきて。見つからない様にね。」

「あ、ありがとう。」

いいのかな。でも、確かに幸花ちゃんならもっといっぱい見つけられるだろうし。
私はそれを隠す様に自分の手の中に持った。

そうしていると次は純聖君が後ろから現れた。

「柚子由ー!!!これ、よろしくー!!っと、こっちは偽物か!!」

純聖が二つあったうちの一つを私にくれた。
大声だったけど幸い誰も聞いてなかったみたい。
そして、もう一つは空高くへと投げた方は花火のように大きく破裂していた。

ちょっと危ない。

浅瀬へと向かっていると、海からにょきっと左千夫様がでてきた。
そうして、ボールを二つ持っている私の手に更にボールを一つ掴ませると笑顔でまた海に戻っていた。

その姿はおとぎ話の人魚そのもので私は目をきらきらさせたが、取り合えず自分の責務を果たさないとと思い宝箱へと急いだ。

既に、日当瀬君も天夜君もくっきーさんも、夏岡さんも、弟月さんも一ポイント取っているようだった。
皆凄いな…。

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【園楽あたる】

結構これ危ないな。
最初は水中でボールを探していたが、メンバーが無闇にボールに触るせいであちこちで爆発やトラブルが起きてる。
別に回避できる分にはいいけど、無鉄砲な奴等が多いからなあ…。

「なんだこれは!逃げる!逃げるぞボールが!!」

王子、それ偽物だから追いかけなくていいよ。

「やだぁ~これ墨吐いてくるぅ~!……うぜぇ…」

本音漏れてるよ、黒部…。

「弟月様……」

電童探す気全くないな…。

「……感電プレイ……デュフフ…」

秋葉は相変わらずあっちの男ばっか見てるな…。

ああもう、まともな奴はいないのか、この学校には。
いや、いるにはいる。いるんだが、まともじゃない奴の方が多い。
もうずいぶんと慣れてしまったが、こういうチーム戦になると個性が強すぎて纏まらない。
愛輝凪高校はどんどんボールを手に入れてるようだし、俺が頑張らないと。

しかし、皆が傷つくのは見ていられない性分なので、危なそうなボールに触れた時には、シャボン玉で守ってしまう。
俺のこの性格とこの能力は、見事にぴったりだ。
周りが危うい奴等ばかりなので、それにばかり気を取られてしまうのが難点だが。

「堂地!!調子乗らない!!危ないのには極力触らないで!」

「王子はもうそのボール追いかけないで!!」

「あーもう!みんなちゃんと探す気ある!?」

俺はボールを探していないと言うのに、何故こんなに疲れているんだ。
大きくため息をつくと、トランペットストローに息を吹き込んだ。

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【華尻唯菜】

あー!!!っもー!!!なんなのよ、この競技!!!!
意味分かんない!!しかも、見分け付かないし。
手に取ってみないとあたりかはずれか分かんないなんて鬼畜過ぎる!!!

やっと手に取っても反応しなかった一つを宝箱まで運んでいった。

これで一点と思った瞬間、そのボールは爆発した。

「きゃ!!!も、なんなのよー!!って、あれ…?」

気付くとアタシは園楽のシャボン玉に包まれていた。
どうやら、これが爆発から守ってくれたらしい。
しかも、中に幾つもしゃぼんだまがあった。

“よく聞いてね。今からシャボン玉のまま海底に沈めるから。
と、言うか体重移動した方に進むようにしてるから。
ボールを見つけたらシャボン玉の中にある、小さなシャボン玉をそのボールに向かって押しだして。
ボールがシャボン玉に包まれたら宝箱の方にまた体重移動する。
分かった?このままじゃ、負けちゃうからね!”

シャボン玉が一つ割れるとそんな声がした。
なるほど、園楽の奴、あの顔で中々やるね。

まー、しょーがない、アイツの考えに乗ってやるか。

それにしても千星の奴、あんな浅瀬に居たらアプローチ出来ないじゃない!!!

今日も駄目かと大きく溜息を吐いてからシャボン玉のまま海底に潜った。

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【千星那由多】

違う、これも違う。
手に取るもの全部違う!!

俺が見つけた数字の書いてあるボールは、見事に全部ハズレだった。
延々と浅瀬を探索し続けたがまったく当たらない。
どんどん時間は過ぎていく。

相手チームはシャボン玉に入って、難なくボールを見つけているようだった。
あれに包まれれば水中でも息ができるのだろうか…。

そんな事を考えながら、水中へと視線を落とす。
また数字のボールを見つけた。
次こそは!

「…当たれええええっ!!!」

既に浮き輪を片手に嵌めた状態だったので、腕を伸ばしてそのボールを掴んだ。
爆発しない。
ビリっともこない。
墨も出ない!!!

当たりだ!!!

「きたーーーーーッ!!」

ボールを持った手を水の外へと出すと、ボールの裏面が指の隙間から見えた。
そこにはデカデカと、「ハズレ」と言う字とイデアが舌を出した絵が描かれていた。

あんの野郎……っ!!

怒りにぐっと強く握った瞬間にボールは破裂し、顔面に真っ黒い墨が落ちてくる。
絶対あいつ俺に取らせる気無いだろ。
そして、俺が真っ黒になったと同時に、終了の笛が鳴り響いた。

「競技終了。各自海からアガレ」

その声と共に全員が海から出て来る。
墨を落とすために顔を海水で洗ったが、取れてる気はしなかった。
多分特殊素材かなんかだろう。

結果的に勝利を収めたのは、僅差で俺達であったが、なんだかしっくり来なかった。

「千星君お疲れ様…顔、大丈夫?」

次の競技が始まる前に、三木さんにタオルを渡される。
それで一度拭いてみたが、やはり取れなかった。

「ナユタだっせ!ボール見つけらんない上に顔真っ黒じゃねーか!」

「つ、次はとりかえす…!」

純聖の笑い声にわなわなと震えたが、この競技は仕方ない。
次の競技にかける、それしかない。
そう強気で出た時、イデアが横から会話に割り入って来た。

「その言葉、シッカリ覚えてオケ」

イデアの機械的な声が少し楽しそうに聞こえたのは、気のせいだということにしておく。

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【日当瀬晴生】

チーム戦いなので、ポイントは平等に分けられた。
出ていった4ポイントが戻ってくる。
勝ちといっても僅差なので、5ポイントに増えて戻ったのは夏岡さんと三木くらいだった。

次の競技の準備をしている間に水着が渇く。
そんな炎天下だった。
しかし、千星さん、貴方はやっぱり凄いですね…!
きっと自分にポイントが多く入らないようにフォローに徹したんですね…!

相変わらず、この人の気遣いには感激する。

「次の競技はDEATH・スイカ割りです。
尚、こちらの競技は昼食後となりますので皆さんゆっくりと疲れを癒して、作戦を練ってくださいね。」

敵のヒューマノイドが競技の説明に入った。
しかし、どうやったらスイカ割りにDEATHが付くんだろうか。

■■DEATH・スイカ割り■■

・互いに3ポイントずつを出し、スイカが先に割れた方がそのポイントを失う。
・どちらかのスイカが割れたところで勝負終了。
・戦場は砂浜、海、どちらでも可
・能力・武器、使用OK
・スイカは各学校DEATH・トレジャーハンティングでのポイント取得が一番少なかったものが付ける。



その説明が終わった後にヒューマノイドのマリアが持っていたのは全身タイツの顔だけのてっぺんにスイカが付いたものだった。
はっきり言ってダサイ。

「それでは、千星さん、あたる。
昼食後、これを取りに来るように。
今は海水で冷やしておきますので。」

まるでデザートの様な口ぶりだがよくよく考えると恐ろしい。
全員が寄ってたかって頭の上のスイカを割りに来るってことだよな。

も、もしかして、千星さんはそこまで考えてさっきポイントを取らなかったのか?
流石千星さん!先読み力っぱないス!!

俺はキラキラと目を輝かせながら千星さんを見つめた。

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【千星那由多】

最悪すぎる。
さっきのイデアの言葉に含みがあったのは、絶対にこの事だ。
スイカを頭につけてそれを割られるとか、一歩間違えば死ぬじゃねえか。
しかも全身タイツとか意味わかんねえし!!

ふと園楽さんの方へと視線を向けると、彼も俺と同じように青ざめた表情をしていた。
そりゃそうだ。こんな役、できることならやりたくはないだろう。

それからの昼食はまるで砂を食っているようだった。
今回もBBQであったが、何を食べてもおいしくない。
みんなには大丈夫だの、フォローするだの言われたが、スイカ役の身にもなってみろ。
絶対怖いだろ!!

どんどん腹が立って来ていたが無情にも時は過ぎ、昼食の時間が終わる。
麗亜高校のヒューマノイドに言われた通り、俺と園楽さんはスイカ付きの全身タイツを受け取りに行った。

「お互い…頑張ろうか…」

「そですね…」

園楽さんのは赤の全身タイツで、俺は青色だった。
更衣室で着替え終わると、冷やされたスイカを手渡される。
それががっちりとベルトで頭に固定されると、かなり重いが落ちる事は無さそうだった。
ちょっと気抜いたら首を痛めそうだけど。

園楽さんと俺は見事に滑稽な姿になると、皆の前へと姿を現した。

ほぼ全員の反応は同じだった。
この姿を見て顔が引き攣ってる奴もいたが、大体は笑っている。
純聖とか笑い転げてやがるし。

何が嬉しくて頭にスイカつけて走り回らなきゃいけないんだ。
ほんとにヒューマノイドの考える事にはついていけない。

俺と園楽さんはほぼ同時に大きくため息をつくと、みんなから少し離れた場所へと移動した。

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【天夜巽】

「では、作戦通りに。」

会長が言った作戦とは、会長、副会長を残し、他のメンバー全てで園楽君を攻めること。
那由多の体力を考えると確かにはやく勝負を終わらせた方が無難だろう。
俺達は深く頷き、スタートのラインへと並んだ。

かなり先に那由多と園楽君が立っている。

因みにスイカは2/3以上割らなくてはいけないので、かなり力を込めないといけないだろう。

とい、言うか、これ、守るのも少し大変だな。
攻めるのは楽しいかもしれないけど。

「それではデザートタイムの始マリダ。
ヨーイ、スタート!!」

イデアちゃんの号令で全員が走り出す。
やっぱり、会長と副会長ははやかったけど、一目散に那由多の方へと走っていった。

そして、ペガサスとユニコーンに乗った麗亜の会長、副会長も園楽君を守る様に走っていく。

「園楽さん、シャボン玉に入ってて下さいね。」

麗亜の西園寺さんが園楽君にそう言うと、彼はシャボン玉の中へと入ってしまった。
あれって直ぐ割れる訳じゃないのかな。

横に居た日当瀬が無言で銃を構えた。
そして、数発撃つ。

勿論、日当瀬は外すことなくスイカに向かった。
その前にシャボン玉に弾かれる。
いや、弾かれると言うよりは衝撃を吸収されそのまま砂浜に球が落ちた。

「っち、厄介だな。」

横で日当瀬が呟いたが確かにあれは厄介だ。
かなり、強い衝撃を与えろと言うことか。
と、言っても会長と、副会長は居ないし。

この割ったスイカ後で絶対食べるんだろうな、とそれた思考になりながら俺は更に走った。

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【鳳凰院しのぶ】

あたるはシャボン玉の中にいれば時間を稼げるだろう。
相手の力がどれほどまでかは予測はできないが、主力コンビの神功君と九鬼君が千星那由多の方へ行くとなれば、こちらは他にまかせておけばいいか。

「May God Bless You!!出でよ!ユニコーン!」

ロザリオへとキスを落とし、武器へと展開させる。
宙へと円を描きユニコーンを呼び出すと、それをあたるの元へと送り込む。

「不破、堂地、華尻、千星那由多を撃ちにいくぞ!!他の皆はあたるを守れ!!」

そのまま砂地を蹴り、千星那由多の方へと走って行く。
守っているのが神功君と九鬼君と言うのが痛いところだが、力のある物を揃えればなんとかなるかもしれない。

千星は一応逃げている。
その後ろを神功君と九鬼が追っているが、千星の足の遅さは確認済みだ。

「さっさとどいてもらおうか、神功君!!」

大きくジャンプし、彼へと縦に切りつける。
しかし容易く三又の槍で弾かれると、辺りに甲高い金属音が響いた。
後ろへと宙で回転しながら砂地へと着地すると、千星を守る様に立ちはだかる彼に剣先を向け、フェンシングのポーズを取る。

「君に勝てる自信は無いが、一度手合せしたかったんだよ!」

楽しげな表情を浮かべてから、僕は一歩前へと踏み込んだ。

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【神功左千夫】

フェンシングスタイルの鳳凰院しのぶを目の前にすると自然と口角が上がる。
先に相手のリーダーを地に伏せるのも良い作戦か…。
そう簡単には行きそうにないが。

「会長、対決とでも、行きますか?勝てないと分かっているのによく掛ってきますね。」

九鬼に邪魔するなと視線を送ってから僕は槍を構える。
他の三人位なら彼一人でどうにかなるだろう。

持っていた浮き輪を那由多くんへと放り投げるのを合図に僕と鳳凰院の槍と剣が交錯する。

互いに体のラインにそった服を着ている為に一発が致命傷になる。
しかし、ギリギリのラインを狙わないと僕に剣を当てれないことを熟知しているのだろう。

的確に剣先が僕の体の芯に入ってくる、それをいなすように槍の金属部で受け止める。

太刀筋は悪くない。
寧ろ基本をしっかりと学んでから我流を取り入れたのだろう。
ただ、矢張り力が少し劣るか…。

暫く手合わせしていたが、どうも那由多君が海側へと追い込まれていっている。
華尻唯菜が居るからな。
九鬼も少しやりにくいんだろう、…僕もなるべくなら叩かれたくない。

「なにを余所見している!!!」

今までで一番速い剣捌きで僕に突きこんできた鳳凰院の太刀を身を翻す様にして背後へと回る。

「貴方の弱点を教えてあげましょう。」

横切るときに囁く様に告げてから僕は槍と真上から真下へと振り下ろした。

それは彼女の肌を傷つけることは無く、胸を隠している包帯のみを切り裂いた。

「自分への劣等感、ですかね。
…それでは、那由多君が心配なので失礼します。」

にっこりと笑みを浮かべるとその場から退こうと地を蹴った。

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【秋葉文子】

「うわあああああああああ――――!!!!!」

千星君の方へと行った王子の叫び声が聞こえた。
そちらへと視線を向けると、胸元を隠し蹲っている。
多分胸を押さえつけていた晒しをはぎ取られてしまったんだと思う。
そこから凌……おっといけない、また妄想に思考が逸れてしまう所だったでござる。

こちらの守りは、愛輝凪高校の人達が園楽副会長を狙って来ているが、決定的な一撃には至らない状態。
人数的にはこちらが負けているけれど、守りの強度で言えば勝っていると言えるであろうか。
シャボン玉が割られてしまう前に、あちらに蹴りがつけばいいんだけど。

それにしても…。
男達が入り乱れる様子は見ていて気持ちがイイ。
息を荒くしながら、スケッチブックで顔を隠しつつ、眼鏡を覗かせた。

金髪ツンデレ系の日当瀬君。
天然系の天夜君。
ワンコ系の夏岡さん。
鬼畜眼鏡の弟月さん。

どれもこれも大好物でござるよデュフフ。

特に日当瀬君と天夜君コンビは、見た感じあまり仲が良く無い。
多分日当瀬君は受け。
天然系の天夜君に気の強い日当瀬君が組み敷かれるのを想像するだけで、めくるめく妄想が三次元をも超えてしまいそう。
夏岡さんはワンコ系攻めもいいけれど、拙者は鬼畜眼鏡派なので弟月さんが攻め。
鬼畜眼鏡の束縛から逃げられない夏岡さん萌え!!!!

「同人誌のネタにいいでござるなぁ…」

スケッチブックに彼らの絵を描いて行く。
これだけの材料が目の前にあるのだ。拙者のペンは止まることを知らない。

愛輝凪高校の会長副会長コンビと千星君は、多分千星君の片思いでござるな。
会長の事を好きなのに告げることもできない千星君…。
副会長はきっとそれを知っている、会長はそういう所には意外と鈍感。
ある日会長と二人きりになった教室で、千星君は……。

むほほほ。
たまらん、たまらんすなぁ!!
男子がこんなにもいると、拙者の妄想は止まらないでござるよおおおお!!!

スケッチブックを叩くと、拙者が描いた妄想が表へと出て来る。
絡み合っている愛輝凪高校のメンバーが現れると、それをうっとりと眺めた。

いけないいけない、これで相手を精神的に攻撃しなくては。
愛輝凪高校にはガチホモはいるのだろうか。
誰かぼろを出してくれれば、また拙者の妄想が滾るでござるデュフフ。

少し離れた場所で、攻防戦を繰り広げるみんなをにやつきながら見つめた。

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【弟月太一】

「うぉぉぉぉぉ!!!何すんだ天夜!!!!」

日当瀬の声がしたのでそちらを見るとある一か所を見つめたまま叫び声をあげていた。
何があるのかと視線を更に奥へと向けると天夜の偽物と日当瀬の偽物がキスをしていた。
鳥肌が立ったがまぁ、二人とも美系なので見れないことは無い。

他にも何体か人形がいるがこちらを攻撃してくる様子は全く無かった。

どういうことだ?

次に視界に入ったのは千星、神功、九鬼の三体。

「お、俺!会長の事がずっと好きだったんです!!」

「…知っていましたよ。」

「か、会長……!!じゃ、じゃあ…」

「キミたち、そんな面白ろそうなことボク抜きでするなんて、ホント意地悪だね。」

神功と千星が二人の世界を繰り広げようとした瞬間、九鬼が入ってきた。
神功がハッとした様な表情を見せ俯いている。

「駄目だなぁ、左千夫クン。僕というものがありながら浮気なんて」

そう言って、九鬼が神功の腰を抱き寄せていた。

「「ぅわーーー!!!!」」

叫び声が上がった方を見ると、三木と幸花だった。
そんなにこの光景がおぞましいのか青ざめている。

「ちょっと止めろよ、太一!!」

また、別の方から声が聞こえた。

それは紛れもなく陣の声だったが、矢張り偽物の陣だった。

「なんだ、見られたら困るもんでも付いてんのか?
つーか、見て貰わないと感じない変態のくせに。
ほら、さっさと脱いでいつもみたいにおねだりして見せろよ。」

そして、あれは…、お、俺か?
俺が陣に命令すると陣は顔を赤らめて、服を脱ぎ始めた。
犬がするちんちんのポーズを偽物の俺の前で披露している。
晒してはいけないイチモツにはちゃんとモザイクが掛ってあったが。

「や、優しくしてくれ、ワン…」

「いやー!!!!私の弟月様ー!!!!!」

悲痛な叫び声と共に俺と陣の偽物は砕け去った。
大量の人形による仕業だったので誰のおかげか分かったが正直助かった。

駄目だろ、あれは。
俺はまだ喚いている日当瀬の肩を掴んだ。

「あ、もー!キスすんなって…!なんだよ、おと……ッ!!!」

「さっさと片付けるぞ…」

俺の形相が怖かったのか日当瀬はロボットのように頷くと、偽物の絡みを諦めて俺と一緒に園楽に向かって銃を構えた。
数撃ちつけてダメージを与える作戦だ。
早撃ちなら得意だからな。

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【千星那由多】

怖い!怖い怖い怖い!!
頭のスイカを両手で抑えながら必死でビーチを駆け抜ける。
既にもう息切れ状態だ。

園楽さんはシャボン玉に入ってしかもユニコーンにまで跨ってるし、こっちはそう言った防御系要因がいないので、俺はひたすら逃げるしかない。
会長と副会長がいてくれるだけでだいぶ違うが、それでも俺が狙われないとは限らない。

「あ、なゆゆ危ないよー!」

副会長の声がしたのでそちらを向くと、不破さんの拳圧がこちらに飛んできていた。

「うっわ!!!!!」

瞬時に身体を曲げて避けるが、拳圧はスイカの上部をわずかに掠めた。
そして、俺の前方にあった岩を木端微塵に砕いている。
あんなのに当たったら、俺首ごと吹っ飛ぶだろ…。
それに副会長、絶対わざとだろ!!

今副会長は不破さんと闘っている。
会長は堂地さんと華尻の相手をしていた。
鳳凰院は先ほど胸元を隠していたさらしを切られたのか、まだ困惑しているようだった。

とりあえずここは任せて俺は逃げに徹するのみ!
汗を拭い、立ち上がろうとした瞬間だった。

「待ちなさい千ぼ…――――あっ!!!」

聞こえたのは華尻の声だった。
それと同時に尻に何かがぶちあたり、小気味良い音が響いた。

「いってッ!!!!」

立ち上がろうとした身体が再び前面から砂地へと倒れた。
ぐらつくスイカが首を圧迫してくる。
そして、俺の側に落ちたのは、華尻の武器、布団叩きだった。

「!!」

まずい、尻を叩かれた。
土下座祭りだ。
やばい、逃げなきゃいけないのに――――!!!

…………あれ?

なんともない。
尻がじんじんと痛むだけで何も起こらない。

「ありゃりゃ、ハズレだにょ~!」

堂地さんがそう言ったので、多分能力の不発だったんだろう。
そんなこともありえるのか。
いや、けどラッキーだ。変な時にツいてる。

重い頭を起こして立ち上がると、俺は再びよろよろと走り出した。

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【神功左千夫】

不発もあるとは聞いていたが。

僕は二人を槍で突き飛ばす様にして一旦那由多君のところまで下がった。

「那由多君。特に何も症状はでてませんか?」

「は、はい。」

「なら、手荒ですが。―――ッ!!」

後ろにテトラポットが積んでありここでは部が悪いので那由多君を槍の柄で掬う様にして海へと投げた。

これで暫くは持つだろう。

それを追いかける様にして僕は走っていく。

「九鬼。遊んでないでいい加減本気を出しなさい。
貴方のせいで負けたら金輪際、口、きいてあげませんよ。」

九鬼の横をすり抜ける際にさらっと耳打ちをしていく。
先程からチラチラ見ている九鬼の視線の先を見ると僕と那由多君と九鬼がまぐわっていた。

なるほど、彼は好きそうだな、ああいうもの。

僕はテトラポットを上り、そのまま海へとダイブした。

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【九鬼】

気になるんだよネ、お隣の光景が。
そっちに気を取られてる間になゆゆが尻を叩かれていた。

左千夫クンと喋れなくなるのは嫌なので、ちゃんと目の前の相手と対峙しようと思う。

解除していたグローブを嵌め直し、地面へと思い切り拳を突き立てた。
なゆゆ達を追おうとしている奴等の行く手を阻むように、砂の壁がいくつも出て来る。

「さて、こっから先は行かせないヨ♪」

もちろん相手の力もかなり強いので、すぐに壁は壊されてしまうが、その都度何度も前を阻み少しでも時間を稼いでやろうと目論んだ。

「邪魔だにょーっ!!華尻にょん!千星を追うんだにょん!」

そう言って堂地ちゃんは華尻ちゃんの身体を掴むと、高い壁の上から海を狙って放り投げた。
まぁ一人ぐらい行かせてもかまわないか。

不破の拳圧をかわしながら、更に二人の動きを止めるように砂を彼女達に纏わりつかせる。

「海と言えば~砂のアートだよネ!
ちょっと夏満喫しててヨ、お二人さん♪」

彼女たちの身体を地面へと大量の砂で押し倒すと、身動きが取れないように身体の上へと砂を盛っていく。
もちろん顔だけは出して。
砂浜には女体の身体を模った、二体の砂のアートができあがった。
ポーズはちょっと、いや、結構色っぽい感じだ。

「出すにょ~!!」

「何してるッ!どけなっ!」

二人とも頭をしきりに振り乱しているが、ちょっとやそっとじゃ出てこれないだろう。
これ、なにかに使えそうだなと、イタズラに笑いながら彼女達を見下ろした。

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【華尻唯菜】

やっと、千星に近づいた。
っていうよりも、アイツなんでアタシの能力効かないのよ!!!
聞いたら平伏せさすことができたのに!!!
って、平伏したいんじゃないんだけどね…。

アタシはそのまま飛び込みのように着水した。

千星のスイカをさっさと割らないといけないんだけど、割ったら傍にいることができなくなる訳で。
しかも、直ぐ側に愛輝凪の会長が居る。
彼はこっちの会長を倒す程の猛者だ。

そして、一番気になるのが、園楽の近くの光景!!!
せ、せ、千星と神功がキスしてるのよ!今、まさに。

「ふ、不潔ー!!!!!!」

どうしてもそちらをちらちら見てしまうアタシは海底からウニを取り出し、千星に投げつけた。
なぜかそれはコンっと良い音を立てて千星に当たった。

「いってー!!!!!」

「…すいません。それくらい避けれるかと思いまして。」

そう言うことか。
取り合えず、ちゃんとしよう。

まずは立ちはだかるこの、神功を何とかしないと千星には届かない。

麗亜サイドでいちゃいちゃしている偽物の二人を見ていると本物の神功も恋愛の好敵手のように思えてなんだか燃えてきた。

アタシはぐっと布団叩きを握り締めた。

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【夏岡陣太郎】

うへえ、気持ち悪い。
変な能力使ってくるなぁあの秋葉って子。
それも全部太一と晴生の銃で撃ち破られていったけど…。
なんで俺が太一にワンワン言ってんのか意味わからん。

マントを翻すと、園楽よりも高く飛ぶ。
あのシャボン玉をまず割らないといけないよな。

周りを囲んでる奴等のせいで園楽の側にはいるものの、それ以上近づけない。
遠くからの攻撃も周りの奴等に邪魔されるし…。

いや、待てよ。
今ここ、結構穴場じゃねえ?

俺が飛んでいる場所は、調度園楽の頭上当たりだ。
周りは邪魔をされているが、上はそこまで守られていない。

思い立った俺は地面へと急降下すると、純聖を担ぎ上げ、再び宙に舞った。

「うわっ!なんだよナツオカ!!」

「純聖、お前を見込んでヒーロー気分を味あわせてやる!
上から飛び降りて園楽のシャボン玉に掴まれるか?
多分邪魔されるけど、なんとかギリギリまで他は俺やみんなが引きつけてくれる。
んで、お前があのシャボン玉を熱で割れ!」

そう告げると純聖の目はキラキラと輝いていた。
多分、ヒーロー気分、ってとこに反応したんだろう。

「じゃ、いくかんな!!」

両手で純聖の身体を抱えたまま、園楽へ向かって下降していく。
その間もマジックハンドや弓などがこちらへと飛んで来たが、硬化させたマントでの防御や身体を捩じって避けて行った。
みんなも俺の行動に気づいたのか、援護してくれている。
そして、園楽の姿が近づいてくると同時に、純聖を掴んだ腕を離した。

「じゃ、いってこーい!!悪者に捕まんなよ!」

落下していく純聖に飛んで来た弓をマントで打ち落としながら、大きく手を振った。

-----------------------------------------------------------------------

【純聖】

俺がヒーロー!!!!
すっげ!ナツオカはやるやつだと思ってたけどやっぱ、こいつはナユタよりも、一味も二味も違うぜ!!!

そのまま俺は上から急降下していく。
じじいメガネやヒナタセが俺に向かってくる矢や人形を撃ち落としていってくれている。

さて、俺も本気を出すかな。

俺は自分の体温をどんどん上昇していく。
そうすると体の周りから湯気が上空に向かって進んで行く。
その熱エネルギーを落下の力エネルギーの変換して更に降下速度を上げる。

「いっくぜー!!へなちょろ!!!ヒートヒュージョン!!!!」

園楽とか言うへなちょろがこっちを見上げてる少し焦っているみたいだ。
彼はトランペットみたいなのに口を付けたがそれよりも俺の方が速かった。

「おせーよ。」

パンっと音を立ててシャボン玉が割れる。
どうやら物理攻撃に強いが俺の熱攻撃には弱かったみたいだ。
しかし、直ぐにへなちょろの作ったシャボン玉がそのままスイカに飛びつこうとした俺を弾力で弾いた。
シャボン玉は割れたが俺はぶっ飛ばされる。

「後は頼んだぜ!!」

俺は夏岡に向かってグッと親指を立てた。
勿論夏岡も親指を立ててくれる。

ヒーローってのは他の奴の見せ場も作らないといけないからな。

と、言うのは立て前でちょっと自分の熱を上げ過ぎてクールダウンが必要という事実は伏せて置くことにしたい。
あー、また、左千夫に怒られる。

-----------------------------------------------------------------------

【幸花】

エンラクとか言う地味な男を包んでいたシャボン玉が割れた。
すかさず鎖を伸ばし、ユニコーンの上に跨っている男の身体を捕まえる。
トランペットも吹けないようにがんじがらめにしたので、シャボン玉も使えないだろう。

そのまま背を向け、背負い投げる様に鎖を思い切り引っ張ると、大きく弧を描いてユニコーンから落ちた。
他は周りの攻撃に手いっぱいで、今手が空いているのは柚子由か。

「柚子由、スイカ――――」

割って、と言おうと思ったが、私の目にとんでもない光景が入って来た。

「何をしてるんだ、君たちは!神功君がかわいそうじゃないか!!」

その声はエンラクの声だった。
本物だけど本物ではない、あの眼鏡女が作った紙で作られた偽物だ。
その偽物のエンラクは、修羅場だった偽物の左千夫とクキ、アホナユタに割り入っている。
それにしてもちょっと美化されすぎ。

「何?君には関係ないでしょ、あたるっち」

「そうです、園楽さんには関係ないです!!」

「……関係あるよ!俺は前から…神功君の事が……好きだったんだ!!」

思わず怒りで鎖を握っていた手に力が入る。
何なの本当にこれは。気持ち悪い。
確かに左千夫はカッコいいし優しいし素敵だけど、バカな男なんて相手にしない。
紙であっても、二次元であっても、嫌な不愉快さだ。
精神攻撃には持って来いな能力なのが、また腹立たしい。

そして、私と同じようなことを考えていた人物がいた。

そう、柚子由だ。

-----------------------------------------------------------------------

【三木柚子由】

幸花ちゃんから声が掛る。
どうやら今、空いているのだ私しかいないみたい。

傍にいた黒部さんが園楽君の方に向かい始めている。
しかし、幸花ちゃんが山なりに放り投げたのでまだかなり高度がある。
左千夫様ならこれくらい簡単に射抜くんだろうけど、私はこの二又で上手にスイカだけ射ぬける自信は無い。

どうしようか、もじもじしている時に園楽君の声が聞こえた。

「神功君!そんな二人なんて止めて、俺と付き合って…」

今園楽君は上空に居るのであれは偽物だと分かってる。
しかし、その偽物の神功君が左千夫様に、き、キスを…!
しかも唇に…!!

偽物だ、分かってる。
だって、園楽君は左千夫様より小さいけど、あの園楽君は左千夫様より長身だ。
顔も少し凛々しい気がする。

けど、けど。

ポッと頬を染めた左千夫様が園楽君を見上げていた。

駄目、左千夫様落ちないで…!!

もしかしたら、この未来は有りうるかもしれない未来だ。
その為にはこの上空に居る危険分子を排除しなければ。

私は我も忘れて槍をグッと握り締めた。
そして、黒いオーラを巻き上げながら上空を睨む。

-----------------------------------------------------------------------

【園楽あたる】

今俺は宙に浮いてる。
このまま頭から落下させられるのだろうか。
身体にがっちりと巻きついている鎖のせいで、トランペットストローは吹けない。
皆もこぞって助けに来ようとしてるけど、無理だ。
ユニコーンも呼びたいんだけど足止めされてるみたいだし。

どこか冷静だった。
けれど、それは不穏な空気を察知した途端に打ち砕かれる。

背筋に悪寒が走った。
落下していく方向に、黒いオーラを纏った人物がいる。
三木さんだ。
物凄い形相で俺を睨んでいる。
絶対に殺される!本能がそう悟っていた。
原因はなんとなくわかる。
秋葉の作った偽物のせいだ。

そして彼女が手に持っていた二又の槍が、俺を目がけて飛んでくる。

まずい。
槍はスイカじゃなく、完璧に俺を狙っている。
宙で身を捩じってみたが、どうにもならない。

死ぬ、絶対死ぬ!!
串刺しになって死ぬ!!!!

そう感じ強く目を瞑った時だった。
甲高い金属音が鳴ると同時に、身体に衝撃が走った。
ああ、死んだ。
みんな、ごめんな。
俺、自分のことさえ守れないクズ――――……ん??

痛くない。
身体を槍が貫いたわけでもない。
その衝撃は俺の身体ではなく、頭のスイカからきたものだった。
額に赤くて甘い汁が伝う。
そして、綺麗に真っ二つに割れたスイカは、俺の頭から離れ落ちた。

割られた。
いや、それよりも三木さんの投げた槍は俺の身体に当たるはずだった。
外れるような進路でもなかった。
薄く開いた目で辺りを見回す。
仲間が助けてくれたのかもしれない。
そう思ったが、それは違った。

「神功君……!!」

彼が海の中からこちらを見ている。
伸ばした手の感じから、多分彼が武器を使って三木さんの槍の軌道をスイカへと逸らしてくれたみたいだった。

俺の胸はキュンと高鳴り……はしないけど、スイカは割られたが彼のおかげで命は助かったみたいだ。
安堵した俺は、そのまま砂地へと滑る様に落下した。

-----------------------------------------------------------------------

【神功左千夫】

少し危なかった。

不穏なオーラを感じたので柚子由の方を見ると彼女の槍が真っ直ぐに園楽あたるに向かって飛んでいった。
きっと彼女のことだ手が滑ったんだろう。
僕はこの場所から遠投し、柚子由の槍の軌道をスイカへと逸らした。

そのことにより僕の武器はあっちに行ってしまったのだけど。
携帯を戻して、また解除すればいいのだが、それよりも速く那由多君の声が聞こえた。

「いで!!!」

どうやら、華尻唯菜にスイカを叩きわられたようだ。
僅差でこちらの勝ちということは変わらないので僕は笑みを浮かべたまま綺麗に二つに割れたスイカが海へ落ちる前に拾い上げた。
それを九鬼に放り投げる。

「九鬼。持っていてください。」

あっちでは夏岡が割れたスイカをマントでキャッチしていた。

甘いものをみすみす落とす訳にはいきませんからね。

『勝者、愛輝凪。』

ヒューマノイドの声が響き渡ると同時に僕は笑みを浮かべた。

その時だった、水中から不穏な空気を感じた。
僕は咄嗟に華尻唯菜から布団叩きを奪い、那由多君と彼女に背を向けた。

「少し、借りますね。」

僕の前方に黒い影が映る。
そして海面に背びれが浮き出る。
これは間違いない。
あの生物だ。

殺傷性の低い布団叩きでどう戦おうか悩んでいると水中を泳ぎそのまま突進してきた。
サメの鼻と下顎を持つようにして口を開かせないようにするが力負けしてそのまま背中から那由多君達へと突っ込んで行った。

-----------------------------------------------------------------------

【千星那由多】

スイカを華尻にどつかれた。
しかしどうやら僅差でこちらが割られたのが遅かったようなので、勝つには勝ったみたいだ。
でも痛い。
あいつどこからあんなバカ力出してんだよ…。

涙目で頭をさするが、それどころではなかった。
会長が華尻の布団叩きを奪うと、視線を向けた先にはバカでかいサメがいた。

身体が硬直する。
こんな間近でサメなんか見たことはない。
しかし、明らかに海面から覗く背びれとシルエットは、サメだった。

「かいちょ……!んぶぅ!!!!」

立ち向かっていった会長が俺達の方へとぶっ飛んでくる。
そりゃあさすがに布団叩きじゃなんともならない。
しかも会長の武器は今ここには無い。
つまり、闘える武器を持っているのは俺しかいなかった。
サメはそんな俺達を威嚇するように、ぐるぐると円を描く様にを回っている。

「ちょっとちょっと!!逃げるわよ!!」

「もう遅いですね」

「でも闘えないじゃない!!布団叩きなんかじゃ……!!」

華尻のその言葉と同時に、二人の視線が俺へと向いた。
期待が籠っているのか籠っていないのかはわからない。
だけど俺がやるしか無いんだ。
そう思った瞬間に、サメは少し離れたかと思うと、大きく跳ねるように顔を覗かせた。

「来ますよ、那由多君」

「陰毛頭ぁあああっ!!!」

冷静な会長と、テンパってる華尻の叫びが響いた。
もう考えている暇はない。
ブレスレットが眩く光ると、剣へと形が変わる。
どうする、何で攻撃する。
水ん中で炎作れんのか?
わからん!!
とにかく、とにかく……!!

海の中で剣を構える。
咄嗟に俺が水中で書いた字は水だった。

俺達の周りの海水が目の前へと集まって行く。
大量の水を寄せ集めたそれは、襲って来たサメの身体をまるで生き物のように包み込んだ。
豪快な水音が辺りに響き、縛り上げたサメは必死で逃げようとしているが、まったく抵抗になっていない。

なんとなく、このまま縛り上げて殺してしまいそうだ。
なんかそれは後味が悪い。

「今のうちに逃げましょう」

暫くそれを呆然と見ていたが、会長の言葉にハっと我に返ると、そのままビーチへと急いで泳ぎ始める。
俺は浮き輪で会長に引っ張られてる状態だったが。

俺達が砂浜へと辿りついた所で、サメを捕まえていた水は普通の海水へと戻り、そのままサメはどこかへ消えて行った。

近くに大量に水があったせいなのか、あんな事になるとは想像もつかなかった。
少し飲み込んだ海水を吐きだすように咳払いすると、剣へと視線を落とした。

-----------------------------------------------------------------------

【華尻唯菜】

アタシ達に襲いかかってきたサメには千星のお陰で食われなかった。

なによ、アイツ本当にいいとこ取りなんだから!!

ってそれよりも。

「なんでこんなとこにサメが居んのよ!!」

そう叫ぶと同時にこの海の所有者の九鬼へと睨みを利かせた。
彼はボクと言いたげに自分を指差してから後ろ髪を掻いていた。

「サメがでたって報告は聞いてないんだけどナ~」

そう言って九鬼が視線を逸らした先にはヒューマノイドのマリアとイデアが居た。
二人が不敵に、マリアはニコニコだが、笑っていたので誰が犯人か分かってしまった。

「お前か!!イデア!!危うく食い殺されるとこっだっただろ!!!」

そう言って千星がイデアに食いかかっていた。
きっと、アタシのとこのマリアとイデアは性格が酷似している部分があるんだろう。
マリアも鍛える為ならなんでもやるタイプだ。

なので、アタシの二の腕はこうなった訳だけど。

それから、アタシたちは皆で割ったスイカを仲良く分けて食べた。
どうやら戦いはこれで終わり見たい。
結局、最終的にこっちの大敗になっちゃったけどよしとするか。
ポイントはまだまだあるし、地区聖戦は始まったばかりだしね。

皆で生ぬるくなったスイカを頬張りつつアタシは海を、そして、千星を眺めた。

そう言えば。
能力発動時に、っていうか、サメに襲われた時に愛輝凪の会長のお尻叩いちゃったよね、アタシ。
アタシの能力は素手でも発動する。

尻に触れると発動するというやっかいなものだった。
でも、今のところ彼に変化はなさそうだ。
いつものように微笑みを絶やさずスイカを食べている。

愛輝凪の会長がこちらに気付いて微笑んできたので、アタシは急いで視線を逸らした。
きっと不発だったんだろう、そうしておこう。
シャリっと音を立ててまたスイカを食べ始めた。

後、何回千星に会えるかな。
出来れば、このスイカの種と同じ回数くらいは逢いたい。

-----------------------------------------------------------------------

【千星那由多】

スイカを頭に乗せてたせいか首が痛い。

あの後麗亜高校とは別れた。
お互い決勝戦に向けて頑張ろうという事で円満な試合で終わったが、鳳凰院はまだ俺の事は嫌っているみたいだった。
最後の最後でいいとこ見せたのに、奴は俺がやったと信じていないみたいだ。
それにしても長い二日間だった。
全然夏満喫できてねえじゃん。

全員で食事と風呂を終え、各自部屋へと戻る前に思わぬ来客があった。

「随分遠い所まで来たんだね、左千夫」

「…こんな所まで来たのですか、十輝央兄さん」

ロビーに現れたその人物は、まさかの神功十輝央先輩だった。

「どこに行ったのか随分探したよ。九鬼君のプライベートビーチだったとはね。
……千星君」

そう言ってほわっと笑うと、見て見ぬふりをして逃げようとする俺を引き止めるように名前を呼ばれる。
こんな所まで来て勝負を挑まれるのか。
そこまで執着心の強い人じゃないと思っていたが、どうやら間違いみたいだ。
この人結構負けず嫌いなんだな。

「勝負だ!!今日もよろしくね!」

「……はぁい……」

正直俺は昨日今日と連日で続いた競技で疲れ果てていた。
今日は早く寝ようと思っていたのに…。

毎度同じく習字での勝負を挑まれる。
俺は肩を落として筆を取った。

-----------------------------------------------------------------------

【錦織一誠】

十輝央様がどうしても千星那由多と勝負がしたいと言ったので居所をつきとめると龍鬼頭の跡取り息子のプライベートビーチに居た。
地区聖戦は高校の名誉が掛っているのに呑気な連中だ。

今日こそ、十輝央様が千星に勝つだろう。

しかし、戦闘能力は皆無に等しいのに字に関しては俺でも認めてしまうほどうまい。
十輝央様は相手の得意なことでしか勝負はしない。
それで勝ってこそ、その人に勝ったことになると思っているからだ。

地区聖戦に関しても売られたケンカはかっているが自分からは殆ど戦闘を仕掛けることは無い。
しかも、千星以外は負けなしだ。

俺の前に神功左千夫が居る。
彼の表情は屋敷に居るものとは異なり真剣なまなざしで彼らの勝負を眺めていた。
俺は彼が微笑んでいるところしか見たことが無いのでこれが本当の表情かと眼鏡を押しあげた。

「矢張り、猫を被っておられたのですね、左千夫様。」

「錦織一誠…君ですか、十輝央兄さんに余計なことを吹き込んだのは」

「余計なこととは失礼な、必要なことだったので。
それとも図星をつかれて困りましたか…?」

失礼だとか、こいつにはもうそんな感情は無い。
俺は口角を上げる様にして笑みを浮かべた。
しかし、彼はいつものように微笑みだけだった。

「いいえ。調度良い機会を作ってくださり、ありがとうございます。と、伝えて置きましょうか。
これで僕と十輝央兄さん、どちらかすぐれているか一目瞭然になる。財界の方々にもね。」

そう言った後に浮かべた神功左千夫の笑みに僕の背筋はゾッとした。
コイツはとことん裏がある人物だと思ってしまったからだ。

「お前なんかに神功家は乗っ取らせないからな…!!!」

「おやおや、何のことですか?僕はそこまでいってませんよ。」

そう言った彼はいつもの笑みに戻っていた。

コイツは一発殴らないと気が済まない…!!

俺が携帯を構えた瞬間、十輝央様の声が響き渡った。

「駄目だ!!また負けた!!
千星君、本当に君は字が綺麗だね…苦手な字とかないのかい?」

十輝央様がまたまけた…!!
俺は慌てて二人の字を見に走った。

確かに千星の字は美しかった。
勿論十輝央様の字も申し分ない。
しかし、千星の字にはそれの上をいく訴えかけてくるようなものがある。

「うーん、仕方が無い。また、明日来るよ、今度こそ負けないから。」

「明日も来るなら泊まっていったらどうですか?」

俺達が帰ろうとすると神功左千夫が声を掛けてきた。
十輝央様は人が良いので「お言葉に甘えようかな。」っと言って神功左千夫の近くに歩んで行った。
どうやら、龍鬼頭の息子も異論は無い様だ。

気に食わない。
十輝央様は分かって無い。
神功左千夫はその笑みの裏で何を画策しているのか。
彼がどんな人間なのか。

しかし、これ以上は俺が口を出すことではない。
俺が神功左千夫を仕留めることができる実力を付ければ良いだけだ。

俺達を案内するためにメイドがこちらへときた。

「一つ、質問があります。羅呪祢高校とはどこまでの契約ですか?」

「地区聖戦の予選までだ。
そこまでで十分、十輝央様の実力を示すことができるだろう。
それに、羅呪祢高校には決勝に出るほどの実力は無い。」

「そうですか。それなら、少し安心しました。
…くれぐれも気を付けてください。あの高校は得体が知れません。」

得体が知れないのはお前だろう。
俺はその言葉を飲みこむと同時に宛がわれた部屋へと向かった。 





   


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