駄々甘ママは、魔マ王さま。

清水裕

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第33話 ヨシュア、教会に赴く。

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 ふう、しばらく魔マ王の様子を見ておったから、ヨシュア達の様子を見ておらんかったな。
 いい加減見ないと意見のじゃ。
 そう自分に言いながら、ワシは視点をヨシュアへと変えたのじゃ。

 ……ん? おお、遂に人間の街に入っておったのか!!
 確かこの街は……ハジメーノ王国じゃな。
 人間の暮らす地域じゃと比較的安全な国らしいのう。
 だからじゃろうか、周囲に生息するモンスターは弱いものばかりじゃな。
 そのため、冒険者になろうという者達にとってはこの国は初めの国とも呼ぶべき国のようじゃ。

 …………初めの国じゃから、ハジメーノ王国じゃな。
 うまい! 流石ワシじゃ! 鈴木君、座布団を50枚ほど持ってくるのじゃ!!(ドヤ顔)

 ……今いっしゅん、上手くないから。全然上手くないからって声が聞こえた気がするのじゃ。
 何と言うか酷いのう、ワシちゃんと考えたんじゃよ?
 きっと国の名付けは前任者かそれ以前の神が送り込んだ転生者に違いないのじゃ!
 ……そういえば、前任者が送り込んだ転生者の姿が見かけんが、何故じゃろうな? まあ、きっと元気に暮らしてるに違いないのじゃ。
 っと、それよりもヨシュアを観察するのじゃ。
 今現在ヨシュアは……、何と! 教会に向かっておるのか!?

「勇者様! もうすぐ教会に付きますので、急ぎましょう!!」
「勇者?」「勇者だって?」
「あの男の子がそうなのか?」「もう一方の女は、お付か?」
「スゲェおっぱいだな……」「何か、アホの子っぽいんだけど……」
「というか、両手いっぱいに肉串持ってるぞ?」
「あれ美味しいんだよなー。って、売り切れになってた原因って……」

 案内人であろう騎士が元気の良い声でヨシュアを呼ぶと、街の人達が彼らを見たのじゃ。
 それが恥かしいのか、ヨシュアの顔は真っ赤じゃな。
 そしてファンロンは両手いっぱいに肉串を持ち、モシャモシャと食べながら「美味しいアル~♪」と言って歩いておるのじゃ。
 ……オノレキョニュウメ……。
 って、屋台を売り切れさせるって酷いと思うのじゃ。みんなと均等に買うのが一番じゃと聞いたんじゃよ?
 とか思っていると、ようやくヨシュアは教会に辿り着いたのじゃ。

「勇者様、ここが教会です! ささ、どうぞ中へ!!」
「は、はい……」
「ファンロンも行くのだー! 「お待ちください!」――ふぇ?」
「教会内で食べ物を食べるのは禁止しております。ですので、お待ちいただくか食べ物を片付けてからお入りください」

 喜々としながら入ろうとしておったファンロンは教会を護る兵士に止められたのじゃ。
 まあ、普通に考えて物を食べ食べ教会内を歩いて欲しくはないのう。
 そしてそう言われたファンロンはムムムと眉根を寄せて悩んでおるようじゃった。一応勇者を護らないといけないと言う考えはあるようじゃな。
 食べ物か、勇者か、その二択を悩んで悩んで悩んでみた(自分の中で)結果、ファンロンは……。

「ん~~……。わかったアル。ファンロン、ここで待ってるアル!」
「うん、わかったよ。えっと……騎士さん」
「何でしょうか!?」
「ファンロンさんのこと、しばらくお願い出来ませんか?」
「お任せください勇者様! 御供の方は責任を持って面倒を見させて頂きます!!」

 申し訳なさそうに案内してくれた騎士にヨシュアはお願いすると、騎士はビシッと胸を張って敬礼する。
 そんな彼に頭を下げて、ヨシュアは教会の中へと入っていったのじゃ。
 ……ちなみに本当に申し訳ない事をしたとしか良いようがないと思うのじゃ。何故なら、あの子はバカみたいに食うようじゃからのう。
 そういえば一度チラッと見た時にファンロンの制御役となっておったウィスドムはどうしておるんじゃ?
 ……おお、普通に書庫で読書をしておるようじゃな。初めて見た時と同じような感じに読書をしておるのじゃ。
 留守番をしている。そう考えながら、ワシは視点をヨシュアへと戻したのじゃ。

「ここが大聖堂となっております。そして、一番奥にある像がこの世界の神と言われています勇者様」
「あれが……?」

 清廉な空気を放つ大聖堂の中、ヨシュアは教会の偉い人であろう老人に連れられて像の前に来たのじゃ。
 というか、この様な美人がワシの像なのか? うむむ、このように思われてるとは……照れるのじゃ!
 何と言うか、はずかちー!ってやつなのじゃな。

「神の声を聞くには、如何すれば良いのかは良くわかってはおりません。ですが、私達は祈れば大丈夫だと考えており、神もそうする事を望んでいることでしょう」

 とか思っておると、偉い老人が大層な事を言っておるのじゃ。
 いや、ワシそんなご大層に祈られたくないのじゃ。もっと軽く毎日ありがとうございますー。って感じに祈って貰えるだけで良いのじゃよ?
 そう思っていると、ヨシュアは両手を併せて目を閉じたのじゃ。

(神様、いるなら……いるなら話しかけてください…………)

 普通に対話を望んでおるようじゃな。……じゃったら、応じるべきじゃよな?
 そう考えながら、ワシはヨシュアの声に返事を返したのじゃ。

 ……とりあえず、精神をこちらに引きこんで現実では1分ほどの時間じゃが、ここでは大分時間が経つというアレを行うとするかのう。
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