異世界転生を知らない幽閉王子は死にたがり。

いちご食べたい人

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転生

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ウルス視点


公爵家の情報を調べている間にも、着々と陛下の部屋へ移る準備が進められていた。

と言っても、スノードロップの荷物はあまり多くにないため数日もかかることはない。
それでも数日の時間をくれているのは陛下のご配慮なのだろうか。

スノードロップはソファーに座り、地面をただ見つめていた。
横にあるサイドテーブルには手がつけられていない朝食がある。

そんな様子に呆れて声をかけてしまった。

「今日からこの部屋ともおさらばですね、死に急ぐほどここが嫌だったのでしょ?」

「……。」

しかし、そんな皮肉がこもった呼びかけにも返事は返ってこなかった。

目線を向けても反応はない。

「…チッ。」

何が不満かわからない俺は考える事を放棄し、その部屋を後にした。

今日の夜にはここを出て陛下の寝室で共に寝る筈だ。

そうなるともう手を差し伸べられない。
自殺を防ぐこともできない。
昔にあった出来事の真相も聞けなくなってしまう。

しかし…
今の俺にはあいつを救う手段が思いつかなかった。

その夜、スノードロップは陛下の寝室へと向かっていった。



◇ ◇ ◇



これで面倒に思っていた護衛も終わる。
ということで、同僚に誘われて酒屋で宴会のようなものを開いていた。

何度断っていた俺を引きずって、半強制的にだったが。


それでも気分は優れない今、何もしていないよりはいいだろう。

何もしていなかったらモヤモヤしたことを考えてしまう。

今頃アイツは陛下と……


「チッ!!」

そんな事を考えていると胸がモヤモヤとして苛立ちが募った。

自分のわからない気持ちにヤキモキしていると、酒屋の扉が大きく開きバタバタとこちらへ向かってくる影が見えた。

王宮騎士団の制服を着ていたため、こちらに用があるのはすぐにわかった。

その只事ではない様子に俺の心臓はドクンと脈打った。

まさか…な。
俺が離れた瞬間にそんなことが起こる筈ないだろ?

しかし、その騎士団の男は一直線に向かってきて言った言葉は……





アイツが死んだという知らせだった。


ーーーーーーーーーーーーー


誤字・脱字があったら報告お願いいたします。

短くてすみません!!
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