44 / 76
44 5分の攻防を決意させたもの
しおりを挟む
「5分だけおねがい!」
その言葉を合図にするかのようにクウちゃんが飛び出していく。
目的は時間稼ぎ。
それが分かっているので動きもそれに適した物になる。
突進で動きを止め、弾き飛ばす。
足に噛み付き放り投げる。
手足の骨を砕き弾き飛ばす。
その動きは数を減らすではなく、動きを失った身体を障害物としてアンデッドになってしまった村の人達の動きを妨げる。
そして放り投げた身体は進行してくる彼らの身体を弾き飛ばす事によって一石二鳥の効果を発揮するのだが、それに徹してもじわじわと詰め寄られる。
それをカバーするようにアンジェが動く。
歩を進めようとするグールの足に矢を放ったり、這いよろうとする物の手足や胴体に矢を放つ事でその場に縫い付けて足止めをしているのだ。
数を減らすなら頭を狙って止めを刺した方がいいのだが、それをしないことでアンデッドをもがかせて、周囲の邪魔をさせている。
そうすることでかなりハイペースな動きではあるが均衡を保つ事に成功している。
それを見ながら私も儀式魔法の準備を進めている。
杖を通して聖魔力を走らせ、魔法陣を描く。
この杖は増幅するだけじゃなく、魔力の扱いも大きくサポートしてくれる、それは魔法陣の展開の速度も大きく向上させてくれている。
そして今回使う儀式魔法の魔法陣は本来ならかなり緻密で微細な文字が数多く連なっている、しかし今回描くのそれではない。
私には必要のない物を省いた形にすることで、魔法陣の形成時間を減らしているのだ。
省いた物は調律、融合、平均化の3つの効果である。
これが通常儀式魔法を使うときに人数に合わない威力しか出ない事の多い原因になるところでもある。
そのロスを見ても使う必要というのはその出力は通常一人では出す事が出来ないから。
必要な無駄というやつである。
一人で発動出来るなら出ないが、そもそも発動出来ないのだから仕方ないと諦められていたものである。
この杖が会って初めて実現できる短縮。
大抵の人はそれを聞いてもそんなものだと思って受け入れてそれが無駄という事を忘れていく。
私もそうだったのだけれど、それはあの日この杖を貰った時を契機にして変る事になったんだ。
あの時杖をもらって嬉しかったんだ、アンジェの事を大事って言ってても私も忘れずにちゃんと大事にしてくれてるって安心させてくれて。
だからちょっと調子に乗って限界まで頑張ったらどこまで出来るかを試したくなって。
そうしたら皆をびっくりさせちゃったんだ。
その時使ったのは癒しの力。
出来るだけ高出力に全力全開でやったそれは皇宮の全てどころか、周囲の貴族の屋敷の連なる貴族街まで包み込むことになったんだ。
その時何が起きたかの詳細は移動する馬車の中で知ったんだけど、それは出陣前に起きた神の奇跡って呼ばれたみたいで、出撃準備をしていた兵士の人達のちょっとした不調や古傷の痛みなんかをとってくれたんだって。
それ以外にも私達の近くにいた人の中には持病だったり慢性化してしまった負傷が完治したり、骨折で皇都待機となっていた人の骨が治って私達の隊に合流できたりといった想像してなかった事態を引き起こしたんだ。
それを聞いたときには流石に頬が引きつっちゃったんだよね、そんなの想像もしていなかったし。
私達からしたら聖魔力を全力で放出して、それでクウちゃんとリンちゃんの祝福で使った体力の回復が出来た位にしかおもってなかったから。
でもそれを聞いた時はそんなの儀式魔法じゃないって思ったんだよね。
それを夕食の時に口走ったら、そこから話が広がった。
お兄ちゃんが旅の途中で出会った変わり者の研究者の一人が今私がしていることを研究していたって。
でも理論は出来ても発動出来るほどの人間が見つけられないって。
他にも色々研究しているその道では知られている人だったらしいんだけど、それに関しては道楽だからってお兄ちゃんに色々理論とか教えてくれたらしい。
本当にお兄ちゃんってば色んな人から変な事聞いてくるよね。
それで聞き流さずに覚えてる辺り何者なんだろうって思うの。
本当にびっくり超人だよね。
それはさておき、そんな事で私はその理論と理屈を教えてもらって魔法陣を変えてみた。
元々読めるようにってのは教会にお世話になるようになってからは教えてもらっていたから余分なものはすぐにわかったんだ。
それを無くしてなくした所を埋める配置にして魔力の通り道だけ再構築する。
本当はもっと効率化できるんだけど、私には無理。
だからこの魔法陣はある意味まだ未完成。
だけどそれは出力で押し切る。
私の聖女としての力とお兄ちゃんにもらったこの杖と、リンちゃんとクウちゃんにもらった加護。
一度しか試してないけど、泣き言なんてのは今は言えない。
ただ一心に展開していくだけ。
皆にもらった力を全開にしてひたすらに魔法を紡ぐ。
お兄ちゃんにもらった杖のお陰で魔法陣の展開も後半分、詠唱も順調、これなら何とかなると思っていたところでアンジェの苦々しい声が届く。
「飛び道具……厄介ですね」
アンデッドの中に武器を持つものが現れたのだ。
その手にあるのは剣や槍といったものから弓や杖といった遠距離から攻撃するのが目的といったものまで。
それが秩序立って進んでくる。
「さあ!これを防ぎきれるかな!?」
そんな下品な声が響いてくるがこちらはそれどころじゃない。
私は魔法の展開で動けないのだ。
それを知っているのでアンジェは遠距離攻撃が可能なアンデッドに猛攻をかける。
そうしたときに起こるのは前線への補助の欠如。
これは仕方がない、後方に対して攻撃を加えなければ全てが瓦解してしまうからだ。
それが分かっているのでクウちゃんは速度を上げる。
発揮する力も、全てが今までよりも強い。
リンちゃんもデルクにこれ以上させないように攻撃の手を更に強めている。
それでも崩れないのを苦々しく思うのだが。
そこから過酷な戦いが始まった。
全員が常に全力で動くしかないのだ。
それでも手は足りずに徐々に私達は追い詰められていく。
後ろは最初から崖のおかげで後ろに気を配らなくて済むおかげでなんとか持ちこたえられているが、それももう長くは続かない。
瓦解するのが先か、私が魔法を完成させるのが先か、どちらが先でもおかしくない。
そうした状況の中で私は見てしまった。
口元を大きく吊り上げたデルクの顔を。
拙い。
そう思ったときにはそれは既に始まっていた。
後ろから響く絶叫。
うそ!後ろから!?
それは巨大な蝙蝠だった。
縦1メートル横2メートルというその巨体は私に向かって高速で飛来してくる。
焦る表情で向き直ったアンジェが弓を放つ。
それは今まで以上に魔力の篭った連射で蝙蝠を射抜いていき、それは崖の下に墜落させる事に成功するのだが。
「チェックメイトだ」
ニヤニヤした顔で告げるデルクの顔が絶望的な状況を語っていた。
アンジェが攻撃することで止められていた遠距離攻撃、それの全てが私のほうを向いていた。
防御すればあれは凌げる。
だけどそうすれば皆磨り潰されて死んでしまう。
それが分かっているから私は魔法を止められない。
それを見越したデルクが口を開く。
「やれ!」
強力な瘴気の篭った矢が、魔法が私達二人に向けて放たれる。
それは後一歩のところで、私達の防衛線が崩壊した結果であった。
魔法を発動しようとする私の前にアンジェが出て矢を放つ。
焼け石に水。
何発かは撃ち落せてもその攻撃は止められない。
成すすべなく、私達はその攻撃に飲み込まれるのだった。
その言葉を合図にするかのようにクウちゃんが飛び出していく。
目的は時間稼ぎ。
それが分かっているので動きもそれに適した物になる。
突進で動きを止め、弾き飛ばす。
足に噛み付き放り投げる。
手足の骨を砕き弾き飛ばす。
その動きは数を減らすではなく、動きを失った身体を障害物としてアンデッドになってしまった村の人達の動きを妨げる。
そして放り投げた身体は進行してくる彼らの身体を弾き飛ばす事によって一石二鳥の効果を発揮するのだが、それに徹してもじわじわと詰め寄られる。
それをカバーするようにアンジェが動く。
歩を進めようとするグールの足に矢を放ったり、這いよろうとする物の手足や胴体に矢を放つ事でその場に縫い付けて足止めをしているのだ。
数を減らすなら頭を狙って止めを刺した方がいいのだが、それをしないことでアンデッドをもがかせて、周囲の邪魔をさせている。
そうすることでかなりハイペースな動きではあるが均衡を保つ事に成功している。
それを見ながら私も儀式魔法の準備を進めている。
杖を通して聖魔力を走らせ、魔法陣を描く。
この杖は増幅するだけじゃなく、魔力の扱いも大きくサポートしてくれる、それは魔法陣の展開の速度も大きく向上させてくれている。
そして今回使う儀式魔法の魔法陣は本来ならかなり緻密で微細な文字が数多く連なっている、しかし今回描くのそれではない。
私には必要のない物を省いた形にすることで、魔法陣の形成時間を減らしているのだ。
省いた物は調律、融合、平均化の3つの効果である。
これが通常儀式魔法を使うときに人数に合わない威力しか出ない事の多い原因になるところでもある。
そのロスを見ても使う必要というのはその出力は通常一人では出す事が出来ないから。
必要な無駄というやつである。
一人で発動出来るなら出ないが、そもそも発動出来ないのだから仕方ないと諦められていたものである。
この杖が会って初めて実現できる短縮。
大抵の人はそれを聞いてもそんなものだと思って受け入れてそれが無駄という事を忘れていく。
私もそうだったのだけれど、それはあの日この杖を貰った時を契機にして変る事になったんだ。
あの時杖をもらって嬉しかったんだ、アンジェの事を大事って言ってても私も忘れずにちゃんと大事にしてくれてるって安心させてくれて。
だからちょっと調子に乗って限界まで頑張ったらどこまで出来るかを試したくなって。
そうしたら皆をびっくりさせちゃったんだ。
その時使ったのは癒しの力。
出来るだけ高出力に全力全開でやったそれは皇宮の全てどころか、周囲の貴族の屋敷の連なる貴族街まで包み込むことになったんだ。
その時何が起きたかの詳細は移動する馬車の中で知ったんだけど、それは出陣前に起きた神の奇跡って呼ばれたみたいで、出撃準備をしていた兵士の人達のちょっとした不調や古傷の痛みなんかをとってくれたんだって。
それ以外にも私達の近くにいた人の中には持病だったり慢性化してしまった負傷が完治したり、骨折で皇都待機となっていた人の骨が治って私達の隊に合流できたりといった想像してなかった事態を引き起こしたんだ。
それを聞いたときには流石に頬が引きつっちゃったんだよね、そんなの想像もしていなかったし。
私達からしたら聖魔力を全力で放出して、それでクウちゃんとリンちゃんの祝福で使った体力の回復が出来た位にしかおもってなかったから。
でもそれを聞いた時はそんなの儀式魔法じゃないって思ったんだよね。
それを夕食の時に口走ったら、そこから話が広がった。
お兄ちゃんが旅の途中で出会った変わり者の研究者の一人が今私がしていることを研究していたって。
でも理論は出来ても発動出来るほどの人間が見つけられないって。
他にも色々研究しているその道では知られている人だったらしいんだけど、それに関しては道楽だからってお兄ちゃんに色々理論とか教えてくれたらしい。
本当にお兄ちゃんってば色んな人から変な事聞いてくるよね。
それで聞き流さずに覚えてる辺り何者なんだろうって思うの。
本当にびっくり超人だよね。
それはさておき、そんな事で私はその理論と理屈を教えてもらって魔法陣を変えてみた。
元々読めるようにってのは教会にお世話になるようになってからは教えてもらっていたから余分なものはすぐにわかったんだ。
それを無くしてなくした所を埋める配置にして魔力の通り道だけ再構築する。
本当はもっと効率化できるんだけど、私には無理。
だからこの魔法陣はある意味まだ未完成。
だけどそれは出力で押し切る。
私の聖女としての力とお兄ちゃんにもらったこの杖と、リンちゃんとクウちゃんにもらった加護。
一度しか試してないけど、泣き言なんてのは今は言えない。
ただ一心に展開していくだけ。
皆にもらった力を全開にしてひたすらに魔法を紡ぐ。
お兄ちゃんにもらった杖のお陰で魔法陣の展開も後半分、詠唱も順調、これなら何とかなると思っていたところでアンジェの苦々しい声が届く。
「飛び道具……厄介ですね」
アンデッドの中に武器を持つものが現れたのだ。
その手にあるのは剣や槍といったものから弓や杖といった遠距離から攻撃するのが目的といったものまで。
それが秩序立って進んでくる。
「さあ!これを防ぎきれるかな!?」
そんな下品な声が響いてくるがこちらはそれどころじゃない。
私は魔法の展開で動けないのだ。
それを知っているのでアンジェは遠距離攻撃が可能なアンデッドに猛攻をかける。
そうしたときに起こるのは前線への補助の欠如。
これは仕方がない、後方に対して攻撃を加えなければ全てが瓦解してしまうからだ。
それが分かっているのでクウちゃんは速度を上げる。
発揮する力も、全てが今までよりも強い。
リンちゃんもデルクにこれ以上させないように攻撃の手を更に強めている。
それでも崩れないのを苦々しく思うのだが。
そこから過酷な戦いが始まった。
全員が常に全力で動くしかないのだ。
それでも手は足りずに徐々に私達は追い詰められていく。
後ろは最初から崖のおかげで後ろに気を配らなくて済むおかげでなんとか持ちこたえられているが、それももう長くは続かない。
瓦解するのが先か、私が魔法を完成させるのが先か、どちらが先でもおかしくない。
そうした状況の中で私は見てしまった。
口元を大きく吊り上げたデルクの顔を。
拙い。
そう思ったときにはそれは既に始まっていた。
後ろから響く絶叫。
うそ!後ろから!?
それは巨大な蝙蝠だった。
縦1メートル横2メートルというその巨体は私に向かって高速で飛来してくる。
焦る表情で向き直ったアンジェが弓を放つ。
それは今まで以上に魔力の篭った連射で蝙蝠を射抜いていき、それは崖の下に墜落させる事に成功するのだが。
「チェックメイトだ」
ニヤニヤした顔で告げるデルクの顔が絶望的な状況を語っていた。
アンジェが攻撃することで止められていた遠距離攻撃、それの全てが私のほうを向いていた。
防御すればあれは凌げる。
だけどそうすれば皆磨り潰されて死んでしまう。
それが分かっているから私は魔法を止められない。
それを見越したデルクが口を開く。
「やれ!」
強力な瘴気の篭った矢が、魔法が私達二人に向けて放たれる。
それは後一歩のところで、私達の防衛線が崩壊した結果であった。
魔法を発動しようとする私の前にアンジェが出て矢を放つ。
焼け石に水。
何発かは撃ち落せてもその攻撃は止められない。
成すすべなく、私達はその攻撃に飲み込まれるのだった。
50
あなたにおすすめの小説
S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る
神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】
元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。
ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、
理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。
今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。
様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。
カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。
ハーレム要素多め。
※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz
他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。
たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。
物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz
今後とも応援よろしくお願い致します。
パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強
こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」
騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。
この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。
ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。
これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。
だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。
僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。
「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」
「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」
そうして追放された僕であったが――
自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。
その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。
一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。
「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」
これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
微妙なバフなどもういらないと追放された補助魔法使い、バフ3000倍で敵の肉体を内部から破壊して無双する
こげ丸
ファンタジー
「微妙なバフなどもういらないんだよ!」
そう言われて冒険者パーティーを追放されたフォーレスト。
だが、仲間だと思っていたパーティーメンバーからの仕打ちは、それだけに留まらなかった。
「もうちょっと抵抗頑張んないと……妹を酷い目にあわせちゃうわよ?」
窮地に追い込まれたフォーレスト。
だが、バフの新たな可能性に気付いたその時、復讐はなされた。
こいつら……壊しちゃえば良いだけじゃないか。
これは、絶望の淵からバフの新たな可能性を見いだし、高みを目指すに至った補助魔法使いフォーレストが最強に至るまでの物語。
コストカットだ!と追放された王宮道化師は、無数のスキルで冒険者として成り上がる。
あけちともあき
ファンタジー
「宮廷道化師オーギュスト、お前はクビだ」
長い間、マールイ王国に仕え、平和を維持するために尽力してきた道化師オーギュスト。
だが、彼はその活躍を妬んだ大臣ガルフスの陰謀によって職を解かれ、追放されてしまう。
困ったオーギュストは、手っ取り早く金を手に入れて生活を安定させるべく、冒険者になろうとする。
長い道化師生活で身につけた、数々の技術系スキル、知識系スキル、そしてコネクション。
それはどんな難関も突破し、どんな謎も明らかにする。
その活躍は、まさに万能!
死神と呼ばれた凄腕の女戦士を相棒に、オーギュストはあっという間に、冒険者たちの中から頭角を現し、成り上がっていく。
一方、国の要であったオーギュストを失ったマールイ王国。
大臣一派は次々と問題を起こし、あるいは起こる事態に対応ができない。
その方法も、人脈も、全てオーギュストが担当していたのだ。
かくしてマールイ王国は傾き、転げ落ちていく。
目次
連載中 全21話
2021年2月17日 23:39 更新
パーティーの役立たずとして追放された魔力タンク、世界でただ一人の自動人形『ドール』使いになる
日之影ソラ
ファンタジー
「ラスト、今日でお前はクビだ」
冒険者パーティで魔力タンク兼雑用係をしていたラストは、ある日突然リーダーから追放を宣告されてしまった。追放の理由は戦闘で役に立たないから。戦闘中に『コネクト』スキルで仲間と繋がり、仲間たちに自信の魔力を分け与えていたのだが……。それしかやっていないことを責められ、戦える人間のほうがマシだと仲間たちから言い放たれてしまう。
一人になり途方にくれるラストだったが、そこへ行方不明だった冒険者の祖父から送り物が届いた。贈り物と一緒に入れられた手紙には一言。
「ラストよ。彼女たちはお前の力になってくれる。ドール使いとなり、使い熟してみせよ」
そう記され、大きな木箱の中に入っていたのは綺麗な少女だった。
これは無能と言われた一人の冒険者が、自動人形(ドール)と共に成り上がる物語。
7/25男性向けHOTランキング1位
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる