56 / 76
56
しおりを挟む
「ん?ルイス、どうかしたか?」
「!?なんでもない!」
そういってプイっとそっぽを向いたルイスの姿を見た私は頭を抱える。
今までの接し方見てたら大丈夫かと思ってたけどどうしよう、あの子、完全に意識しすぎてる。
このままだと二人の関係がぎくしゃくして思わぬ事態が起きるかもしれない。
大事な人と大事な親友の不幸になる未来。
それが予想されるこの事態はなんとしても解決しないといけない。
いけないんだけど、どうしたものかしら……
思っても見なかった事態に頭痛を覚えてつい手をやってしまう。
「ん?アンジェ、頭押さえて、大丈夫か?」
ロイド様の心配するような声が届く。
貴方の妹のために悩んでるんですよ!なんて言えたら苦労はしない。
「ええーーっと、とりあえずは大丈夫です、大丈夫ですけど……」
「そ、それならいいが、無理はするなよ、辛くなったら早めにいってくれ」
「はい、わかりました」
相当酷い顔してたのかな、ちょっとロイド様に引かれてしまったように感じる。
こうなったら元凶をどうにかするしかないわね。
「はぁ、全く、ルイスも世話がやけるわね、ロイド様も鈍感すぎてわかってないし、けど、どうにかしなくちゃいけないわね、はぁ、先が思いやられます……」
ルイスに対して囁く。
「アンジェ、えっと。ごめん」
弱弱しく謝るルイス、流石にこれ以上は今言ったらだめね。
「はぁ、もう、いいわよルイス、これから時間を作ったらみっちりお話しましょうね?」
笑顔でそういうルイスにそういうと何故かギクッとして目を逸らそうとするので追加で一言。
「そうそう、貴方に拒否権はありませんからね?」
「はい……」
そう弱々しく頷くルイスを安心させるように頭を少し撫でる。
絶対に不幸になんてさせないからね。
そう心の中で決意を新たにするのだった。
領主館に入って暫くして、私はルイスの部屋に足を運ぶ……前に部屋の扉を叩く音がした。
「すまない、少しいいか?」
ロイド様だ、返事をして侍女に招き入れてもらう。
本当は未婚の女性の部屋に男性が入るのは良くないって言われてるんだけど、今更そんなこといってもね。
もちろん私は婚前にそういう事はしない。
ロイド様も無理に迫ってくるような人じゃないから安心出来る。
というかそういう人だったら既に手に掛かってる。
でも世間ではそういう人ばかりじゃないからそういう風に言われている。
なので侍女が部屋の入り口で控えている。
「疲れているところにすまない、どうしてもたのみたい事があるんだ」
そういって頭を下げるロイド様、ちょっと困った様子もいいなぁ。
「いいえ、ロイド様ならいつでも歓迎です、それで頼みたい事っていうのはもしかして?」
「ああ、ルイスの事なんだけど……」
そして話されるルイスとの今までの暮らし。
今もあの子可愛いけど、昔から可愛かったんですね。
昔は素直で可愛いっていうけど、今は今で可愛いもんね。
でも昔から一貫して変ってない事は、まっすぐな事。
怒るときはその場で怒るし、理由も明確で今日みたいに微妙な態度を取る事は初めてだって。
言われてみたら私もルイスのそんな態度は見た事はない。
他の女の人は結構あるんだけどね、ロイド様はそういうの気付かないんだって話を聞いていたら分かった。
やっぱりロイド様、女の人にそういう接し方した事ないのかな?
私とも普通に接する時はなんでもないし。
あの時は慣れてない感じで私もドキドキしたし。
あの感じは手馴れている人の多い貴族相手じゃ体験したことなかったし。
きっとそうなんだろうな。
そう思いながら話を聞いていくと本命の頼みごとにいきつく。
「なんであんな風になってしまったのかを教えて欲しい」
真剣な顔で頭を下げる姿にどうするべきかと思う。
だって、私からルイスの気持ちを代弁しちゃうのはダメだから。
ルイスの気持ちはルイスが伝えないとね。
なので私の答えは決まっている。
「申し訳ありませんが、それは出来ません」
その言葉に顔を曇らせるロイド様、でもこれだけは譲れないの、だから。
「ですが解決する方法はありますので、私も協力させてもらいます」
ルイスの気持ちを知ってから、ルイスに教えてもらえるようにする事でこの問題を解決しよう。
「ありがとう、助かる」
そう言って頭を下げるロイド様にちょっと悪戯心が湧いてきた。
「親友のルイスの事ですから、任せてください」
笑顔でそう答えるとロイド様も笑顔になってくれたので、ここから悪戯開始。
「ロイド様は、その後の事は考えてますか?」
「その後っていうと?」
「ぎくしゃくした今の関係を良くした後、ルイスとはどうするおつもりですか?」
「どうって、今まで通り、妹として大事にしていくつもりだよ」
ルイス、ロイド様、貴方の気持ち全然分かってないわ!
「それをルイスが望んでいないとしてもですか?」
「望んでいないって、そんなこと……」
落ち込むように言葉が途切れるロイド様。
「えっと、今のはもしもの話ですから、気にしないでください」
「お、おどかさないでくれ、嫌われたらって思って、心臓が止まるかと思ったよ」
フォローを入れたら立ち直ってくれた。
「ごめんなさい、ルイスがロイド様を嫌う事はないですから安心してください」
「ありがとう、アンジェにそういってもらえると安心できるよ」
笑顔でいってるけど、どれだけルイスの事好きなのよ、もう!妬けちゃう!
「それでは、私もこれからルイスとお話してきますね」
「ありがとう、今度お礼に何かさせてくれ、出来る事ならなんでもさせてもらうよ」
あ、これは!
「何でも、ですか?」
何でもって言って!
「ああ、出来る範囲でだけどな」
むぅぅ、でもこれならまだなんとかできるかも!
「わかりました、楽しみにしておきますね」
お願いする事決まってるけどね!
「出来る範囲でだぞ」
私も協力するので範囲は広がるから、覚悟してくださいね。
「はい」
笑顔で応えて別れる。
さあ、それじゃあルイスに頑張ってもらいましょう!
私の幸せの為にもね!
そうして私はルイスの部屋に向かう。
ロイド様、覚悟しておいてくださいね?
アイ「あ、これロイドの奴死んだな」
リリ「あーこれはご愁傷様だね」
アラ「逃げれる気がしねえな」
アイ「無理だろー相手は皇女様だし」
リリ「ロイドじゃその辺のところ逃げられないわね」
アラ「まぁあいつら二人が幸せでいてくれたらなんでもいいな」
リリ「そうね、それに私達も発破かけた手前これは規定路線ね」
アイ「流石と言うべきかなんというべきか」
アラ「ま、幸せになるならなんでもいいな」
アイ&リリ「「違いない」」
「!?なんでもない!」
そういってプイっとそっぽを向いたルイスの姿を見た私は頭を抱える。
今までの接し方見てたら大丈夫かと思ってたけどどうしよう、あの子、完全に意識しすぎてる。
このままだと二人の関係がぎくしゃくして思わぬ事態が起きるかもしれない。
大事な人と大事な親友の不幸になる未来。
それが予想されるこの事態はなんとしても解決しないといけない。
いけないんだけど、どうしたものかしら……
思っても見なかった事態に頭痛を覚えてつい手をやってしまう。
「ん?アンジェ、頭押さえて、大丈夫か?」
ロイド様の心配するような声が届く。
貴方の妹のために悩んでるんですよ!なんて言えたら苦労はしない。
「ええーーっと、とりあえずは大丈夫です、大丈夫ですけど……」
「そ、それならいいが、無理はするなよ、辛くなったら早めにいってくれ」
「はい、わかりました」
相当酷い顔してたのかな、ちょっとロイド様に引かれてしまったように感じる。
こうなったら元凶をどうにかするしかないわね。
「はぁ、全く、ルイスも世話がやけるわね、ロイド様も鈍感すぎてわかってないし、けど、どうにかしなくちゃいけないわね、はぁ、先が思いやられます……」
ルイスに対して囁く。
「アンジェ、えっと。ごめん」
弱弱しく謝るルイス、流石にこれ以上は今言ったらだめね。
「はぁ、もう、いいわよルイス、これから時間を作ったらみっちりお話しましょうね?」
笑顔でそういうルイスにそういうと何故かギクッとして目を逸らそうとするので追加で一言。
「そうそう、貴方に拒否権はありませんからね?」
「はい……」
そう弱々しく頷くルイスを安心させるように頭を少し撫でる。
絶対に不幸になんてさせないからね。
そう心の中で決意を新たにするのだった。
領主館に入って暫くして、私はルイスの部屋に足を運ぶ……前に部屋の扉を叩く音がした。
「すまない、少しいいか?」
ロイド様だ、返事をして侍女に招き入れてもらう。
本当は未婚の女性の部屋に男性が入るのは良くないって言われてるんだけど、今更そんなこといってもね。
もちろん私は婚前にそういう事はしない。
ロイド様も無理に迫ってくるような人じゃないから安心出来る。
というかそういう人だったら既に手に掛かってる。
でも世間ではそういう人ばかりじゃないからそういう風に言われている。
なので侍女が部屋の入り口で控えている。
「疲れているところにすまない、どうしてもたのみたい事があるんだ」
そういって頭を下げるロイド様、ちょっと困った様子もいいなぁ。
「いいえ、ロイド様ならいつでも歓迎です、それで頼みたい事っていうのはもしかして?」
「ああ、ルイスの事なんだけど……」
そして話されるルイスとの今までの暮らし。
今もあの子可愛いけど、昔から可愛かったんですね。
昔は素直で可愛いっていうけど、今は今で可愛いもんね。
でも昔から一貫して変ってない事は、まっすぐな事。
怒るときはその場で怒るし、理由も明確で今日みたいに微妙な態度を取る事は初めてだって。
言われてみたら私もルイスのそんな態度は見た事はない。
他の女の人は結構あるんだけどね、ロイド様はそういうの気付かないんだって話を聞いていたら分かった。
やっぱりロイド様、女の人にそういう接し方した事ないのかな?
私とも普通に接する時はなんでもないし。
あの時は慣れてない感じで私もドキドキしたし。
あの感じは手馴れている人の多い貴族相手じゃ体験したことなかったし。
きっとそうなんだろうな。
そう思いながら話を聞いていくと本命の頼みごとにいきつく。
「なんであんな風になってしまったのかを教えて欲しい」
真剣な顔で頭を下げる姿にどうするべきかと思う。
だって、私からルイスの気持ちを代弁しちゃうのはダメだから。
ルイスの気持ちはルイスが伝えないとね。
なので私の答えは決まっている。
「申し訳ありませんが、それは出来ません」
その言葉に顔を曇らせるロイド様、でもこれだけは譲れないの、だから。
「ですが解決する方法はありますので、私も協力させてもらいます」
ルイスの気持ちを知ってから、ルイスに教えてもらえるようにする事でこの問題を解決しよう。
「ありがとう、助かる」
そう言って頭を下げるロイド様にちょっと悪戯心が湧いてきた。
「親友のルイスの事ですから、任せてください」
笑顔でそう答えるとロイド様も笑顔になってくれたので、ここから悪戯開始。
「ロイド様は、その後の事は考えてますか?」
「その後っていうと?」
「ぎくしゃくした今の関係を良くした後、ルイスとはどうするおつもりですか?」
「どうって、今まで通り、妹として大事にしていくつもりだよ」
ルイス、ロイド様、貴方の気持ち全然分かってないわ!
「それをルイスが望んでいないとしてもですか?」
「望んでいないって、そんなこと……」
落ち込むように言葉が途切れるロイド様。
「えっと、今のはもしもの話ですから、気にしないでください」
「お、おどかさないでくれ、嫌われたらって思って、心臓が止まるかと思ったよ」
フォローを入れたら立ち直ってくれた。
「ごめんなさい、ルイスがロイド様を嫌う事はないですから安心してください」
「ありがとう、アンジェにそういってもらえると安心できるよ」
笑顔でいってるけど、どれだけルイスの事好きなのよ、もう!妬けちゃう!
「それでは、私もこれからルイスとお話してきますね」
「ありがとう、今度お礼に何かさせてくれ、出来る事ならなんでもさせてもらうよ」
あ、これは!
「何でも、ですか?」
何でもって言って!
「ああ、出来る範囲でだけどな」
むぅぅ、でもこれならまだなんとかできるかも!
「わかりました、楽しみにしておきますね」
お願いする事決まってるけどね!
「出来る範囲でだぞ」
私も協力するので範囲は広がるから、覚悟してくださいね。
「はい」
笑顔で応えて別れる。
さあ、それじゃあルイスに頑張ってもらいましょう!
私の幸せの為にもね!
そうして私はルイスの部屋に向かう。
ロイド様、覚悟しておいてくださいね?
アイ「あ、これロイドの奴死んだな」
リリ「あーこれはご愁傷様だね」
アラ「逃げれる気がしねえな」
アイ「無理だろー相手は皇女様だし」
リリ「ロイドじゃその辺のところ逃げられないわね」
アラ「まぁあいつら二人が幸せでいてくれたらなんでもいいな」
リリ「そうね、それに私達も発破かけた手前これは規定路線ね」
アイ「流石と言うべきかなんというべきか」
アラ「ま、幸せになるならなんでもいいな」
アイ&リリ「「違いない」」
50
あなたにおすすめの小説
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る
神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】
元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。
ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、
理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。
今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。
様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。
カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。
ハーレム要素多め。
※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz
他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。
たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。
物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz
今後とも応援よろしくお願い致します。
自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十数年酷使した体は最強になっていたようです〜
ねっとり
ファンタジー
世界一強いと言われているSSSランクの冒険者パーティ。
その一員であるケイド。
スーパーサブとしてずっと同行していたが、パーティメンバーからはただのパシリとして使われていた。
戦闘は役立たず。荷物持ちにしかならないお荷物だと。
それでも彼はこのパーティでやって来ていた。
彼がスカウトしたメンバーと一緒に冒険をしたかったからだ。
ある日仲間のミスをケイドのせいにされ、そのままパーティを追い出される。
途方にくれ、なんの目的も持たずにふらふらする日々。
だが、彼自身が気付いていない能力があった。
ずっと荷物持ちやパシリをして来たケイドは、筋力も敏捷も凄まじく成長していた。
その事実をとあるきっかけで知り、喜んだ。
自分は戦闘もできる。
もう荷物持ちだけではないのだと。
見捨てられたパーティがどうなろうと知ったこっちゃない。
むしろもう自分を卑下する必要もない。
我慢しなくていいのだ。
ケイドは自分の幸せを探すために旅へと出る。
※小説家になろう様でも連載中
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
「お前は用済みだ」役立たずの【地図製作者】と追放されたので、覚醒したチートスキルで最高の仲間と伝説のパーティーを結成することにした
黒崎隼人
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――役立たずの【地図製作者(マッパー)】として所属パーティーから無一文で追放された青年、レイン。死を覚悟した未開の地で、彼のスキルは【絶対領域把握(ワールド・マッピング)】へと覚醒する。
地形、魔物、隠された宝、そのすべてを瞬時に地図化し好きな場所へ転移する。それは世界そのものを掌に収めるに等しいチートスキルだった。
魔力制御が苦手な銀髪のエルフ美少女、誇りを失った獣人の凄腕鍛冶師。才能を活かせずにいた仲間たちと出会った時、レインの地図は彼らの未来を照らし出す最強のコンパスとなる。
これは、役立たずと罵られた一人の青年が最高の仲間と共に自らの居場所を見つけ、やがて伝説へと成り上がっていく冒険譚。
「さて、どこへ行こうか。俺たちの地図は、まだ真っ白だ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる