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23触れなば・・・
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「さあ、着いたよ。ここが君の部屋だ。ゆっくり休むといい」
リチャード様はそう言うと、私を抱えたままドアを開け、部屋に入る。
異国に売られそうになったところを、間一髪救われた数時間後。私はリチャード様に連れられて、王家所有の別邸に到着していた。
私が捕らえられていた場所は、ローザンとザッハールの国境付近だったらしい。元々ファティマ皇女を密かに監視していたおかげで、場所の特定が早かったそうだ。
「あ、ありがとうございます。リチャード様もお疲れなのに、部屋まで運んでくださって」
「ん、僕は何ともないよ。君が無事だったんだから。身体は大丈夫かい?」
「はい。馬車の中で熟睡したので、もう大丈夫です」
「よかった。本当は馬車の中でも抱いていたかったんだけどね」
リチャード様はそう言いながら、私をベッドに降ろす。
あれ・・・?リチャード様、なんだか身体が熱いみたい。そういえば少し汗ばんでいるし、呼吸も苦しそう。
「あの、リチャード様、もしかしてお身体の具合が悪いのでは・・・?」
そう尋ねると、なぜか一瞬ギクっとしたような表情をした。えっと、私、何かいけないこと聞いちゃった?
「いえ、あの、熱っぽいようでしたので。でっ、でも気のせいならいいんです、」
「・・・いや」
リチャード様は私をベッドに降ろすと、へりに腰掛けた。しばらく間を置いて、前を向いたまま、なぜかバツの悪そうな顔をして答える。
「実は、媚薬がね・・・」
えっ、媚薬、て、ファティマに飲まされたあの媚薬よね?!かなり強いものだったみたいだし、もしかして身体に悪影響が?!
「だっ、大丈夫なんですか?!早くお医者様のところへ、」
「いや、医師には治せない」
慌てる私に、リチャード様はどこか歯切れの悪い調子で返す。
「なっ、治せないって、そんなに深刻なんですか?!」
「ああ、深刻だよ・・・治せるのは世界にたったひとり、君だけだからね」
わっ、私?!でも私は医師じゃないし、えっと、薬草学なら学院で習ったけど。あっ、看護学も!とりあえず脈だわ!
慌ててリチャード様の腕を取って、脈を測ろうと手首に触れる。
・・・数秒後、ベッドに押し倒されていた。
え?えっと?!どういう状況・・・?
リチャード様は呼吸が荒くなり、瞳も熱に浮かされたように潤んでいる。
「もう、ダメだ・・・」
「えっ、あの、リチャードさま・・・?」
「今までこんなことはなかったんだ。あの媚薬だって何度も慣らして、いつも完全に抑えられてた。なのに」
一旦言葉を切ると、苦しそうな、切なげな顔になった。
「君に触れただけで、爆発しそうなんだ。もう、限界だよ。頼む、グレイス。僕を鎮めてくれ・・・」
そして、有無を言わさず、激しいキス・・・!
何が起きたのか、よくわからなかった。だけどリチャード様の熱に押し入られ、私の身体も熱くなっていく。
「グレイス・・・会いたかった」
耳元で低く、甘く囁く。耳に熱い吐息がかかり、私は思わず声を漏らす。
「んっ」
「触れたかった・・・君に」
唇が耳下を這う。
「君を・・・抱きたかった」
「はぁっ・・・リチャード様ぁっ!」
リチャード様はそう言うと、私を抱えたままドアを開け、部屋に入る。
異国に売られそうになったところを、間一髪救われた数時間後。私はリチャード様に連れられて、王家所有の別邸に到着していた。
私が捕らえられていた場所は、ローザンとザッハールの国境付近だったらしい。元々ファティマ皇女を密かに監視していたおかげで、場所の特定が早かったそうだ。
「あ、ありがとうございます。リチャード様もお疲れなのに、部屋まで運んでくださって」
「ん、僕は何ともないよ。君が無事だったんだから。身体は大丈夫かい?」
「はい。馬車の中で熟睡したので、もう大丈夫です」
「よかった。本当は馬車の中でも抱いていたかったんだけどね」
リチャード様はそう言いながら、私をベッドに降ろす。
あれ・・・?リチャード様、なんだか身体が熱いみたい。そういえば少し汗ばんでいるし、呼吸も苦しそう。
「あの、リチャード様、もしかしてお身体の具合が悪いのでは・・・?」
そう尋ねると、なぜか一瞬ギクっとしたような表情をした。えっと、私、何かいけないこと聞いちゃった?
「いえ、あの、熱っぽいようでしたので。でっ、でも気のせいならいいんです、」
「・・・いや」
リチャード様は私をベッドに降ろすと、へりに腰掛けた。しばらく間を置いて、前を向いたまま、なぜかバツの悪そうな顔をして答える。
「実は、媚薬がね・・・」
えっ、媚薬、て、ファティマに飲まされたあの媚薬よね?!かなり強いものだったみたいだし、もしかして身体に悪影響が?!
「だっ、大丈夫なんですか?!早くお医者様のところへ、」
「いや、医師には治せない」
慌てる私に、リチャード様はどこか歯切れの悪い調子で返す。
「なっ、治せないって、そんなに深刻なんですか?!」
「ああ、深刻だよ・・・治せるのは世界にたったひとり、君だけだからね」
わっ、私?!でも私は医師じゃないし、えっと、薬草学なら学院で習ったけど。あっ、看護学も!とりあえず脈だわ!
慌ててリチャード様の腕を取って、脈を測ろうと手首に触れる。
・・・数秒後、ベッドに押し倒されていた。
え?えっと?!どういう状況・・・?
リチャード様は呼吸が荒くなり、瞳も熱に浮かされたように潤んでいる。
「もう、ダメだ・・・」
「えっ、あの、リチャードさま・・・?」
「今までこんなことはなかったんだ。あの媚薬だって何度も慣らして、いつも完全に抑えられてた。なのに」
一旦言葉を切ると、苦しそうな、切なげな顔になった。
「君に触れただけで、爆発しそうなんだ。もう、限界だよ。頼む、グレイス。僕を鎮めてくれ・・・」
そして、有無を言わさず、激しいキス・・・!
何が起きたのか、よくわからなかった。だけどリチャード様の熱に押し入られ、私の身体も熱くなっていく。
「グレイス・・・会いたかった」
耳元で低く、甘く囁く。耳に熱い吐息がかかり、私は思わず声を漏らす。
「んっ」
「触れたかった・・・君に」
唇が耳下を這う。
「君を・・・抱きたかった」
「はぁっ・・・リチャード様ぁっ!」
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