交際0日の略奪婚~エリート営業マンは傷心の幼馴染を逃さない~

水瀬 立乃

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本編後

希未・第8話

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部屋に入るなり水城に抱きしめられてキスをする。
上を向かされながら口を塞がれて少し苦しいけど、髪に差し込まれた手のひらから彼の独占欲が伝わってくるようで凄く嬉しい。
いつもはされるがままの私も積極的になって唇を食んで舌を絡めていく。

「希未…」

キスの合間に名前を呼ばれるのも凄く好きで、お臍の下がキュンとしてしまう。

「水城…はやくみずきの欲しい…」
「…お前は本当に俺を煽る天才だな」

なだれ込むようにベッドに押し倒されて、水城の呼吸を受け止める。
ブラウスを肌蹴させられて、下着の留め具も外されて、胸の先を指で摘まれて体が跳ねた。
酔っているからかいつもより声も気持ちも抑えられなくて、大きく腰をくねらせていたら体を反転させられた。
そのまま腰を持ち上げられて、愛撫もそこそこに後ろから水城が挿入ってくる。

「あぁぁ…!」
「あぁ…スグ入る…気持ちいい…」

頭の上から水城の吐息混じりの声が降ってきてドキドキが収まらない。
いつもより少し掠れているのも色っぽくて、なかがキュッと締まったのがわかった。
水城は挿入っているのを確かめるように奥まで押し込めて引くのを繰り返した後、熱い息を吐きながらゆるゆると動き出した。

「はあ…気持ちい…触ってないのにナカぐちょぐちょ…」
「あん、や、みずき…もっとっ…もっとして…っ」
「きみ…?…っ、こら!」

緩慢に掻き回されるのがもどかしくて、我慢できずに水城の先を奥にぐりぐり押し付けるように腰を回したら、彼が慌てたように引き抜こうとした。
そうさせまいと追いかけてお尻を突き出す。

「んっ…ん、あんん…」
「あッ…その腰つきエロ…っあーだめ、だめダメだめ」

水城の先を奥に突き当てるように動いていたら、抵抗されて抜けてしまった。

「こら、希未。そんなことしたら出そうになるだろ?」
「ん…やだ…抜いちゃやだ…!もっとほしいの…みずきのでずぽずぽして…?」
「…おまえ自分で何言ってるかわかってるか?お酒入ると積極的になるんだな…可愛い。可愛すぎてめちゃくちゃにしたくなる」

水城が何か話しているのは聞こえていたけど、私の意識はもう半分呑み込まれていてよくわからなかった。
後ろを振り向いたまま溶け合うようにキスをしていると、また彼が私のなかに戻ってきてくれた。
心なしかさっきよりもかたく、大きくなっている気がする。

「あっ…、ん…」
「激しくされたいんだろ?今度はイクまで突いてやるからな」
「ぁっ、やっ、あん、あぁん」
「スーツ着たまま後ろからってヤバい…お前もいつもより声高いし…凄い興奮する…」
「あう、あっ、みずき、んっんっ」
「希未っ…きみっ…!希未も興奮してる?気持ちいい?」
「んっあ…あっ、きもち、いっ…ぁ!」
「あぁ…凄い締まってる…可愛い。こんなの俺もすぐ出そうだ」

背中にちゅっちゅっとキスをされて、その度に水城の髪が触れるから少しくすぐったい。
途中で避妊具を着けると、今度は正常位から腰を持ち上げられて強く揺さぶられた。

「あー気持ちいい…!凄いよ…希未…」
「あぁっ、みずきぃ…っ、ぃく、イくっ…!」
「ん…イきそうか?いいよ、イきな…イけ」

耳のすぐ傍で彼に命令された直後、一瞬頭が真っ白になった。
強すぎる快感に背中をのけ反らせて、声にならない悲鳴を上げる。
心臓が破裂しそうなほどドクドクと暴れていて全身が熱い。

「ああ…凄いぐちょぐちょ…気持ちよすぎる…っ」

私が震えている間もずっと止まらずに突き続けていた彼は、艷やかな声を上げながら叩き込むように腰を数回打ち付けた。
はあはあと息を弾ませる音を聞きながら、私のお腹の中で熱い飛沫が何度も弾ける。


しばらく寄り添いながら余韻に浸ると、水城が先に起き上がって後処理を始めた。
「すごい量だな…」と苦笑いをしている彼の背中にのしかかって首に抱きつく。
シャツの襟と肌の隙間に鼻先を突っ込んで匂いを吸い込んだら、私の好きな香りがしてつい何度も嗅いでしまった。
 
「希未…くすぐったい」
「みずき、いい匂いする…」
「汗臭いだろ。脱ぐから一回離れて」

言われた通りに背中から離れて、ベッドの上に座り込む。
水城の引き締まった上半身が露わになると、惹かれるように手を伸ばした。
胸の先がツンと硬くなっているのが気になって指先で何度も押し潰しているうちに、彼の体がびくっと大きく震えた。

「…!男のひともここ感じるの?」
「そうだよ。さっきイったから少し敏感になってる」
「そうなんだ…」

好奇心に駆られた私は、まじまじと見るふりをしてぱくっとそれを口に含んだ。
水城にいつもされているみたいに舌で転がしたり吸い上げたりする。
弱く抵抗していた彼から甘い声が漏れてきて、時々体が跳ねるからだんだん楽しくなってきた。

(水城、気持ちよさそう…)

彼の体をベッドに押し倒して夢中でちゅうちゅう吸っていたら、頭を撫でられて顔を上げる。

「っん…、希未…それ気持ちいい…」
「んむ、ふぁ…」
「えっちな顔して…かわいいな。次はどうされたい?」

希望の体位を聞かれたのだとわかっていたけど、私は露わになっているそれに手をかけて撫でるように上下に動かした。

「水城のここ…なめてみたい…」
「え?」
「だめ…?」
「んー…今は不味いしゴム臭いだろうから、また今度にしような」
「じゃあ…洗う。洗った後ならいいでしょう?」
「まあ……そうだけど」
「みずきと一緒に洗いっこしたい」

ご機嫌な気持ちであれやこれやと要求を伝えると、彼はどうしてか眉根を寄せてなんとも言えない顔をした。
我儘を言ったから嫌われてしまったのかと思って少し不安になる。

「だめかな…?」
「…いいや。希未、今夜は俺を好きにしていいよ」

いつもの優しい笑顔を向けられて安心する。
おでこにキスをされたかと思ったら、水城の逞しい胸に閉じ込められた。


水城に服を全部脱がせてもらって、お風呂場に移動した。
体を洗ってシャワーで泡を綺麗に流すと、お湯を出したまま水城の足元に跪く。
舌先でぺろぺろするだけで大きくなっていく彼が可愛くてキュンとしてしまう。
口に咥えて動かしているうちに先っぽからねばついた液が出てきて、不思議に思いながらもちゅっと吸い取った。

「…っ、お前…こんないやらしいことどこで覚えたんだ?」
「どこでもないよ。水城は…いやらしい奥さんはきらい?」
「好き」

握りながら上目遣いで聞いてみると、彼は即答した。
凄く嬉しそうに笑って、私の両脇に手を入れて立ち上がらせてくれる。
抱き竦められたまま呼吸を奪われて何度も髪を撫でられた。
お腹に当たる存在をしごくと気持ちよさそうに顔を歪めるから、調子に乗って胸も指と舌で刺激する。
そうしているうちに彼がビクビクと震えて、甘い吐息が降ってきた。

「気持ちよかった?」
「…最高」

シャワーの熱気の中、恍惚とした目で微笑む水城の表情にくらくらする。
こんなに喜んでくれるならもっと早く素直になっていればよかった。
私にも水城にできることがあったんだと実感できて嬉しくなる。
背伸びをして唇にキスをすると、再びスイッチの入った彼に求められて息が上がる。
濡れたままベッドに戻って散々乱された後で気を失うように眠ってしまい、目が覚めたら明け方だった。
酔いは完全に冷めていて、酔っている間の記憶もしっかり残っていた。


(あんなこと言って…やって……どんな顔したらいいの?!)


あまりの恥ずかしさに居ても立ってもいられず、寝ている水城を起こさないようにベッドから降りてバスローブを頭からかぶった。
そのまま床の上で丸くなっていると、起きた私に気づいた彼が傍らにしゃがみ込みながら悪戯っぽく笑って言った。

「こうなると思ってたよ」
「う…昨日のことは忘れて…」
「無理。もうしっかり焼き付いてるから消せないな。ほら顔見せて。もう誘ってくれないのか?」
「誘いませんっ」
「残念。俺、いやらしい奥さんも好きなんだけどな。今みたいに恥ずかしがってるのもぐっとクるけど」

少し強引にバスローブを剥ぎ取った水城は、真っ赤になって涙を浮かべている私を見て妖艶に目を細めた。
あんな私を知っても受け入れてくれたのは嬉しいけど、また新たな問題が出てきた。
きっと彼は昨日の夜に私がしたことと同じことを要求してくるようになる。
素面の状態でも彼に「やれ」と言われたら、なんだかんだ従ってしまう自覚があるからどうしようもない。
これも全ては私が水城をすごく好きで、愛しているからで、惚れた弱みがあるからだ。
恥ずかしがってばかりでちゃんと言葉に出して伝えていなかったように思う。

「水城…好き、大好き。私もどんな水城でも好きだよ。頼りになってかっこいいのも、ちょっと抜けてるところもぜんぶ好き。私が何をしても許してくれるところも好き。いつもありがとうって思ってるよ」
「……」
「えっちなこともね、水城とだからしたいんだよ。水城に抱きしめられるのも、ちゅうするのも好き。手を繋ぐのも、名前を呼ばれるのも好き。一緒にいられて幸せなの。どう言えばもっと伝わるのかな…」
「…もう充分伝わったよ」

とにかく伝えたい一心で力説したけど反応が今一つで困っていたら、水城が素っ気なく言って顔を背けた。
その頬が赤く染まっていることに気付いてぽかんとしていたら、丸裸で床に座り込む私をベッドに連れ戻して言葉少なにぎゅうぎゅうに抱き込んでくる。
至る所にキスをされて、それが照れ隠しなのだとわかった時は途方もない多幸感に襲われた。

「ありがとうな…。お前がそう言ってくれるから、俺は救われてるし、幸せだよ」

言葉通り幸せそうに微笑む水城を見たら、何もできることがないと悩んでいた気持ちが晴れたような気がした。

(特別なことじゃなくても、気持ちを言葉にするだけでも、ちゃんとお返しができるんだ…)

私は17歳から10年間の水城を知らないから、どうしても子どもの頃の印象に今の水城を合わせてしまっていた。
だけど目の前にいる彼こそが実態なのだと、今になってようやく真実を受け止められた気がする。
彼はきっとあるもの満足な考え方をする人だ。
子どもの頃のように無闇に欲求をぶつけてきたりしないし、「好き」という言葉だけでこれほどに喜んでくれる。
また一つ彼の好きなところを見つけられた。
これからもきっと、彼の良いところを見つけるたびにどんどん好きになっていくのだろう。
私は胸にこみあげてくる愛おしさのままに、口付けてくる彼の唇にお返しのキスをした。

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