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母親の葛藤
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お腹に赤ちゃんがいるとわかった時、私はまた未来に向かって生きる希望を持つことができた。
もちろんそれまでにマロアやマロアのお父様には感謝してもしきれないくらいに助けられたし、彼らがいなければ立ち上がることもできなかった。
だけど立ち直ることができた一番の理由は子どもの存在だ。
気持ちは複雑だったけど、愛しく思っていた人との子どもを産めることが嬉しかった。
血の繋がった家族が増えることが嬉しくて、この子と一緒にもっとずっと先の未来を生きたいと思った。
ルーフェナハトは、私にとって神々の加護にも等しい宝物だ。
私の持てるすべての愛情を一滴も惜しまずに注いで、彼が巣立つその日まで、傍で大切に守り育てたい。
そう思っていたから、彼が十二歳になっても神殿には連れて行かなかった。
聖者や聖女の血縁者は、そうでない人よりも加護を授かりやすいと言われている。
私の生家のフラッシュ伯爵家も過去に聖女を輩出していた。
ずっと昔のことで、家系図で名前を見たことしかないけれど。
歴代の聖女の中でも私は特殊だったから、私に子ができたら何らかの加護を受け継ぐ可能性が大いにあると期待されていた。
あくまで可能性の話だけれど、万が一加護を授かっていたら、彼はその瞬間から聖者として国に囚われて、未来を選択する自由がなくなってしまう。
そうなったらそうなったで、彼にとっては幸せな人生になったかも知れない。
けれど彼はいま、王国軍の騎士になるという目標を持って頑張っている。
今の彼にとって聖者の称号は必要のないものだ。
だからこれでよかったんだと、自分がしてきた選択を無理矢理納得させる。
新たな年が明けて、ルフナは十七歳になった。
自分のことを自分で考えて、選択ができる年齢だ。
母親の私にできることはもう、見守ることだけ。
ここから先は彼自身の意思を尊重して、できる限り応援していきたい。
彼がどんな道を選んだとしても、その背中を励まし讃える存在でありたい。
たとえ過去の出来事を知って恨まれることになったとしても…私が母親であることは変えようのない事実なのだから。
もちろんそれまでにマロアやマロアのお父様には感謝してもしきれないくらいに助けられたし、彼らがいなければ立ち上がることもできなかった。
だけど立ち直ることができた一番の理由は子どもの存在だ。
気持ちは複雑だったけど、愛しく思っていた人との子どもを産めることが嬉しかった。
血の繋がった家族が増えることが嬉しくて、この子と一緒にもっとずっと先の未来を生きたいと思った。
ルーフェナハトは、私にとって神々の加護にも等しい宝物だ。
私の持てるすべての愛情を一滴も惜しまずに注いで、彼が巣立つその日まで、傍で大切に守り育てたい。
そう思っていたから、彼が十二歳になっても神殿には連れて行かなかった。
聖者や聖女の血縁者は、そうでない人よりも加護を授かりやすいと言われている。
私の生家のフラッシュ伯爵家も過去に聖女を輩出していた。
ずっと昔のことで、家系図で名前を見たことしかないけれど。
歴代の聖女の中でも私は特殊だったから、私に子ができたら何らかの加護を受け継ぐ可能性が大いにあると期待されていた。
あくまで可能性の話だけれど、万が一加護を授かっていたら、彼はその瞬間から聖者として国に囚われて、未来を選択する自由がなくなってしまう。
そうなったらそうなったで、彼にとっては幸せな人生になったかも知れない。
けれど彼はいま、王国軍の騎士になるという目標を持って頑張っている。
今の彼にとって聖者の称号は必要のないものだ。
だからこれでよかったんだと、自分がしてきた選択を無理矢理納得させる。
新たな年が明けて、ルフナは十七歳になった。
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母親の私にできることはもう、見守ることだけ。
ここから先は彼自身の意思を尊重して、できる限り応援していきたい。
彼がどんな道を選んだとしても、その背中を励まし讃える存在でありたい。
たとえ過去の出来事を知って恨まれることになったとしても…私が母親であることは変えようのない事実なのだから。
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