荒ぶる世界の最果てダンジョン~村娘、姫騎士、女神官。みんなエロトラップに引っかかってアヘ顔Wピース!からの踊り食い~

櫛名月

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12 傭兵になった

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 マイとパンナ、メヌエッタ、マダムにお礼と一時の別れを告げた後、鶴春湊はモルドーの街にある傭兵組織に入っていた。
 傭兵組織の連隊長がマダムの店の常連客で、そのツテで入った。
 組織に入るにあたっては街外れの演習場で実技試験が行われた。
 模擬戦用の両手剣同士での結果はというと、

「なかなかやるじゃないか。その若さでいくつもの戦場を経験してきたようだが、どこの国の出身だ?」
「ジパングっす」
「ジパング? 聞いたことないな」
「あれじゃないすか。こっちの地図には載っていないからとか」
「未開の地か。なるほどな。まあときどき、いるんだよ。俺たちの知らない土地から来るやつ。……ま、ここに来た理由は聞かないがな。とにかくキサマは合格だ、鶴春湊。キサマは戦闘員として採用する」

     §

 五日後。
 湊はダームスフィア王国軍の傭兵として、隊列を組んで街中を進んでいた。
 隊列と言っても正規兵一〇〇名、傭兵八〇名の総勢一八〇名からなる部隊で規模としては小さい。
 向かう先は、ダームスフィア王国の統治下にあるミスルムスフィア自治領。
 ポカポッカ村で見かけたダークプリンセス『フィオナ』が治めている地である。
 どうやら魔族が平和協定を破って反乱を起こしたらしく、すでに王都から派遣された王国軍を支援するために向かう。
 湊は「あのフィオナが?」と複雑な気持ちだ。
 村で長老と話していたときに見せていた笑顔から、彼女が反乱を起こすなんてことは想像もできない。
 だが、創生の時代からつづく神族と魔族の争いで積もり積もった怨恨の深さは、計り知れないものがあるのだろう。

 街の門を出る際、道端からマイとパンナが手を振るのが見えた。
 外を出歩く時はいつもフードとフェイスベールで素顔を隠す二人だが、今日は違った。
 たった五日しか経っていないのに、懐かしさが込み上がってくる。
 湊は急ぎ足で列から離れ、ふたりの元へ駆け寄った。

「湊さん、これ。二人で作ったお守りです」

 パンナから小袋を受け取る。手触りからして、カットされた石でも入っているようだ。

「帰ってきたら、思いっきりサービスしてあげるから、必ず戻ってきなさいよ」
「ああ。二人ともわざわざありがとうな。それで、俺からも二人に渡したいものがあるんだ――」
「アタシらに?」

 マイとパンナが顔を見合わせる。
 湊が腰のバッグから取り出したのはシュシュだった。全部で四つ。

「これはマイとパンナに。残り二つはマダムとメヌエッタに渡してくれないか。感謝の気持ちだ。ほんとは他にもっと役立ちそうなものを渡したかったんだけど、まだほとんど稼いでないからな」
「ありがとうございます。大切にしますね」
「ありがとう……もしかして、湊さんってじつはスケコマシ?」

 そう言いながら、二人はさっそく腕に付けてみる。

「あのなマイ。俺だってあんなにお礼されたままでいるのも気が引ける。どこかで、なにか形にして返さないと、って思っただけだ」
「ふーん? そう。ありがと……」と、マイは照れをごまかす。

「ちなみに、二人はおいくらなん? 戻ったら指名するつもりなんだけど」
「ちょっとぉ、このタイミングでそんなこと訊く? 前言撤回、湊さん無粋すぎ」
「ほんとそうですね。だから湊さん。耳を貸してくださいっ!」

 湊が屈むと、パンナが周囲に聞こえないよう耳元でささやいた。

「わたしはマリー金貨(小金貨)二枚くらい必要になると思いますよ」
「え! そんなに!」

 一晩で基本給一ヶ月分の大半が消えそうだ。

「言っておくけど、パンナちゃんは別格だから」
「そうみたいだな」
(それを先に知っていれば、もっと楽しんでいたものを!)
「そろそろ行かないと。それじゃ、二人ともまた会おうな!」

 手をあげながら、湊は列に戻った。
 後ろの方からパンナの声がした。

「わたし、待ってますから! 待ってる! だから、ぜったい帰ってきてくださ~い!」
「へへっ。嬉しいこと言ってくれるぜ……」

 照れ気味に、湊は鼻柱を人差し指でこすった。
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