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僕達の居場所
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「アゴルラ、一体どうなっているのだ、この短期間に3人もの神と呼ばれし者が、殺されるとは」
「アキと言う男は、なかなかの手練れの様です」
「くぬぅ、伊達にダンジョンを制覇していないと言う事か。しかし、勇者の血を引く者がどこの馬の骨か分からぬ者に、倒される訳にはいかん」
「その通りで御座います。何か卑怯な手を使ったかも知れません」
「うむ、宝珠は絶対に必要なのだ、引き続き刺客を送るのだ」
「御意」
☆☆☆☆☆
「着きました、もう安心ですお嬢様」
「良く頑張ってくれました。カザン」
「いいえ、あの者達のお陰で御座います」
「そうでしたね、皆様方ありがとう御座います」
「お役に立てて良かったです」
「どうぞ屋敷でお休み下さい。すぐにお茶を用意いたします」
「では、お邪魔します」
ーー
屋敷の中は、可愛いメイドの娘が案内してくれた。
「凄いお屋敷ね」
「なんか日本の家に似てない?」
「そうだね」
「障子もあるし」
「妙に落ち着くな」
「こちらの部屋でお待ち下さい」
「た、畳だ!」
「本当!」
「高木君、こう言う事って有るの?」
「うん、結構あるよ。[和の国]とか言ってね」
「なにそれ、面白いね」
「失礼いたします」
お嬢様とメイドさんだ。
「おはぎ!」
「これ、真理!はしたない」
「ごめん、つばさ」
「ふふ、いいんですよ。皆様のお国では、『おはぎ』と言うのですか?」
「はい」
「パネットでは、スィートポテトと言います」
「そうなんですか」
「頭がこんがらがる」
「どうぞ、お召し上がりください」
「「「「「「いただきます」」」」」」
「うまい」「美味しい」「うう、甘い」
「日本茶だ」「もう最高」
「お風呂と御夕食をご用意してありますので、今夜はこちらにお泊まり下さい」
「ありがとう御座います」
「この国いいわね」
「ほんと」
「ここに居られるように頑張ろう」
広いお風呂に入って、懐かしい日本の料理を食べたこの日は、ひさびさにみんなグッスリ寝れた様だ。
翌日、朝食を食べた後、出発の準備をしていると、お嬢様が部屋に来た。
「私の父が今朝、王都から戻って来まして、皆様にお礼が言いたいと申しておりますので、ご案内致します」
お嬢様について行くと広い客間に通された。
「君達がサユラを助けてくれたのか、ありがとう」
チョイ悪おやじ的なダンディな人だ。
「いいえ、こちらこそ大変良くして頂き、ありがとう御座います」
「なに、まだまだ足りないくらいだ。暫くこの街に居るのなら、ここを拠点にしてくれてもよい」
「それは……」
「実はな、この辺りにはサユラと同じ年頃の者が居なくてな、君達に友になって欲しいのだ」
「私からもお願い致します」
僕達は、お互いに顔を見て気持ちを感じ取った。
『どうする?』『迷惑がきっとかかるよ』
『正直に話そう』『そうしよう』
「実は僕達、理由あってダネン王国の人達に狙われているのです。ここに居ればご迷惑がきっとかかります」
「なにっ!」
「まあ」
「君達はもしかして、召喚された勇者なのか?」
「ご存じなのですか?」
「うむ。…………良し分かった、少し時間をくれないか?」
「どうか皆様、父を信じて下さい」
「分かりました」
バン伯爵が出かけた後、お嬢様が僕達の相手をしてくれた。
「お嬢様のお父様は、凄くカッコいいですね」
「そうですかぁ?」
「ほんと、ナイスミドルって感じ」
「ナイスミドルですか?」
「あ、え~と、渋い男の人って言う意味です」
「う~ん、くだらない、面白くない話しばかり言ってますよ」
「え~、どんな話しですか?」
「布団がフットンだ。とか」
「ぷっ!」
「おやじギャグだ、私の父も言います」
「アハハ、うける」
「女子達は盛り上がってるね」
「ほんとだ」
「羨ましい」
「メイドさんと話そうか?」
「大神、良いこと言うね」
「メイドさん、名前なんて言うの?」
「えっ、はい、あの、お、お嬢様、どうしましょう」
「こら、男子、何してるのよ!」
「名前を聞いただけだよ」
「セクハラね」
「なんでだよ」
「こほん、サユラ入るぞ」
「お父様、早かったですね。どうぞ」
「ウズキ公爵と話しをして来た」
「公爵様は何と?」
「勇者様達を援護せよ。と仰せだ」
「良かった。皆様、これで大丈夫ですね」
「どうして僕達を?」
「うん、流石に話す事は出来んが、世の中には色んな事があるものなのだ」
「大人の事情ですか?」
「そう取ってもらっても構わない。ただ、これだけは約束しよう。この国の為に、君達に何かをやらせる事は絶対に無いと」
「分かりました。伯爵を信じます」
「うむ、サユラと仲良くしてやってくれ」
「「「「「「もちろんです!」」」」」」
「皆様、ありがとう御座います」
そうと決まればこれからの予定だ。
「この国にダンジョンってありますか?」
「ダンジョンですか、はい、幾つか有りますよ。この街の西にある遺跡のダンジョン、2つ先の街の南に囁きのダンジョン、そして龍の背山のダンジョンです」
「一番簡単なのはどこですか?」
「それは遺跡のダンジョンですね。行くのですか?」
「はい。僕達は、強くならないといけないのです」
「そうですか。お父様、私も行って良いでしょうか?」
「う~ん、いや、それはだな、…………君達、サユラを頼めるか?」
「はい、お任せ下さい」
「良いだろう、カザンお前もついて行け」
「はっ!」
「ありがとう、お父様」
やっと僕達の居場所が見えて来た。
「アキと言う男は、なかなかの手練れの様です」
「くぬぅ、伊達にダンジョンを制覇していないと言う事か。しかし、勇者の血を引く者がどこの馬の骨か分からぬ者に、倒される訳にはいかん」
「その通りで御座います。何か卑怯な手を使ったかも知れません」
「うむ、宝珠は絶対に必要なのだ、引き続き刺客を送るのだ」
「御意」
☆☆☆☆☆
「着きました、もう安心ですお嬢様」
「良く頑張ってくれました。カザン」
「いいえ、あの者達のお陰で御座います」
「そうでしたね、皆様方ありがとう御座います」
「お役に立てて良かったです」
「どうぞ屋敷でお休み下さい。すぐにお茶を用意いたします」
「では、お邪魔します」
ーー
屋敷の中は、可愛いメイドの娘が案内してくれた。
「凄いお屋敷ね」
「なんか日本の家に似てない?」
「そうだね」
「障子もあるし」
「妙に落ち着くな」
「こちらの部屋でお待ち下さい」
「た、畳だ!」
「本当!」
「高木君、こう言う事って有るの?」
「うん、結構あるよ。[和の国]とか言ってね」
「なにそれ、面白いね」
「失礼いたします」
お嬢様とメイドさんだ。
「おはぎ!」
「これ、真理!はしたない」
「ごめん、つばさ」
「ふふ、いいんですよ。皆様のお国では、『おはぎ』と言うのですか?」
「はい」
「パネットでは、スィートポテトと言います」
「そうなんですか」
「頭がこんがらがる」
「どうぞ、お召し上がりください」
「「「「「「いただきます」」」」」」
「うまい」「美味しい」「うう、甘い」
「日本茶だ」「もう最高」
「お風呂と御夕食をご用意してありますので、今夜はこちらにお泊まり下さい」
「ありがとう御座います」
「この国いいわね」
「ほんと」
「ここに居られるように頑張ろう」
広いお風呂に入って、懐かしい日本の料理を食べたこの日は、ひさびさにみんなグッスリ寝れた様だ。
翌日、朝食を食べた後、出発の準備をしていると、お嬢様が部屋に来た。
「私の父が今朝、王都から戻って来まして、皆様にお礼が言いたいと申しておりますので、ご案内致します」
お嬢様について行くと広い客間に通された。
「君達がサユラを助けてくれたのか、ありがとう」
チョイ悪おやじ的なダンディな人だ。
「いいえ、こちらこそ大変良くして頂き、ありがとう御座います」
「なに、まだまだ足りないくらいだ。暫くこの街に居るのなら、ここを拠点にしてくれてもよい」
「それは……」
「実はな、この辺りにはサユラと同じ年頃の者が居なくてな、君達に友になって欲しいのだ」
「私からもお願い致します」
僕達は、お互いに顔を見て気持ちを感じ取った。
『どうする?』『迷惑がきっとかかるよ』
『正直に話そう』『そうしよう』
「実は僕達、理由あってダネン王国の人達に狙われているのです。ここに居ればご迷惑がきっとかかります」
「なにっ!」
「まあ」
「君達はもしかして、召喚された勇者なのか?」
「ご存じなのですか?」
「うむ。…………良し分かった、少し時間をくれないか?」
「どうか皆様、父を信じて下さい」
「分かりました」
バン伯爵が出かけた後、お嬢様が僕達の相手をしてくれた。
「お嬢様のお父様は、凄くカッコいいですね」
「そうですかぁ?」
「ほんと、ナイスミドルって感じ」
「ナイスミドルですか?」
「あ、え~と、渋い男の人って言う意味です」
「う~ん、くだらない、面白くない話しばかり言ってますよ」
「え~、どんな話しですか?」
「布団がフットンだ。とか」
「ぷっ!」
「おやじギャグだ、私の父も言います」
「アハハ、うける」
「女子達は盛り上がってるね」
「ほんとだ」
「羨ましい」
「メイドさんと話そうか?」
「大神、良いこと言うね」
「メイドさん、名前なんて言うの?」
「えっ、はい、あの、お、お嬢様、どうしましょう」
「こら、男子、何してるのよ!」
「名前を聞いただけだよ」
「セクハラね」
「なんでだよ」
「こほん、サユラ入るぞ」
「お父様、早かったですね。どうぞ」
「ウズキ公爵と話しをして来た」
「公爵様は何と?」
「勇者様達を援護せよ。と仰せだ」
「良かった。皆様、これで大丈夫ですね」
「どうして僕達を?」
「うん、流石に話す事は出来んが、世の中には色んな事があるものなのだ」
「大人の事情ですか?」
「そう取ってもらっても構わない。ただ、これだけは約束しよう。この国の為に、君達に何かをやらせる事は絶対に無いと」
「分かりました。伯爵を信じます」
「うむ、サユラと仲良くしてやってくれ」
「「「「「「もちろんです!」」」」」」
「皆様、ありがとう御座います」
そうと決まればこれからの予定だ。
「この国にダンジョンってありますか?」
「ダンジョンですか、はい、幾つか有りますよ。この街の西にある遺跡のダンジョン、2つ先の街の南に囁きのダンジョン、そして龍の背山のダンジョンです」
「一番簡単なのはどこですか?」
「それは遺跡のダンジョンですね。行くのですか?」
「はい。僕達は、強くならないといけないのです」
「そうですか。お父様、私も行って良いでしょうか?」
「う~ん、いや、それはだな、…………君達、サユラを頼めるか?」
「はい、お任せ下さい」
「良いだろう、カザンお前もついて行け」
「はっ!」
「ありがとう、お父様」
やっと僕達の居場所が見えて来た。
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