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セラヴィの港で
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馬車は順調に進んでいく。
「大変な目に合いましたね」
「ええ、でも直ぐアキさんが来てくれました」
俺達が行ったのは、リンツさん達が城に連れてこられた次の日だったらしい。
ロッシュさん達も気がついて、直ぐに動いた様だ。
道中で心配なのはマグラの手の者だ、転移で移動したい所だが、移動先の指定にやや不安があるのと人に見られたくもない、これからはポイントを造っておく必要がありそうだ。
「アキさん、私、冒険者ランクCになったんです」
「本当ですか、凄いですね。大変だったでしょう」
「はい、頑張りました」
『けなげね。アキ、分かってるの?』
『うっ、解ってます』
マグラからの襲撃は無かった、サザンビから王都に来ていたとは思って無いのかも知れない。
王都グドラからミストガの街に着いたのは27日後の昼だった。
ここに着くまでの各街で、あまり目立たない所に家を買った、転移用の家だ。
これで次からは楽になる、ミストガでも買うつもりなので商業ギルドに行く事にした。
リンツさんは少しやることがあると言って、宿に残る事になったのでセシルに護衛を頼む。
「セシル、2人を頼むね」
「お任せ下さい」
サクッと決めて帰ってこよう。
☆☆☆☆☆
「セシルさん、ちょっといい?」
「何ですか」
「セシルさんはアキさんの事が好きよね」
「はい、大好きです。ご主人様の子供をたくさん産むつもりです」
「まあ、……私もアキさんが好きなの。私も子供を産んでもいいかしら?」
「リンツさんならOKで、ノープロブレムです」
「OK、ノープロブレム?」
「精霊さんの言葉で『良いよ大丈夫、問題ない』と言う事です」
「そう、ありがとう。これからもよろしくね」
「ラジャーです。あ、これは了解と言う意味です」
「いいなあ、私も精霊さんと、お話しをしたいわ」
「リンツさんなら、直ぐに出来ますよ」
☆☆☆☆☆
「いい家があって良かった。中のイメージもバッチリ出来たし言うこと無し」
『移動がゲーム感覚になって来るな』
「この世界の移動は時間が掛かるから、もっと早くに試せば良かったかな」
もうすぐ宿だ、何事も無かった様だな。
「アキさん」 「アキ様」
「「えっ」」
「ルナさん」
「アキ様」
「アキさん、この方は?」
「あ、ルナさんです」
「アキ様、こちらは?」
「え、リンツさんです」
〈この緊張感は、元彼女と今彼女の鉢合わせと言う感じに似てるか〉
〈ハッカー、お気楽な事を言って。大変かもよ〉
「「セシルちゃん」」
「あ、ミスティさんとマリアンヌさん」
「ダンさん、アギマさん。ルナさんに会えたんですね」
「はい、お陰様で」
「アキ殿、お久しぶりです」
「タイロンさん」
ーーーーーーーーーー
さっきは、[双剣の翼]の人達のお陰で助かった。
「ルナさんBクラスになってたね」
『もともと素質は有ったからな』
『これならダンジョン攻略も大丈夫ね』
「失礼します。アキさん、今日から私もこっちで寝ます」
「え、叔母さんはいいの?」
「叔母にはお話ししてあります」
「そ、そうですか」
「セシルさんよろしくね」
「はい、頑張りましょう」
〈……これは手を組んだわね、2人〉
〈アキの運命、どうなる事か。ククッ〉
今回は神殿には寄らず、家だけを買ってアルダバラン王国のジュノに向かう、エディンバラ伯爵に会うためだ。
ジュノの街では、ギルドマスターのバンダさんに段取りをしてもらう。
「ボルチスカのダンジョンも制覇して国王のフェルゼの覚えもいいとか。ふふ、アキ君、次は何をするきかな?」
「伯爵、お願いがありまして」
「おやおや、アキ君らしくない。どうした?」
「実は……」
「なるほど、解った2人を家で預かろう」
「ありがとう御座います」
ーーーー
「嫌です、私はアキさんと一緒に行きます」
「でも危険です」
『アキ、解ってあげなさい。アキが護ってあげればいいじゃない、その方が安心でしょ?』
もう、女の涙はずるいよな。
「分かりました。一緒に行きましょう」
「良かったですねリンツさん」
「ありがとうセシルさん」
「叔母さん、ごめんなさい」
「いいのよ、アキさんよろしくね」
「はい、任せて下さい」
リンツさんの味方に、卑弥呼さんがついたのではしょうがない。
リンツさんをパーティーのメンバーに加わえて、俺の目的は嘘をつく事無く巧く話を造り、リンツさんに説明をした。
今はモミザで船の出航待ちで、みんなで船のレストランで食事をしている、馬車の移動の時とは違い開放的で何回乗ってもいい感じだ。
「アキさんは本当に精霊とお話しが出来るのですね、しかも不思議な経験もされて」
「運命と思って諦めてますよ」
「ご主人様、早くプールに行きましょう」
「分かった分かった。リンツさんも泳ぎましょう」
「はい」
船は無事に出航し2日間は余計な事を考えずに過ごせた、ずうっとこうしていたいよね。
セラヴィに降りて馬車乗り場へ向かう途中にじいさんの店が見える。
『中に人がいる様ね』
「行ってみるか」
「誰じゃ」
「じいさんか?」
「アキか、あの手紙は助かったぞ」
「そうか、それでどうなった」
「手紙をもらったあと直ぐここに戻って、商業ギルドと手を組んでな」
「ではまだ大事には?」
「今の所はな、ここの領主と裏で調べている」
『……アキ、海から来るわよ』
『かなりの数だ、ここまで来るのに15分って所か』
「じいさん、ヤバイぞ。早くみんなを避難させて、ギルドから冒険者を呼んだ方がいい」
「なんじゃと!分かった手配する」
『帝国絡みかしら?』
『なんとも言えんな』
「セシル、リンツさん、港に行きますよ」
「「OK」」
新パーティーでの初仕事は海の魔物との戦いになりそうだ。
「大変な目に合いましたね」
「ええ、でも直ぐアキさんが来てくれました」
俺達が行ったのは、リンツさん達が城に連れてこられた次の日だったらしい。
ロッシュさん達も気がついて、直ぐに動いた様だ。
道中で心配なのはマグラの手の者だ、転移で移動したい所だが、移動先の指定にやや不安があるのと人に見られたくもない、これからはポイントを造っておく必要がありそうだ。
「アキさん、私、冒険者ランクCになったんです」
「本当ですか、凄いですね。大変だったでしょう」
「はい、頑張りました」
『けなげね。アキ、分かってるの?』
『うっ、解ってます』
マグラからの襲撃は無かった、サザンビから王都に来ていたとは思って無いのかも知れない。
王都グドラからミストガの街に着いたのは27日後の昼だった。
ここに着くまでの各街で、あまり目立たない所に家を買った、転移用の家だ。
これで次からは楽になる、ミストガでも買うつもりなので商業ギルドに行く事にした。
リンツさんは少しやることがあると言って、宿に残る事になったのでセシルに護衛を頼む。
「セシル、2人を頼むね」
「お任せ下さい」
サクッと決めて帰ってこよう。
☆☆☆☆☆
「セシルさん、ちょっといい?」
「何ですか」
「セシルさんはアキさんの事が好きよね」
「はい、大好きです。ご主人様の子供をたくさん産むつもりです」
「まあ、……私もアキさんが好きなの。私も子供を産んでもいいかしら?」
「リンツさんならOKで、ノープロブレムです」
「OK、ノープロブレム?」
「精霊さんの言葉で『良いよ大丈夫、問題ない』と言う事です」
「そう、ありがとう。これからもよろしくね」
「ラジャーです。あ、これは了解と言う意味です」
「いいなあ、私も精霊さんと、お話しをしたいわ」
「リンツさんなら、直ぐに出来ますよ」
☆☆☆☆☆
「いい家があって良かった。中のイメージもバッチリ出来たし言うこと無し」
『移動がゲーム感覚になって来るな』
「この世界の移動は時間が掛かるから、もっと早くに試せば良かったかな」
もうすぐ宿だ、何事も無かった様だな。
「アキさん」 「アキ様」
「「えっ」」
「ルナさん」
「アキ様」
「アキさん、この方は?」
「あ、ルナさんです」
「アキ様、こちらは?」
「え、リンツさんです」
〈この緊張感は、元彼女と今彼女の鉢合わせと言う感じに似てるか〉
〈ハッカー、お気楽な事を言って。大変かもよ〉
「「セシルちゃん」」
「あ、ミスティさんとマリアンヌさん」
「ダンさん、アギマさん。ルナさんに会えたんですね」
「はい、お陰様で」
「アキ殿、お久しぶりです」
「タイロンさん」
ーーーーーーーーーー
さっきは、[双剣の翼]の人達のお陰で助かった。
「ルナさんBクラスになってたね」
『もともと素質は有ったからな』
『これならダンジョン攻略も大丈夫ね』
「失礼します。アキさん、今日から私もこっちで寝ます」
「え、叔母さんはいいの?」
「叔母にはお話ししてあります」
「そ、そうですか」
「セシルさんよろしくね」
「はい、頑張りましょう」
〈……これは手を組んだわね、2人〉
〈アキの運命、どうなる事か。ククッ〉
今回は神殿には寄らず、家だけを買ってアルダバラン王国のジュノに向かう、エディンバラ伯爵に会うためだ。
ジュノの街では、ギルドマスターのバンダさんに段取りをしてもらう。
「ボルチスカのダンジョンも制覇して国王のフェルゼの覚えもいいとか。ふふ、アキ君、次は何をするきかな?」
「伯爵、お願いがありまして」
「おやおや、アキ君らしくない。どうした?」
「実は……」
「なるほど、解った2人を家で預かろう」
「ありがとう御座います」
ーーーー
「嫌です、私はアキさんと一緒に行きます」
「でも危険です」
『アキ、解ってあげなさい。アキが護ってあげればいいじゃない、その方が安心でしょ?』
もう、女の涙はずるいよな。
「分かりました。一緒に行きましょう」
「良かったですねリンツさん」
「ありがとうセシルさん」
「叔母さん、ごめんなさい」
「いいのよ、アキさんよろしくね」
「はい、任せて下さい」
リンツさんの味方に、卑弥呼さんがついたのではしょうがない。
リンツさんをパーティーのメンバーに加わえて、俺の目的は嘘をつく事無く巧く話を造り、リンツさんに説明をした。
今はモミザで船の出航待ちで、みんなで船のレストランで食事をしている、馬車の移動の時とは違い開放的で何回乗ってもいい感じだ。
「アキさんは本当に精霊とお話しが出来るのですね、しかも不思議な経験もされて」
「運命と思って諦めてますよ」
「ご主人様、早くプールに行きましょう」
「分かった分かった。リンツさんも泳ぎましょう」
「はい」
船は無事に出航し2日間は余計な事を考えずに過ごせた、ずうっとこうしていたいよね。
セラヴィに降りて馬車乗り場へ向かう途中にじいさんの店が見える。
『中に人がいる様ね』
「行ってみるか」
「誰じゃ」
「じいさんか?」
「アキか、あの手紙は助かったぞ」
「そうか、それでどうなった」
「手紙をもらったあと直ぐここに戻って、商業ギルドと手を組んでな」
「ではまだ大事には?」
「今の所はな、ここの領主と裏で調べている」
『……アキ、海から来るわよ』
『かなりの数だ、ここまで来るのに15分って所か』
「じいさん、ヤバイぞ。早くみんなを避難させて、ギルドから冒険者を呼んだ方がいい」
「なんじゃと!分かった手配する」
『帝国絡みかしら?』
『なんとも言えんな』
「セシル、リンツさん、港に行きますよ」
「「OK」」
新パーティーでの初仕事は海の魔物との戦いになりそうだ。
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