ひめてん~姫と天使と悪魔と猫~

こーちゃ

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第四章 某国の姫君

第41話 肉体って言うと、卑猥に聞こえる?

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 猫師匠に制裁を終えたユーキ達がリーゼル城に帰還する。

「酷いニャ、ユーキ……はるばるグレールから助けに来たのにニャ……」
「会った時にぶっ飛ばすって言っただろー!」
「いいのよ! あたしなんか17年間も騙されてたんだから!」
「フニュ!」
「そうです! シャル様は少々痛い目に合わないと懲りないからいいのです!」
「フニャ!? オルドまで!?」


 宴も終わりに近付いた頃、アイバーンが改めてユーキに質問する。

「ところでユーキ君! シャル様との夢? での会話を全て思い出したと言うが、今は自分自身の事をどの程度まで把握しているのかね?」
「あ、うん……僕がリーゼルの王女として過ごしてた頃の事は全部思い出した。でも、僕が14歳の誕生日を迎えた日……つまり、行方不明になった日からパティと出会うまでの2年間の出来事だけは、どうしても思い出せないんだ……」
「そうか……そこが一番の謎なんだがな……」

 ユーキの話を聞いて落胆するマルス国王。

「ああーっ!!」
「な、何ですかパティさん、いきなり!?」
「バタバタしててすっかり忘れてたけど、今回の戦いの前にグレールに帰った時、師匠はユーキが行方不明になってた2年間の事を知ってるって……」
「そうだ! 確かに夢の中でも、僕の事全部知ってるとか言ってたよね? 確かおっさんの記憶も本物とかなんとか……」

「ほお……それはつまり、シャル様を締め上げればマナの謎が全て分かる、という事だな……」
「ニャ!?」

 左側から猫師匠ににじり寄るレノ。

「という事ですよね……」
「フニャ!?」

 反対側からにじり寄るメルク。

「ユーキと会ったら全部教えるって、師匠言ったわよね?」
「フニュ!?」

 背後からにじり寄るパティ。

「さあ、会ったんだから教えてもらおうか!」
「フニャア!?」

 正面からにじり寄るユーキ。
 四方を囲まれ、逃げ場を失った猫師匠。

「確保ー!!」
「フニャアア!!」

 ユーキの号令で、四方から一斉に猫師匠に襲いかかるユーキ達。
 しかしフワッと浮き上がりかわす猫師匠。

「ロロ!!」
「ハイなのです!!」

 狙っていたように、宙に飛んだ猫師匠に飛びかかるロロ。

「ニャんの!!」

 それを空中でくるりと回転してかわす猫師匠。
 しかしその背後に、セラの羽が作り出した魔方陣が現れる。

「マジックイレーズ!!」

 魔法無効化の結界を発動させたセラだったが、魔力を高めて堪える猫師匠。 

「甘いニャ! カオスにも匹敵する魔力を持つあたしには効かないニャ!」
「私だけの魔力ならねぇ」
「エターナルマジック!!」

 エターナルマジックを発動させたユーキが、セラの魔力を補う。

「フニャ!? 落ちるニャア!!」

 魔法を解除された猫師匠が落下して行くが、寸前でオルドが受け止める。

「皆様、この方は仮にもグレールの女王陛下なのですから、程々に……」
「あんた! よく家に来てた借金取り!?」
「借金取り……?」

 パティの借金取りという言葉に、ピクリとなるオルド。

「でかしたニャ、オルド! さあ、このままグレールに帰るニャ!」
「分かりました……では皆様! 私達はこれで失礼致します!」

「ああ! 逃げるのかー!!」
「ニャハハ! 今日の所は見逃してやるニャ! まあでも、一応あたしと会ったわけだから、1つだけ教えてやるニャ! マナが14歳になった日に行方不明になって2年経ってる訳だから普通は16歳になってる筈だけど、今のマナの肉体年齢は14歳のままニャ! したがって、マナの年齢は14歳、という方が正しいニャ!」

「え!? どういう事だよ? それって……」
「あ、そういえば……マナが行方不明になってる2年の間、マナはこの世界には居なかったって師匠が……」
「ではその間マナ君は、ユーキ君の言う別世界に居たということか? しかし、だとしてもそれでは、体が成長していないという事の説明が付かない……」

「真相を知りたかったら、改めてグレールまで会いに来るニャ! ああそれと例の話、あたし達グレールも参加を表明するニャ! それでは、さらばニャアア!!」
「あ! 待てー!! このバカ猫ー!!」

 ユーキの絶叫も虚しく、飛び去って行くオルドと猫師匠。

「オルド! お前があたしを助けるなんて、珍しい事もあるもんニャ!?」
「臣下ですから当然です! そしてシャル様は女王陛下らしく、国に帰ったらちゃんと仕事をしていただきます!」
「フニャ!?」
「ああそれと、私が何故借金取りと言われたのかという事も、じっくり聞かせていただきますので!」
「イニャアアア! やっぱりリーゼルに戻るニャアアア!!」



 そして、まんまと猫師匠に逃げられたユーキ達。

「クソッ! 逃したか!?」
「ごめんなさいユーキ、ウチの師匠が……」
「いや、パティが謝る事じゃないよ! それにまあ考えてみれば、今回は一度に色んな事があったから、この上更に真実を聞いちゃったら完全にキャパオーバーだしね。正直ちょっと間を置きたいし……」
「そ、それもそうね!? じゃあ改めてグレールまで会いに行きましょう!」

「うん……あ、ところで……さっき猫師匠が去り際に参加がどうとか言ってたけど、何の話?」
「あ、ああそれなんだが……以前にユーキ君達に話した武闘大会の事だよ」
「ああそう言えば、僕達はその為に王都を目指してるんだった……あ、でも僕、リーゼルの王女になっちゃったけど、王女の僕が出ちゃっていいの?」

「問題無い! 元々今回の大会は、完全に国家の垣根を取り払って参加者を募っていたからね。それが例え他国の王族であろうと関係無い! いやむしろ事情が変わったので、王族である方が望ましいぐらいだ。まあもっとも、パラスに属する国の参加だけは認めていないのだが……」

「私達ヴェルンもパラスに反旗をひるがえしましたからぁ、参加を表明しますぅ」
「あ、でもヴェルンの人達、パラスに逆らっちゃって大丈夫なの?」
「そこは抜かりないのですぅ! 今回の作戦の最終目標はぁ、リーゼル、ヴェルン、トゥマールの3国を統一してぇ、パラスに対抗しうる1つの国家にする事ですからぁ! あ、でも猫さんがグレールの参加も表明しましたからぁ、4国になりますねぇ」

「ええ、そうなの!? 僕はそこまでは聞いてなかったけど」
「ふむ……三国統一の件に関しては、それぞれの王族と、ごく一部の者しか知らない事だからね!」



「あの……僕も一応王族なんだけど……」

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