残る世界の光

ふずきまる

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「そういえば俺ら以外に軍拡と領土を広げるやつがいるらしいな。」
先程から数時間経った後、フェルダリオは書類を片付けているときに秘書であるゼーベに問いかけた。
「はい。大和楽帝国ですね。」
「大和楽…。あぁ、あの島国のか。」
「しかし島国と馬鹿にはできません。私達同様どの軍隊もトップレベル、特に海軍が無敵艦隊に近い実力を持っています。」
「ふむ…。領土はどのくらいなんだ?」
「えー…。」
ゼーベは壁にかけてある大きな世界地図に指を指した。
「東南アジア全域は大和楽のものでしょう。ポリネシア、ミクロネシアの一部の地域も大和楽のもの。更に東アジアにも手が出るのでは?との声もあります。」
「巨大な国だな…。確かに島国と馬鹿にはできんな。そういえば…。あそこも軍トップは女だったな?」
「軍トップというよりは皇帝が女皇です。」
「女が皇帝なのか!?すごいな…。」
「外交関係を持つべきでは?」
「そうだな…。」
ゼーベがそう言った後にフェルダリオはニヤッと笑った。
「モールスでも送っとけ。面会がしたいとな。」
「御意。」





「大和楽帝国、万歳!!」
帝国各地で、決まった日、決まった時間に必ず行われる万歳三唱。この国のムードを保つためでもある。
「和楽がこうしていられるのも、クア様のおかげです。」
「ありがとう。」
大和楽帝国女帝クア。また、軍部最高司令官でもある。海軍は世界一の実力を誇るほどの強さを持ちどの国からも一目置かれている。
彼女は着物は着ず、軍服を着ている。着物は嫌いではないが軍人であることを自覚するためだとか。
「次はどこの国へ侵攻いたしましょう?」
「…私の野望は知っているな?」
クアは杖をついた状態で答えた。
「はっ。アジアの平定でございます。」
「その通り。この地区、東南アジアと周辺諸国地域は平定されている。ついに私達もアジアを平定する時が来た。」
「はい。」
「しかし、もう一つ夢がある。」
「なんでしょう?」

「世界の統一だ。」
この言葉が出た時、周りがしんとした。
何を言っているんだというよりは、本当にやるつもりなのか?という半信半疑の間だろう。
「私たちは過去一度も戦争に敗れていない。歴史を見てもそうだ。私たちは神の国。やれないことはない!」
クアはバンっと机を叩いた。ビリビリとした空気が流れる。
「私は欧州へと進出も夢じゃないと思っている。そのためにまず…。」
「大ロータヴェルと手を組むと?」
「えぇ。彼らは中央アジアを治めているのに加え、旧領の回収もしている。私達で手を組めばいい話だろう?」
「そう…ですね。しかしいいんですか?私達が組み、アクションを起こせば必ず世界大戦が起きます…。」
陸軍大将テルは心配した。しかしクアは違った。
「なら私たちは何故神聖国と名乗っている?神聖の力があるからだ。やれないことはない。勝てる。そして世界一の山から見る日の出は最高だと思うがな。」
「…その通りです!その通りです!やりましょう!!」
「その前に最初にアスバリチアを叩く。」
「それはまずいのでは?」
軍部幹部、イマリが待ったをかける。
「アスバリチアは陸軍国家のタンミリア、空軍国家のレイクと同盟関係にあります。三正面作戦ができるほど我が国にはありません。どうか、お考えを。」
「そうか…。ならば我らはどの国よりも先に大ロータと手を組む。それしかない。」
皆が不安そうにするがクアは自身誇らしげに自分の胸に手を置いた。

「みんなで見ようじゃないか。世界一の山から見る、日の出をな。」
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