残る世界の光

ふずきまる

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「そういえばネイ様、同盟国の定期会議はいつなのですか?」
「来月には行おうと思う。その前に今日、タンミリアと会議だからな。」
「そうでしたね。」
ネイは官邸から出ると、既に用意されていたプライベート機でタンミリアへと向かう。

数時間後、彼女と各軍部大将、軍部幹部はタンミリア空港につく。国名が入った空港は珍しい。
そして護衛車に乗り数十分、大きな官邸が現れる。
中央アジアということもあり独特な建物が多く健っている。様々な文化が入り混じった、不思議な地域だ。
出迎えてくれたのは、軍最高司令官ガウディウスである。
「やあやあ。遠い国からどうも。」
「ガウディウス様、お出迎え感謝します。」
いかにも優しそうな雰囲気を出すガウディウス。彼女よりも少し年上といった感じだろうか。ただ今日は軍服ではなく、タンミリアに伝わる正装で出迎えた。
中に入れば豪華なシャンデリアがネイたちを迎える。
そしてさらに奥へと進めば大きな部屋がある。
「さぁ、会議と行きましょうか。」
「ええ、そうしましょう。」
ネイとガウディウスは豪華な椅子に、ゆっくりと腰掛けた。



アレリスト帝国。南米に覇を唱える帝国。しかし他の国とは違い他大陸への侵略は行なっていない。そんなことから、いろいろな国々からは「田舎帝国」などと言われている。
アレリスト帝国元帥のフェルナンドは迷っていた。軍拡は進めているが他大陸を侵略するのか。しかし、そんな勇気はない。敗戦した場合、偉大なる祖国が列強の配下になる。それだけは回避したいのだ。さらにアレリストには民族問題も解決しておらず、そんな余裕はない。
そのため、各大陸の主要国家の中では唯一、同盟に参加していない。また、軍事同盟も結んでいない。
「民族問題を解決するまではなるべく軍事同盟は結ばないようにする。」
フェルナンドはこの言葉を口癖のように使っている。
幸い、そこまで国を上げても好戦的ではないため現在は貿易と民族問題の解決へすすめている。
ただ、この国がこれから起きる同盟関係に大きく影響するなんて、まだ誰も知らないー。




「…というわけでいいですかな?」
「私も満足しております。」
タンミリアとの会議は以下のように決定した。
陸海空の高い技術をお互いに提供することの継続、お互いの輸出量を増やすこと。大ロータヴェルの監視を続けることで一致した。
「いやぁよかった。いい結果に終わって。」
「私もです。では、失礼します。」
ネイは頭を下げるとそそくさに部屋を出た。
「いやぁ。さすがだね彼女は。いい軍人だ。」
最後、ガウディウスが呟いた一言はネイにとっては嬉しく感じた。自分の行いが、認められると嬉しいものだ。世界に平和を。それを一心に。今日も彼女は突き進む。
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