残る世界の光

ふずきまる

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その不穏な知らせは、全ての仕事を終え自宅に帰る時に来た。
「ネイ様!!」
急いで走ってくるのは幹部。ネイの元へ着くと息切れしてるからか、膝に手をついた。
「どうしたのだ?そんなに慌てて。」
「そ、それが!」
「もったいぶらず早く言わんか。」
ネイに促されたからか、幹部は口を開く。その事を知ったネイは背中には、嫌な冷や汗がついた。ついに、この世界に革命が起きてしまうのではないかと。


「大和楽帝国が、大ロータヴェル帝国に急接近しました!!」



「そこにお座りください。」
珍しくフェルダリオが丁寧な言葉使いを使って大和楽帝国女帝、クアを座らせる。
彼は自分の国と同じ強さでなければ敬語は使わない。ただ今回は別で未知な存在。だから彼からしたら「一応」、敬語を使ってるわけだ。
「感謝します。」
「さてと…今日のご用件は?」
早速、フェルダリオは話を持ち出した。フェルダリオは何かあればということで扉の向こうには護衛兵として何人か連れてきている。
「うちと手を組みませんか?」
クアも早い結論を出した。
「それはこちらとしても思っていた次第であります。どのようにして?」
「私達、大和楽は陸海空全てにおいてトップクラスの実力を誇ります。その軍全てがロータと手を組んだら強くなる。鬼に金棒と言うわけです。」
この時、フェルダリオは少し気難しい顔をする。まさか、クアは我が誇り高きロータヴェル軍が、大和楽もりも下なのではないかと。
しかしこの考えは次の一言で無くなってしまう。
「私たちは、大ロータヴェル帝国への軍事通行許可証を発行しようかと思います。」
「!?いいのですか?」
軍事通行許可。つまり、大ロータヴェル帝国は大和楽帝国の大陸内へ自由に軍事行動ができることになる。
彼からしたら不意打ちのような言われようだろう。
ただこの女、物凄く肝が座っている。
「私はこの軍事通行許可を我ら大和楽にとって有意義なものになると思います。先程鬼に金棒と申し上げましたが、それはそちらにもなるかと思われます。各軍のレベルアップに貢献するでしょう。私は許可してもよいと思います。
さて話は変わりますが、現在アスバリチアがタンミリアと会議をしていることでしょう。おそらく私たちの行動の監視の話し合いかと思われます。」
「何…あいつらも会議しているのか。」
「その通り。私達が何かしらのアクションを起こせば彼らは間違いなく戦争に持ち込むでしょう。だからこそ、私達も同盟を結ばないか。というわけです。」
「なるほど…。」
「有名ではありませんか。ロータ第一帝国時代を取り戻す野望は。」
「…そうなのか。」
彼は自国のこと以外はそこまで興味がない。貿易も昔から交友のある国のみしか行っていない。
「私達もその野望の手助けになればと思います。私達もアジアを平定した後、ヨーロッパにでようかと思っていまして。」
「何!?まさか世界統一でもするのか!?」
ガタッとフェルダリオは立った。怒りではない。驚きでの意味だ。たった一島国が世界統一など馬鹿げた話を…。

「私は本気です。」

この一言が彼を納得させると同時に、フェルダリオ自身もクアを未知の存在から「信用」へと変わった。
彼女の眼に、迷いの眼はなかった。
会議前にフェルダリオはゼーベから軍についてと国土、文化について聞いた。数十年で大帝国へ育てたことと先ほどの一言が、納得させる結果となった。
彼は座らなかった。隣に座る陸軍大将マライアは心配そうにフェルダリオの顔を見た。しかし、心配する必要は無かった。

「大ロータヴェル帝国は只今より、大和楽帝国との同盟関係を認める。名は…
『革命連合国』とする!」
その瞬間、大きな拍手が上がった。クアも立ち上がり彼と握手する。
大きな軍事同盟が、今。ここに現れたのである。

「もうお前らは帰れ。クアと呑んでくる。」
「いいんですか!?護衛兵も無しに!」
会議終了後、フェルダリオはゼーベに言った。ゼーベは驚いた顔をする。当たり前だ。国の総統が護衛兵無しに出歩くなど前代未聞だ。
「アホ言え。何かあったら俺がなんとかするし俺ら2人で情報を共有することもあるんだ。極秘でな。」
「…わかりました。」
そういうと、ゼーベは出ていき、官邸にいた全員を帰らせた。
「さて…いきますか。おすすめのバーがある。」
「それは嬉しいですね。早速行きましょう。」
「それなりの情報はくださいよ?」
「当たり前です。」

バーにつき、荷物を置き二人でカクテルを頼み乾杯する。

「世界に、乾杯。」と。
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