32 / 55
3章
30 狙われる
しおりを挟む
「光属性のエース…セフェルドルフか。」
フィーナが少しボソッとつぶやいた。歩きながらなので少し聞き取れなかったがある程度は聞こえていた。優香とセフェルドルフさんは前の方に歩いている。
「どういうことだい?」
素直な疑問をぶつけた。
「どうやら彼、防御魔法に秀でてるみたいで。見て、腕に盾つけてるでしょ。あれが、彼が光属性のエースにしている証拠らしい。勿論、攻撃力もあって大剣の威力は凄まじいものだそうよ。」
バレないよう指差したフィーナは僕に説明してくれた。盾が彼をエースに引き立てた…。攻撃こそが最大の防御という言葉もあるがその逆もあるのだと感じた。
「そういえば、3つの森の中心を結んだ三角形の中心に行けばいいんだよね。結構かからない?」
「当たり前でしょう。電車はなし、ほぼ歩きだから尚更でしょ。」
「ちなみにどれくらいかかるのかな…?」
「全てのミッションを達成するのに2ヶ月は余裕でかかる。それぐらい我慢しなよ。」
情けないという意味の溜息をついて首を横に振った。多分まだ戦士としては信頼されてないな。
「くっそう…。頑張るしかないや。」
少しきが長くなりそうだが頑張るしかない。
時々出てくるモンスターを狩りつつレベル上げも行う。やはりレベルが上がると簡単には次のレベルには上がりにくくなる。モンスターも着々と狩っていかないければならない。
地道な冒険がスタートしたと思うと、気が遠くなりそうだ。
「頑張ってるか?坊主よ!」
セフェルドルフさんは僕の頭をくしゃくしゃに撫でる。
「ありがとうございます…。中々レベルが上がりにくいですね。」
「そりゃそうだろうよ。俺だって今レベル85だけどここまでくるの大変だったんだからなぁ…。」
「85!?すごいですね…。」
「まぁ頑張れよ坊主!」
また頭をくしゃくしゃに撫でられた。年上の人からの励ましは力になる。もっと頑張らなければ。
俺はあの4人を見送った後、いつも通り仕事に戻った。計画ということもあり書類が多くある。この処理は大変だけど、頑張らないと。フェンも助けてくれるのでありがたい。
最初は膨大にあった書類もある程度片付いた。俺は大きく伸びをする。
「お疲れ様です。もう今日はこれで終わりますか?」
「あぁ。終わろうか。アナウンスよろしくね。僕はこの後に戸締りするから。」
「わかりました。では。」
ぺこりとお辞儀をすると部屋を出て、館内アナウンスをした。窓からも多くの戦士達が帰って行くのがよく見える。
俺は椅子に座り一息ついた。俺はふと、俺の机に置いてある「証」を持った。金色で透き通ってる丸い玉。ただの玉だろうが、俺には物凄く力をくれる不思議な玉。その玉を持つと毎回彼の名が浮かぶ。
「…タケル。」
共に戦った者がいなくなるとは少し寂しいもの。振り返らないと決めていたのに、ついつい思い出してしまう。仕方ないさ。
カッ!!
いきなりなんの光からわからないが眩い光が生じた。眩し過ぎて目を瞑った。しばらくして目を開けると、ユグドラシルの姿があった。
「ユグドラシル様様が…何用です?」
「やぁテミル。ガンジムルとこの国うまく回してる?」
「おかげさまで。」
「ならよかった。他の国々にも伝えているから、君たちにも伝えておこう。タルタロスが君らを狙っている。」
「タルタロスが…?」
僕には背中がゾッとする感覚を味わった。無間地獄タルタロス。我らの世界に何の用だろうか。
「うん。人間の3人が来たことによって人間界の時間は止まっている。やはり好戦的な彼らにとっては狙い定めてた物が狩れないとはうずうずするに決まってる。色んな世界に行っては滅ぼしてを繰り返している。そして、この世界を次に狙ってるってことさ。」
「なるほど…。」
「だが、狙いは君らではない。人間3人、特にフィーナだ。」
「なんでだい?彼らをさっさと人間界に戻して時間を進めてさっさと潰すというのか?」
「それもあるが違う。元はフィーナはタルタロスのスパイ。そんな彼女の音信が突然途絶えた。となればタルタロスは焦る。ただ単に途切れたのか、それとも裏切ったのか。」
「え!?フィーナはスパイだったのか!?」
「そう。ヴェルガネオスのミスでこの世界に来た2人を監視するために。」
「それは知らなかった。けど確かにある時を境に冷酷だった彼女が時折笑顔を見せるようになった。なら裏切ったのも確証できる。」
「裏切ったのか…。なら確実に潰しにかかるな。ちなみにサーガッドとチェノスト、伝えた他大陸の国々は全部徹底抗戦を表明している。」
「ユグの能力で他大陸への行き方を作って欲しいもんだ。」
「無理。」
ジョークを入れたがきっぱりと断られた。流石だな…。
「レイズオズワルドドラゴンの捕獲に向かわせてるな?なら早くした方がいい。」
「なぜ?」
「レイズオズワルドドラゴンは光属性の塊。今光どれだけいる?」
「他の属性に比べると少ない方だ。」
「でしょ。だからレイズオズワルドドラゴンを捕まえれば他大陸への進出と光属性不足のある程度の解消。一石二鳥じゃん。それに今、チェノストが光属性の戦士を送ってくれるかわからないしね。」
「早く関係を修復しないと…。」
「それとサーガッド共ね。」
「は!?それは無理だ!今まで仲悪いやつらがいきなりはい仲直りしましょうねってできるわけないだろ!」
つい語勢が強くなってしまった。
「けど、この世界が滅びる危機にあるんだよ!?わかってるの!?」
真剣な緑でエメラルドのような瞳が僕を見る。
「今から3つの課題出すよ。しっかり聞いてね。」
フィーナが少しボソッとつぶやいた。歩きながらなので少し聞き取れなかったがある程度は聞こえていた。優香とセフェルドルフさんは前の方に歩いている。
「どういうことだい?」
素直な疑問をぶつけた。
「どうやら彼、防御魔法に秀でてるみたいで。見て、腕に盾つけてるでしょ。あれが、彼が光属性のエースにしている証拠らしい。勿論、攻撃力もあって大剣の威力は凄まじいものだそうよ。」
バレないよう指差したフィーナは僕に説明してくれた。盾が彼をエースに引き立てた…。攻撃こそが最大の防御という言葉もあるがその逆もあるのだと感じた。
「そういえば、3つの森の中心を結んだ三角形の中心に行けばいいんだよね。結構かからない?」
「当たり前でしょう。電車はなし、ほぼ歩きだから尚更でしょ。」
「ちなみにどれくらいかかるのかな…?」
「全てのミッションを達成するのに2ヶ月は余裕でかかる。それぐらい我慢しなよ。」
情けないという意味の溜息をついて首を横に振った。多分まだ戦士としては信頼されてないな。
「くっそう…。頑張るしかないや。」
少しきが長くなりそうだが頑張るしかない。
時々出てくるモンスターを狩りつつレベル上げも行う。やはりレベルが上がると簡単には次のレベルには上がりにくくなる。モンスターも着々と狩っていかないければならない。
地道な冒険がスタートしたと思うと、気が遠くなりそうだ。
「頑張ってるか?坊主よ!」
セフェルドルフさんは僕の頭をくしゃくしゃに撫でる。
「ありがとうございます…。中々レベルが上がりにくいですね。」
「そりゃそうだろうよ。俺だって今レベル85だけどここまでくるの大変だったんだからなぁ…。」
「85!?すごいですね…。」
「まぁ頑張れよ坊主!」
また頭をくしゃくしゃに撫でられた。年上の人からの励ましは力になる。もっと頑張らなければ。
俺はあの4人を見送った後、いつも通り仕事に戻った。計画ということもあり書類が多くある。この処理は大変だけど、頑張らないと。フェンも助けてくれるのでありがたい。
最初は膨大にあった書類もある程度片付いた。俺は大きく伸びをする。
「お疲れ様です。もう今日はこれで終わりますか?」
「あぁ。終わろうか。アナウンスよろしくね。僕はこの後に戸締りするから。」
「わかりました。では。」
ぺこりとお辞儀をすると部屋を出て、館内アナウンスをした。窓からも多くの戦士達が帰って行くのがよく見える。
俺は椅子に座り一息ついた。俺はふと、俺の机に置いてある「証」を持った。金色で透き通ってる丸い玉。ただの玉だろうが、俺には物凄く力をくれる不思議な玉。その玉を持つと毎回彼の名が浮かぶ。
「…タケル。」
共に戦った者がいなくなるとは少し寂しいもの。振り返らないと決めていたのに、ついつい思い出してしまう。仕方ないさ。
カッ!!
いきなりなんの光からわからないが眩い光が生じた。眩し過ぎて目を瞑った。しばらくして目を開けると、ユグドラシルの姿があった。
「ユグドラシル様様が…何用です?」
「やぁテミル。ガンジムルとこの国うまく回してる?」
「おかげさまで。」
「ならよかった。他の国々にも伝えているから、君たちにも伝えておこう。タルタロスが君らを狙っている。」
「タルタロスが…?」
僕には背中がゾッとする感覚を味わった。無間地獄タルタロス。我らの世界に何の用だろうか。
「うん。人間の3人が来たことによって人間界の時間は止まっている。やはり好戦的な彼らにとっては狙い定めてた物が狩れないとはうずうずするに決まってる。色んな世界に行っては滅ぼしてを繰り返している。そして、この世界を次に狙ってるってことさ。」
「なるほど…。」
「だが、狙いは君らではない。人間3人、特にフィーナだ。」
「なんでだい?彼らをさっさと人間界に戻して時間を進めてさっさと潰すというのか?」
「それもあるが違う。元はフィーナはタルタロスのスパイ。そんな彼女の音信が突然途絶えた。となればタルタロスは焦る。ただ単に途切れたのか、それとも裏切ったのか。」
「え!?フィーナはスパイだったのか!?」
「そう。ヴェルガネオスのミスでこの世界に来た2人を監視するために。」
「それは知らなかった。けど確かにある時を境に冷酷だった彼女が時折笑顔を見せるようになった。なら裏切ったのも確証できる。」
「裏切ったのか…。なら確実に潰しにかかるな。ちなみにサーガッドとチェノスト、伝えた他大陸の国々は全部徹底抗戦を表明している。」
「ユグの能力で他大陸への行き方を作って欲しいもんだ。」
「無理。」
ジョークを入れたがきっぱりと断られた。流石だな…。
「レイズオズワルドドラゴンの捕獲に向かわせてるな?なら早くした方がいい。」
「なぜ?」
「レイズオズワルドドラゴンは光属性の塊。今光どれだけいる?」
「他の属性に比べると少ない方だ。」
「でしょ。だからレイズオズワルドドラゴンを捕まえれば他大陸への進出と光属性不足のある程度の解消。一石二鳥じゃん。それに今、チェノストが光属性の戦士を送ってくれるかわからないしね。」
「早く関係を修復しないと…。」
「それとサーガッド共ね。」
「は!?それは無理だ!今まで仲悪いやつらがいきなりはい仲直りしましょうねってできるわけないだろ!」
つい語勢が強くなってしまった。
「けど、この世界が滅びる危機にあるんだよ!?わかってるの!?」
真剣な緑でエメラルドのような瞳が僕を見る。
「今から3つの課題出すよ。しっかり聞いてね。」
0
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
僕は君を思うと吐き気がする
月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。
見捨てられた(無自覚な)王女は、溺愛には気付かない
みん
恋愛
精霊に護られた国ルテリアル。精霊の加護のお陰で豊かで平和な国ではあったが、近年ではその精霊の加護も薄れていき、他国から侵略されそうになる。戦いを知らない国王は、スネフリング帝国に助けを求めるが、その見返りに要求されたのは──。
精霊に護られた国の王女として生まれたにも関わらず、魔力を持って生まれなかった事で、母である王妃以外から冷遇されているカミリア第二王女。このカミリアが、人質同然にスネフリング帝国に行く事になり─。
❋独自設定有り。
❋誤字脱字には気を付けていますが、あると思います。すみません。気付き次第修正していきます。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
聖女として召喚された女子高生、イケメン王子に散々利用されて捨てられる。傷心の彼女を拾ってくれたのは心優しい木こりでした・完結
まほりろ
恋愛
聖女として召喚された女子高生は、王子との結婚を餌に修行と瘴気の浄化作業に青春の全てを捧げる。
だが瘴気の浄化作業が終わると王子は彼女をあっさりと捨て、若い女に乗
り換えた。
「この世界じゃ十九歳を過ぎて独り身の女は行き遅れなんだよ!」
聖女は「青春返せーー!」と叫ぶがあとの祭り……。
そんな彼女を哀れんだ神が彼女を元の世界に戻したのだが……。
「神様登場遅すぎ! 余計なことしないでよ!」
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿しています。
※カクヨム版やpixiv版とは多少ラストが違います。
※小説家になろう版にラスト部分を加筆した物です。
※二章に王子と自称神様へのざまぁがあります。
※二章はアルファポリス先行投稿です!
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて、2022/12/14、異世界転生/転移・恋愛・日間ランキング2位まで上がりました! ありがとうございます!
※感想で続編を望む声を頂いたので、続編の投稿を始めました!2022/12/17
※アルファポリス、12/15総合98位、12/15恋愛65位、12/13女性向けホット36位まで上がりました。ありがとうございました。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる