LUF〜Connect Legend〜

ふずきまる

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3章

40 終演

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みなぎる魔力。これが…装甲つくかつかないかの違いか。 
レイズオズワルドドラゴンがまた攻撃してくる。先程と変わらないスピードで。
だけど…全然感覚が違う。さっきは全くついていけなかったし、防御するので精一杯だったけど、次は違う。攻撃にものすごくついていけるし攻撃することもできる。
レイズオズワルドドラゴンの焦る顔が見える。少し気難しい顔をしているのもわかる。
そして、私は槍の攻撃を交わした後に、体勢を低くして水を纏った脚で、思いっきりレイズオズワルドドラゴンのみぞおちを蹴った。
ぐはっとでも言えば吹っ飛ばされる。初めてダメージを受けたから、私は驚いた。
吹っ飛ばされ、しばらくした後に立ちレイズオズワルドドラゴンは私に問う。
「一つ聞くが、お主の言葉が引っかかる。何故あの時『嬉しい』という言葉が出た?」
レイズオズワルドドラゴンが聞いてきた。素直な気持ちを言おう。
「勿論、強くなれた、以前の私よりも強くなれて嬉しという感情があります。
しかしそれ以上に、何故自分が弱いかがわかりそれを修正するポイントを見つける事ができた。それが嬉しいのです。」
レイズオズワルドドラゴンはふむふむとうなづいた。納得した様子のようだ。
「よーくわかった。久々に傷もついた。これは楽しくなりそうだ。」
へへへと笑った。そして、構えた。
「…いいじゃない。」
後ろからよっこらせと体を起こした謙信が言う。まだ体が万全ではないので少しふらつく。私は肩を支えた。
「大丈夫?ダメだよ座ってなきゃ…。」
「座ってたから多少は魔力が回復した。ちょっとはやれる。」
「だめ、座ってて。」
「…っ。仕方ない。アルマデビュー頑張れよ!」
肩をバンと叩かれた。彼は笑った。
さっきからいうアルマとはなんだろうか…。
「アルマって何!?」
「あとで説明するからよ…!!」
座ったあと、彼は装甲のある右手でグーサインを送った。
私も右手でグーサインを送った。
さて、集中しよう。

私は目を閉じて集中する。水面に落ちる一粒の雫。
落ちた瞬間、私は冷静になっていた。
「来なぬなら行くぞ!!」
また来た。しかし、私は冷静になっていたし集中してたのもあったのか。私は槍での攻撃を避けると、至近距離で技を発動した。

「『レボルバー・アクアリアム』!!」

超至近距離かつ、魔力を多く消費する技。レイズオズワルドドラゴンも驚いた様子でまともに技を食らう。
私はやったか!?と思った。しかし、そんなことはなかった。
なんと、無理矢理突破してきたのだ。
そして私の顔まで近づいた時、私の腹に向かって波動砲をぶちかました。
私達。初めて見るレイズオズワルドドラゴンの波動砲はとても眩しくかつ、威力が高く感じた。
これは避けることは不可能。私は思っ切り壁に打ち当てられる。ものすごくダメージを負ってるのがわかったので、私はフェイクを発動。
だけど、魔力の消費、傷は中々隠せなかった。
「大丈夫か!?」
謙信が側による。
「大丈夫だから。」
私は一言添えて、また立った。
考えろ。勝つ戦略を。頭をフル回転させて。
「…『美しき戦略家』。今のお前にぴったりかもな。」
そう言ってくれた事が、私にとって、どれだけの支えか。私は物凄く嬉しい気持ちになった。

「あーもうやめやめ!!疲れてきた…。」


…ん?


私達顔を見合わせしばらく沈黙が流れた。
「え、いや…冗談ですよね?」
「な訳あるかい。わしは疲れた。やめにしよう。」
本気のようだ。私達は一気に気が抜け、装甲も解除されてた。
だけど私達が与えたダメージはしっかり効いてたらしく傷跡も多くあった。
レイズオズワルドドラゴンは言う。
「わしも疲れたが…そなたらの魔力の消費も激しかったろう。このままだと泥沼化すると思ってな。それだと我が面白くない。」
いつのまにか龍の状態に戻っていた。
「…しかし、そなたらの力は本当のようだった。聖なる力も感じられた。
しっかりと我の力を貸そう。」
そう聞いた時、私達は顔をもう一度見合わせ、
「やったああああ!!」
なんて言って抱き合っていた。
…しっかりとお互いが恥じて離れたよ。ちゃんと。
「しかし勘違いするでない。いつでも我はそなたらの力が不十分だと感じれば我はここに戻る。いいな?」
「わかりました。」
「それと一々レイズオズワルドドラゴンなんて呼ばれると長い。何か我にいい名前を付けてくれ。」
「そう言われましても…。」
私は戸惑った。しかし、謙信はすぐに思いついた様子で、
「『レイ』はどうでしょう?」
「レイか…。いい名前、いい響きだ。よし。そなた達は我をレイと呼べ。いいな。」
「はい。」
その後、洞窟から出てフィーナとセフェルドルフさんも驚いたが、2人とも嬉しい様子を見せた。
レイは、オズワルドドラゴン全員を集め新たなレイズオズワルドドラゴンの任命の儀式を行った。
それが終わったあと、私達は石碑から元の場所へと戻り、数週間かけて首都、フィンデバーテに戻った。
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