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本人&従魔がチートなんです。
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「「「『何だ、この大物はあぁぁ!?』」」」
解体所から悲鳴があがった。
「こんな大物持ってくるんなら、前もって伝えとけよなあぁぁ!!いきなりこんなの持ってこられたって解体にはかなりの時間がかかるんだぞ!?」
「何事ですか、グランさ、ん…!?」
女性ギルド職員が悲鳴を聞いて解体所に飛び込んできて、リョータが持ち込んだ魔獣を見て固まった。それはもう、氷像のようにビキビギッと固まった。
「え~と…コレは何ですか…?」
「ワイバーンですけど?」
「そうですか、そうですね…ワイバーンですね。でもですね、私が訊きたいのはそこじゃなくてですね、何でこんなにあるのかを聞いてるんですけどねぇ!?」
解体所に積まれたワイバーンの数は十八頭。
しかも、このワイバーンは普通のワイバーンの上位種のブラックワイバーンだ。それが十八頭も。
ワイバーンの買い取り金額は最低でも一頭につき白金貨五枚はする。しかも、その上位種のブラックワイバーンともなれば、白金貨八枚は確実だ。つまり、この時点で白金貨百四十四枚になる計算だ。
女性ギルド職員は油を差していない錆かけの人形のように、ギギギィっと首を回して俺達を見る。
「これだけですよね?他には無いですよね?」
その女性職員は「お願いだから、もう無いって言って下さい」と言わんばかりの縋り付くような目で見てくるので、「もうありません」と言ってやりたくなったのだが、
「ブラックワイバーンが後二十三頭あります」
女性職員は顔面蒼白で脂汗を滝のように流して…気絶した。
解体師さん達の視線が痛い。
物凄く痛い。
「すみません」
何となく謝ったほうがいいような気がしたので頭を下げておく。
「兄ちゃん。アンタ何者だい?」
「別に普通の新人冒険者ですけど?」
「大馬鹿吐かせ。ワイバーンの上位種はこの国と隣国の間にある『魔境の森』にしかいないんだぞ?それともアレかい?兄ちゃん達は『魔境の森』に住んでたのか?」
俺、リル、クリフ、マーベラス、ティア、エレノアが一斉に攻撃体勢を取る。
「何で知ってる?貴様ら…王国の手の者か!?」
「は!?え?ち、ちょ、ちょっと待て!いや、待ってくれ!!」
解体師のオッちゃん達がギョッとした顔で「待ってくれ」と言う。
「黙れ!王国の者でなければ、何故知っている?俺が『魔境の森』にいたのを知っているのは王国の一部の者だけなんだぞ!!さあ、答えろ!返答次「そこまでだ!」ッ、誰だ?」
解体所の入り口に槍を持った三十五、六歳くらいの男性がいた。
「『魔境の森』にしか生息してない個体を持ってくれば誰だって、そう思っても不思議じゃないだろ?だから殺気を引っ込めてくれ。俺が痩せ我慢して何とか立ってられるような殺気を浴びたんじゃ、普通の奴は死んじまうぞ?頼むよ」
「………分かった。良いだろう。皆んな」
「「「「『分かりました(ったのじゃ)』」」」」
全員、攻撃の構えを解いた。
「んじゃ、まあ、俺の部屋で話しを聞かせてもらおうか」
「…アンタの部屋?」
「ああ。俺の部屋だ。おっと、そうか。まだ名乗ってなかったな。俺はこのギルドのマスターで、バルドって言うんだ」
何と、この男はギルマスだった。
冒険者に成り立てであまり問題行動を取るつもりはないので、ギルマスの後を素直についていく。
どうやら、ギルマスの部屋は二階にあるみたいだ。
解体所から悲鳴があがった。
「こんな大物持ってくるんなら、前もって伝えとけよなあぁぁ!!いきなりこんなの持ってこられたって解体にはかなりの時間がかかるんだぞ!?」
「何事ですか、グランさ、ん…!?」
女性ギルド職員が悲鳴を聞いて解体所に飛び込んできて、リョータが持ち込んだ魔獣を見て固まった。それはもう、氷像のようにビキビギッと固まった。
「え~と…コレは何ですか…?」
「ワイバーンですけど?」
「そうですか、そうですね…ワイバーンですね。でもですね、私が訊きたいのはそこじゃなくてですね、何でこんなにあるのかを聞いてるんですけどねぇ!?」
解体所に積まれたワイバーンの数は十八頭。
しかも、このワイバーンは普通のワイバーンの上位種のブラックワイバーンだ。それが十八頭も。
ワイバーンの買い取り金額は最低でも一頭につき白金貨五枚はする。しかも、その上位種のブラックワイバーンともなれば、白金貨八枚は確実だ。つまり、この時点で白金貨百四十四枚になる計算だ。
女性ギルド職員は油を差していない錆かけの人形のように、ギギギィっと首を回して俺達を見る。
「これだけですよね?他には無いですよね?」
その女性職員は「お願いだから、もう無いって言って下さい」と言わんばかりの縋り付くような目で見てくるので、「もうありません」と言ってやりたくなったのだが、
「ブラックワイバーンが後二十三頭あります」
女性職員は顔面蒼白で脂汗を滝のように流して…気絶した。
解体師さん達の視線が痛い。
物凄く痛い。
「すみません」
何となく謝ったほうがいいような気がしたので頭を下げておく。
「兄ちゃん。アンタ何者だい?」
「別に普通の新人冒険者ですけど?」
「大馬鹿吐かせ。ワイバーンの上位種はこの国と隣国の間にある『魔境の森』にしかいないんだぞ?それともアレかい?兄ちゃん達は『魔境の森』に住んでたのか?」
俺、リル、クリフ、マーベラス、ティア、エレノアが一斉に攻撃体勢を取る。
「何で知ってる?貴様ら…王国の手の者か!?」
「は!?え?ち、ちょ、ちょっと待て!いや、待ってくれ!!」
解体師のオッちゃん達がギョッとした顔で「待ってくれ」と言う。
「黙れ!王国の者でなければ、何故知っている?俺が『魔境の森』にいたのを知っているのは王国の一部の者だけなんだぞ!!さあ、答えろ!返答次「そこまでだ!」ッ、誰だ?」
解体所の入り口に槍を持った三十五、六歳くらいの男性がいた。
「『魔境の森』にしか生息してない個体を持ってくれば誰だって、そう思っても不思議じゃないだろ?だから殺気を引っ込めてくれ。俺が痩せ我慢して何とか立ってられるような殺気を浴びたんじゃ、普通の奴は死んじまうぞ?頼むよ」
「………分かった。良いだろう。皆んな」
「「「「『分かりました(ったのじゃ)』」」」」
全員、攻撃の構えを解いた。
「んじゃ、まあ、俺の部屋で話しを聞かせてもらおうか」
「…アンタの部屋?」
「ああ。俺の部屋だ。おっと、そうか。まだ名乗ってなかったな。俺はこのギルドのマスターで、バルドって言うんだ」
何と、この男はギルマスだった。
冒険者に成り立てであまり問題行動を取るつもりはないので、ギルマスの後を素直についていく。
どうやら、ギルマスの部屋は二階にあるみたいだ。
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