『ハズレ』召喚者『氣功術師』ののんびり異世界旅行!!

メガネの助

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冒険者ランクと報告と。

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 ギルマスのバルドは、自分の執務室に入ると、溜め息をついて槍を置いた。

「ったく。あんな殺気を浴びたのは久しぶりだぞ?ちょっとでも気を抜いたら気絶するところだったな」
「申し訳ない。つい、な」
「つい、でやられちゃ堪らねえよ。まあいいけどな。それにしても…お前さん、リョータとか言ったな。とんでもないのを従魔にしたもんだな。『そこにいる』、それだけで圧倒されちまうよ」

 実際、バルドの額には玉の汗が浮かんでいる。

「ところで、リョータ。お前の冒険者ランクなんだがな。Cランクにしといたからな」
「?」

 さっき登録した時はFランクだったのに、いきなりCランクと言われても…。
 首を傾げていたら、

「レッドドラゴン、フェンリル、グリフォン、ユニコーン、エンペラースライム、バトルホースを従魔にしてる奴をFランクにしておけるかよ?本当はAランクかSランクにしたいんだけど、Cランク以上のランクにするためには帝都の本部ギルドの統括マスターの審査が必要になるんだ。まあ、特例でギルド支部長特権があるにはあって、『コレは!』って奴をBランクにまでなら上げられるんだがな。なら、何でBランクにしないんだって言いたいだろうが、まだ何の依頼も受けてない奴をBランクにするわけにもいかなくてな…悪いがCランクで我慢してくれ」

 ギルマスから事情を聞いたリョータ達は「なら、仕方ないな」と頷いた。

「ギルマスとやらよ。ワイバーンの買い取りはしてくれるのじゃろうな?」

 リルは、その事が一番大事だと言わんばかりだ。

「勿論、買い取らせてもらうさ。あれだけの大物は滅多に買い取れないからな。それ相応の色を付けさせてもらうぞ」
「ふむ。そうか。じゃがの、ギルマスとやら。肉は売らんぞ」
「…はい?え、え?肉は売らない?買い取らせてもらえないのか?」
「うむ。牙や羽、皮なんぞは好きなだけ買い取ればよいがの、肉だけはだめじゃ。のう、皆もそうじゃろう?」

 すると、エレノア、クリフ、マーベラス、ティアが頷き、階下にいるバルザックも念話で同意した。
 ギルマスは「そんな…」と項垂れた。
 ワイバーンの肉は滅多に買い取れない上に、このザンギグラス帝国の皇帝の大好物なので、コレを献上しようと考えていたようだ。
 だからか、その項垂れ方は尋常ではなかった。
 何となく気の毒に思ってしまったリョータは、

「なあ、皆んな。一頭分くらいは良いんじゃないか?ブラックワイバーンは四十一頭もあるんだしさ。一頭分くらいなら分けてやっても、な?」
「「「「「『う~ん…まあ、一頭分なら…でも一頭分だけですよ(じゃぞ)?』」」」」」

 エレノア達は渋々ながら頷いた。
 するとギルマスは、

「そ、そうか!売ってくれるか!ありがとう!本当にありがとう!助かるよ!」

 と満面の笑みを浮かべた。

「肉無しのブラックワイバーンが四十一体なら一体につき白金貨七枚で、合わせて二百八十七枚だが…切りが悪いから、二百九十枚で買い取らせてもらうぞ」
「分かった。こちらとしては問題ない」
「金などどうでも良い。大事なのは肉だけじゃ!約定違えたる時は…」

 リル達が『威圧』の魔力を放った。
 ギルマスは恐怖のあまり、息ができなくなり、魚のように口をパクパクさせていて、今にも死んでしまいそうだ。

「こら!イタズラが過ぎると飯抜きだからな!」

 リョータが叱ると、

「「「「『ごめんなさい(なのじゃ)!』」」」」

 一瞬で『威圧』を解いた。

「ギルマス。生きてるか?」
「な、何とか、な。死を覚悟したぞ」
「悪いな。飯の事になると、どうも自制心が働かなくなってな。いや、本当に悪かった」
「お、おう。頼むぞ?」

 リョータがエレノア達に軽く説教をし終えると、「そう言えば」とリョータが何かを思い出した。

「ギルマス。俺達に何か訊きたかったんじゃなかったか?」
「ん?ああ!そうだった、そうだった!リョータ。お前はグライアス王国がやった『勇者召喚の儀式』で呼ばれた『勇者』なんじゃないか?」
「…それを知ってどうする気だ?」
「いや、別に?ただ確認したいだけだ。他国から流れてきた者が『勇者』だったら、嫌でも陛下に報告しなくちゃならないからな」
「報告してどうする?何か俺達に不利益があるんな「それはない!」…言い切る、か」
「当代の陛下は優しい御方だ。だが、『勇者』という最強戦力が自国にいるというのは、それだけで他国への牽制になるんだ。だからどうしても報告しなくちゃならないんだ。分かってくれないか?」
「…もしもの場合には…この国を更地にするからな。報告する時には必ず伝える事だ。出来ないなんて思わない事だな」
「わ、分かった。お前達には必要以上に干渉しない。させない。必ず伝える」
「頼むぞ」
「ああ。当代の陛下は賢明な方だ。国を滅ぼすよりも、国に利益をもたらす存在を大事にされる御方だからな」

 そうかと頷いたリョータは、

「話しは変わるが、何処かに一軒家を買うか借りるかしたいんだが…良い物件はないか?」
「ふむ。一軒家か。予算は?」
「白金貨十枚から二十枚くらいだな」
「それは!?何とも太っ腹だな。とてもCランクの買い物じゃねえぞ?」
「『魔境の森』にいたんだ。それくらいは普通に持ってるさ」
「そりゃそうか。ちょっと待ってろ。詳しい奴を呼ぶからな」
「頼む。それから、商業ギルドの場所を教えてくれ」
「買い取り品か?分かった。ついでに案内させよう」

 ギルマスは呼び鈴を鳴らした。
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