『ハズレ』召喚者『氣功術師』ののんびり異世界旅行!!

メガネの助

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屋敷の購入と初めての依頼。

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 サリナという女性ギルド職員の案内で商業ギルドに着いたリョータ達は、

「従魔と一緒に暮らせて、部屋数は十部屋以上、キッチン、トイレ、風呂、広い庭付きの一軒家を頼む。予算は白金貨十枚から二十枚までだ」

 という条件をクリアした屋敷を白金貨十三枚で購入した。
 元々はこの街をおさめるあミルフィナンド辺境伯の別邸だったらしいが、もう利用しなくなってしまったので売りに出されていたのだ。
 さすがは元領主別邸なだけに、広くて寛ぎの空間を存分に味わう事ができる。特に奥行き十㍍、横幅十五㍍、深さ一㍍五十cmの大浴場には皆んなも大歓声をあげた。
 森の中にある家の風呂は一人用にしては広いほうだったが、これだけの大きさではなかったので、元日本人のリョータにしてみればこれ程の開放感を味わえるのは嬉しい事この上なかった。
 因みに家電…生活魔導具の魔石は購入サービスとして全ての生活魔導具の一年分の魔石が付いていた。
 地下室があったので、そこに全ての金銀銅貨や様々なインゴットや武器防具の類いを種類別に保管する事に決めた。
 肉、野菜、果実などはある。
 たっぷりとある。
 有りすぎるくらいに大量にある。
 魔導冷蔵庫や冷凍庫に収納できない物はダンジョンでドロップした時間停止仕様のマジックバッグに詰め込んだ。
 その後、細々とした生活雑貨や調味料を購入し、屋敷に戻ってキッチンの棚に整頓する。
 ベットに敷いたマットは深々だし、何よりも真新しい布団の香りに包まれていたら、いつの間にか眠りに落ちていた。
 
 明けて翌朝。
 
 何かがお腹の上で飛び跳ねているのを感じて、ちょっと息苦しいままに目を開けると、そこにはエンペラースライム姿のティアがいた。

「ティア。何してるの?」
「お兄ちゃん、朝ご飯食べたいの」 
「朝ご飯…皆んな起きてるの?」
「ううん。私が一番なの。皆んなはまだ寝てるの」
「そっか。皆んなはまだ寝てるのか。それなのに、ティアは自分だけご飯を食べるの?ご飯は皆んなと一緒に食べるって約束したよね?」

 ティアは自分が約束を破ってしまった事、わがままを言ってしまった事に気付いてしょんぼりとしてしまったようだ。

「ティア。こういう時には何て言うのかな?」
「お兄ちゃん。ごめんなさいなの」

 リョータはきちんとごめんなさいを言えたティアの頭を撫でる。

「うん。きちんとごめんなさいが言えるティアは、とっても良い子良い子。それじゃあ、皆んなを起こしてきてね。今朝のご飯は、ティアの大好きなホットドッグとハムタマ一口サンドイッチとトマトジュースだからね」
「本当!じゃあ、皆んなを起こしてくるの!直ぐに起こすの!楽しみなの!!」

 ティアは朝ご飯が自分の大好物だと聞いて、目をキラキラと輝かせてリョータの部屋を飛び出していった。
 それから一時間後。
 ティアに起こされたリル達が食堂に集まって朝ご飯を食べている。
 ティアは既に三個目のホットドッグを食べていて、一口サンドイッチは二十個は食べている。リル達だって負けじと食べている。
 リョータはゆっくりまったりとしているが、何気に結構食べている。
 皆んなが満腹になったところで、朝ご飯の時間は終了した。
 食器を洗うのはエンペラースライムのティアの係だと決まっているので、一足先に自分の部屋に戻り、冒険者装備をしてリビングで紅茶を飲んでいると、

「お兄ちゃん。お片付け終わったよ!」

 ティアが膝の上にピョンと飛び乗ってきたのを優しく受け止めて頭を撫でる。

「ご苦労様。それじゃあ、行くよ」

 リョータ達は屋敷を出て、冒険者ギルドに向かった。
 ギルドに入ると中は冒険者達が芋を洗うかのように依頼ボードの前でもみくちゃになりながら依頼書を奪い合っているので、あそこに割って入るには気が引けた。まあ、こっちは昨日のブラックワイバーンの肉と買い取り金の白金貨百三十枚を貰いに来ただけなので、依頼書を奪い合う必要がなかった。
 受け付けで用件を伝えると、

「リョータ様ですね。ギルマスから執務室に来るようにとの事ですので、ご案内します」

 受付嬢の案内でギルマスの執務室に向かうと、

「おはよう、リョータ。皆さんもおはようございます。実はお願いがあるんだ」
「面倒事ならお断りだぞ?」
「いや。そんなに面倒でもないと思うが、実は最近、西の森のなかでオークが群れて歩いているのが何度も目撃されていてな。たぶん、オークの集落が出来てるんだと思うんだ。いや、確実だろう。そこで、だ。リョータ達には取り敢えず偵察と、出来たらで良いんだが、オークの集落を潰してきてもらいたいんだよ」
「数は?」
「目撃情報からして、凡そ二百。これ程の集落ともなると、キングかジェネラルがボスだろう」
「そうか。まあ、別に問題はないな。問題なのは…」
「どうした?」

 リョータが執務室のドアを差すと、ドタバタと足音が聞こえてきて、バンッと勢いよくドアが開いて、

「ギルマス!オークの集落の件はアタシ達が依頼を受けたんだ!それをポッと出の新入りと交代だなんてフザケるんじゃないよ!!」

 真紅の革鎧で統一されている五人の女性冒険者パーティーが怒鳴り込んできた。
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