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帝都までの道中〜1〜。
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このミルフィナンド辺境伯領から帝都までは馬車で二十日もかかるらしいので、リョータはちょっと多めの三十日間分の飲食料と野営グッズ等を買い集めるのに二日かけた。
初めは馬車を購入しようと思ったのだが、帝都までは乗り合い馬車の定期便が出ているそうなので、それを利用する事にした(無駄な出費は控えたいからね)。
そして帝都に向かう日が来た。
リョータは、
「それじゃあ、帝都までの護衛を頼むな」
と、赤い戦線に笑顔を見せた。
本来なら護衛などいらないのだが、賭け金の返済を理由に護衛として雇ったのだ。
報酬は白金貨十枚。
前代未聞な破格の報酬額だが、レッドラインのメンバーを借金奴隷にしたくはなかったので、お情けというか何というか…とにかくこれしか思いつかなかったので、ギルマスのバルドと話し合った結果がこれだ。
パーティーメンバー達は何度も頭を下げてお礼を言って来たが、そもそもの原因となった弓使いのパウチだけは気不味そうな顔で俯いていたが、小さい声で、
「ありがとう」
と呟くように言った。
「さあ、出発だ」
帝都に向けて馬車に乗り込んだ。
一日目の宿泊地は、隣領のバザン子爵領だ。
ガタゴトと揺れる馬車に乗っていたら、嫌な気配を察知した。
"氣"を放って探ると、二十八人が森の中からこちらを窺っているのが分かった。
山賊の類いだろう。
まあ、だからなんだと言いたいくらいに弱々しい"氣"しか感じられない。
「御者さん。皆さん。この先に二十八人の山賊が待ち構えています。ですので、皆さんは絶対に馬車から降りないようにしてください。幸いな事に、この馬車にはCランク冒険者と、五人のDランク冒険者パーティーが乗り合わせていますので、皆さんは安心してください」
リョータの呼びかけに馬車の中の人々はホッとした顔で頷いた。
「レイチェル。お前達は人殺しの経験があるか?」
「いいえ。ありません」
「だろうな」
「でも、魔物なら沢山討伐しています」
「魔物なら、な。だが、魔物を相手にするのと『人殺し』は天と地程の差があるんだ。今回の襲撃はお前達にとっては絶好のチャンスだ。取り敢えず俺が戦闘不能にするから、お前達は止どめを刺してもらう。それだけでもかなりの経験になるはずだからな。そうだな。一人につき一人殺してもらおうか。じゃあ、行ってくる」
リョータは腰の片手剣を二本抜いてから、山賊共が隠れている場所に迷う事なく斬り込んだ。
山賊共は自分達の存在がバレているとは思っていなかったのだろう。いきなり斬り込んできたリョータに驚きまくりの狼狽えまくりで、碌な反撃もできずに次々と討ち取られていった。
刃と刃がぶつかり合う金属音と悲鳴が交錯し、茂みの中から飛んできた血飛沫が街道を赤く染める。
数分もすると生き残っているのは五人だけになっていた。
その五人も手足の腱を斬られていて、全く身動きができないでいる。勿論、レイチェル達に人殺しを経験させるために生かしておいただけだ。
「レイチェル、ネイリー、パウチ、ニーナ、マジェリカ。止どめを刺せ。躊躇うなよ。躊躇えば躊躇う程に殺りにくくなるからな。可哀想だと思うなら、さっさと殺してやれ。それが優しさってものだからな。殺れ」
五人は顔を引き攣らせながら、震える手で山賊に止どめを刺した。
山賊がピクリとも動かなくなったので死んだのだろうと分かった瞬間、レイチェル達は我慢できずに盛大に吐いた。胃の中が空っぽになるくらいに吐いた。
リョータは一人一人に水筒を渡して、
「どうだ。これが人を殺すという事だ。普段相手にしている魔物とは全く違うだろう?」
レイチェル達は震えながら頷いた。
「お前達がこの先、上のランクを目指すのなら必ずこういう事をしなければならない。そうじゃないと一生Dランクか、いってもCランク止まりだ。上を目指すのなら慣れろとは言わないが、覚悟を決めておけ。覚悟をしてるのとそうじゃないのとでは全然違ってくるからな。分かったか?」
「「「「「はい!!」」」」」
レイチェル達の顔色はまだ悪いが、それでもしっかりとした返事だった。
帝都までの二十日間でどこまで鍛えられるか。
そう。今回はレイチェル達に多くの対人戦を経験させて鍛えるための護衛依頼なのだから。
これはギルマスのバルドとの間に交わされた秘密の依頼なのだ。
初めは馬車を購入しようと思ったのだが、帝都までは乗り合い馬車の定期便が出ているそうなので、それを利用する事にした(無駄な出費は控えたいからね)。
そして帝都に向かう日が来た。
リョータは、
「それじゃあ、帝都までの護衛を頼むな」
と、赤い戦線に笑顔を見せた。
本来なら護衛などいらないのだが、賭け金の返済を理由に護衛として雇ったのだ。
報酬は白金貨十枚。
前代未聞な破格の報酬額だが、レッドラインのメンバーを借金奴隷にしたくはなかったので、お情けというか何というか…とにかくこれしか思いつかなかったので、ギルマスのバルドと話し合った結果がこれだ。
パーティーメンバー達は何度も頭を下げてお礼を言って来たが、そもそもの原因となった弓使いのパウチだけは気不味そうな顔で俯いていたが、小さい声で、
「ありがとう」
と呟くように言った。
「さあ、出発だ」
帝都に向けて馬車に乗り込んだ。
一日目の宿泊地は、隣領のバザン子爵領だ。
ガタゴトと揺れる馬車に乗っていたら、嫌な気配を察知した。
"氣"を放って探ると、二十八人が森の中からこちらを窺っているのが分かった。
山賊の類いだろう。
まあ、だからなんだと言いたいくらいに弱々しい"氣"しか感じられない。
「御者さん。皆さん。この先に二十八人の山賊が待ち構えています。ですので、皆さんは絶対に馬車から降りないようにしてください。幸いな事に、この馬車にはCランク冒険者と、五人のDランク冒険者パーティーが乗り合わせていますので、皆さんは安心してください」
リョータの呼びかけに馬車の中の人々はホッとした顔で頷いた。
「レイチェル。お前達は人殺しの経験があるか?」
「いいえ。ありません」
「だろうな」
「でも、魔物なら沢山討伐しています」
「魔物なら、な。だが、魔物を相手にするのと『人殺し』は天と地程の差があるんだ。今回の襲撃はお前達にとっては絶好のチャンスだ。取り敢えず俺が戦闘不能にするから、お前達は止どめを刺してもらう。それだけでもかなりの経験になるはずだからな。そうだな。一人につき一人殺してもらおうか。じゃあ、行ってくる」
リョータは腰の片手剣を二本抜いてから、山賊共が隠れている場所に迷う事なく斬り込んだ。
山賊共は自分達の存在がバレているとは思っていなかったのだろう。いきなり斬り込んできたリョータに驚きまくりの狼狽えまくりで、碌な反撃もできずに次々と討ち取られていった。
刃と刃がぶつかり合う金属音と悲鳴が交錯し、茂みの中から飛んできた血飛沫が街道を赤く染める。
数分もすると生き残っているのは五人だけになっていた。
その五人も手足の腱を斬られていて、全く身動きができないでいる。勿論、レイチェル達に人殺しを経験させるために生かしておいただけだ。
「レイチェル、ネイリー、パウチ、ニーナ、マジェリカ。止どめを刺せ。躊躇うなよ。躊躇えば躊躇う程に殺りにくくなるからな。可哀想だと思うなら、さっさと殺してやれ。それが優しさってものだからな。殺れ」
五人は顔を引き攣らせながら、震える手で山賊に止どめを刺した。
山賊がピクリとも動かなくなったので死んだのだろうと分かった瞬間、レイチェル達は我慢できずに盛大に吐いた。胃の中が空っぽになるくらいに吐いた。
リョータは一人一人に水筒を渡して、
「どうだ。これが人を殺すという事だ。普段相手にしている魔物とは全く違うだろう?」
レイチェル達は震えながら頷いた。
「お前達がこの先、上のランクを目指すのなら必ずこういう事をしなければならない。そうじゃないと一生Dランクか、いってもCランク止まりだ。上を目指すのなら慣れろとは言わないが、覚悟を決めておけ。覚悟をしてるのとそうじゃないのとでは全然違ってくるからな。分かったか?」
「「「「「はい!!」」」」」
レイチェル達の顔色はまだ悪いが、それでもしっかりとした返事だった。
帝都までの二十日間でどこまで鍛えられるか。
そう。今回はレイチェル達に多くの対人戦を経験させて鍛えるための護衛依頼なのだから。
これはギルマスのバルドとの間に交わされた秘密の依頼なのだ。
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