『ハズレ』召喚者『氣功術師』ののんびり異世界旅行!!

メガネの助

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帝都までの道中〜6〜。

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 ライラック侯爵は次男のビルディーゴをそれはもう見てるだけでも痛々しいまでに折檻して、ミルティナット家から除籍し、第二夫人であり、ビルディーゴの母親であるメルスル夫人と一緒に三日分の食料と大銀貨十枚を持たせて領外追放とし、今回の事に関わった騎士達も家族諸共追放処分とした。
 そしてリョータ達に土下座して謝罪した上で慰謝料として白金貨十枚を差し出した。
 その白金貨には「皇帝陛下にお口添えを願います」という意味が込められていたのは言うまでもない。
 リョータ達としては、ビルディーゴに罰が与えられたのでこれ以上どうこうするつもりは無かったので、何も言わずに受け取っておいた。
 侯爵邸から出て行こうとしたら、執事のベルムさんが「お待ち下さい」と言って細長い木箱を持ってきた。
 首を傾げるリョータに、

「二十五年物のサムディン産赤ワインでございます」

 と言って恭しく差し出してきたので、

「有り難うございます。遠慮なくいただきます」

 素直に受け取った。
 日本にいた頃には日本酒や焼酎、ビールを飲んだ事はあったさ、『魔境の森』に自生していた『ベリーの実』で自家製ワインを飲んだ事はあったが、帝国のワインは飲んだ事がなかった。だから、どんな味なのかがとても楽しみだった。
 冒険者ギルドに戻ると、破壊した扉は既に修理してあった。

「仕事が早いね」
「まあ、壊れたままにしておくわけにもいかんじゃろ」
「だ~ね~」

 扉を開けて入った瞬間、

「俺はモーゼじゃないんだがな」

 ギルドにいた冒険者や職員達が一斉に壁際に退いた。
 まさに『モーゼの十戒』状態である。
 リョータ達は誰にも何も言わずににギルマスがいる執務室に向かった。

「お、お帰りなさい。どうでした?」
「ああ。ビルディーゴと母親、関わった騎士達も家族諸共領外追放になったよ」
「そうですか。それは良かった。私達も頭痛の種が無くなったので助かりましたよ。有り難うございました」
「そう。それは良かったね。っていう事で、はい」

 リョータが手を出すと、ギルマスのバルザックは首を傾げた。

「え~と…?」
「慰謝料。大金貨一枚。出せ」
「え?あ、は、はい!」

 ついうっかりしていたのだろう。
 バルザックは備え付けの金庫から大金貨一枚を取り出して、テーブルの上に置いた。

「ご迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした」
「ん。で、だ。この街でお勧めの宿はあるか?」
「宿…そうですね。それなら『子猫の小耳亭』がお勧めですね。猫獣人族が経営している宿屋で、料理が美味くて部屋も清潔だと大評判です。私が一筆添えましょう」
「助かる」

 バルザックの添え状を持って一階に降りると、レイチェル達赤い戦線レッドラインが数人の破落戸男性冒険者に絡まれていた。
 筋肉だけは立派だが、【鑑定】するまでまなくLvが低い冒険者だと分かる奴らを相手に何をしているのかと思ったが、Lvが低すぎるから反撃したらただの怪我では済まないので困っているのだと分かった。

「レイチェル。腹パン喰らわせとけ。それで終わりだ」
「はい。師匠!」

 リョータの言葉に元気よく返事をしたレイチェルだが、破落戸冒険者達はリョータを睨んだ。

「んだ、テメェは?邪魔すんな!何ならテメェを血祭りにあ「黙れ」ッグフォ!」

 レイチェル達は自分達の師匠であるリョータに対する暴言を吐く破落戸冒険者の腹に拳がメリ込むような一撃を喰らわせた。
 破落戸冒険者達はその一撃であっさりと沈んだ。

「馬鹿は放っておいて宿にいくぞ」
「決まったんですか?」
「ああ。バルザックが紹介してくれたんだ。添え状付きでな」
「ギルマスの添え状付きですか!?」

 普通、冒険者が利用する宿に添え状が付く事は滅多に無いので、冒険者歴がリョータよりも長いレイチェル達は驚いている。
 そして、それを聞いていた冒険者や職員達も驚いていた。

「んじゃ、行くぞ」
「「「「「はい!」」」」」

 リョータ達は静まり返っているギルドから出て行った。
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