『ハズレ』召喚者『氣功術師』ののんびり異世界旅行!!

メガネの助

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帝都に到着。

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 帝都に入ったリョータ達はまずライラック侯爵の屋敷に向かった。馬車を返さないといけないからだ。
 帝都の屋敷には侯爵家の先代当主であるグランファーザ様と第一夫人のリファ様ご夫妻、侯爵の嫡男で帝国立魔法魔術騎士養成学園三年生のミュンラー様がおられるらしく、手紙を預かっているので御礼と一緒に届けなければならない。
 ついでに通行門の衛兵達の事も話しておこう。そうすればあの衛兵達に相当な厳罰が下されるだろう。
 屋敷にはグランファーザー様とリファ様がご在宅だったので手紙を渡すと、それを読んだグランファーザー様は驚いたのだろう。目がリョータとリル達の顔を何度も行ったり来たりしている。
 そして手紙の続きを読んだグランファーザー様の額に太い青筋が浮かび上がり、怒りを覚えたか恐怖を感じたのか、体がブルブルと震え出した。隣りに座っているリファ様も同様だ。
 まさかビルディーゴがそんな大それた事を仕出かすとは夢にも思わなかったのだろう。
 お二人揃って謝罪しようとなさるのを手で制した。

「罰を与えたし、ライラック様から直々に謝罪もしていただきましたので、これ以上は無用かと存じます。俺達は過ぎた事を蒸し返す事は一切致しませんのでご安心下さい」
「そ、そうかね。それは申し…いや、有り難う。せめてもの気持ちだ。帝都にいる間は屋敷に泊まるといい。おもてなしさせていただくよ」
「それは…『リル、どうする?』」
『どうすると聞かれてものぅ?我らの正体を知った上での申し出じゃ。中々に肝の据わった男じゃな。我はかまわぬが…クリフ、マーベラス、ティア、バルザック、エレノア。お主達はどうじゃ?』
『この人間からは邪まな心を感じませんので宜しいかと』
『私も賛成ですわ』
『美味しいご飯が食べられるなら気にしないの!』
『拙者は主人殿の御心に従うまで』
『人間にしては中々ね。私は良いわよ』

 念話での話し合いの結果、侯爵邸に泊めてもらう事に決まった。
 しかし、さすがにレイチェル達は遠慮した。
 自分達が泊まるなんて畏れ多いとか言っていた。
 一旦、冒険者ギルドに行かないといけないのでと断りを入れて屋敷を出た。

「師匠達は凄いですね」
「ん?何がだ?」
「だって、侯爵邸ですよ?侯爵邸。普通は絶対に断りますよ」
「何で?」
「だって何か粗相をしたら不敬罪で斬首刑ですよ?そんなの怖くて仕方ないですよ」
「不敬罪、ねぇ?」

 リョータはレイチェルの言葉に笑ってしまった。

「レイチェル。この世界に俺達を殺せる奴が何人いると思ってるんだ?」
「え?あ、ああ、そうでした、そうでした!師匠達は…そうですよね。普通に考えて無理ですね」
「別に驕り高ぶってるつもりはないけどな。まあ、滅多にいないだろうな。俺達と戦争するんなら、国の一つや二つ更地になるのを覚悟してもらわないとな」

 笑顔で言うと、レイチェル達の顔が少し引き攣っていた。
 それを横目に冒険者ギルド帝都本部に着いたので、護衛依頼の達成と道中で討伐した魔物の買い取りを頼む事に。
 ついでにギルド統括マスターに面会を頼む。リーマス領支部マスターの紹介状を見せるとすんなりと取り次いでくれたので、案内してもらった。
 ギルド統括マスターの執務室に入る。

「やあ、君達が噂の『更地の悪夢』だね。ようこそ、帝都へ。僕は統括マスターのエリック・ベルツ・マイスターだよ」

 ギルド統括マスターの歓迎の言葉に、とんでもないのが含まれていた。

「何だ、その『更地の悪夢』ってのは?」
「おや?知らないのかい?君達のパーティー名だよ?」
「パーティー名?そんなの名乗った覚えはないぞ?」
「そうなのかい?でも、帝都中の冒険者ギルドではそう呼ばれているよ?君達に逆らったら領地丸ごと滅ぼされて更地にされてしまうってね」
「とんでもない誤解だ。俺達は何の理由もなくそんな事はしないぞ?」

 何だか本当にとんでもない誤解をされているようだった。
 それにしても『更地の悪夢』とは、これまた何とも厨二病感たっぷりのパーティー名だ。

「因みに君の二つ名は『殲滅』だよ?」

 更に厨二病たっぷりの二つ名がついていた。

「参ったな。そんな二つ名は迷惑なんだけどな」

 頬を掻きながらボヤくと、ギルド統括マスターのエリックが笑った。
 サラッと髪を掻き上げると、尖った耳がチラッと見えた。

「エルフか?」
「ハイエルフだよ」
「そうか。ハイエルフに会うのは久しぶりだな」
「ん?他にもハイエルフの知り合いがいるのかい?」
「ああ。いるぞ。メルヴィン、ミュウ、ノエル…懐かしいな。ん?どうした?」

 見ると、エリックの額から滝のような汗が流れていた。

「今、メルヴィン、ミュウ、ノエルって言った?」
「ああ、言った。何だ知り合いか?」
「………だよ」
「ん?」
「だから、僕の両親と妹なんだよ!」
「それは…ん?じゃあ、『泣き虫リック』ってのはアンタか!?」
「やめてくれ!その名前で呼ばないでくれ!僕の黒歴史だよ!!」

 リョータは、まさかの展開に笑ってしまった。
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