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彼は『正解』に気づきたくない
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フレッドが自邸の門をくぐったとき、すれ違った男たちは興奮した様子で何かを話していた。見覚えの無い顔を警戒してから、今日はクレアがサロンを開いている日だと気づく。
「お前の発明品を見せた時のレディ・クラウディアの反応はどうだった?」
「排水技術を鉱山に使えるかもしれないとおっしゃっていたよ」
「ということは、もし本当に見込みがあるって話になれば、お前は権利料で左団扇の生活か。いいなあ!」
「まだ分からないけどね。レディ・クラウディアの前での発表は緊張したけど……あの瞳がいいな。『あなたの話に興味があります』って言いたげなきらきらした目を向けて話を聞いてくださる」
「高名な学者を集めただけで満足するお偉方も多いのにな。本人の知識もあるもんだから、なかなか鋭い質問を飛ばしてくる」
どうやら二人は若き発明家らしい。
浸水や鉱毒問題の発生が不可避の鉱山に排水設備は必須だ。彼の発明に実用性が認められるかは別途審査しなければならないが、有望株を冷遇して他国にやるのは惜しい。
クレアの目の付け所を内心で褒め称えて、フレッドは立ち止まった。頭の中で人材を囲い込む算段をしているうちに、有頂天の二人の会話は怪しい方向へと向かっていく。
「それにしても、あんな若くて可愛いお姫さまを嫁にするなんて、護国卿が羨ましいよ。十五の彼女をベッドに引っ張り込んでから毎夜を共にしてるって噂だろ?」
「レディ・クラウディアを邪な目で見るな! あの方はぼくらの女神だぞ! 結婚だって政略の都合で仕方なくしただけだ! 清らかな御身に決まってるだろうがっ!」
「相手は人妻だぞ? 冷静になれよ、それはありえない」
「なんだって!」
確かに十八歳の誕生日が間近に迫った今でもクレアがフレッドの隣で寝ているのは事実だし、性行為の経験が無いのも本当だ。
だが、事実がどうであれ――下卑た話題で大事な教え子を俎上に上げられるのは、心底不愉快だった。
「随分楽しそうな話をしているね。僕も混ぜてくれるかな」
男たちの背後から声をかけると、彼らは縮み上がって振り返る。
こうやって脅すとまた『護国卿は嫉妬深い』との噂を立てられるだろうが、こればかりは仕方がない。
客間の前まで来ると、一人の貴婦人が帰る客を見送っていた。
「フレッド、おかえりなさい。今日は早いわね」
艶やかな薄茶の髪を揺らした彼女は、フレッドに気づいて笑みを向けてきた。彼女の大きくまるい瞳でじっと見つめられると、ただの挨拶ですら本心から『よく帰ってきてくれた』と言われているように錯覚する。これを食らったせいで先ほどの発明家たちも勘違いしてしまったのだろう。
彼女に心酔する詩人に『不遇をかこつ者の才を見出して掬い上げる女神の如きレディ・クラウディア』なんて仰々しい句で讃えられていた妻、クレアだ。
「ただいま。交渉が思ったよりも順調に進んでね、僕が帰らないと書記官たちも帰れないし」
「嬉しいわ。ちょうどあなたに会わせたい人が来ているのだけど、紹介してもいいかしら?」
「それはいいけど……クレア、この手は?」
自然と横に並んだ彼女に指を絡められた左手を示すと、クレアは照れたそぶりもなく言った。
「カルメの医学者が提唱した説を聞いたの。手を繋ぐと不安や疲れが軽くなるんですって。ね、試してみてもいい?」
「……ああ、いいよ」
なんだ。知的好奇心の為せるわざだったか。
そこに単なる好奇心しかないとしても、傍目には恋人同士がすることに見える動作だ。仮にも人妻であるクレアにはおいそれと試せなかったのだろう。それで彼女はフレッドの帰りを待っていたのだ、あくまでも『実験』のために。
そう理解したフレッドは、おとなしく手を繋がせておいた。
「ふふ。あなたの手っていつまでも触っていたくなるわ」
繋いだ手の甲を指先ですりすりと撫でるこの動作も、何の他意も無い『ただの実験』だから――いや、本当にそうなのか?
「クレア? もしかして、君――」
「これでフレッドの疲れが吹き飛ぶ効果もあればいいんだけど。最近忙しそうにしていたから心配で」
「ああ、そういうことか。心配をかけてごめんね」
自分の体調を気遣って覗き込む妻の純真な目を見て、フレッドは彼女の下心を疑った自分を恥じた。
☆
十五歳のクレアに『自分のことはいいから出勤してくれ』と言われた時、その言葉の全てが本心でないのは分かっていたが、ひとりになって羽を伸ばしたいのかもしれないとも思った。
共通の話題もなく口を開けば説教ばかりの男と一日中一緒に過ごすなんて、年若い彼女にとっては拷問にも等しい苦行だろうから。
「お帰りなさい!」
ところが、それからクレアはフレッドの帰宅を毎日待ち構えるようになった。外出した日も夕食刻にはハウトシュミット邸に戻って玄関の様子を気にしていると使用人から聞いて、無下にできるわけがない。
外せない用事がある時以外は一緒に夕食を摂って、彼女を寝かしつけた後に残った仕事を終わらせ、同じ寝台で眠る。朝起きると抱きついて眠っているクレアを起こさないように仕事の準備をして出かける。――それがフレッドの日常になった。
新生活は多少忙しくはなったが、順調に進んでいた。……あの時までは。
「クレア、その夜着は?」
あの年の夏は暑かった。
ある晩のクレアが身につけていたのは真っ白な夜着だった。湯上がりに頬を上気させた彼女は、濡れた髪の水分を拭き取りながら言った。
「最近暑くて寝苦しいから、リネンの夜着を用意してもらったの。肌触りも良くて、良い品だわ」
「……そう」
「何か駄目だった?」
それまでフレッドが事あるごとに『賢く育ってくれ』と言い聞かせてきた少女は、体の線が透けて露わになるような――扇情的な衣装に身を包んで、そこに立っていた。
こんなに無防備に育てたのは誰だ、と彼女の教師陣を詰りたくなったが、性教育を担当する教師は置いていなかったと気づいた。レディ・エフェリーネにそれとなく教えるように頼んでおこうか。
「そんな格好で人前に出ちゃ駄目だよ」
「夜着で人前には出ないわ」
「僕の前には出てるじゃないか」
「同じベッドで寝る相手にも隠した方がいいの?」
「いや……そういうわけじゃないけどさぁ」
意図せぬいやらしい目を向けられたら、クレアはきっと傷つくだろう。彼女の将来のために、今の彼女を傷つけてでも『君が着ているのは卑猥な格好だ』と教えて矯正すべきなのかもしれない。
けれど、そもそも寝室に立ち入るのは、裸すら目にする機会がある侍女や夫くらいだ。現在の夫であるフレッドがいやらしい目で見ないなら何の問題も無いような気がした。
「やっぱり何でもない。暑いなら仕方ないよね。そもそも僕が口出しするのもおかしな話だ」
「そうよね。あなたならそう言ってくれると思っていたわ。じゃあ私はこれからもこの夜着を着るわね」
「ご自由にどうぞ」
そのうちクレアも知識を得て、自分の行いを客観的に見られるようになる。あえて指摘して恥ずかしい思いをさせなくてもいい――などと考えて、『ご自由に』と言ってしまったのだ。あの時のフレッドは。
「なんで僕はあんなことを……」
『女神の如きレディ・クラウディア』はどういうわけか性的な知識をどこかに落としてきたらしく、いまだに薄物の夜着を身につけてフレッドの左腕を胸に抱き込んで眠っている。それも毎日だ。
すっかり慣れきって生気の無い目をしたフレッドは、彼女にしがみつかれた左腕を引き抜こうと身じろいだ。
「……ふれっど? もう、あさ?」
「クレアが起きる時間はまだだよ」
「んん」
寝起きで頭が働いていないのか、ぎゅっと抱きついてくる彼女を引き剥がす拍子に、柔らかいものに手が触れた。女らしく膨らんだ乳房の感触だ。
「クレア」
「ふふっ」
「こら。寝ぼけてないで」
「やだ」
「今日も早く帰るから、今は離してくれ」
「約束ね」
「分かった、約束するから」
人恋しいなら忙しい朝ではなく、夜の寝かしつけている時に言ってくれ、と言うとクレアは素直に退いた。
当然だ。毎朝のこれは色めいた誘惑ではなく、子どもが温もりを求めているだけの振る舞いなのだから。
「子ども、なのになぁ……」
フレッドはしかめ面をどうにか保って部屋の外に出てから、頭を抱えてその場に蹲った。
柔らかい肉を押し当てられた時、自分は何を考えた。体がむずつくようなこの感覚は、絶対に抱いてはならないものなのに。
「何考えてるんだ、僕は。相手はまだ子どもで、しかも僕が育てた子だぞ。ありえない、どうかしてる……」
湧き上がる自己嫌悪には果てがなかった。
「お前の発明品を見せた時のレディ・クラウディアの反応はどうだった?」
「排水技術を鉱山に使えるかもしれないとおっしゃっていたよ」
「ということは、もし本当に見込みがあるって話になれば、お前は権利料で左団扇の生活か。いいなあ!」
「まだ分からないけどね。レディ・クラウディアの前での発表は緊張したけど……あの瞳がいいな。『あなたの話に興味があります』って言いたげなきらきらした目を向けて話を聞いてくださる」
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「レディ・クラウディアを邪な目で見るな! あの方はぼくらの女神だぞ! 結婚だって政略の都合で仕方なくしただけだ! 清らかな御身に決まってるだろうがっ!」
「相手は人妻だぞ? 冷静になれよ、それはありえない」
「なんだって!」
確かに十八歳の誕生日が間近に迫った今でもクレアがフレッドの隣で寝ているのは事実だし、性行為の経験が無いのも本当だ。
だが、事実がどうであれ――下卑た話題で大事な教え子を俎上に上げられるのは、心底不愉快だった。
「随分楽しそうな話をしているね。僕も混ぜてくれるかな」
男たちの背後から声をかけると、彼らは縮み上がって振り返る。
こうやって脅すとまた『護国卿は嫉妬深い』との噂を立てられるだろうが、こればかりは仕方がない。
客間の前まで来ると、一人の貴婦人が帰る客を見送っていた。
「フレッド、おかえりなさい。今日は早いわね」
艶やかな薄茶の髪を揺らした彼女は、フレッドに気づいて笑みを向けてきた。彼女の大きくまるい瞳でじっと見つめられると、ただの挨拶ですら本心から『よく帰ってきてくれた』と言われているように錯覚する。これを食らったせいで先ほどの発明家たちも勘違いしてしまったのだろう。
彼女に心酔する詩人に『不遇をかこつ者の才を見出して掬い上げる女神の如きレディ・クラウディア』なんて仰々しい句で讃えられていた妻、クレアだ。
「ただいま。交渉が思ったよりも順調に進んでね、僕が帰らないと書記官たちも帰れないし」
「嬉しいわ。ちょうどあなたに会わせたい人が来ているのだけど、紹介してもいいかしら?」
「それはいいけど……クレア、この手は?」
自然と横に並んだ彼女に指を絡められた左手を示すと、クレアは照れたそぶりもなく言った。
「カルメの医学者が提唱した説を聞いたの。手を繋ぐと不安や疲れが軽くなるんですって。ね、試してみてもいい?」
「……ああ、いいよ」
なんだ。知的好奇心の為せるわざだったか。
そこに単なる好奇心しかないとしても、傍目には恋人同士がすることに見える動作だ。仮にも人妻であるクレアにはおいそれと試せなかったのだろう。それで彼女はフレッドの帰りを待っていたのだ、あくまでも『実験』のために。
そう理解したフレッドは、おとなしく手を繋がせておいた。
「ふふ。あなたの手っていつまでも触っていたくなるわ」
繋いだ手の甲を指先ですりすりと撫でるこの動作も、何の他意も無い『ただの実験』だから――いや、本当にそうなのか?
「クレア? もしかして、君――」
「これでフレッドの疲れが吹き飛ぶ効果もあればいいんだけど。最近忙しそうにしていたから心配で」
「ああ、そういうことか。心配をかけてごめんね」
自分の体調を気遣って覗き込む妻の純真な目を見て、フレッドは彼女の下心を疑った自分を恥じた。
☆
十五歳のクレアに『自分のことはいいから出勤してくれ』と言われた時、その言葉の全てが本心でないのは分かっていたが、ひとりになって羽を伸ばしたいのかもしれないとも思った。
共通の話題もなく口を開けば説教ばかりの男と一日中一緒に過ごすなんて、年若い彼女にとっては拷問にも等しい苦行だろうから。
「お帰りなさい!」
ところが、それからクレアはフレッドの帰宅を毎日待ち構えるようになった。外出した日も夕食刻にはハウトシュミット邸に戻って玄関の様子を気にしていると使用人から聞いて、無下にできるわけがない。
外せない用事がある時以外は一緒に夕食を摂って、彼女を寝かしつけた後に残った仕事を終わらせ、同じ寝台で眠る。朝起きると抱きついて眠っているクレアを起こさないように仕事の準備をして出かける。――それがフレッドの日常になった。
新生活は多少忙しくはなったが、順調に進んでいた。……あの時までは。
「クレア、その夜着は?」
あの年の夏は暑かった。
ある晩のクレアが身につけていたのは真っ白な夜着だった。湯上がりに頬を上気させた彼女は、濡れた髪の水分を拭き取りながら言った。
「最近暑くて寝苦しいから、リネンの夜着を用意してもらったの。肌触りも良くて、良い品だわ」
「……そう」
「何か駄目だった?」
それまでフレッドが事あるごとに『賢く育ってくれ』と言い聞かせてきた少女は、体の線が透けて露わになるような――扇情的な衣装に身を包んで、そこに立っていた。
こんなに無防備に育てたのは誰だ、と彼女の教師陣を詰りたくなったが、性教育を担当する教師は置いていなかったと気づいた。レディ・エフェリーネにそれとなく教えるように頼んでおこうか。
「そんな格好で人前に出ちゃ駄目だよ」
「夜着で人前には出ないわ」
「僕の前には出てるじゃないか」
「同じベッドで寝る相手にも隠した方がいいの?」
「いや……そういうわけじゃないけどさぁ」
意図せぬいやらしい目を向けられたら、クレアはきっと傷つくだろう。彼女の将来のために、今の彼女を傷つけてでも『君が着ているのは卑猥な格好だ』と教えて矯正すべきなのかもしれない。
けれど、そもそも寝室に立ち入るのは、裸すら目にする機会がある侍女や夫くらいだ。現在の夫であるフレッドがいやらしい目で見ないなら何の問題も無いような気がした。
「やっぱり何でもない。暑いなら仕方ないよね。そもそも僕が口出しするのもおかしな話だ」
「そうよね。あなたならそう言ってくれると思っていたわ。じゃあ私はこれからもこの夜着を着るわね」
「ご自由にどうぞ」
そのうちクレアも知識を得て、自分の行いを客観的に見られるようになる。あえて指摘して恥ずかしい思いをさせなくてもいい――などと考えて、『ご自由に』と言ってしまったのだ。あの時のフレッドは。
「なんで僕はあんなことを……」
『女神の如きレディ・クラウディア』はどういうわけか性的な知識をどこかに落としてきたらしく、いまだに薄物の夜着を身につけてフレッドの左腕を胸に抱き込んで眠っている。それも毎日だ。
すっかり慣れきって生気の無い目をしたフレッドは、彼女にしがみつかれた左腕を引き抜こうと身じろいだ。
「……ふれっど? もう、あさ?」
「クレアが起きる時間はまだだよ」
「んん」
寝起きで頭が働いていないのか、ぎゅっと抱きついてくる彼女を引き剥がす拍子に、柔らかいものに手が触れた。女らしく膨らんだ乳房の感触だ。
「クレア」
「ふふっ」
「こら。寝ぼけてないで」
「やだ」
「今日も早く帰るから、今は離してくれ」
「約束ね」
「分かった、約束するから」
人恋しいなら忙しい朝ではなく、夜の寝かしつけている時に言ってくれ、と言うとクレアは素直に退いた。
当然だ。毎朝のこれは色めいた誘惑ではなく、子どもが温もりを求めているだけの振る舞いなのだから。
「子ども、なのになぁ……」
フレッドはしかめ面をどうにか保って部屋の外に出てから、頭を抱えてその場に蹲った。
柔らかい肉を押し当てられた時、自分は何を考えた。体がむずつくようなこの感覚は、絶対に抱いてはならないものなのに。
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