レンガの家

秋臣

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計画

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GWの予定は陽南といろいろ考えて決めた。
できれば泊まりでどこかに行きたいと思ってた。
でも高校生だし陽南を外泊させるのは難しい、日帰りが精一杯かなと思っていたら陽南から、
「泊まりでどこか行けたらいいね」
と言われて食い気味に飛びついた。
「本当!?家大丈夫なの?」
「壮祐くん、怖いよw」
「いや、だって外泊は難しいと思ってたから…」
「私だって二人で出掛けたい、泊まりたいって思ってるよ」
「本当!?」

付き合ってから3ヶ月ほど経った頃、進級し高3になった春休み、俺たちは誕生日を迎えた。
俺が4月4日で陽南が4月7日。
誕生日が三日違いなことも仲良くなったきっかけの一つだった。
二人とも春休みに誕生日が来るから学校で祝ってもらえないのだ。
これって結構寂しいよねと意気投合した。友達には祝ってはもらえるけど、
「学校でおめでとうと言われたいんだよな」
「それ!」
これは当事者じゃないとわからないと思う。
だから付き合っていない頃から、互いを慰め合うようにバイト先で奢り合ってお祝いしていた。

そんな二人の誕生日、今年は成人するということもあって特別感が欲しかった俺は、俺の誕生日か陽南の誕生日、どちらかに俺の部屋に呼べないかなと考えた。
俺の誕生日は土曜日、陽南の誕生日は平日。昼間なら両親がいない。
泊まれないのはわかってたけど、陽南との初めてを迎えられたらと思っていた。
俺の部屋に招待して二人の誕生日を祝った。
プレゼントはこれから二人でたくさん出かけられるようにと、一緒にショップに行き スニーカーを選び贈り合った。
遅くならないうちに陽南を家に送りたかったし、両親が帰ってきちゃうから短い時間しかいられなかったけど、陽南は喜んでくれて、俺も嬉しくて、気持ちを確かめ合ってその日初めて陽南と繋がった。
そして、今度は泊まれるといいねと二人で笑ったんだ。
陽南とできるだけ一緒にいたい、その想いが強くなるばかりだ。
だから、陽南と泊まれるなら俺はすごく嬉しい。


「でも今からだと予約厳しいよね」
「それさ、東京ならいけるかもよ」
「え?」
「GWになると上り電車空くじゃん?
だから都内とかのホテルならまだいけるかもしれないよ」
「うーん…東京観光に来る人もいるわけだからそう上手くいくかなあ」
なるほど。
それはあるかも。
「調べよう」
「うん」

調べたら満室に近いホテルばかりだったけど、空きはゼロではなかった。

「ほら!いけるよ!」
「本当だね」
「陽南さえ良ければ都内のホテルに泊まって東京観光してみない?」
「東京在住なのに?」
「意外と行ったことないところ多いと思うよ」
「なんか必死w」
「陽南がその気になってくれてるうちに、気が変わらないうちにと必死です」
「あははw」

遠くは無理だが近場なら行ける。
GWは陽南と一泊して東京で遊ぶことにした。
誤算はホテルが高すぎたこと。
空室はあるけどシーズン料金で値段が跳ね上がっていた。
これは俺には無理だった。
せっかく陽南と泊まろうと思ってたのに…

チャンスの神様は俺を見捨てなかった。
父さんと母さんが父さんの実家に行くから二日留守にすると言ってきた。
じいちゃんちは同じ都内なんだけど、少し断捨離をしたいらしい。
今回はその助っ人も兼ねている。
「壮祐も来るか?」
「俺バイト入れちゃったよ」
嘘ついた。
「だよな、留守番頼むな」
「わかった」
陽南呼べる!

陽南は友達の家に泊まることにしたようだ。
大きな括りで言えば俺も友達と言えるだろうから嘘ではない。
かなり無理があるが。
シンプルに友達に口裏を合わせてもらうようだ。
これでなんとか宿泊問題は解決かな。

陽南と俺はお互い行ったことない観光地を挙げてみたら意外とあった。
浅草とか新宿御苑とか上野動物園とか。
東京タワーは陽南が行ったことなくて、
スカイツリーは俺が行ったことなかった。
挙げればキリがない。

「結構あるね」
「だろ?」
あまり詰め込まず、ゆとりを持たせてプランを組んだ。
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