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祝賀会と称されたその会には、輝哉さんの奥さんの公佳さんと娘の凛ちゃんも来てくれた。
凛ちゃんは2歳だそうだ、公佳さんに似てる、かわいい。
陽南によく懐いていて、二人で仲良く遊んでいる。
Bothでバイトしている拓海さんも来てくれたが、
「こんなファミリーの祝賀会に俺がいるのおかしいでしょ!?」
とずっと言っている。
「しかも俺手ぶらだし!気が利かなくてごめんね!」
と若干キレてるw
「食べたいもの作るから言ってね、それしかできないから!」
とずっとヤケになっててウケる。
陽南に英会話を教えてくれている逢生さんは、海外出張に通訳として同行するため来られなかったが、出発前にBothに立ち寄り、俺と陽南にそれぞれ花束と、有名店のお菓子を届けてくれたそうだ。
祝賀会は大人組に程よく酒が入って盛り上がってる。
「陽南ちゃんは私の後輩になるのね」
「そうなの!公佳先輩」
陽南は公佳さんの母校でもあるJ大に合格した。
「そういえば壮祐くん、どこの大学行くの?肝心なこと聞いてなかったよ」
と輝哉さんが聞く。
ああ、そうか、言ってなかったな。
「T大です、仙台です」
「えっ!?仙台?」
「はい」
やだ…
「なんでそんな遠くに行くの?」
「材料工学を学びたいんです」
やだ…
「マテリアル?」
「そうです、マテリアル工学です」
やだ…
「聞いたことあるよ,確か有名なんだよな」
「そうなんです、憧れてて」
やだ…
…………
やだ…
やだ…
「うるせえな!深影!」
「やだ…」
「なにがだよ」
「仙台なんて遠い…
壮祐くん、いなくなるの嫌だ…」
「仕方ないだろ?学びたいことがあるんだから。やりたいことやりに行くんだから気持ちよく送りだせよ」
「嫌だ!」
深影さんはそう言うとどこかへ電話をかける。
「あ、もしもし、お世話になってます、葦原です。
田岡さん、宮城に知り合いいます?
いる?仙台市内に部屋借りたいんだけど、その人にお願いできないかな?」
深影さん、何言ってんだ…
「おいっ!深影,何してんだ!」
輝哉さんが深影さんを止める。
深影さんのスマホを奪い取り、
「すみません、田岡さん、俺、半井です。
ご無沙汰してます。
今、葦原ちょっと酔ってて…はい、すみません、ご迷惑おかけしました。
失礼します」
電話を切ると、
「お前、何してんだよ!」
と深影さんに詰め寄る。
「はんちゃん、俺、店辞めていい?」
「は?」
「お兄ちゃん?」
陽南が心配そうにしている。
「俺、仙台に行く」
「お前、何バカなこと言ってんだ!正気か?」
「壮祐くんと仙台に行く」
「お兄ちゃん!」
「心配すんな、一緒に住むわけじゃないよ」
「壮祐くんに迷惑かけないで!」
「そばにいるだけだよ」
「それが迷惑なんだよ」
「俺は好きな人のそばにいたいだけだ」
「深影…」
「お兄ちゃん…」
最初からそうだった。
この人は真っ直ぐでブレない。
軽口で軽妙だけど、ずっと真っ直ぐだったんだ。
陽南以外考えられなくても、深影さんは関係ない。
俺が陽南のことをどんなに好きでも、それ込みで好きになってくれてるのだから。
「深影さん、少し二人で話せますか?」
「うん」
「すみません、深影さんお借りします」
二人で店の外へ出る。
「壮祐くん…」
「陽南、心配しないで、待ってて」
「うん…」
「輝哉さん、公佳さん、拓海さん、
陽南をお願いします」
「陽南ちゃんのことは任せて」
公佳さんが陽南に寄り添ってくれる。
凛ちゃんは2歳だそうだ、公佳さんに似てる、かわいい。
陽南によく懐いていて、二人で仲良く遊んでいる。
Bothでバイトしている拓海さんも来てくれたが、
「こんなファミリーの祝賀会に俺がいるのおかしいでしょ!?」
とずっと言っている。
「しかも俺手ぶらだし!気が利かなくてごめんね!」
と若干キレてるw
「食べたいもの作るから言ってね、それしかできないから!」
とずっとヤケになっててウケる。
陽南に英会話を教えてくれている逢生さんは、海外出張に通訳として同行するため来られなかったが、出発前にBothに立ち寄り、俺と陽南にそれぞれ花束と、有名店のお菓子を届けてくれたそうだ。
祝賀会は大人組に程よく酒が入って盛り上がってる。
「陽南ちゃんは私の後輩になるのね」
「そうなの!公佳先輩」
陽南は公佳さんの母校でもあるJ大に合格した。
「そういえば壮祐くん、どこの大学行くの?肝心なこと聞いてなかったよ」
と輝哉さんが聞く。
ああ、そうか、言ってなかったな。
「T大です、仙台です」
「えっ!?仙台?」
「はい」
やだ…
「なんでそんな遠くに行くの?」
「材料工学を学びたいんです」
やだ…
「マテリアル?」
「そうです、マテリアル工学です」
やだ…
「聞いたことあるよ,確か有名なんだよな」
「そうなんです、憧れてて」
やだ…
…………
やだ…
やだ…
「うるせえな!深影!」
「やだ…」
「なにがだよ」
「仙台なんて遠い…
壮祐くん、いなくなるの嫌だ…」
「仕方ないだろ?学びたいことがあるんだから。やりたいことやりに行くんだから気持ちよく送りだせよ」
「嫌だ!」
深影さんはそう言うとどこかへ電話をかける。
「あ、もしもし、お世話になってます、葦原です。
田岡さん、宮城に知り合いいます?
いる?仙台市内に部屋借りたいんだけど、その人にお願いできないかな?」
深影さん、何言ってんだ…
「おいっ!深影,何してんだ!」
輝哉さんが深影さんを止める。
深影さんのスマホを奪い取り、
「すみません、田岡さん、俺、半井です。
ご無沙汰してます。
今、葦原ちょっと酔ってて…はい、すみません、ご迷惑おかけしました。
失礼します」
電話を切ると、
「お前、何してんだよ!」
と深影さんに詰め寄る。
「はんちゃん、俺、店辞めていい?」
「は?」
「お兄ちゃん?」
陽南が心配そうにしている。
「俺、仙台に行く」
「お前、何バカなこと言ってんだ!正気か?」
「壮祐くんと仙台に行く」
「お兄ちゃん!」
「心配すんな、一緒に住むわけじゃないよ」
「壮祐くんに迷惑かけないで!」
「そばにいるだけだよ」
「それが迷惑なんだよ」
「俺は好きな人のそばにいたいだけだ」
「深影…」
「お兄ちゃん…」
最初からそうだった。
この人は真っ直ぐでブレない。
軽口で軽妙だけど、ずっと真っ直ぐだったんだ。
陽南以外考えられなくても、深影さんは関係ない。
俺が陽南のことをどんなに好きでも、それ込みで好きになってくれてるのだから。
「深影さん、少し二人で話せますか?」
「うん」
「すみません、深影さんお借りします」
二人で店の外へ出る。
「壮祐くん…」
「陽南、心配しないで、待ってて」
「うん…」
「輝哉さん、公佳さん、拓海さん、
陽南をお願いします」
「陽南ちゃんのことは任せて」
公佳さんが陽南に寄り添ってくれる。
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