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生殺しと社交辞令
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1年の夏休みは陽南と一緒に合宿で免許を取りに行った。
学生の内じゃないと時間取れないだろうし、陽南も取りたかったようだ。
目的は免許だけど、ちょっと旅行気分で楽しかった。
合宿というから合宿所みたいなところに宿泊するのかと思ったら、ホテルで驚いた。
陽南とは階が違うが同じホテルに二週間ちょっと。
期待しないわけがない。
それなのに、
「免許を取りに来てるんだからね」
と早々に釘を刺された。
嘘でしょ…
陽南は本当に自分の部屋に俺を入れようとはしなかった。
それなら俺の部屋に来てと言っても来ない。
生殺しだ…
こうなったら最短で卒業してやる。
陽南はAT、俺はMTの免許を取るので俺の方が教習は少し長い。
しかし最短で取れば陽南とほぼ同じ期間で卒業できる。
「陽南、俺、最短で卒業する。近くのホテルに部屋取るからそこで待ってて」
「久しぶりに出たw壮祐くんの必死」
「必死だよっ!俺、死にそうだよ!」
陽南が腹抱えて笑ってる。
「約束して!お願いだから!」
「必死すぎるw」
「陽南!」
「ウケる」
俺は意地になって最短で卒業した。
陽南が待っているはずのホテルへ急ぐ。
陽南はいなかった。
絶望…
「あれ?壮祐くん?」
「どこ行ってたの!?」
「え?お散歩」
こんなに俺必死なのに、陽南は散歩…
俺泣くぞ?
察した陽南が、
「よく頑張りました」
と頭を撫でてくれる。
「もう限界です…」
「きゃあ!」
生殺しは勘弁してくれ…
免許は二人とも無事取得できた。
そうそう、バイトの後輩・尚希こと立川尚希くん。
俺がこっちに来る前に彼が宣言したとおり、本当に遊びに来た。
「夏休みに入ってすぐ行きたいんですけど、壮祐くん居ますか?」
「本当に来るの?」
「行きますよ、行くって言ったじゃないですか」
「マジか」
「え?ダメ?もしかして社交辞令?」
電話の声がものすごくしょげている。
「おいでよ、待ってるよ。泊まるのはうちでいいよね?」
「やった!そのつもりで新幹線のチケットしか取ってないです」
「もう取ってんのかよw」
「だって行きたいんだもん」
こういうところ、懐いてくれててかわいいんだよなあ。
そんなこんなで毎年夏休みになると尚希は仙台に遊びに来る。
高校を卒業し大学生になっても来る。
大体二泊三日で俺の部屋に泊まっていく。
とにかくずっと喋ってる、よくそんなに話すことあるなって思うくらいずっと喋ってる。
これが全くウザくなくて楽しいからすごい。
あまりにも懐いてるから、行く先々で、
「兄弟?」
と言われることが多くて、面白いから
「そうです」
とずっと兄弟を装っていたら、
「そっくりよねえ」
「似てるな」
といい加減なことを言われて二人で爆笑してた。
全く気を遣わずにいられるので本当に兄弟ってこんな感じなのかなと思ったりする。
俺、一人っ子だから弟みたいな尚希は嬉しい存在だ。
学生の内じゃないと時間取れないだろうし、陽南も取りたかったようだ。
目的は免許だけど、ちょっと旅行気分で楽しかった。
合宿というから合宿所みたいなところに宿泊するのかと思ったら、ホテルで驚いた。
陽南とは階が違うが同じホテルに二週間ちょっと。
期待しないわけがない。
それなのに、
「免許を取りに来てるんだからね」
と早々に釘を刺された。
嘘でしょ…
陽南は本当に自分の部屋に俺を入れようとはしなかった。
それなら俺の部屋に来てと言っても来ない。
生殺しだ…
こうなったら最短で卒業してやる。
陽南はAT、俺はMTの免許を取るので俺の方が教習は少し長い。
しかし最短で取れば陽南とほぼ同じ期間で卒業できる。
「陽南、俺、最短で卒業する。近くのホテルに部屋取るからそこで待ってて」
「久しぶりに出たw壮祐くんの必死」
「必死だよっ!俺、死にそうだよ!」
陽南が腹抱えて笑ってる。
「約束して!お願いだから!」
「必死すぎるw」
「陽南!」
「ウケる」
俺は意地になって最短で卒業した。
陽南が待っているはずのホテルへ急ぐ。
陽南はいなかった。
絶望…
「あれ?壮祐くん?」
「どこ行ってたの!?」
「え?お散歩」
こんなに俺必死なのに、陽南は散歩…
俺泣くぞ?
察した陽南が、
「よく頑張りました」
と頭を撫でてくれる。
「もう限界です…」
「きゃあ!」
生殺しは勘弁してくれ…
免許は二人とも無事取得できた。
そうそう、バイトの後輩・尚希こと立川尚希くん。
俺がこっちに来る前に彼が宣言したとおり、本当に遊びに来た。
「夏休みに入ってすぐ行きたいんですけど、壮祐くん居ますか?」
「本当に来るの?」
「行きますよ、行くって言ったじゃないですか」
「マジか」
「え?ダメ?もしかして社交辞令?」
電話の声がものすごくしょげている。
「おいでよ、待ってるよ。泊まるのはうちでいいよね?」
「やった!そのつもりで新幹線のチケットしか取ってないです」
「もう取ってんのかよw」
「だって行きたいんだもん」
こういうところ、懐いてくれててかわいいんだよなあ。
そんなこんなで毎年夏休みになると尚希は仙台に遊びに来る。
高校を卒業し大学生になっても来る。
大体二泊三日で俺の部屋に泊まっていく。
とにかくずっと喋ってる、よくそんなに話すことあるなって思うくらいずっと喋ってる。
これが全くウザくなくて楽しいからすごい。
あまりにも懐いてるから、行く先々で、
「兄弟?」
と言われることが多くて、面白いから
「そうです」
とずっと兄弟を装っていたら、
「そっくりよねえ」
「似てるな」
といい加減なことを言われて二人で爆笑してた。
全く気を遣わずにいられるので本当に兄弟ってこんな感じなのかなと思ったりする。
俺、一人っ子だから弟みたいな尚希は嬉しい存在だ。
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