恋人ごっこはおしまい

秋臣

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実践

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「まずは周りを解してあげましょう。
円を描くように優しくマッサージしてあげてくださいね」」
DVDを観ながら、見よう見まねで試みる。

不思議だ。
そこは排泄する所、冷静になれば汚いと思うだろうがそこに思い至らない。
それだけ自分が冷静でいられなくなっているのがわかる。
寧ろ触ってどうなるのか知りたい、確かめたい、好奇心の方が勝っている。

穴の周りをゆっくり触る。
緊張なのか体を強張らせる京佐。
大切に扱ってやりたいと自然に思えた。
ゆっくりゆっくり触っているうちに少しずつ緊張が解けてきたようだ。

「少し肌の柔らかさを感じられましたか?
そうしたら再度ローションを足し、指を当てがってみましょう」
はい、A先生。
指を当てがうと吸い付くような感覚がある。
指がほんのちょっとだけ吸い込まれる。
「焦ってはダメです、ゆっくりゆっくり……滑りが悪いなと思ったらローションを足して……」
DVDではA先生が穴に指を沈めている。

「京佐、挿れてみるよ」
「ん……」
「痛かったら言ってくれ」
「ん……」

ローションの助けによって俺の第一関節が沈み込む。熱い…
「んんっ」
「痛いか?」
「痛く……ない……変な感じ……」
痛くないみたいだ。
それでもA先生の言うとおりゆっくり沈めていく。
京佐の息が荒い。

「彼は今新しい世界を知ろうとしています。
そんな健気な彼をどう思いますか?
キスしたくなりませんか?
かわいい彼にキスして更に安心してもらいましょう」
A先生すごい! なんで俺の気持ちがわかるんだ?
京佐に安心して欲しくてキスする。
「ん……」
「禄郎……」
今ここで名前呼ぶのはずるいって!

指をちょっとずつ沈めながらキスも深くなる。
京佐は上も下も責められて蕩けまくっている。
いや、俺もだ。

「焦らず……ゆっくり……そう、ゆっくりね……」

先生が再三繰り返して言っているということは、大事なことなのだろう。
学校ならテストに出るところだ。

指は第二関節まで沈んだ。
「んんっ……」
体をピクンとさせながら京佐が受け入れている。
京佐の中は指が吸いつかれて圧迫されるような感覚がある。
ここにチンコ挿れたらどうなるのだろう……

「あっ!」
京佐の体がビクッと揺れる。
え? 痛かったか?
「こめん、痛いか?」
DVDの先生たちは気持ちよさそうにしてる。
初めてズレを感じて慌てる。
「違う……あ……あっ!」
京佐の体が反る。

「ほら、見て……反応が変わったでしょ?」
指を挿れられている方のB先生がうっとりとした顔で京佐と同じように体を震わせている。
いいのか?
この反応で合ってるのか?

「今反応してるところをよく覚えてね。
その辺りを少し探ってみて……
そうすると……」
そう言って指を挿れてるA先生が指を動かすと、挿れられてるB先生が、
「あっ! やあっ……あん……」
と体を仰け反らせている。

え? ここ?
ここに何かあるのか?
画面を見ながら指を動かしてみる。
僅かだが中で指を動かせる。
どこを触ればいいのかわからない。
体の中のことは流石にわからないよ……
と思ったら、急に二人の男優さんが2次元のミニキャラ化して現れた。
男性の下半身の絵が出てきた。
ズームした内部の断面図イラストになる。

「今僕が触っているのはここだよ」
と言ってポコッとしこりのようなものを指している。
「ここはね、前立腺。ここを刺激してあげると気持ちよくなっちゃうんだよ、ね?」
「うん、ここは気持ちよくなる人が多いポイントだから覚えてね。
彼のこと気持ちよくしてあげたいと思う人は彼のポイントを覚えてあげてね」
おお、なるほど!

画面はすぐに元の3次元へ戻る。
指で中を弄られてるB先生があまりの気持ちよさに背中を大きく反らせる。
そんなに気持ちいいのか?
俺は必死だった。
あんな風に京佐を気持ちよくさせたい。
指で探る。

「あ……」
B先生ほどではないが京佐が反応するところがあった。
なんとなく他のところと違ってコリッとしたところがある気がする。
そこを触る。
「やっ……あっ……」
京佐の体がビクッと跳ねる。
おおっ!
その反応が見たくてもっと触る。
「やっ! ダメッ……あっん!」
画面の中のB先生のように体を仰け反らせる。

なにこれ? なにこれ!
自分の指で気持ちよくなってくれるのってすげえ嬉しいんだな。気持ちが昂る。
「京佐……どう?」
「やだ……イきたくない……」
「なんでだよ……イけよ……」
「あっ……や!……禄郎!……」

やばいやばいやばい……
ズッキュンきた……
体仰け反らせて名前呼び……
破壊力凄すぎ……
京佐は俺の名前を呼びながらイった。

ああ、そうか、これか。
だから相手にもゴムしろって先生言ってたんだな。
体全体で息をしながら果てた京佐。
ゴムしないでイったから自分の体に出しちゃってる。
これは虚しくなる。
気持ちよくなったのにそんなことで興醒めして欲しくない。

京佐の体を綺麗に拭き、抱き寄せる。
「ごめんな、ゴムしろって言われてたのに気が回らなかった」
「……」
京佐は顔を見せようとしない。
「京佐、顔見せて」
「嫌だ……」
無理矢理こっちを向かせる。
涙目の京佐がいた。

あまりの健気さに思わずキスする。
「禄郎……」
俺の首に腕を回して俺を求める。
どうしたらいい……かわいくて仕方がない……

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