恋人ごっこはおしまい

秋臣

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二日目

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翌朝。

いつベッドに入ったのかも覚えてないくらい、昨夜は飲んで喋って笑った。
二日酔いにはなってない。
もそもそ起きると、隣のベッドにいるはずの曽川がいない。
あれ?
あいつどこ行った?

くんくん。
なんかいい匂いする。

匂いにつられて階下に行く。
キッチンに曽川がいた。

「おせーぞ、いつまで寝てんだよ」
「曽川、早いな」
「お前らが遅いんだろ?」
「飯作ってくれたのか?」
「おう」
「依田と京佐は?」
「あいつらも起きてない」
「俺、起こしてくるわ」
「ん、頼む」

依田たちの部屋のドアをノックする。
「おーい、起きてるか?」
返事がない。
「開けるぞ」
ドアを開けると二人とも大の字になって寝てる。爆睡。

ふっ

「おい!起きろっ!」

「うるせえ……」
「なんだよ……」
寝起き悪いな、こいつら。

「起きろ、曽川が朝メシ作ってくれてるぞ」

「んー……」
「……」

ピッ!
エアコンを消し、カーテンを開け、部屋を出てのドアを閉める。
部屋の外でドアの前に座る。

キッチンから、
「あれ? あいつら起きた?」
と曽川が声を張る。
「多分もうすぐ起きる」
「は?」

しばらくすると、エアコンが切れた南側を向いた陽当たりのいい部屋の中から、
「あっちい!」
と言う声が聞こえる。
「なんでこんなあちいんだよ……」
「水飲みたい……」

ガタッ!
ドアに振動が来る。

「あれ? なんで?」
「何してんだよ、開けろよ」
「開かねえんだよ」
「は? 何言ってんの? え? なんで?
マジで開かない!」

依田と京佐がドアを内側からこじ開けようとしている。
ちょっと隙間が開く。 
俺と目が合う。

「てめえ! 禄郎! 何してんだ!」
「そこどけ! あちーんだよっ!」

「曽川~起きたぞ~」
「お前ら、片付け担当な」
「起きていきなりなんなんだよ」
「起きないのが悪い」
「くっ…」
「飯食うぞ」

曽川は昨日のバーベキューの残りの海鮮と〆に買っておいたが辿り着けなかった焼きそばを早めに使い切った方がいいだろうと、海鮮焼きそばを作ってくれていた。

「お前、料理できんの?」
「簡単なものならな」
「美味そうなんですけど」
「海鮮だから塩味にしてみた」
「いただきますっ!」
寝起きなのに京佐はがっつく。
そして徐に立ち上がり曽川をハグする。
「曽川、お前、天才かもしれない」
「うははは! 崇めろ!」
「塩味うめえ」
「俺ソースしか食べたことねえけど塩美味い」
「さっさと食って海行くぞ。
俺らの本来の目的を見失うなよ」

そうだった。
美味い飯を食うのがメインではないのだ。
水着の女の子たちが待ってるのだ!


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