23時に明かりを消して

秋臣

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晃の気持ち

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何日か前から広夢くんにLINEしてた。
どうしたらいいのかわからなくて、こういう時やっぱり話を聞いてもらえるのは広夢くんしか思い浮かばなかった。
樹や翔哉には話せなかった。
広夢くんは時間作って会ってくれた。
学校の近くの駅まで車で迎えに来てくれて、海の近くにある大きな公園の駐車場に車を停めて話を聞いてくれた。

「なんでここなの?」
って聞いたら、
「広大なもの見ると気が晴れない?俺は山が好きだから本当は山見せたかったけど遠いしな」
歩夢のお兄ちゃんだから、歩夢のことを相談するのはなんとなく気が引けたけど、広夢くんは黙って俺の話を聞いてくれた。

会うと必ずセックスを求められること。
どこか遊びに行こうと誘っても家がいいと言われてしまうこと。
女みたいな言い方だけど体だけ求められてる気がするし、そもそも付き合おうと言われてないし俺も言ってない。
そんな状態でいるのは不安になる。
こんな関係じゃ簡単に捨てられる。
一人で悩んでいることが溢れて止まらなかった。

「不安か?」
そう聞かれたから、
「不安でたまらない」
と言ったら、気持ちが溢れて広夢くんの前で泣いてしまった。

男のくせにこんなことで泣いて情けないし恥ずかしい。
俺を抱き寄せて頭をそっとポンポンしながら、
「一人で抱えて怖かったよな」
と俺が泣き止むまでそうしててくれた。
泣いたら少し気持ちが晴れた気がした。
だからもう大丈夫って言ったんだ。
でも広夢くんは、
「大丈夫には見えない。不安は消えてないだろ?」
って…
広夢くんはなんでわかるんだろう、俺のことがなんでわかるの?

「ほら、やっぱり大丈夫じゃないじゃないか」
そう言われて俺はまた自分が泣いてることに気づいた。
「不安が消えないなら俺のところに来い。俺のそばにいろ、俺は絶対晃を泣かせない」
驚いて顔を上げると、
「そんな驚いた顔するな、俺が晃を好きだと困るか?」
と笑う。
「だって歩夢が…」
歩夢がいるから、そう言おうと思った。
でも俺たちセックスだけで付き合ってるわけではない。それに最近気づいちゃったんだ。
好きだとは言われたけど、それは俺?セックス?最初は俺だったかもしれないけど、今の歩夢は違うと思う。
だから歩夢に求められるたびに不安になった。不安になりながらもいつか欲しい言葉をくれるんじゃないかって期待してセックスしてたけど、歩夢は何も言ってくれない。俺が言えばいいんだ、でももうそれすらも怖くなっていた。
俺がセックスを拒んだら歩夢は俺のこと嫌いになる。繋がっているのは体だけだったら…気持ちはどこに持っていけばいい?

どうして広夢くんは欲しい言葉をくれるの?どうして歩夢はくれないの?
抱きしめてくれる、温かい。
温もりは同じなのに不安がる俺を大事にしてくれてるのが伝わる。

「俺にこうされて少しはドキドキするか?」
前に広夢くんの部屋で試したあれみたいな感じ。
「ドキドキより安心する」
本当にそうなんだ。
広夢くんは、ふーっと息を吐くと、
「お兄ちゃん枠はなかなか外れないか」
と呟く。そして俺を抱きしめながら、
「キスしたいけどしない。晃のこと軽く考えてるわけじゃないから」
「広夢くんは大人だね」
「大人じゃねえよ、俺今めちゃくちゃ耐えてるんだぞ。偉いだろ?」
ふはは、広夢くんのこういうところ好きだなって思う。
笑ってるのに不意に涙が溢れる。
もう少しだけこのままでいさせて、
泣き止むまででいいから、お願い…
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