1.5

秋臣

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久我

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俺はゲイで久我とは高3の春から夏に変わる頃恋人になった。
同じクラスになり出席番号が前後になったのがきっかけで話しかけられて喋ってみたら、案外話しやすくてそれから親しくなった。

久我は所謂人気者というやつで、いつも周りには男女問わず誰かがいるようなタイプ。
俺は仲がいい何人かと楽しく過ごせればそれでいいというタイプ。
極端に違うわけでもなく、かといって同族かというとそれも違う。違うからこそ楽しかったのかもしれない。

休みの日に学校の外でも一緒に遊ぶようになり、買い物に行ったり、面白そうな展示会やライブに行ったり、二人でいることも増えた。
ある夜、ライブ帰りに盛り上がりすぎて興奮が冷めなかった俺らは、公園でライブの感想を言い合って熱を発散させていた。

「楽しかったな、また行こうぜ」
「おう」
そろそろ帰るかと、立ち上がろうとした瞬間、久我に頭をぐっと掴まれキスされた。
「お前、なにしてんだよっ!」
「いやあ、お前のこと好きだなと思ったらキスしちゃった」
「ふざけんな」
と口を腕で拭うと、
「俺のキスを消すなよ」
「なあ、俺やっぱお前のこと好きだわ」
久我が俺を引き寄せ抱きしめる。
 
俺はゲイだが久我をそういう対象に見たことはなかった。
「久我、離せ!」
「やだ、俺と付き合ってよ柊」
「ノリで言うな、とにかく離せ」
久我は抱きしめたまま、
「ノリじゃなければいいのか? じゃあ毎日言えば本気なのわかってもらえる?」
「そういうことじゃない、友達だろ? 冷静になれよ」
「みんなと同じ友達なんかじゃ嫌だから言ってる。俺と付き合ってくれ。
頼む、柊、俺だけ見てよ。好きだ」
何度も何度もキスをする久我。
「好きなんてそんなのわかんないよ。
付き合うったって今までと変わらないだろ?」
「俺の一番近くにいてくれたらそれでいい」
妥協点はそこしかないし、何言っても聞かないから、
「わかった」
と答えると、
「マジ? やばい泣きそう」
と久我は後ろを向いて、
「こっち見んな!」
としばらくこちらを振り返らなかった。
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