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前の席の男
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北川 柊。
最初の印象は寒そうな名前。
次の印象は結構モテるらしい。
他のやつに聞いた話だと綺麗な顔立ちしてるから女だけじゃなく、男でも狙ってるやつがいるとかいないとか。
男はともかく女に告られてるのは見たことあるからモテるんだな、実際。
その割に彼女とかって話聞いたことない。他校にでもいるのか?
出席番号順に並んだ4月の教室でそんなことを俺はぼんやり考えていた。
ノートを取るため下を向いていた北川がすっと前を向いた。
艶々とした柔らかそうな黒髪とうなじの白さの対比に思わずゾクッとし目を奪われる。
艶めかしい白さに妙な気分になる。
なんだこの色気は。
男でも狙ってるやつがいるというのは強ち嘘でもないと思った。
それ以来前の席のこいつが気になって仕方がない。
なんなんだ、ソワソワする。
席以外で接点はなさそうと思っていたが、話しかけてみると案外気さくで話しやすい。タイプは違うが深追いしてこない感じが心地よい。
次第に仲良くなっていった俺らは休みの日にも遊ぶようになり、買い物に行ったりライブに参戦したりと一緒にいることが多くなった。
あるライブ帰り珍しく熱の冷めない柊に欲望を抑えられずキスをした。
「お前、なにしてんだよっ!」
「いやあ、お前のこと好きだなと思ったらキスしちゃった」
「ふざけんな」
と口を腕で拭う。
傷つくな、拭わなくてもいいだろ。
「俺のキスを消すなよ」
とまたキスをする。
「なあ、俺やっぱお前のこと好きだわ」
柊を抱きしめる。
「久我、離せ!」
離すかよ。
「やだ、俺と付き合ってよ柊」
頼む、付き合ってくれ。
「ノリで言うな、とにかく離せ」
ノリじゃねえよ、わかれよ。
「ノリじゃなければいいのか? じゃあ毎日言えば本気なのわかってもらえる?」
「そういうことじゃない、友達だろ?
冷静になれよ」
友達? そんなもんとっくに超えてる。
「みんなと同じ友達なんかじゃ嫌だから言ってる。俺と付き合ってくれ。
頼む、柊、俺だけ見てよ。好きだ」
何度キスをしても、どれだけ伝えても、
「好きなんてそんなのわかんねえよ。
付き合うったって今までと変わらないだろ?」
柊は頷いてくれない。
「俺の一番近くにいてくれたらそれでいい」
はあ……とため息をつくとようやく、
「わかった」
と答える柊。
「マジ? やばい泣きそう」
とマジでヤバくて後ろを向く俺。
「こっち見んな!」
しばらく柊を振り返ることができなかった。
最初の印象は寒そうな名前。
次の印象は結構モテるらしい。
他のやつに聞いた話だと綺麗な顔立ちしてるから女だけじゃなく、男でも狙ってるやつがいるとかいないとか。
男はともかく女に告られてるのは見たことあるからモテるんだな、実際。
その割に彼女とかって話聞いたことない。他校にでもいるのか?
出席番号順に並んだ4月の教室でそんなことを俺はぼんやり考えていた。
ノートを取るため下を向いていた北川がすっと前を向いた。
艶々とした柔らかそうな黒髪とうなじの白さの対比に思わずゾクッとし目を奪われる。
艶めかしい白さに妙な気分になる。
なんだこの色気は。
男でも狙ってるやつがいるというのは強ち嘘でもないと思った。
それ以来前の席のこいつが気になって仕方がない。
なんなんだ、ソワソワする。
席以外で接点はなさそうと思っていたが、話しかけてみると案外気さくで話しやすい。タイプは違うが深追いしてこない感じが心地よい。
次第に仲良くなっていった俺らは休みの日にも遊ぶようになり、買い物に行ったりライブに参戦したりと一緒にいることが多くなった。
あるライブ帰り珍しく熱の冷めない柊に欲望を抑えられずキスをした。
「お前、なにしてんだよっ!」
「いやあ、お前のこと好きだなと思ったらキスしちゃった」
「ふざけんな」
と口を腕で拭う。
傷つくな、拭わなくてもいいだろ。
「俺のキスを消すなよ」
とまたキスをする。
「なあ、俺やっぱお前のこと好きだわ」
柊を抱きしめる。
「久我、離せ!」
離すかよ。
「やだ、俺と付き合ってよ柊」
頼む、付き合ってくれ。
「ノリで言うな、とにかく離せ」
ノリじゃねえよ、わかれよ。
「ノリじゃなければいいのか? じゃあ毎日言えば本気なのわかってもらえる?」
「そういうことじゃない、友達だろ?
冷静になれよ」
友達? そんなもんとっくに超えてる。
「みんなと同じ友達なんかじゃ嫌だから言ってる。俺と付き合ってくれ。
頼む、柊、俺だけ見てよ。好きだ」
何度キスをしても、どれだけ伝えても、
「好きなんてそんなのわかんねえよ。
付き合うったって今までと変わらないだろ?」
柊は頷いてくれない。
「俺の一番近くにいてくれたらそれでいい」
はあ……とため息をつくとようやく、
「わかった」
と答える柊。
「マジ? やばい泣きそう」
とマジでヤバくて後ろを向く俺。
「こっち見んな!」
しばらく柊を振り返ることができなかった。
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