1.5

秋臣

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最後の言葉

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待ち合わせは駅に18時。
一度家に帰り、着替えてから打ち上げに参加することにしていた。
待ち合わせの少し前に着いて暫くすると柊も駅に来た。
クラスのやつがバイトしていた居酒屋をアルコールは提供しないという条件で貸切にしてくれたらしい。
30人ほど集まり、それぞれの進路やこれまでの高校生活のことなど、今まであまり話したことない人とも話せて楽しい打ち上げになった。柊は女にも男にも最後とばかりに囲まれ話しかけられたり、写真を撮ったり、
「タイプだった」
と何人にも言われ困っていた。
やっぱりあいつはモテる。

1次会が終わり、2次会に行く人を募っていた幹事に、
「北川どうする?」
と聞かれて柊は、
「俺はここで帰るよ」
と幹事に告げると、
と2次会を辞退していた。
「じゃあ俺も帰るわ」
「久我は来いよ、北川来ないし更に華がなくなる」
「柊送っていくからダメ」
「送り狼になんなよ!」
散々言われて皆と別れた。

「行けば良かったのに」
柊が言う。
「お前がいないのに行っても意味がない」
「なんだよ、それ」
ふっと静かに柊は笑う。
ああ、その顔、今すぐキスしたい。
商業ビルに挟まれた細道に柊を連れ込みキスする。
「お前、本当に送り狼になってんじゃねえか」
と笑ってる柊に、
「狼に食われろよ」
と舌を絡める。
「こんなところでやめろ、寒いから帰るぞ」
柊は駅へと歩き出す。
最後なのに。
これからも続くけど高校生活は最後だから、今の柊を目に焼き付けたい。声も体も全部。
そして柊とこれからも一緒にいられる幸せを噛み締めていたい。

「じゃあ次は入学式だな」
「そうだな」
「当日大学の門の前で待ってる」
「うん」
「じゃあな」
駅の改札口を抜け、柊がこちらを振り返る。
そして俺に言った。

「卒業おめでとう」
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