1.5

秋臣

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違えた道

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スーツに身を包んだ俺は東京のT大の門をくぐった。
これから4年ここで学ぶことになる。

高3の秋、進路指導を受けていた俺は担任にT大も受験したいと申し出た。
「3校受けるのか?お前の成績なら充分狙えるからそれは問題ないが、家からだと遠いだろ?通うのはちょっとキツくないか?一人暮らしを考えなきゃ行けない距離だから、その辺り親御さんと相談してこい。それがクリアできるなら俺は応援するぞ」
と背中を押してくれた。
「先生、それと……」
「なんだ?」
「俺がどこを受けるのか誰にも言わないで欲しいんです」
「そんなこと言うか! 守秘義務があるからな、絶対漏らさんよ」
「ありがとう」
「当然のことなんだから礼なんか言わなくていいぞ。親御さんに確認取ってこいよ」
「はい、よろしくお願いします」
「おう!」

両親には先に志望大としてあげていた大学プラスもう一校受験したいと伝えた。
まだちゃんと方向性が決まったわけではないが、少し興味を持っていることに強い大学だから受けてみたい。ただ家から遠いから一人暮らししないと通えない、その確認を取ってこいと担任に言われたことも。
父は、
「今将来を確定しろなんて無理な話なんだから、大学でゆっくり考えればいい。そこを受けたいなら受けてみろ。一人暮らしも必要ならすればいい」
と言ってくれた。
母も、
「やりたいことやりなさい」
と父に同意してくれる。ありがとう。
こうして俺は3校受験し、3校とも合格した。
久我にはT大を受験したことも合格したことも伝えていない。
一緒に受けて合格したY大に春から一緒に通えると久我は思っている。
俺もそのつもりだった。
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