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おまけ 3
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めっちゃ緊張する……
会いたいけど会いたくない、この推しへの拗らせた感情わかる?
お会いできるなんて畏れ多い……
今日俺はサイン会に来ている。
そう、真中左右先生のサイン会にやっとやっとやっと当選したのだ。
嬉しいっ! めちゃくちゃ嬉しいっ!
でも緊張で吐きそう。
昨年湊くんが当選して俺の名前でサイン本を貰ってきてくれた。あれは嬉しかったなあ。
今回は俺が……と思ったけど普通に自分の名前を書いてもらうつもり。ごめん、湊くん。
サイン会に行くと言った数日後、湊くんから封筒を渡された。
「これ真中先生に渡してもらえる?」
手紙を渡すのはOKだから喜んで引き受けた。
でも、なんかおかしなこと言ってた。
「霧人が青嵐やりましたって言って」
は?
「言えばきっとわかってくれるから」
もうすぐ俺の順番になる、吐きそう。
俺が呼ばれる。
他の人から見えないよう囲いがしてあるところへ通される。
はわわわ! 真中先生だ!
想像と全然違った、想像の数倍かっこいい! この人があんなかっこいい漫画描いてるの? 凄え! 興奮しまくって大事なことを忘れるところだった。
「あの、いつも応援してます」
「ありがとう」
「あの、あの、今日来れなかった恋人からこれ預かってきたんですけど、受け取ってもらえますか?」
スタッフの人かな? 担当さんなのかな? 隣の人に手紙が渡る。
「あ、あの伝言もあって『霧人が青嵐やりました』そういえば真中先生わかってくれるって言ってました」
「え?」
真中先生、キョトンとしてる。
湊くん……本当にこれで伝わるの?
俺おかしなこと言ってる人になってない?
めちゃくちゃ不安になってきた、吐きそう。
「え? え! 嘘! あの人かな?」
横のスタッフさんだか担当さんだかも、
「……あ、ああ! あの彼かも!」
と言ってる。
「そうだよね? 彼だよね?」
なに言ってるのかわからない。
真中先生が、
「この手紙開けてもいいかな?」
と俺に聞く。
「はい! どうぞ!」
俺も中身を知らない。
湊くん、なに書いたの?
「やっぱり! 凄え! やってくれた!」
真中先生が横の人とワーワー言ってる。
なんだ?
今度はこっちがキョトンとする番だ。
そんな俺に気づいた真中先生が、
「ごめんね、こっちで勝手に盛り上がっちゃって。これ預けた恋人って彼氏だよね?」
と聞いてきた。
「はい」
「その彼、昨年サイン会来てくれて恋人の名前でサインを書いて欲しいって頼んできたんだよ。その時に霧人のコスプレしてる写真見せてくれて、それがかっこよくてね。俺、あんまりコスプレって好きじゃないんだ、偽物感凄くて、偏見だけど。でも彼のはかっこよかった。完璧だったし感動すらしちゃった。だから今度は青嵐やってくれって俺リクエストしちゃったんだ。
……え? あ? あれ? ちょっと待ってよ、あの時彼、恋人が雫やったって言ったよね?」
横の人に確認してる。
「言ってましたね、言ってた! 言ってました! ええっ!?」
急に真中先生が小声になる。
「もしかして君が雫やった?」
「……はい」
「マジで!?」
まあまあでかい声で叫ぶ。
「めっちゃかわいかったからさー、男の人だとは思わなかった!」
「あの……どうか秘密でお願いします……」
「言わない、言わない! そうかあ、君かあ、凄えなあ」
「はあ」
「まさか本当に青嵐もやってくれるとは思わなかった。超かっこいい! これSNSとかに出てないよね?」
「すみません、俺その写真見たことなくて……」
「え? 本当? 見てよ、これ。凄くない?」
と言って真中先生が見せてくれた写真は湊くんが青嵐のコスプレをしている写真だった。
嘘……全然知らなかった、いつの間に……
というか、青嵐、かっこよすぎるんですけど!
そういえば昨年サイン会に行ったあと今度は青嵐やってって言われたと湊くん言ってた気がするけど……サイン本に興奮してて覚えてなかった。
「この写真もらっていい?」
「はい、どうぞ! 預かってきたので」
「サインの宛名はどうする?」
「あ……蓮見……いえ、香坂湊でお願いします」
「彼の名前だね」
「はい、お願いします」
先生が横の人になにか言ってる。
するともう一冊新刊を持ってきて、
「君の名前は……蓮見悠馬くんで合ってる?」
真中先生がリストのようなものを確認してる。
「え、あ、はい、蓮見悠馬です」
「そうそう、君の名前昨年書いたよね。はい、どうぞ」
「え? 二冊?」
「そう、君と彼の分。彼に渡してもらえる?」
「はい! ありがとうございます! 喜びます!」
お礼を言って帰ろうとする俺に、
「あ! 待って! 彼に伝えて、今度は白魔で頼む」
と真中先生がリクエストする。
「はい、必ず伝えます!」
ぴょんぴょん飛び跳ねたくなるくらい高揚してる。
凄い、真中先生凄い!
湊くん、凄え! 超かっこいい!
最寄りの駅まで一緒に来ている湊くんはどこで待ってるんだろう。
会ったら抱きついてキスしちゃいそう。
俺の彼氏がかっこよすぎる!
っていうかコスプレやるなら声かけてよ、見たいじゃん。きっと愛莉さんも噛んでるはずだし、浅野さんも。教えてくれないの酷くない?
白魔やる時には絶対見せてもらうからね!
会いたいけど会いたくない、この推しへの拗らせた感情わかる?
お会いできるなんて畏れ多い……
今日俺はサイン会に来ている。
そう、真中左右先生のサイン会にやっとやっとやっと当選したのだ。
嬉しいっ! めちゃくちゃ嬉しいっ!
でも緊張で吐きそう。
昨年湊くんが当選して俺の名前でサイン本を貰ってきてくれた。あれは嬉しかったなあ。
今回は俺が……と思ったけど普通に自分の名前を書いてもらうつもり。ごめん、湊くん。
サイン会に行くと言った数日後、湊くんから封筒を渡された。
「これ真中先生に渡してもらえる?」
手紙を渡すのはOKだから喜んで引き受けた。
でも、なんかおかしなこと言ってた。
「霧人が青嵐やりましたって言って」
は?
「言えばきっとわかってくれるから」
もうすぐ俺の順番になる、吐きそう。
俺が呼ばれる。
他の人から見えないよう囲いがしてあるところへ通される。
はわわわ! 真中先生だ!
想像と全然違った、想像の数倍かっこいい! この人があんなかっこいい漫画描いてるの? 凄え! 興奮しまくって大事なことを忘れるところだった。
「あの、いつも応援してます」
「ありがとう」
「あの、あの、今日来れなかった恋人からこれ預かってきたんですけど、受け取ってもらえますか?」
スタッフの人かな? 担当さんなのかな? 隣の人に手紙が渡る。
「あ、あの伝言もあって『霧人が青嵐やりました』そういえば真中先生わかってくれるって言ってました」
「え?」
真中先生、キョトンとしてる。
湊くん……本当にこれで伝わるの?
俺おかしなこと言ってる人になってない?
めちゃくちゃ不安になってきた、吐きそう。
「え? え! 嘘! あの人かな?」
横のスタッフさんだか担当さんだかも、
「……あ、ああ! あの彼かも!」
と言ってる。
「そうだよね? 彼だよね?」
なに言ってるのかわからない。
真中先生が、
「この手紙開けてもいいかな?」
と俺に聞く。
「はい! どうぞ!」
俺も中身を知らない。
湊くん、なに書いたの?
「やっぱり! 凄え! やってくれた!」
真中先生が横の人とワーワー言ってる。
なんだ?
今度はこっちがキョトンとする番だ。
そんな俺に気づいた真中先生が、
「ごめんね、こっちで勝手に盛り上がっちゃって。これ預けた恋人って彼氏だよね?」
と聞いてきた。
「はい」
「その彼、昨年サイン会来てくれて恋人の名前でサインを書いて欲しいって頼んできたんだよ。その時に霧人のコスプレしてる写真見せてくれて、それがかっこよくてね。俺、あんまりコスプレって好きじゃないんだ、偽物感凄くて、偏見だけど。でも彼のはかっこよかった。完璧だったし感動すらしちゃった。だから今度は青嵐やってくれって俺リクエストしちゃったんだ。
……え? あ? あれ? ちょっと待ってよ、あの時彼、恋人が雫やったって言ったよね?」
横の人に確認してる。
「言ってましたね、言ってた! 言ってました! ええっ!?」
急に真中先生が小声になる。
「もしかして君が雫やった?」
「……はい」
「マジで!?」
まあまあでかい声で叫ぶ。
「めっちゃかわいかったからさー、男の人だとは思わなかった!」
「あの……どうか秘密でお願いします……」
「言わない、言わない! そうかあ、君かあ、凄えなあ」
「はあ」
「まさか本当に青嵐もやってくれるとは思わなかった。超かっこいい! これSNSとかに出てないよね?」
「すみません、俺その写真見たことなくて……」
「え? 本当? 見てよ、これ。凄くない?」
と言って真中先生が見せてくれた写真は湊くんが青嵐のコスプレをしている写真だった。
嘘……全然知らなかった、いつの間に……
というか、青嵐、かっこよすぎるんですけど!
そういえば昨年サイン会に行ったあと今度は青嵐やってって言われたと湊くん言ってた気がするけど……サイン本に興奮してて覚えてなかった。
「この写真もらっていい?」
「はい、どうぞ! 預かってきたので」
「サインの宛名はどうする?」
「あ……蓮見……いえ、香坂湊でお願いします」
「彼の名前だね」
「はい、お願いします」
先生が横の人になにか言ってる。
するともう一冊新刊を持ってきて、
「君の名前は……蓮見悠馬くんで合ってる?」
真中先生がリストのようなものを確認してる。
「え、あ、はい、蓮見悠馬です」
「そうそう、君の名前昨年書いたよね。はい、どうぞ」
「え? 二冊?」
「そう、君と彼の分。彼に渡してもらえる?」
「はい! ありがとうございます! 喜びます!」
お礼を言って帰ろうとする俺に、
「あ! 待って! 彼に伝えて、今度は白魔で頼む」
と真中先生がリクエストする。
「はい、必ず伝えます!」
ぴょんぴょん飛び跳ねたくなるくらい高揚してる。
凄い、真中先生凄い!
湊くん、凄え! 超かっこいい!
最寄りの駅まで一緒に来ている湊くんはどこで待ってるんだろう。
会ったら抱きついてキスしちゃいそう。
俺の彼氏がかっこよすぎる!
っていうかコスプレやるなら声かけてよ、見たいじゃん。きっと愛莉さんも噛んでるはずだし、浅野さんも。教えてくれないの酷くない?
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