好きを教えて

秋臣

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胸の高鳴り

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片付け終えて、コーヒーを淹れる。
最近美味しいコーヒーを飲んで、コーヒーが好きになってきた。
自分でも美味しく淹れたくて試行錯誤してる。
頼は、
「才の淹れるコーヒーは美味い」
といつも褒めてくれる。
だから少し自信あるんだ。

「京さん、どうぞ」
「おっ、これが噂の才のコーヒーか」
「うん」
「頼が美味いんだぞって言ってたから飲んでみたかったんだよな」
「どうぞ」
「いただきます」
頼だから美味しいって言ってくれてる気もしなくもない。

「へえ」
「どう?」
「才は酸味のあるコーヒーより苦味のある方が好きなのか?」
「そうなのかな? よくわからないけど、その豆が美味しいと思ってる。美味しくない?」
「うん、俺もこのコーヒー好きだわ、俺の好み」
「本当?」
「うん、美味いよ」
「よかった!」
「ここに来れば飲めるのか?」
「うん!」
「じゃあ、また来ないとな」

京さんがふにゃっと笑う。

トクン

あ……

トクントクン

あ……あ……
胸がキュッとする。

ドクンドクンドクンドクン

待って……速い、心臓速い……


「どうした? 暑いのか?」
ふるふると首を振る。
違う……けど熱い……
「ちょっと部屋暑いか? エアコン入れる? 鍋食ってコーヒー飲んだから体が熱くなっちゃったか?」

熱い。

「熱い……」
「大丈夫か? 少し横になるか?」
「熱い」
「ベッドで横になれ、な?」
そう言って部屋まで連れて行ってくれる。
 
熱い、熱い、熱い……

部屋に入る。
俺は京さんにもたれかかる。
ドクンドクン。
「才?」
体を支えてくれてる。
「京さん」
「ん? なんだ? 今エアコンつけるからな」
ドクンドクンドクンドクン。
「んん」
「え……」
俺は京さんにキスをした。


「才!」
すぐ体を離される。
「お前なにしてんだ!」
「京さん」
「なんだ? どうした?」
「俺、京さん好き」
「え?」
「京さんが好きみたい」
「おい、落ち着け」
「落ち着けない、心臓がドクンドクン言ってて落ち着いてくれない」
「才、俺は……」
「京さんは俺嫌い?」
「嫌いなわけないだろ」
「じゃあキスして」
俺は京さんの唇に俺の唇を重ねる。

キスはしたことある、チュッという軽いやつ。
でも体がそんなんじゃないって言う。
言ってる気がする。
前に見た頼と京さんがしてたみたいな濃厚なやつが欲しい。
舌入れるんだっけ?

自然とできた、京さんの舌に俺の舌が触れた時、あのお腹のモゾモゾが来た。
いつもよりずっと強いモゾモゾ。
京さんが離れようともがく。
嫌だ!
俺は京さんを強く抱きしめながら口の中を貪る。
だって止まらないんだ。
止まらなくていい、止めたくない。

まだエアコンが効いていない部屋は暑いけど、それ以上に俺の全てが熱い。

お願い、離れないで、俺と繋がってて。


その時ガレージの方でエンジン音が聞こえた。
頼?
エンジン音が止まる。

「才!」
京さんが俺から離れる。
怒ってるような、悲しそうな顔してる。

「頼にはなにも言わない」
「……」
「言えない……」
「頼む……」

なにを?
京さんはなにを言えないの?
なにを頼んでるの?

「先にリビングに戻る」
と言って部屋を出て行った。


「あれえ? なんで京がいんの?」
「才が飯食おうって呼んでくれた」
「才が? 京を? 俺がいる時に来いよ」
「お前がいるとダメなんだよ」
「なんでよ」
「もつ鍋食いたかったんだってさ」
「あー……それはすみませんでした」
「もつ、食ってやれよw美味そうに食ってたぞ」
「その才はどこ行った?」
「……もつ鍋食って、才が淹れてくれたコーヒー飲んだら体熱くなっちゃったみたい、部屋で横になってる」
「あいつはバカか?」
「そう言うなよ、才のコーヒー美味いな」
「だろ? 美味いんだよ。さすが俺の才」
「……」
「黙るな」
「うはは!」
「ちょっと様子見てくる」
「じゃあ俺は帰るよ」
「え? もう?」
「なんだよ、いて欲しいのか?」
にやっと京が笑う。
「帰れ帰れ」
「才にもつ鍋とコーヒーご馳走さんって伝えて」
「おう」
「じゃあな」
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