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貸切
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そんなことがあって頼は松の湯に通ってる。
店で散々人の裸は見ているが、風呂で裸を見るのは訳が違う。
さすがの頼も照れるらしい、生々しいんだって。
頼はモテる。ものすごいイケメンってわけではないけど、雰囲気がかっこいいと思う。
参観とかで学校に来るとお母さんたちが騒つくし、クラスの女子もキャーキャー言う。男子もちょっとソワソワしてたりする。
まあ確かに若くは見えるけど、そんなか?
京さんにそう言うと、
「お前はずっと一緒にいるからそう思うだけで、頼は普通にイケメンだぞ?」
と言う。
そうなのか。
その頼が突如番台に現れた。
頼も照れるが客も照れる。
なぜか男も照れてるらしい。
しかし、客足は伸びた。
六さん大喜び。
毎日帰ってくると、
「裸はもういい」
と言ってる。
「見放題じゃん」
と揶揄うと、
「お腹いっぱい」
とぐったりしてる。
頼は六さんとの約束通り一週間番台に入った。
「んじゃ第4日曜な」
「本当にありがとう、よろしくお願いします!」
やっとお知らせが出せるようになった頼は、また忙しなくシールとお知らせの郵送とメール発信などに追われることになった。
京さんにも連絡がいったらしい。
「おもしろいことするじゃん」
「だろ? 2時間だけだけどな」
「入れない者にとってはその2時間がありがたい」
「その日だけだから入りに来いよ」
「都合つけて行くよ」
「俺、番台にいるから」
「裸見放題じゃん」
「才と同じこと言うなw」
「俺、才とレベル一緒かw」
見上さんにも連絡しないとな。
見上さんの住所もカルテに記載があるが、深町さんに連絡を取る。
「うちの店が15周年を迎えるので、タトゥーを入れている人も銭湯に入れるイベントをやります。
7月の第4日曜日23時から店の近くにある松の湯という銭湯を貸し切ってます。入りに来ませんか? と見上さんにお伝え願えますか?」
「大変申し訳ございませんが、一般客とはちょっと…」
深町さんが難色を示す。
だよな。
そう思って対策を取った。
「23時からは見上さんのみです」
「え?」
「他の客は23時までです、一緒にはなりません」
「もしかして見上のためにですか?」
「見上さんも他のお客さんも俺にとってはみんな大切なお客さんなので、見上さんだけ入れないのは嫌です。遅い時間で恐縮ですが入りに来ませんか? 俺も入りますので。その時間の番台は才がやります。
関係者しかいません。深町さんもよろしければ是非ご一緒にどうですか?」
そう、見上さん一人で入らせるなんてそんな侘しいことできないから俺が一緒に入ることにしたのだ。が、そうすると番台がいなくなってしまう。
どうしようかなと思っていたら、
「俺が番台に入るよ」
と才が助け舟を出してくれた。
ありがたい、素直に甘えることにした。
「あとは見上さんの判断に任せますので、そうお伝えください」
「……承知いたしました、伝えます」
見上さん来なかったら才と風呂入ろう。
それでいい。
「見上さん」
「ん?」
「頼さんから伝言を預かりました」
「なんだ」
「7月の第4日曜日23時、頼さんの店近くの松の湯という銭湯を貸し切っているそうです。
風呂に入りに来ませんか? とのことです」
「は?」
「頼さんの店の15周年祝いでタトゥーを入れてる人でも銭湯に入れるように貸し切ったそうです。23時からは見上さんのみの貸切とのことです」
「俺だけ?」
「他の客と会わないよう、配慮していただいたようです。頼さんも一緒に風呂に入り、番台は才くんがやるそうです」
ふっ
ふは
あはははは!
「ヤクザにそこまでするか?」
自虐的に笑う。
「見上さんも他の客も頼さんにとっては皆大切なお客様だそうです」
「……」
「たまには大きな風呂でゆっくり湯に浸かるのもいいかもしれません」
「……」
「私も脱衣所に待機します」
「……」
「護衛も増やします」
「……」
「どうか頼さんのご厚意に報いていただけないでしょうか」
「どうしてそんなに頼ちゃんの肩を持つ?」
「……上手く言えませんが、あの方は最初からずっとフラットなので……相手が誰であろうと自分のスタンスを変えない、そういった存在の方は稀有かと……」
ふっ
「あの坊主の育ての親だからな」
「そうですね、真っ直ぐです」
「深町」
「はい」
「調整頼む」
「はい、承知しました」
おじいちゃんちで俺の誕生日と内定祝いをしてもらった。
みんな喜んでくれてる、頑張ってよかった。
久しぶりに頼は飲んじゃったから帰りは俺が運転。
明日は頼の店の15周年記念日。
本当はその日に銭湯企画をやりたかったけど、そう都合よくいかず、六さんが協力してくれる日になった。
頼が案内を出すと、
「行きます!」
「私も行っていいんですか? 大丈夫ですか?」
「入らないけど会いに行きます」
とかたくさん返事が来たみたい。
頼、嬉しそうにしてた。
見た目怖い人が多いけど、本当は優しい人ばかり。店で怖い思いしたことないもん。
頼に覗くな!って言われてデコピンされる時以外は。
みんな楽しんでくれるといいね、頼。
店で散々人の裸は見ているが、風呂で裸を見るのは訳が違う。
さすがの頼も照れるらしい、生々しいんだって。
頼はモテる。ものすごいイケメンってわけではないけど、雰囲気がかっこいいと思う。
参観とかで学校に来るとお母さんたちが騒つくし、クラスの女子もキャーキャー言う。男子もちょっとソワソワしてたりする。
まあ確かに若くは見えるけど、そんなか?
京さんにそう言うと、
「お前はずっと一緒にいるからそう思うだけで、頼は普通にイケメンだぞ?」
と言う。
そうなのか。
その頼が突如番台に現れた。
頼も照れるが客も照れる。
なぜか男も照れてるらしい。
しかし、客足は伸びた。
六さん大喜び。
毎日帰ってくると、
「裸はもういい」
と言ってる。
「見放題じゃん」
と揶揄うと、
「お腹いっぱい」
とぐったりしてる。
頼は六さんとの約束通り一週間番台に入った。
「んじゃ第4日曜な」
「本当にありがとう、よろしくお願いします!」
やっとお知らせが出せるようになった頼は、また忙しなくシールとお知らせの郵送とメール発信などに追われることになった。
京さんにも連絡がいったらしい。
「おもしろいことするじゃん」
「だろ? 2時間だけだけどな」
「入れない者にとってはその2時間がありがたい」
「その日だけだから入りに来いよ」
「都合つけて行くよ」
「俺、番台にいるから」
「裸見放題じゃん」
「才と同じこと言うなw」
「俺、才とレベル一緒かw」
見上さんにも連絡しないとな。
見上さんの住所もカルテに記載があるが、深町さんに連絡を取る。
「うちの店が15周年を迎えるので、タトゥーを入れている人も銭湯に入れるイベントをやります。
7月の第4日曜日23時から店の近くにある松の湯という銭湯を貸し切ってます。入りに来ませんか? と見上さんにお伝え願えますか?」
「大変申し訳ございませんが、一般客とはちょっと…」
深町さんが難色を示す。
だよな。
そう思って対策を取った。
「23時からは見上さんのみです」
「え?」
「他の客は23時までです、一緒にはなりません」
「もしかして見上のためにですか?」
「見上さんも他のお客さんも俺にとってはみんな大切なお客さんなので、見上さんだけ入れないのは嫌です。遅い時間で恐縮ですが入りに来ませんか? 俺も入りますので。その時間の番台は才がやります。
関係者しかいません。深町さんもよろしければ是非ご一緒にどうですか?」
そう、見上さん一人で入らせるなんてそんな侘しいことできないから俺が一緒に入ることにしたのだ。が、そうすると番台がいなくなってしまう。
どうしようかなと思っていたら、
「俺が番台に入るよ」
と才が助け舟を出してくれた。
ありがたい、素直に甘えることにした。
「あとは見上さんの判断に任せますので、そうお伝えください」
「……承知いたしました、伝えます」
見上さん来なかったら才と風呂入ろう。
それでいい。
「見上さん」
「ん?」
「頼さんから伝言を預かりました」
「なんだ」
「7月の第4日曜日23時、頼さんの店近くの松の湯という銭湯を貸し切っているそうです。
風呂に入りに来ませんか? とのことです」
「は?」
「頼さんの店の15周年祝いでタトゥーを入れてる人でも銭湯に入れるように貸し切ったそうです。23時からは見上さんのみの貸切とのことです」
「俺だけ?」
「他の客と会わないよう、配慮していただいたようです。頼さんも一緒に風呂に入り、番台は才くんがやるそうです」
ふっ
ふは
あはははは!
「ヤクザにそこまでするか?」
自虐的に笑う。
「見上さんも他の客も頼さんにとっては皆大切なお客様だそうです」
「……」
「たまには大きな風呂でゆっくり湯に浸かるのもいいかもしれません」
「……」
「私も脱衣所に待機します」
「……」
「護衛も増やします」
「……」
「どうか頼さんのご厚意に報いていただけないでしょうか」
「どうしてそんなに頼ちゃんの肩を持つ?」
「……上手く言えませんが、あの方は最初からずっとフラットなので……相手が誰であろうと自分のスタンスを変えない、そういった存在の方は稀有かと……」
ふっ
「あの坊主の育ての親だからな」
「そうですね、真っ直ぐです」
「深町」
「はい」
「調整頼む」
「はい、承知しました」
おじいちゃんちで俺の誕生日と内定祝いをしてもらった。
みんな喜んでくれてる、頑張ってよかった。
久しぶりに頼は飲んじゃったから帰りは俺が運転。
明日は頼の店の15周年記念日。
本当はその日に銭湯企画をやりたかったけど、そう都合よくいかず、六さんが協力してくれる日になった。
頼が案内を出すと、
「行きます!」
「私も行っていいんですか? 大丈夫ですか?」
「入らないけど会いに行きます」
とかたくさん返事が来たみたい。
頼、嬉しそうにしてた。
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