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おまけ
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ま…まなざしが
さ…最上級に
き…綺麗です
しょ…生涯俺と
う…美味い
ご…ご飯を食べましょう
評価
☆☆☆☆☆
★一つも付けたくない。
中ニか。
うわああああ
また来た…
我ながら酷すぎてドン引きする。
これは俺が匠吾に書いたラブレターだ。
匠吾と何度か一緒に仕事をするうちに、この人いいな、素敵だなと思い始め、いつの間にか好きになっていた。
恋心を自覚したら止まらなくなった。
なんとか振り向いて欲しくてあの手この手でアプローチするもうまくいかない。
俺は編集、仕事を依頼した時には当然出来上がった本を必ず献本する。
一冊なんてケチくさいことはしない、数冊渡す。
そしてその中にこっそり手紙を忍ばせる。
うっかり会社の本棚に入ったら大変なので、真崎さん用の恋文入り本には『真崎さんへ』と付箋を貼ってアピールする。
「いつも何冊もありがとう」
と言ってくれるのだが、それだけ。
あれ?手紙への反応が全くない。
照れてるのかな?
かわいい。
俺は恋するとポジティブシンキングになるようだ。
紆余曲折あり、晴れて恋人となってから知ったのだが、匠吾は手紙の存在に全く気づいていなかった。
それと言うのも、仕事で何度も読み返しているので完成本は読んでいなかったのだ。
見ていたのは完成した装丁だけだった。
なぜ気づかなかったのだ…
ちょっと考えればそれくらいわかるだろ、俺…
同棲してからその恥晒しなラブレターを回収しようと匠吾の仕事部屋に侵入するも、
「仕事の邪魔しないで、気が散る」
と一蹴されてしまう。
そもそもどの本に入れたのか探し出すのが至難の業だ。
匠吾の仕事柄、本は莫大にある。
その埋もれたはずのラブレターがなぜか今、日の目を見ている。
「発見!」
というタイトルと共に俺のスマホに写真が送られてくる。
ご丁寧に評価付きだ。
今回の都々逸もそれだ。
人のラブレターを暴き出すという悪魔の所業ような真似をする奴はこいつしかいない。
朝都くんだ。
匠吾の仕事部屋に俺以上に入り浸る彼は、就活のため本をたくさん読みたい、勉強したいと、最もらしいことを言って匠吾のアシスタントのように甲斐甲斐しく世話を焼く。
これに関して俺は何も言えない。
こうなってるのは俺が匠吾を置いていったからに他ならないからだ。
自業自得。
俺はなぜ何も言わずに行ったのだろう。
説明すればわかってくれたはずなのに。
待ってて欲しいと一言言えば良かったのに。
多分、あの時の俺は匠吾を守れるのは俺だけだという自分に酔いまくってた。
その隙間につけ込まれた。
いや、この言い方は語弊がある。
朝都くんは匠吾を支えてくれていたのだ。
感謝しなければいけない。
朝都くんはそんな俺の弱いところを的確に突いてくる。
その一つがラブレター漁りだ。
発端は偶然朝都くんが借りた本の中にラブレターが挟まっていたことから始まる。
それを俺の前で朗読しやがった。
悪魔のような満面の笑みで。
匠吾が席を外した瞬間、
「読みます」
と言い出した。
なんだ?と思っていたら、
「真崎さん、あなたはとても素敵な人だ。
と同時に罪深き人でもあります。
そう、あなたは盗んだのです、私の心を。
いえ、返さなくていいのです。
盗んだものはあなたのものなのです。
どうかせめて大事にしてやってください。
あなたのそばに私の心だけでもいられるのなら、私は幸せなのです。
それが私の本望なのです」
わあああああああ!!
やめてくれ!頼む!!
「なんすか、これ。銭◯のとっつぁんかよw
『~なのです』だらけなのです。
盗んだんじゃなくて、心が先走ってストーカーしてるんでしょ。勝手に居着いてるんでしょ。心が野良猫」
こいつ…匠吾の前と態度が違いすぎる。
しかし評価が的確、視点が正しい。
編集者として有望。
ぐぬぬ…
「お前…それをどこで…」
「本に挟まってました」
「返せ!」
「んん?返せってことは書いたのは美作さんなんだあ、そっかあ」
「お前、わかっててやってんだろ!」
「え~なんのことかなあ、わかんなーい」
「なになに?何してんの?なんか二人仲良いよね」
何も知らない匠吾はにこにこしてる。
「匠吾さーん、今日は三冊くらい借りてもいい?」
「朝都は割と速読だよね」
「そうかな」
「速読って編集だと役立つよね?永嗣」
「まあ…そうだな。でも読むのが早くても理解できてなきゃ意味ないけどな」
「それは大丈夫、俺感想聞くけど、朝都ちゃんと理解できてるよ」
「えへへ」
匠吾、こいつの犬みたいな人懐っこさに騙されるな。
ラブレター恥晒しはエスカレートし、
ある時は朝起きたら寝室のドアに貼リ出されていた。
またある時は、
「好き好き大好き~♪」
とラブレターを歌にして歌ってた。
この…クソガキ!
一回り年が離れてるので、ちょっとムキになって怒ると、匠吾に嗜められる。
「大人なんだからやめなよ」
だって、そいつがいじめるんだもん!
それなのに、
「美作さんがいじめる~、助けて~匠吾さ~ん」
と朝都くんは匠吾と戯れてる。
恩はある。
だが、それはそれ、これはこれだ。
許さんぞ。
俺の匠吾だ、返せ!
首根っこを掴んでポイする。
「何すんだよ!」
噛み付く朝都くんに俺は優しく微笑む。
訝しむ朝都くんを尻目に、匠吾を抱きしめ、ぶちゅーとキスする。
ぷるぷる震えて悔しがる朝都くん。
いやあ、大人げないけど胸がすく!
「やめろっ!」
怒った匠吾に殴られるがこれでいい。
殴られた痛みもご褒美だ。
ざまあみろ、匠吾は俺のもんだ。
さ…最上級に
き…綺麗です
しょ…生涯俺と
う…美味い
ご…ご飯を食べましょう
評価
☆☆☆☆☆
★一つも付けたくない。
中ニか。
うわああああ
また来た…
我ながら酷すぎてドン引きする。
これは俺が匠吾に書いたラブレターだ。
匠吾と何度か一緒に仕事をするうちに、この人いいな、素敵だなと思い始め、いつの間にか好きになっていた。
恋心を自覚したら止まらなくなった。
なんとか振り向いて欲しくてあの手この手でアプローチするもうまくいかない。
俺は編集、仕事を依頼した時には当然出来上がった本を必ず献本する。
一冊なんてケチくさいことはしない、数冊渡す。
そしてその中にこっそり手紙を忍ばせる。
うっかり会社の本棚に入ったら大変なので、真崎さん用の恋文入り本には『真崎さんへ』と付箋を貼ってアピールする。
「いつも何冊もありがとう」
と言ってくれるのだが、それだけ。
あれ?手紙への反応が全くない。
照れてるのかな?
かわいい。
俺は恋するとポジティブシンキングになるようだ。
紆余曲折あり、晴れて恋人となってから知ったのだが、匠吾は手紙の存在に全く気づいていなかった。
それと言うのも、仕事で何度も読み返しているので完成本は読んでいなかったのだ。
見ていたのは完成した装丁だけだった。
なぜ気づかなかったのだ…
ちょっと考えればそれくらいわかるだろ、俺…
同棲してからその恥晒しなラブレターを回収しようと匠吾の仕事部屋に侵入するも、
「仕事の邪魔しないで、気が散る」
と一蹴されてしまう。
そもそもどの本に入れたのか探し出すのが至難の業だ。
匠吾の仕事柄、本は莫大にある。
その埋もれたはずのラブレターがなぜか今、日の目を見ている。
「発見!」
というタイトルと共に俺のスマホに写真が送られてくる。
ご丁寧に評価付きだ。
今回の都々逸もそれだ。
人のラブレターを暴き出すという悪魔の所業ような真似をする奴はこいつしかいない。
朝都くんだ。
匠吾の仕事部屋に俺以上に入り浸る彼は、就活のため本をたくさん読みたい、勉強したいと、最もらしいことを言って匠吾のアシスタントのように甲斐甲斐しく世話を焼く。
これに関して俺は何も言えない。
こうなってるのは俺が匠吾を置いていったからに他ならないからだ。
自業自得。
俺はなぜ何も言わずに行ったのだろう。
説明すればわかってくれたはずなのに。
待ってて欲しいと一言言えば良かったのに。
多分、あの時の俺は匠吾を守れるのは俺だけだという自分に酔いまくってた。
その隙間につけ込まれた。
いや、この言い方は語弊がある。
朝都くんは匠吾を支えてくれていたのだ。
感謝しなければいけない。
朝都くんはそんな俺の弱いところを的確に突いてくる。
その一つがラブレター漁りだ。
発端は偶然朝都くんが借りた本の中にラブレターが挟まっていたことから始まる。
それを俺の前で朗読しやがった。
悪魔のような満面の笑みで。
匠吾が席を外した瞬間、
「読みます」
と言い出した。
なんだ?と思っていたら、
「真崎さん、あなたはとても素敵な人だ。
と同時に罪深き人でもあります。
そう、あなたは盗んだのです、私の心を。
いえ、返さなくていいのです。
盗んだものはあなたのものなのです。
どうかせめて大事にしてやってください。
あなたのそばに私の心だけでもいられるのなら、私は幸せなのです。
それが私の本望なのです」
わあああああああ!!
やめてくれ!頼む!!
「なんすか、これ。銭◯のとっつぁんかよw
『~なのです』だらけなのです。
盗んだんじゃなくて、心が先走ってストーカーしてるんでしょ。勝手に居着いてるんでしょ。心が野良猫」
こいつ…匠吾の前と態度が違いすぎる。
しかし評価が的確、視点が正しい。
編集者として有望。
ぐぬぬ…
「お前…それをどこで…」
「本に挟まってました」
「返せ!」
「んん?返せってことは書いたのは美作さんなんだあ、そっかあ」
「お前、わかっててやってんだろ!」
「え~なんのことかなあ、わかんなーい」
「なになに?何してんの?なんか二人仲良いよね」
何も知らない匠吾はにこにこしてる。
「匠吾さーん、今日は三冊くらい借りてもいい?」
「朝都は割と速読だよね」
「そうかな」
「速読って編集だと役立つよね?永嗣」
「まあ…そうだな。でも読むのが早くても理解できてなきゃ意味ないけどな」
「それは大丈夫、俺感想聞くけど、朝都ちゃんと理解できてるよ」
「えへへ」
匠吾、こいつの犬みたいな人懐っこさに騙されるな。
ラブレター恥晒しはエスカレートし、
ある時は朝起きたら寝室のドアに貼リ出されていた。
またある時は、
「好き好き大好き~♪」
とラブレターを歌にして歌ってた。
この…クソガキ!
一回り年が離れてるので、ちょっとムキになって怒ると、匠吾に嗜められる。
「大人なんだからやめなよ」
だって、そいつがいじめるんだもん!
それなのに、
「美作さんがいじめる~、助けて~匠吾さ~ん」
と朝都くんは匠吾と戯れてる。
恩はある。
だが、それはそれ、これはこれだ。
許さんぞ。
俺の匠吾だ、返せ!
首根っこを掴んでポイする。
「何すんだよ!」
噛み付く朝都くんに俺は優しく微笑む。
訝しむ朝都くんを尻目に、匠吾を抱きしめ、ぶちゅーとキスする。
ぷるぷる震えて悔しがる朝都くん。
いやあ、大人げないけど胸がすく!
「やめろっ!」
怒った匠吾に殴られるがこれでいい。
殴られた痛みもご褒美だ。
ざまあみろ、匠吾は俺のもんだ。
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